あま野球日記@大学野球

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2007.12.27
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テーマ: 高校野球(3736)
カテゴリ: 高校野球
ショッキングなタイトルをつけたので、いささか戸惑いが
あるのだけど、面白い書籍を見つけた。


『高校野球が危ない!』(小林信也著、草思社刊) がそれ。
先日、友人から借りて読んだところ、これが実に面白い。
「高校野球」本の場合、ただ単純に礼賛する書籍も多いけど、
この書籍は、高校野球に潜む問題の本質を、真正面から
捕らえようと試み、その解決法を見出そうと必死にもがいて
いる様子が見える。


最初の章で紹介されるのが、昨夏の甲子園で大人気を博した
早稲田実のこと。


昨年9月、ハンカチフィーバーが冷めやらぬ頃、早実と戦った
相手校の監督や関係者たちを著者は訪ね、取材をした。
すると、彼らからは意外な答えが返ってきたという。
「あんなチーム(早実)が高校野球のお手本みたいに
言われたら、高校野球は終わりですよ」
と。


その発言の根拠には、こんな例があったという。


(1)昨夏、甲子園出場を決めた西東京大会・決勝戦。
対日大三高戦で、長打を放った早実の打者が強引に二塁ベース
を蹴って、三塁を目指して駆けていく。タイミングは完全に
アウトで、三塁手は外野手からの返球をグラブに収め、余裕を
もって走者にタッチを試みた。


するとその走者は滑り込むでなく、身体ごと三塁手に向かって
体当たりを喰らわせた。アウトの判定にも何食わぬ顔をして
ベンチに戻って行く。慌てて塁審が走者を呼び止めて注意する
ものの、走者の選手に反省する素振りはない。


この長打が貴重な同点打となったこともあり、ベンチに戻って
からは選手たちと歓喜のハイタッチを繰り返し、早実・ 和泉実
監督は選手に謝罪を促すことも、自ら詫びることもなかった。


(2)打者が一塁ゴロを打つ。当然、早実の投手が一塁ベースに
カバーに走るのだが、相手チームの打者と競り合う場面で
「素知らぬ顔で肘打ちを喰らわされた」こともあるという。




別に、この書籍は早実批判や暴露を目的としているわけではない。
悲願の優勝を目指し、何よりも勝つことを目的としたチームは、
(極論すれば)何をしてもいいから「ともかく勝てばよい」
という意識がチームを支配する。


そういったチームが高校野球のあるべき姿か? と著者は疑問を
投げかけている。高校野球のお手本のように思われている早実を
例にとって、具体的に紹介していることだけでも、十分に驚嘆に
値する。それだけでもスゴイ!


「勝てばよい」が蔓延する高校野球の現状を明らかにして、
その上でどのようなVISIONをもてばよいか、新たな提案を
している。




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Last updated  2007.12.28 02:35:38
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