女子力低めの主婦があれこれ頑張るブログ☆左膝前十字靭帯＋半月板損傷から18ヶ月

娘のプールの前に図書館に行ったので
(同じ方向のため寄りやすい)
あまり選ぶ時間がなくあたふた。
平安ものを２つ借りたのであとは小説…
と手に取ったのがこちら。




あなたの愛人の名前は [ 島本 理生 ]




あなたの愛人の名前は （集英社文庫(日本)） [ 島本 理生 ]


文庫版のカバーの違いが印象的ですね。
表題作含む６作品が収録されています。


◆◆◆


『足跡』
団地のお隣さんの３つ上の男性と
結婚生活を送る千尋は
女子大からの同級生、澤井から
既婚者限定でサービスを行う店を紹介され
そこで交わした会話が理由なのか
何度か通うようになります。
心臓病が遺伝するのがこわくて
子供をもたないのでは、と指摘されたり、
夫が大学の後輩の女性と話しているのを
見たり、実家に戻ってベランダ越しに
キスをし、失う怖さを実感したりして
施術者の男性と別れを告げます。


『蛇猫奇譚』
猫視点の話。
捨て猫を拾ったハルが結婚後も旦那と一緒に
暮らしていましたが
妊娠、出産を機に関係が変わってしまいます。
しっかりとは書かれていませんが、
ハルの母が弟のみを愛しハルに当たったように
我が子のみしか愛せず猫を可愛がれない、
と悩んでいたようです。
産後鬱では、と言う夫に悩みを打ち明け、
猫に大好きと告げ、眠りにつきます。


『あなたは知らない』
婚約者と同棲している瞳は、
バーで友人の江梨子と飲んでいるときに
彼女に声をけけてきた浅野に惹かれ
体だけの関係を続けます。

依頼を受けて製作している切り絵を
｢趣味｣と言って軽視したり、
親戚付き合いの薄さや葬儀のありよう、
お向かいの水槽の金魚など価値観が違ったり、
婚約者との結婚に不安が感じられます。

江梨子に浅野のことが好きなのでは、と
指摘されながら、婚約者の出張中に泊まります、

婚約者の同級生と一緒にバーベキュー。
美人なひとみが高校の頃婚約者を好きだったと
笑い話として聞かされます。
浅野に想いを告げられないのは、彼が最初に
声をかけたのが江梨子だから、
体以上の関係になれないと思ったからでした。


『俺だけが知らない』
後輩と飲んだ後に女の子に声をかけるのは
いつものこと、後輩が体調不良のときに
浅野が出会ったのが江梨子と瞳でした。
暇潰しだったはずが瞳から誘われて
関係をもつようになります。

浅野の両親が離婚したのは父親の不倫が理由で
妹が父親についていこうとしたのを愛人が拒否、
母親と妹の仲は険悪になり、
妹は全寮制の高校へ父親の金で進学するも
卒業後は大学に進学せずバイトしたり辞めたり。
就活のため面接に行くのに母親と揉めて
その最中にダンベルが落下し鎖骨を骨折、
入院したと母から連絡が来て見舞います。

瞳と会う約束の日、子供洋品店に飾られている
切り絵が瞳の作品と聞き驚きます。
京都のグループ展に誘われたと聞かされます。
情事の後、互いにはっきりとは言わないながら
一緒に京都に行けるか確認し、瞳が予約します。

浅野が昔修学旅行で行ってよかったからと
近江神宮へ行こうとするのに瞳も来ます。
百人一首の札が書かれた額が並んでいて
そこから映画の話になり、
｢情熱的な恋愛をしてみたい｣と失言。
部屋に戻り事が済んだ後謝り、
妹のことで滅入っていたと言いつつ
詳細は話しませんでした。

夜に食事を済ませた後、
｢嘘になるかもしれないなら好きとは言わない｣
と話しまた肌を重ねます。
瞳が父の再婚相手の女性と
雰囲気が似ていることに気づきます。

忙しさにかまけて連絡しない日が続き、
向こうからも連絡がないことが気になりだした頃
瞳の婚約者が会社にやってきます。
結婚を取り止めたい、と
瞳が婚約者に告げたようでした。
婚約者は諦めておらず、浅野に
｢二度と会わないと誓ってください｣と。
瞳がなんて言っているか、と問うと
頭からコーヒーをかけられます。

数日後、瞳が婚約者に殴られていないか
気になってメールを送ると、
違うアドレスから返信があり、
渡したいものがあるので会えませんか、と。
ギャラリーを紹介してくれた澤井と
ギャラリーを経営している男性に助けられ
京都で暮らし切り絵を製作するとのこと。
汚したスーツ代として、作品が売れた代金と
メッセージカードが入った封筒を渡されます。
巻き込んですみません、と言い
瞳は改札の向こうへ消えていきました。

母親からお金を無心する電話が来て
今渡されたお金を最後に、
もう連絡しないよう告げます。
お金は縁を関わりたくないときに渡すものだと。
瞳の想いに気づいていたと認め、
金も時間も自分のために使うと決め、
メッセージカードを網棚に置き去りにします。


『氷の夜に』
小料理店を経営する黒田が、
常連客の絵未に心を惹かれていると
彼女の幼少期にいたずらをしたと話す男性
(父親の友人)がたまたま来店、
声かけ禁止と追い出した後
絵未が具合が悪そうなので２階で休ませます。
店が終わった後話の流れから想いを告げ
絵未の過去を聞きます。

年内最後の営業が終わった後、
待っていた絵未に気づきます。
飲みに行く道すがら、絵未の想いを聞きます。


『あなたの愛人の名前は』
兄が母に手切れ金のように渡した十万円は
母が突き返したため、そのお金で
どこか外国でも行ったら、と言うので
藍は｢マカオ｣と答えます。
翌日パスポートを取りに行く段階で
一人で行くのだと聞かされます。

友人の絵未に英会話の勉強を頼みます。
絵未は中学の頃の友達で、
大阪の高校に進学後も唯一メールをくれました。
藍のところに寄ってから行きつけのお店に寄る、
付き合っている人の店、と聞かされます。
絵未が男子に触るだけで気分が悪くなることを
知っていた藍は、相手が男性的と聞き驚きますが
藍のお兄さんは昔から男の人って感じ、
女の人の気配がしたから、と言われます。
絵未が帰った後、兄は絵未のことを
昔から妙に女の子っぽかったと言います。

母から電話があり、話しながら
母に似すぎている自分が嫌だったのかも
しれない、とふいに思います。

マカオ行きの飛行機の隣の席のおじさんが
CAの男性と言葉が通じなくてもやりとりしていて
英語での注文に抵抗がなくなったり
お茶はまずいのに海老ワンタン麺は美味しかったり
体調不良になり絵未に助けを求めると
的確な助言のおかげで快方に向かったり。

両親が離婚の半年前にマカオに旅行していて
火事で壁以外が焼失した天主堂の写真を
父に見せられました。
父と母の離婚話はそのあとにされました。
夫婦で旅行までしたのはなんだったのか、
天主堂を見れば答えがあかるかも、と
思ったのでした。

教会の近隣には砲台があり、
他にも父と母がそれぞれ興味がありそうなものが
雑多にあり、そのアンバランスさが
父と母の不一致を象徴しているようでした。

帰国前、絵未から彼のお店へと誘われます。
彼の名字を聞いて像が鮮明になり、
父が愛人の名前を口にしなかった理由を
なんとなく理解した気持ちになります。

彼のお店で、彼の友人で同業者の友永が
街コンのチラシを持ってきます。
最初は遠慮していた藍ですが、
高校が近くだったと知り話が盛り上がります。
そこでトランクに話が及んだので
マカオでの出来事を話します。


◆◆◆


や、やっと終わった…！
まとめていて勘違いに気づきました。
愛人の名前は黒田？
→絵未の彼氏との関係は？　と
読み終わってあたふたしたのは無駄でした笑


浅野は家庭環境のせいで結婚に夢がなく
また瞳のためにあえて線を引いていましたが
京都旅行のときみたいに探り合わず、
きちんと話していたらよかったのになぁ…


瞳の婚約者も、浅野のことがなくても
いつかは破綻しただろうなぁ、と思います。
決定打になったのが浅野なだけで。


澤井さんがちょこちょこ出てきてニヤリ。
浅井さんの恋愛遍歴の話でもあります(笑)


藍ちゃんがマカオ旅行を通して一皮むけて、
恋愛でなくても人と関われるようになって
よかったです…。お兄ちゃんグッジョブ。
家族のことが落ち着いて、それでも好きだったら
京都へ会いに行ってもいいのでは。
作家さんということは、何かしら
活動がアップされるのでわかりやすいですし。


あぁ、結局２冊延長です…
１冊は読み終わり、１冊は手つかず。
次回頑張ります。


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