アラ還の独り言

アラ還の独り言

2021年03月22日
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カテゴリ: お勉強
サプリメントの宣伝を見ていると、 体内成分だから副作用はほとんどありません 。と記載されているものを見かけます。


体内成分であることは副作用の物質であることは直接結びつかないので、 この宣伝文句は薬機法違反(虚偽の広告)恐れがあります。

たとえば、コレステロールは体内で合成されるものですが、肝臓で過剰生産されると、動脈硬化の原因になる可能性があります。コレステロールが高い値を示しても、動脈硬化にすぐになるわけではありません。しかし、そのリスクは高くなります。従って、長期的な動脈硬化になる人の発症率はコレステロール値の高い人では高くなる可能性があります。

ビタミンEでも短期的な副作用は報告されていませんが、ビタミンEとプラセボを長期間投与して、心血管障害の発生率を比べてみるとプラセボよりもビタミンE投与群で高いことが明らかになっています。これはビタミンEを摂取している人とそうでない人を後ろ向きに疫学調査した場合には心血管障害の発現率を比べてみると心血管系障害の発生率はビタミンEをサプリメントとして摂取している人で低くなっているのが前向の臨床試験では結果は逆転した事例として有名です。(このコラムでも何度も話に出しています。)

比較的副作用が低い睡眠薬、新しい作用機序を持っている睡眠薬、体内時計を応用した睡眠薬として評価の高い ロゼレム(メラントニン) も、長期的な副作用に関しては検討する必要があると思います。体内時計を睡眠の方向に向かわせる物質としてメラントニンは知られています。

しかし、メラントニンは渡り鳥が長距離移動するときにも分泌が増えています。 その理由は性腺を縮小させることが目的 です。渡りをしているときには、卵を産んでいる場合ではないので、メラントニンを分泌する渡り鳥が生き残ってきたのでしょう。哺乳類でも同じような効果を持っていることが知られています。



ロゼレムは医薬品ですが、サプリメントでもよい睡眠を取るためにメラントニンが売られています。これによって性腺が縮小しているかどうかは分かりません。状況証拠として、メラントニンのサプリメントとしての使用量と不妊治療の増加に相観があるなどのデータを取る必要があります。

データを取ってみて関係なくても、無罪かどうかは確定できません。バイアスが一杯入っているからです。しかし、あまり深く検討する必要は無いと思います。しかし、怪しいという結果がでればメラントニンのサプリメントとしての追加の試験を行わなければなりません。

このような試験をすることには多大なお金がかかります。有罪を確定するために試験はメーカーはやらないでしょうし、税金も投入する必要性は低いと思います。

提案があります 。メラントニンを販売している会社は利益の2%をメラントニン協会の基金として毎年収め続けるのです。その資金によって有罪かどうかの試験を行えばいいと思います。

他の成分でもメラントニンのように生物学的活性から副作用、特に長期にわたる摂取により、ある測定を行えば分かるものに関しては、同じように基金を強制的に集めて試験を行うべきだと思います。





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最終更新日  2021年03月22日 13時53分07秒
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