Road to an Agriconsul

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2007年05月02日
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カテゴリ: 農業一般
「土の力を低下させないために、田畑には堆肥(有機物)を入れなければいけない。」ということを今では極当たりまえと思っている私も、実際に堆肥というものに接し、堆肥作りを経験したのは、今から15年ぐらい前だった。

 大学2年生の冬休みに、私は東京近郊で有機農業を行っている農家で農業実習をさせていもらう経験を得た。その農家では自分の身の回りで手に入る、藁や落ち葉、また飼育している豚の排泄物を利用して堆肥をつくっていて、私たち実習生もその作業を手伝わせてもらった。 

 それまで私は堆肥というのはただ藁とか糞とかを積んでおけば良いと思っていたが、その農家さんから「藁や落ち葉」と「家畜糞」を積む割合に気をつけなければならないこと、水分にも適正な量があること、またそれらを適時切り返していかなければならないことなどを教えてもらった。そして最終的に、あの積み上げられた藁や糞がしっかりと分解され、まったく無臭のふかふかの物体に生まれ変わってしまっているのを見たときには、とても驚いた。

 まさにそのような完熟堆肥は、地力向上の源となり、結果的には健康な野菜を育て上げることにもつながっていくわけである。 

 ところでそんな経験を経ていく中で、ある時大学の仲間たちと「よい堆肥とはどんな堆肥だろうか」ということを夜の部室で酒を飲みながら話し合ったことがあった。それぞれが自分の経験をもとに、「積み上げた有機物の温度がどのくらいまでに上がったら切り返したほうがよいとか」「よい発酵をさせるには放線菌の役割が大切だ」などなど話はすすみ最終的には「原料にこだわらなければいけない」という結論に至った。

 そして原料ならば「馬糞がいいらしいぞ」とか「松の葉からも良質な堆肥がつくられるらしい」などと、いかにも農学系学生らしい健全な話の展開がすすんで行ったのだが、やはり20歳そこそこの男ばかりの集団、「人糞もよい原料になる」といった話題ぐらいから、話はだんだんシモネタ化していくのである。

 ちょうどその頃は「ブルセラショップ」というのお店が噂になっていた時代である。「人糞を使うならば女子高生のものを原料にしたほうがよい」という話を皮切りに、「いや女子高生ならば誰でもよいというものではない、有名○○女子高のものがよい」とか「そんなんじゃ駄目だ、有名○○女子高の誰々と特定したものでこだわろう」となり、「それじゃ作った堆肥は高校の制服をプリントした袋に詰めて売り出そう」という奴や、「○○高校生の堆肥で作った野菜!!ということで高く販売できるんじゃないか」「新妻・人妻・熟女シリーズもつくろう」といった意見もだび出してきた。

 さてさて時代は過ぎ、先日ある農業系雑誌を見ていたら、そんなくだらない話もマンザラ的外れではなかったのではないかと思われる記事が載っていた。
 今や「食の安全・安心」が叫ばれる時代、農業者も栽培で使った農薬や肥料などの情報を細かく報告する義務を負うようになった。またIT技術の情報技術の進歩により、消費者が栽培履歴を細かいところまで見ることが可能になってきた。農家にとってはなかなか厳しい時代であるが、逆にそれゆえに個性をある商品を消費者へアピールすることができるようにもなったわけである。

 その記事では、使った堆肥の原料まで細かく情報公開している農家について触れていた。その農家の話では、「今のところそれによる際立った売上向上はないが、消費者の中には関心を持ってみてくれる人も生まれてきている。」とのことだった。
 私はとても興味深くこの記事を読んだ。なぜならば将来人々は「食べている野菜の素材だけでなく、それがどのように作られてきたか」ということにも関心をもつようになってくるのではないかと思っているからだ。

 戦後日本も生きるための食糧を得る時代から、食べるものを選択する時代に移り変わってきた。そういう流れの中で「安全で安心な食」が求められ、「無農薬・無化学肥料栽培の野菜」などが脚光を浴び、それを売りにしているレストランなども生まれてきている。つまり日本人の意識は次第に自分が口に入れる食べ物が作り出されるプロセスにも関心を払うようになってきているのである。

 そういう意味では、私たちのクダラナイように思える話も、実は時代を先取り?していた話の展開だったのかもしれない。なぜならばいつの時代か、売られいている野菜にはきちんと堆肥の原料まで伝える情報をのせることが当たり前になっているのかもしれないのだから。
 「う~ん、もしあの時それで起業していたら成功していたかも・・・・。」
 そんな皮算用もしてしまうのだが、多分アンダーグラウンドなビジネスでしか成り立たなかったかもしれないな。









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最終更新日  2007年05月02日 07時40分27秒
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