ハリケーン・カトリーナに襲われたニューオーリンズの惨状は、人工衛星を介して、即座に我が家の茶の間で目にすることになった。 このニュースの直後から僕の頭の中で鳴り続けていた曲が、ルイ・アームストロングの作ったもう一つの名曲 "Do You Know What It Means to Miss New Orleans?" だった。でも、僕のところにはサッチモの CD はあるけど、これは入っていない。そうだ。以前しばらくの間、地元のデキシーランド・ジャズのバンドでドラムのお手伝いをしていたとき、たしか、MD でいろんな曲をもらっていたなあと思って、探してみたけど、歌入りはない。 で、それから数ヶ月たってしまって、ハリケーンの話題も随分下火になった頃、Q.いしかわさんのライブでこの曲が聴けたなんて、随分ラッキーだった。なにしろ、フルバージョンで歌の入ったものをきちんと聴いてみたいという欲求が、ハリケーン以来ずっとあったからね。
まず前奏で、が~~ん。と来たね。 あれれ『ミス・ニューオーリンズ(Miss New Orleans)』だよ。 僕にはQ.さんがどうしてこの曲をやろうとしたか、すぐに理解できたから、鳥肌の立つのを感じてしまったね。 Q.さんだって当然、ジャズの発祥の地ニューオーリンズの惨状を見て、黙っていられなかったに決まってる。ピアノの前奏に乗せながら、ニューオーリンズに寄せる想いをボツボツと語るQ.さんの気持ち、ひしひしと伝わってきたなあ。それに続く歌とサックスには、その溢れ出る想いが十分に感じられたのは言うまでもない。 一体誰が、泣かずにこれを聴けただろうか。…などと言いつつ、このわたくし、表面はにこにこしてた。何しろうれしさも半分あったからね。
以前お手伝いしていたデキシーランド・ジャズのバンドでは、この曲は良く演奏した。何しろこれは、そのバンドのテーマで、ライブの始めと終わりに必ずこれをやるのだから、すっかりおなじみの曲というわけだったけど、タイトルはバンドの皆さんがいつも『ミス・ニューオーリンズ(Miss New Orleans)』(←もしかすると邦題かな) と呼んでいたので、この長い正式タイトル "Do You Know What It Means to Miss New Orleans?" の存在には全く気が付かずにいたのだ。 さらに、バンドのテーマで演奏するのは、初めの8小節だけで、ついに1度もフルバージョンではやったことがなかった。 Q.さんが歌い始めて、またまた、が~~ん。 え?Miss New Orleans って、動詞の "miss" だったのかあ! なんとなく、Miss は女性のことを表していると思いこんでいたので、これはびっくりしたなあ。 タイトルをきちんとわかっていたら、こんなことは起こらなかったかもしれないけど、まあそれでも、タイトルだけだとこの Miss は両方にとれないこともない。 ただ、歌を聴いてすぐに動詞の "miss" だと気づくくらい、わかりやすい間違いだったので、結構ショックだった。…と同時に、この歌の良さがさらに心にしみてくるのだ。 『ニューオーリンズを懐かしく思うって、どういうことかわかるかい』で始まるこの歌。きっと今年は全米でいろんな人が思いだして歌っただろうなあ。
そんな折、つい先週のことだけど、スカパーのラジオを聴いていたら、なんとこの曲がかかってね。それがまたじつに味わいがある素晴らしいバージョンだったのよ。一瞬、Q.さんか!と思ってしまった。 でも、演奏はピアノトリオにトロンボーンとアルトサックス。したがってQ.さんではない。 それにしても印象的なトロンボーンだなあ。軽めのサックスも、曲にピッタリで、かなりの名演奏じゃないか。演奏は、Carolyn Breuer & Hermann Breuer …知らないぞ。誰だろう。