Atelier Casablanca -ダンスドレスの部屋-

Atelier Casablanca -ダンスドレスの部屋-

2008.01.21
XML
カテゴリ:
先日はアメリカのダンス事情について書きましたが、今日は私が住む西ヨーロッパのダンス事情について触れてみたいと思います。

こちらのダンス教室はステップだけを習って気軽にダンスを楽しむダンス教室と、競技会に出場するためにダンスの技術を習うダンス協会との2種類に分かれています。
ダンス教室の教師とダンス協会のトレーナーでは受ける教育も違います。ヨーロッパでは舞踏会やパーティ、結婚式などでダンスを踊る機会が結構多いので、ダンス教室人口はかなり多いですが、競技人口はあまり多くはありません。

ダンス協会は全国各地にあり、月々のお月謝は平均で4000円ぐらいです。(中高生や学生の場合は割引あり)基本的に級(初級、D~C級、BAS級)にあわせたグループレッスンが週に1度あります。初級~C級まではグループレッスンだけしか受けないカップルも多いです。C級以上になると個人レッスンを受ける人が増えますね。
個人レッスンの価格はトレーナーの持つライセンスにもよりますが、C級~B級トレーナーの場合は1時間3000円~6000円、A級の場合は1時間6000~8000円が主流です。もちろん全国的に有名なトレーナーの場合は1時間8000~12000円と高額です。彼らのところには国内や外国の多くのトップ選手がレッスンを受けに来ているそうです。
(無論、イタリアのファビオやジオなど、世界最高の先生方はもうちょっと高いようですが…)

そのダンス協会に所属していないカップルでも、フロア使用料(1000円ぐらい)を支払えば個人レッスンを受けることができます。私と主人の場合も、習っている先生が別の都市の方のため、その協会のフロア使用料を毎回支払っています。

自主練習は基本的に所属するダンス協会のフロアの空いた時間で行います。大半の教室ではデポジットを支払うことで教室の鍵をくれるので、グループレッスンや個人レッスンがない時間帯を見計らって練習します。CDもステレオも置いてあるので、自分たちの練習したい種目の局を好きにかけることができます。
私たちが所属する協会はフロアが2つあり、1つは基本的には自主練習用に開放しているのでたいへん便利です。もちろんこの場合にフロア使用料はかかりません。


A級以上になると、たまにパーティや舞踏会でのデモを頼まれます。私たちもホテルの舞踏会のショープログラムに出演したことがあります。少しですが謝礼金も出ます。

競技会では、D級選手は平服で出場しなければならないので圧倒的に黒が多いです。C級以上になるとドレスが認められますが、B級ぐらいまでは基本的にはアメリカ製の石が少ない安いドレスや、A~S級選手のリサイクルドレスが多いですね。あまり豪華なドレスは逆にマイナス印象になるようです。
A~S級になるとドレスはぐっと豪華になり、オーダードレスを着る人が増えます。
また、男性で燕尾服が許されるのはB級以上です。(以前はA~S級だけでした)
それまではシャツ・ネクタイ・ベストで踊る人が多いです。

B級くらいまではあまりお金をかけなくても競技を楽しむことが出来るようです。
ただし、A~S級になると下位とは比較にならないほどダンスのレベルが上がるので練習量や個人レッスンの回数も増えていきます。

特にS級のトップ選手は本当に素晴らしいので、個人レッスンもヨーロッパ中で受け、試合(IDSFオープン)でも世界を回っています。トップ24組以内ぐらいに入ると基本的にスポンサーがつくのでドレス費用はかかりません。また、各州のダンス協会からレッスン費用や遠征費用の援助も出ます。

ブラックプールや全英オープン、ジャーマンオープンなどの主要な試合でも、アマチュアは出ている400組の大半が素晴らしいのですが、プロは半数以上がアマチュアよりずっとレベルが低いそうです。(但しプロのトップ48組は本当に素晴らしいそうですが・・・)

私の住む国では、アマチュアでもライセンスを取ればトレーナーになれるので、ダンス連盟からほとんど援助を受けられないプロになりたいカップルはほとんどいません。(実際、私が住む国にはプロはモダンラテンあわせて20組程度しかいません)
但し、トレーナーライセンスもジャッジライセンスも競技選手としてA級以上を踊った経験があれば取れてしまうので、質が悪いトレーナーやジャッジがいることも事実です。A級といってもレベルは千差万別なのです。自分よりも踊れないジャッジに審査されるには選手にとっては大変嫌なものだと思います。中にはライセンスは持っているものの、スタンダードしか踊ったことがないのにラテンのジャッジをしている人までいるほどです。



とまあ、だらだらと書いてしまいましたが、日本のダンス事情とはずいぶん異なっているでしょうか?

↓私たちがいつも練習しているフロアです。とても広く、週末などはがらがらなのでいつも孤独に(?)練習しています。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2008.01.28 05:50:33
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: