Road to an Agriconsul

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2007年04月29日
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カテゴリ: 村のこと


 そんなことを思っていたら、今朝の朝日新聞に、「女性が生涯に生む子供の数(上位10自治体)―98~02年の平均―」という小さな記事がのっていた。その記事によると、1位が沖縄県の多良間村で3.14人、2位が鹿児島県天城町で2.81人、3位が東京都神津島村で2.51人であり、何と上位19位まで島が占めているということであった。ちなみに3位の神津島村は新島村のお隣の島だが、数年前には新島村の出生率のほうが神津島村より高かったということだったので、新島村も全国的に見てトップレベルの位置にいるに違いない。

 またその記事には書かれていなかったが、上位10位の島の位置を見てみるとすべて国内の南にある島だということに気が付いた。つまり「日本では、島での出生率が高く、尚且つ緯度の低いところにある島の出生率が高い」ということがわかってくるのである。

 ではなぜ島での出生率が高いのだろうか?
 この記事では、多良間村の母親や保健師に「なぜ島は子だくさんなのか」というテーマで聞き取りと調査をしたことについても触れていた。
 当初の予想では「結婚や初産年齢が低い」「3世代同居」「経済的ゆとりがある」ということが言われていたらしいが、調査をしてみるとこれは必ずしもあたっていなかったそうだ。

 それよりは「夫や近所の人が子育てに協力する」「野菜を近所から譲りうけるなど生活費が安い」「子供を大切にする価値観がある」といった要因が大きかったという。
 私は新島の様子を思い浮かべてみて、確かにこの要因はあるかもしれないな、と考えた。

 例えば仕事のスタイルであるが、新島では都会に比べて夜中働いている人というのは非常に少ないのではないだろうか。また電車もないので毎晩終電で帰るなんていう人は当然いない。
 確かに残業している人はいるが、基本的に現場仕事は夕方5時のチャイムを基準に仕事を終えているようであるし、官公庁も夕方5時30分には通常の勤務が終了する。

 また都会では24時間開いているスーパーがたくさんあるようだが、新島ではほとんどの商店は遅くとも19:00には閉まるので、お客はその時間までに買い物を済ます必要がある。しかし19:00に閉まるからといって、家族みんなで一緒に夕食を食べるという生活スタイルであれば、それほど不便を感じることは無い。
 それから野菜や魚などをもらうことも多い。正直言ってこれはかなり食費を引き下げていると考えられる。妻によると我が家では基本的にいただいた食材を中心にその日のメニューを考えるとのことだった。

 さらに、地域の中に子供を大切にする価値観というのも確かにあると思う。
 お年寄りの子供に対する接し方を見ていると、「ちょっと甘やかしすぎではないだろうか~」と思えなくも無いが、狭い地域で暮らしているので、子供が歩いていたりすると、必ず目がそちらのほうへ向いてしまうし、だれがどこのの家の子供かというのもわりあい知られているようである。
 我が家ではよく息子たちが家から脱走するので、度々発見者から直接通報いただく。そういう意味ではご迷惑もお掛けしているのだが、子供を育てるには安心な空間でもある。

 ところで最近のニュースや新聞での報道では、「社会のセーフティーネット」が崩れてきているということが指摘されている。競争原理が叫ばれるなかで、格差が広がり、コミュニティーの機能が低下し、個々人がバラバラになり、その結果社会全体が不安定となっていく。
 そういう視点から見ると、新島はいろいろな場面でまだ「セーフティネット」が維持されいる社会なのかもしれない。

 確かに新島の社会の仕組みには煩わしさを感じることもあるが、「煩わしいもの」は反面「ありがたいもの」でもある。
 新島の社会にはその「ありがたいもの」も多く存在し、その「ありがたいもの」の上に、高出生率という状況がつくりださているのではないだろうか。

 島も時代と共に変わっていかざるをえないし、また変わることも必要だろう。しかしその地域の持つ「ありがたいもの」をきちんと理解していくことを忘れてはいけないと思う。









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最終更新日  2007年04月30日 00時03分43秒
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