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2024.04.20
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読レポ第2049

カール・ロジャーズ

~カウセリングの原点~

著:諸富祥彦
発行:㈱KADOKWA

第6章 1955年ロジャーズとジャンドリン

 1955年のロジャーズとジャンドリン(5/6)

 田中(2018)は、カートナーのこの論文の「尺度Ⅳ」に着目する。尺度Ⅳは「能力感:状態に十分に対処できるという感じから、状況に対処する内的資源の無力感と欠如まで」である (Kirtner & Cartwright,1958)。セラピィで成功するグループは「感じられた不安の原因や解決を自己の内部に求める」(同前)傾向があるという結果が示されていた。平たく言うと、こういうことである。 カウンセリングの中で、自分を深く見つめ、内面を探索していく傾向が見れた人は治っていった 逆にそうした傾向がなく 、「運が悪かったんです」「ま、そういう時もありますよね」「あの人が問題なんです」と 「外」に原因や解決を求めた人は治らなかった、というものである 。よくわかる話である。

 しかし、これはたいへんな衝撃であった。ロジャーズの理論が一応の完成を見せたまさにその同年に、ロジャーズ自身の門下生から、しかも修士論文という形で、ロジャーズ理論を覆す論文、すなわち、 ロジャーズの言う「必要十分条件」が満たされていても成功しないクライアントがいること 、したがって、 ロジャーズの提示している「受容、共感、一致」は、「必要十分条件」と言っても「十分条件」とは言えない 、ということ指摘した論文が提出されたのであるから、騒然としたにも当然である。

と著者は述べています。

カートナーは、ロジャーズの提示している「受容、共感、一致」は、「必要十分条件」と言っても「十分条件」と言うことに対して、カウンセリングの中で、クライアントが自分を深く見つめ、内面を探索していく傾向が見れた人は治っていくが、クライアントが「外」に原因や解決を求めた人は治らなかった、と指摘している。
 私としても、カートナーのクライアントが「外」に原因や解決を求めた人は治らない傾向があると思う。そのためにも、カウンセラーはクライアント自身が自分を深く見つめ、内面を探索していく傾向を促すように働きかけることだと思う。
 ロジャーズの提示を完璧主義思考で考えないことだと思う。すべてが、ロジャーズの「受容、共感、一致」の理論の前に、クライアントへの下記の働きかけが必要です。
 それには、カウンセラー等がクライアントが「安心感」を抱く環境づくりをしていき、ロジャーズの「受容、共感、一致」の意識した姿勢を続けることだと思う。
 そのようにしても、治らない人もいます。完璧主義思考を手放して、完成主義思考でいることです。また、カウンセラーとのクライアントの相性もあります。





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Last updated  2024.04.20 13:45:27
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