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“Stella by Starlight” by Ella Fitzgerald 1961
『星影のステラ』(その 1)の続きです。
まずは “Stella by Starlight” の歌詞を見てみよう。
♪ The song a robin sings
Through years of endless springs
The murmur of a brook at even tide
That ripples by a nook where two lovers hide
A great symphonic theme
That's Stella by starlight and not a dream
My heart and I agree
She's ev'rything on earth to me
本来はバラードでゆっくり歌われるので、歌詞は短いです。
これは「星明りに照らし出された女性ステラがいかに自分にとって素晴らしい存在であるか」を男性の視点で歌い上げている。
もし女性がこの歌を歌詞に沿って歌うとしたら、ステラを男性名に置き換えれば良いのだろうが、流石にそれはできないので、女性歌手はどうしているかというと、例えばうちにあるアニタ・オデイやミーナの場合は、なんと、このまま歌っているのだ。
なるほど英語の歌でもこういうこともあるのだなあと、改めてエラ・フィッツジェラルドの歌詞を聴いたら、これが実は女性から見たステラについて歌っているとも思える、別バージョンになっているではないか。
最後の二行です。
♪ She's all of these and more
She's everything that you would adore
ずいぶん違いますよね。
この歌詞だと「 My heart and I agree ( 僕の心も僕自身も認めるよ ) 」が、「 She's all of these and more (彼女はこれらのすべてかそれ以上の存在だ)」 に置き 変わっているので、 女性が「ステラの素晴らしさ」を歌ったと解釈しても構わない。
しかも、最後に Coda を付けていて、こんな風に歌っています。
♪ Have you seen Stella by starlight with moon in her hair
That's Stella by starlight raptures so rare
このあともう一度「♪ She's all of these and more She's everything that you would adore」を歌って終わる。
しかし、なぜエラは、Coda まで付けるほどこの歌に入れ込んで、自分の持ち歌にしたかったのだろうか。
僕は一つの仮説を立てた。(注意:あくまでも単なる憶測です)
Ella (エラ) と Stella(ステラ) の響きから思いついて、とりあえず辞書に当たってみた。
Ella エラ《女子名》(中略) または, Eleanor あるいは Isabella など -illa 語尾を持つ名の愛称 (リーダーズ英和辞典より)
いやあ、思った通りありましたよ。Stella はまさに「-illa 語尾を持つ名」じゃないですか!
Stella も Ella という愛称で呼ばれることがありうるのだとすると、Ella は以前から Stella という名前に親近感を抱いていたのではないか。
それで、思い入れのあったこの歌を自分らしく歌いたくて歌詞の一部に手を加え、さらに Coda まで付け、満を持してのレコーディングに至った。
などと考えて聴いてみるのも、また楽しからずや。
“Stella by Starlight” by Ella Fitzgerald 1961
近くの公園でお昼を食べてから、睡蓮の池に行ってみたら、ハナショウブ (こちらでの呼び名ははオクラレルカ) がまだ咲いていました。すらりと伸びた姿が美しいですね。こちらにはありませんが、アヤメやカキツバタもいいですね。ジャーマン・アイリスだけは勘弁してください。
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4月9日放送の「穴沢ジョージの “Good Old Music”」のオンエア曲です。
1 . She Understands Me (ジョニー・ティロットソン) 2 . She’d Rather Be with Me (The Turtles)3 . She Put The Hurt on Me (オーティ・レディング) 4 . She’s No Better than Me (シェール) 5 . Give Me a Sign 6.The Same One (以上、Brook Benton)7 . よくあることさ (トム・ジョーンズ) 8. 風に吹かれて (ヘレン・メリル) 9. コートにすみれを (ビリー・ホリデー) 10. La Violate Africaine (ジョー・ダッサン) 11. 涙の紅バラ (ボビー・ヴィントン) 12. Lilacs and Violets (レスリー・ゴーア)
リクエスト曲は、7.酋長Kobaさん。ありがとうございました。
上記以外は穴沢選曲。1.~4.は清明(シーミー)の季節を迎えて、久しぶりにタイトルに sheとme の入った曲の特集。いずれも秀曲。5.&6.はこの日がブルック・ベントンの命日(1988.4.9没,享年56)で。8.は今月の歌。9.~12.は庭のすみれの花が終わり、名残を惜しんで「すみれ(violet)の歌特集」でした。
では、次回もよろしくお願いします。
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