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ベマーデンの沼地先日ふとしたことで騙されて来てから、相当の時間をここで過ごしている。今までとは比べ物にならない凶悪なモンスターが我が者顔で歩き回る姿がどうにも気に入らないというのが一番の理由だが・・・今までとは比べ物にならないほどのアイテムの質がご褒美といったところか。しかし、なんとも気分が悪い。こいつらは、前世では自身の魂を持っていたはずなのに今では神々の悪戯や暴挙とも思える仕打ちによってなんども魂を闇の淵から呼び出されては再生されていく。ただ、なかには再生できなくなる魂もありこの作業はまったくの無駄ではないといったところか。無限に沸き続けると思うほどの怪物の群は、いつの間にか途絶えていた。「・・タ・・・スケてク・・・レ・・・」中には、まだ生前の自我を保つやつまでいる。一般にフォルクと呼ばれるモンスターがそれに当たることがある。ブローニによって木の下僕と化した人間が己の意思とは別にブローニの守護を行う。血の涙を流しながら、それでもなお俺に向かい両腕を振り下ろし続ける哀れな大木を根元からぶち切りとどめをさしてやる。「せめて、魂が戻らないことを祈る。」「うんうん、まったくそのとおりだ~」・・・・・・・。ガバッっと身構えた俺の視線の先には小鳥がいた。いや、小鳥じゃない、こいつは・・・「シューだよ、そのとおりw」・・・・。何がそのとおりなんだよ、と思いながら構えた斧を地面に投げ下ろした。そうだ、街で幾度も目にした彩色の小鳥だ。モノゴツイ戦士が肩に小鳥を携える姿は見ていて噴出しそうなコントラストをかもし出していたのを思い出しそんな自分を戒めた。「まぁ、あきらめろw 俺様はお前の肩に乗るって、もうきめちまったんだよー」といいながら、ふわりと上空を旋回し肩にちょこんと乗る。「お前、い、ままで誰の手でも産まれたことなかったんじゃないのか?」いささか動揺してるらしい途中を噛みながらもいいたいことを伝えた。「ああ、そうさ! 産まれるのは何年ぶりだろう・・・」くりっ と首を傾げながら昔を思い出す素振りをとる。(かわいい・・・・)ハッとして生まれた考えを首をブンブン振ってかき消す。その姿を不思議そうにみながら、シューは言葉を紡ぐ「俺様は昔に一度卵に戻ったんだよ」「そんなことができるのか!?」「はっはー、まぁ 気にするな!」バタバタと羽をはためかせてツンツンと肩をくちばしで叩く「俺様の名前はヴォドだ、よろしくな、相棒!」「む・・・」不本意だが・・・かなり不本意だがしょうがない。「ああ、よろしくな・・」ジクッ頬にクチバシが刺さった。(こいつ・・・)「もっと愛想よくいえーー!」もう、怒る気も失せた。無骨な鎧に蒼い鳥。俺は幸せでも探してるんかい!と突っ込みたくなるような戦士の仲間入りを果たしたことを悔やみつつさらに沼地の奥へ斧を振り回しながら歩いていく。(お前は、前のご主人様によーくにてるよ)ヴォドの声はモンスターの悲鳴と魔法の轟音で聞こえなかったかもしれない。(こんな旅も悪くないかもな。)セシルの呟きも、また同様であったが。そんな二人を、一人の魔術師が冷やかな瞳で遠くの丘から見下ろしていた。「こんなところで会うとはね~」杖を一振りすると、そこに残るのは一陣の風だけであった。
2004/05/31
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フェルモドの閑地を徘徊しながら男は溜息を吐き出した。「この卵、やっぱり呪いの卵だよ・・・」どうやら、こいつは俺に力を与えてくれるらしい。斧を振り下ろす力や様々なパワーに付加を感じる。ただ、それはこいつにも少なからず影響を及ぼしていることもわかった。俺がモンスターに打撃や傷を受けるとこいつも共に傷ついていくそして、耐え切れなくなるとピーピー騒ぎ出すそれが うるさいの何の・・・(やっぱ、もらうんじゃなかったよ・・・)ともあれ、生き物を捨てるような考えは持っていなかったしなにより明日を食いつなぐための金を稼がないといけなかった俺は本能の示すところ ウルフレックを過ぎここ フェルモドにと辿り着いた。ま・・・このシューとかいう煩い卵さえ気にしなければこの閑地はなんとも静かで気持ちのいいものだ。足元に気品のある騎士と老婆の屍を増やしながら己の感覚を研ぎ澄ませて行く。遠くで、貧弱な装備をした聖騎士の断末魔の叫びが聞こえた。昨晩、疲れを癒すために立ち寄った酒場でいかにもという感じの戦士が話していた言葉を思い出した。「ここんとこ、この大陸全土に渡って漂流者が増えてるらしいぜ。」「どうやら、次元の開放が行われたらしい」「神さんたちも、何を考えているのかわからんなぁ」「ははははは! 結構結構!! 活気溢れるのはいいことではないか!!」「俺は 新参者なんて嫌いだがね」「いい子をみつけて、騎士団の目星つけないといけないなぁ・・・」俺には、師匠がいた。幸運なことだ。一歩間違えたら、あの断末魔は俺の喉首から吐き出されていたかもしれない。(そうならないことを祈ろうかね)と、祈りを呟く神の名を口にして、男はまたか!と舌打ちした。先日もそうだった。俺は、前の世界では聖騎士であり、癒しと守りの魔法に長けていた。それは癖であり、習慣であり神の祝福を得るときは、決まり決まってその世界の神の名を口にするのだ。テンプルナイトから胸元の鎧の隙間に刃物をぶち込まれたあと俺はとっさに叫んだ「コエリスよ、汝の祝福と微笑を!」指先から光が発し、驚くスピードで傷は塞がる。はずだった・・・・。しかし、続いたのは自由の利いた右手の襲撃であった。ナイフの軌道は額を砕きその場に新たな碑石を増やすことになる。間一髪で相手の腹を蹴り飛ばし、自分も後ろに吹っ飛ぶナイフが抜けた胸元からは宙に雫がほとばしるほどの鮮血があったが気にしてる暇など、ない。両手を地面について立ち上がり、転がった斧を急いで拾うと肩からやっとの思いで持ち上げ重力で振り下ろし テンプルナイトの首と胴を引き離す。(くっそう・・・)赤い色の薬を塗り傷を塞ぐことは、屈辱以外の何モノでもなかった。しばし、沈黙した後言い訳るようにまだ息のある老婆に言った。「昔からさ、神なんて信じちゃいなかったんだぜ」「俺が聖騎士の魔法を極めたのも、全部 自分のためさ」心臓を先端の尖りで貫き仕留めたあと、また突き刺さる殺気に目を向ける。「そう。」「これが、俺だ」「己の力しか信じてない、はははは!」さも面白そうに笑い声をあげた戦士はなんて不気味だったのだろう。まぁ、その姿をみた亡霊に、口はないが。その夜、闘技場の主人は酒場でこんな話をしたらしい。-おかしなやつもいるもんだな、ひゃはは俺がちょいと街の噂話を耳に入れたら、ほいほいと沼地にいっちまいやがったよベマーデンが沼地でどこにあるのかも知らない戦士、もう戻って来れないだろうよ!!-彼はよほど機嫌がよくなっていたのか、酒を振舞い続けていたらしい街の連中もこう思っていた-この調子じゃ、今日のつけはチャラだな-翌日、背中の袋にどっさりと死戦の証を携えた戦士を見るまでは。
2004/05/30
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ガツンッ数十回目に振り下ろした斧は、奇妙な鳥の姿をした獣人の肩から股にかけてを鋭く引き裂いた。「ぷっはー、なんて斧だよ こりゃ・・・」もちろん、両手にずしりと握り締める斧は 師匠が俺の目の前に置いていった斧である。はじめは・・・と最初はありきたりなアクスを(なぜか最初から手元にあったんだがw)つかってモンスターを倒していた。まぁそれはこの世界の均衡を知るためでもあり同時に師匠からの想いの重さを確かめるための秤だった。そして、獲物を持ち替えた次のメモラはなんとも情けなくマップタツに崩れ落ちたのだった。ガコン!振り向くと、醜いホビットが棍棒を背中に振り下ろしていた。しかし、それも分厚い鋼の鎧に邪魔されて 俺には響くような音の振動でしか感じられなかった。「狙うなら・・・」ザシュッ「頭を狙いな。」振り向きざまの一閃で頭部が吹き飛んだホビットを見た後戦士は軽く自分を責めざるを得なかった。(すまん、おまえの身長じゃ とどかねーよな。。。)やはり、真新しい世界に困惑しながらも戦いの本能は見る見る覚醒していくのがわかる。(もっと強い刺激を)(もっと激しいスリルを)脳から分泌されるアドレナリンは筋肉を沸き躍らせ目を血走らせる。「ここじゃぁ、役不足だな」誰にともなく呟くと 無意識に南に足を進める。その無意識は己の本能であることを強い者を追い求める激しき欲求であることを・・・・男が、その身を返り血で染めてテモズの街へ戻ってくるのにただの1時間も経たなかった。「ちょいと、お兄さん」血の匂いに惹かれて来たのか、いつの間にか小柄な男が傍を固めていた。「見たこと無い顔の割には、いい香水を振りまいてるねぇ」ゲヘヘと下品な笑いを浮かべ、きょろきょろと品定めするような視線を送る「お兄さん、お兄さんのシューはどこにいるんだい? え?」「し、シュー??」聞きなれない言葉を耳にし顔を顰めた俺に向け信じられないといった表情を浮かべ「は! シューを知らないでそんな恐ろしい獲物を振り回しているとは!!」「そうか、うーむ」ぶつぶつと呟くと、小柄な男は後ろのリュックサックからなにやら青い卵をいくつか取り出した。出したいくつかの卵を陽で透かしたり重さを比べたりした後一際艶やかな卵を選ぶと残りを元に戻した。「こいつはな」といって俺の手に卵を握らせた。「いわくつきなんだ。」「どんな男でも、この卵を孵すことができなかったんだよ」グヘヘとまた下品な笑みを浮かべると「やるよ」と賄賂でも渡すかのように卵を手放した。「なんだか、お兄さんに渡るためだけにこの卵があるような気がしてくるよ」先ほどのモンスターから殺し獲ったお金をあわてて渡そうとすると、その手を強引に押し戻され「御代は結構!!」「そいつは、不幸の卵でもあってねもってちゃ幸せになれないんだよ!!」グヘヘヘヘと、今日一番の大声で笑い小柄な男は一言呟いた「いい冥土の土産話、期待してるぜ」いうが早いか、あっという間に男は駆けていってしまった。残された卵をまじまじと見つめながら、呆然とたたずむ戦士が荒れた街の広場にぽつりと立ち続けた。
2004/05/29
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殺伐とした風景のなかで、男は目を覚ました。(どこだよ、ここは。)ふらつく脳味噌を必死で抑えて、片足を軸にしやっとのことで立ち上がる。自分の傷を確かめるため、体中をさすった時そこで、はじめて自分の異変に気がつく。いままで透き通るような白き肌を持っていた腕や足は、赤茶けた色を発し自慢のさらりとした長髪は、縮れた弧を描き肩の下まで伸びていた。そして、ゆったりとした声が響く。「おはよう、セシル。」やぁ。といったふうに手をあげ少し楽しそうな顔をして語りかける男はいつか別れたはずの、俺の師匠だった。彼は、状況を説明してくれた。どうやらこの世界は6つの大陸に別れておりここはそのなかのひとつ、ヘルマーシュ大陸であるということ。俺は、どうやら空間の狭間を通ってきたということ。髪や肌の色は、その影響のようだ。ただ、それでも鍛えぬいた体は変わらず俺にパワーを与えてくれるそれが救いの気がした。「セシル、こいつを読んでごらんよ」といって、渡された紙には奇妙な文字が並んでいた。「すいません、俺には読めない・・・」聞いたことも見たことも無い文字を前に、ここが異世界であることを嫌がおうにも確信してしまった。ルーン文字というらしいその文字は、前の大陸で使われていた文字とはかけ離れていた。これは どうやら夢ではない。「そっかぁ」と、いうと師匠はどこかへと歩き出してしまった。「やぁ、こんにちは」「君がセシル君?」今まで気づかなかった! 師匠の横には二人も屈強な闘士が立っていたことに。一人は屈強な肉体と大振の武器を担ぎ、もう一人は細身の手足と艶かしい容姿を持っていた。二人は代わる代わるこの世界のことを教えてくれた。この世界は、前の世界と違い大まかに3つの職に別れることテモズとクァナトという2つの国家に分かれていることそれ以外にも、色々なことを言ってくれた気がするが動転する戦士の耳には届くはずも無かった・・・・ほどなくして、ランドは駆け足で戻ってくるとセシルの前に鋭い斧と重そうな鎧を置いた。「これをどう使うかは、セシル次第だよw」そして、師匠は小さな声で話し始めた。最強の騎士団を作る夢を新たな世界へ馳せる思いをそれは、男に斧を握らせるには十分な声であった。
2004/05/28
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頼りない足取りで、男は道を歩きつづけてきた。いま、いったい自分がどこを歩いているかもわからない。周りの景色は見たことも無い世界を繰り広げそれは一定周期で移り変わる。(もう、歩けない・・・・)かつて聖騎士と呼ばれた男は、すでにその面影なく痩せこけた頬をさらに窄めて、最後の力を振り絞る。限界に到達した男は、道の真中に大きな音と共に横たわった。いや、男にはそこが道かどうかすらもわからなかった。倒れこみ、そして、眼を瞑った。彼の周りには、瞬く間に死神が漂浪し自慢の鎌をいつ振り下ろせるかと紅き小粒の瞳で期をうかがう。(俺も、終わりか。 思ったより、あっけなかったな。)暗黒の淵へと魂を受け渡そうとした瞬間、男は自らの業を振り返った。留まることすら、祈らずなすがままの魂は無事であるはずがなかった。ただ、そこに暖かき、そして 懐かしき声が響く直前までは。ずっと前に、聞くことは叶わぬと思ったはずの あの声が聞こえるまでは・・・・(セシル、さぁ、起きて。)(さぁ、起きて。 まだ眠るのは、早すぎるよ。)魂が暗黒に染まることは、ついに無かった。
2004/05/27
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