ETの未来主義ブログ

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2012.11.18
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カテゴリ: 消費

復興特需だけではない。卸の復活

 普段の生活では目につくことの少ない黒子の存在だが、卸売業の業績が回復している。専門紙の日経MJの調査によると11年度の全業種合計の売上高は昨年度に比べ3.1%の増加、営業利益も約20%伸びた。2年連続での増収増益だから特需効果ではない。東日本大震災後の需要の反動増に加え、この1年間の卸各社の消費者に近づこうとする事業努力が奏効したものと考えるべきだ。努力の第一は地道な内部コスト削減がある。例えば日用品卸のパルタックが神奈川県にもつ最新鋭の物流センターの誤配送確率は10万回に1回、業界平均のおよそ10倍だ。常時25000種の在庫をもち4000近い配送先があっての数字だから驚異的と言わざるを得ない。卸の復活を促した第2の要因は積極的な商品開発である。例えば食品卸の日本アクセス。同社の展示会にはNBメーカーのブースを圧倒するように種類豊富なPB商品が並ぶ。アクセスが国内の食品メーカー100社以上と共同開発した新ブランド「バリュープロミス」だ。規模の制約から自社でPB開発に限界のあるローカル・スーパーマーケットや百貨店からの評判は好意的である。不要論の声は止まるところはないが、どっこい卸は強かに存在感を主張している。


出版不況で進む取次ぎの業績格差

 11年の本や雑誌の市場規模はピーク96年と比べ3分の2に縮んだ。このさなか取次ぎ卸2強の業績力が逆転した。07年3月期に日販を純利益額で2倍近くも上回ったトーハンだがその後は凋落、12年3月期には純利益が16億円あまりとなり日販の32億円の2分の1にまで落ち込んだ。この逆転の要因は明確である。出版卸は利益を上げるためには書店からの返本を低下させることが生命線となる。現状のトーハンの返品率は約39%、日販は33%だ。この差が両社の収益力の格差を生み出しているのだ。日販は10年4月から返品率を下げるため飴と鞭の方策を始めた。すなわち返品の少ない書店には報奨金を払う一方で予め取り決めた数値以上に高まった書店には違約金を要求したのである。トーハンが同じような手法を採用したのは翌11年夏だった。ところでトーハンは販売面でも苦境下にある。これまで取引のあった有力チェーンから次々と絶縁を迫られている。丸善、文教堂などが相次いで帳合いを変更する動きに出ている。2強体制が崩れ1社の取次ぎの力が突出することを喜ばない向きも業界にはある。トーハンは改革できるのか。


小売業のメーカー化の流れ

 かつて世界を席巻した日本の家電メーカーが苦悩する。急速に力をつけつつある韓国や中国の新興勢力の前で震えあがるだけのようにも映るの「もの作り日本」の現在である。一方、家電不況は小売業にとって千載一遇の人材獲得の好機だ。例えばベビー用品小売の西松屋チェーンでは09年から家電メーカーの退職技術者を積極採用する。狙いはPB開発だ。従来は商社に漠然とした要望を伝える程度で主体的な関与は技術的に無理があった。その結果、出来上がった商品は使い勝手の点で難があり売れ行きは良くなかった。例えばPBベビーカーはせいぜい3千台も売れば限界というのが実態だった。真のPB開発には理科系人材を内部に取り込む以外にないとの判断から家電メーカーの技術者をスカウトし始めた。好結果はすぐに出た。その後、メーカー品が折り畳み時に指が挟まれるという事故が話題になった。そこで転進社員が中心になり安全性を考慮した商品を発売し、割安さも評価されて同社のヒット商品となった。2年間経過して累計販売は6万台となったのだ。大手製造業のリストラは今後増える。人材が小売業に流れる流れは止まらないであろう。



小売業は接客業というのが原点

 個人的な体験だが最寄りの駅前にあるスーパーにはイライラさせられることが多い。最近ではPBが充実してアメニティは増した。食品などもNB商品と比べても品質は遜色なく言うことはない。難点はレジ行列の長さだ。このスーパーでは夕方のピーク時でもコスト面からか半分以上のレジが稼動しない。うんざりするほど待たされることもある。「なぜ閉鎖レジを開けないのか、手の空いている社員を使え」と苦情を言っても相手はパート社員だからなのか聞く耳はもたず状態である。木で鼻を括るとは彼女たちの態度のことだ。客からの苦情が疎かにされているとしか感じられない。飲食業やサービス業は接客をとりわけ重視する。基本品質の差別化が図り難いからだ。苦情者を顧客に変えようとする気迫がある。小売業でも客にいかに不満足を与えないかということが重視された時代があった。今では小売業はそれよりもPB開発に躍起になっているように見てとれる。満足を与えるよりも不満足の解消を優先させるべきだ。いくら良い商品が並べても不快な店には行きたくないのが客の本音だということ小売業は忘れてはいけない。





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最終更新日  2012.11.18 10:31:07
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