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昔の記事を読み返していたら、Kowa/SIXの写りが微妙だとかそんな記事があった。今考えてみると全くの誤解だったのだと思う。まあ、確かにISO400のモノクローム(PRESTO)では性能が発揮できなかったのは確かなのだろう。が、ISO100のモノクローム(ACROS)ではどうだろうか。少々絞りを開きすぎてボケが煩くなってしまっているが、合焦部の描写能力に関しては、(BLOG用に縮小した画像ではわかりにくいが)服や帽子の質感は群を抜いて素晴らしかった。何故か肌よりも布などの繊維の方が優れた質感描写になるという特色もある。試しに全紙サイズの印画紙に焼き付けてみたが、大伸ばししても画質が損なわれることもなく、モデルさんにも大変好評な一枚だった。このKowa/SIXの標準レンズ。85mm/2.8で4群5枚のクセノタール型構成の(当時としては)ごくごく一般的なレンズなのであるが、条件さえ整えば非常に素晴らしい描写をしてくれるようである。(どうやら、その条件はフィルムの粒子の細かさらしいが)モノクロームも良いが、カラーでも充分な能力を発揮してくれる。F5.6程度まで絞った絵なのだが、ここまで絞ればボケも破綻しなくなってくる。合焦面から滑らかにボケに移行していく様は見事の一言に尽きる。そして何と言っても、橋のペンキの凹凸。やはりこのレンズは、無機質な物体の質感を描写する能力に長けているようである。しかしながら強い光(空)の近傍に光が漏れてしまっているのは、設計年次の古さ故の特徴だろうか。マルチコーティング時代のレンズと比べてしまうと、どうしても光には弱いところが露呈してしまう。まあ、別段それが欠点だとも感じないのだけれども。輝度差の激しい背景を大きめにぼかすと、綺麗な五角形が現れる。正直言ってボケは堅い。逆に言えば「きらびやかなボケ味である」とも言えなくはない。因みにこの五角形は微妙に丸みを帯びている。絞り羽根が直線ではなく曲線でデザインされているからなのだが、解放から3段目まではその丸みが顕著に表れる。5枚羽ながら円形に近づけようとした努力は最近のレンズには見られない努力で、そういった点でも好感が持てる。余談ながらY/CのPlanar50/1.4(AE)はF2.0~F2.8の範囲で絞りが変形星形になってしまい、作りの適当さに落胆した覚えがある。(なので天野はその絞り域を外して使うようにしている)買った当初からお気に入りのカメラではあったが、最近では「困ったらとりあえずKowa/SIX」という感じになってきてしまっている。無論、万能カメラとはほど遠い存在なのではあるが……目下の悩みは修理も難しく、そもそも全然流通していない事である。壊れた時の事を考えると、数台は持っておきたいカメラなのだけどねぇ……
2007年12月06日
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「ゾナー」って聞くと、「ああ、ソニーのデジカメなんかに使われてるレンズ?」とか思ってしまうのは、やっぱりソニーの宣伝効果が大きいのだと思う。(因みにあいつはバリオ・ソナーっていうズームレンズ)ある意味、一般的にはツァイスの看板レンズ「プラナー」よりも名前は通っているのかもしれない。しかしながら、プラナーに比べてゾナーの評価はすこぶる低い。(まあ、ソニーがゾナーの名を貶めたとも言えなくはないのだが……いやはや)中古市場でも、「え、こんなに安くていいの?」とか心配になってしまうような価格が付いていたりもする訳で。(まあ、プラナーが高すぎるだけという説もありますが)天野も例に漏れず、「ゾナー=微妙なレンズ」という図式が頭の中にあった訳です。つい先日までは。実はY/Cボディを買う際、プラナーだとかの標準レンズと一緒に、格安だったSonnar135/2.8をもののついでに買っていたのですが、少々かさばるしなんとなく使いどころのないレンズだなぁと半ば放置気味だった訳です。「天野さん、横浜行きましょうよ、横浜」と写真仲間に誘われたのはつい先日。持って行くカメラを選ぶときのほんの気まぐれで、そのカメラ本体より重いんじゃないかとも思うレンズをバックに詰め込んだのが事の始まり。 167MT, Sonnar 135mm/2.8, Kodak ELITE CHROME 100ふーん。ペンタックスのM135/3.5なんかに比べて半段明るいだけなのに阿呆みたいに図体のでかいレンズ、という印象しか持っていなかった訳なんだけども、いざファインダーをのぞいてみると全然違う世界が広がっていた。詰まるところ、解放での程良いシャープネスとコントラスト。これらによってピントの山が見やすく、望遠だからといってピント合わせに苦労する訳でもなく、重量以外は非常に快適なレンズだったのである。いやはや。先入観でモノを判断してはいけないですね。天野の予想に反して、ゾナーは良いレンズでした。ただし、やっぱり癖は強かった、という事を付け加えておきます。ボケ味はおおよそ柔らかく綺麗な感じだけども、背景の具合と絞りの選択によってはボケが完全に破綻してしまったりと、なんだか気難しいレンズだなぁと。(まあ、ツァイスのレンズの多くはそういう癖玉だらけなんだけども)ごく一般的なレンズと違って撮影には気を遣うし、現像が上がってくるまで仕上がりが予想できないとなかなかスリリングなのだが、当たりカットの品質は撮影者の技量を超えてしまっているなぁという感じもする。要するに、自己主張の激しいレンズなのである。この先も、こいつらとうまい具合に付き合っていきたいなぁとか思う反面、良いレンズって何だろうかなぁ。とふとしたときに考えてしまうようになった。撮影者の意図に忠実なレンズか、自己主張の激しいレンズか。ピント面のシャープネスが素晴らしいレンズか、ボケが綺麗なレンズか。一つ言えることは、写真を見る側に取ってみれば、どんなカメラやレンズを使っているかは大した問題ではないのである。結局は良い写真が撮れればそれだけでいいのである。……なんて言ってしまうと、元も子もないかな?
2007年12月05日
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