心の健康と子育てを考える              ベイサイドカウンセリング  Part2

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2006.08.19
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 「この子は、小学生のときは本当におとなしくて、親の言うことをよく聞く子どもでした。」家庭内暴力で悩んでいるお母さんたちが相談に来て言う言葉である。「でも、今ではあのおとなしかった子どもが、気に入らないことがあると私に向かって、“このクソばばあ。こんな俺にしたのはてめえだぞ”と、私を打ったり蹴ったりするのです。いったいこの子はどうなるのでしょうか」と私に哀願するようにその理由を聞こうとする。

 この母親にはカウンセリング・マインドの特徴である人間関係を大事にする姿勢や自分や子どもを理解しようとする態度が弱く、いわゆる防衛機制といわれる自分を弁解したり、問題から逃避しようとしたりする姿勢が強い。ではいったいどこに問題があるのかを考えてみることにしよう。

 まず、子どもが幼いとき、おとなしく母親の言うことを聞いていたということだが、親が自分の思い通りに教育しようとしていたことが相談中にわかってきた。次に、その子の友人がよくできる子なので、自分の息子が負けていることがお母さんのプライドを少々傷つけていたという事実もわかってきた。父親が単身赴任で、子どもの教育は「すべておまえにまかす」という夫の言葉もあって頑張ってきたが、たまにしか帰ってこない夫への不満や寂しさもあって、一人っ子の息子に多くの関心が向けられたようだった。

 母親は夫への不満や寂しさが交じり合った複雑な気持ちを抱えていたので、父親の不在や母親の自分に対する過剰なまでの介入によるストレスを抱えている子どもの立場に立って理解するゆとりはなかった。これは、この子どもにとって大変不幸な状況であった。

 このような母親にさせた理由の一つは、父親の家庭に対する無関心であった。たとえ数ヶ月に一度の帰宅であったとしても、妻や子どもへの感謝と思いやりが十分に夫から表現されていれば、子どもをここまで苦しめなくてもよかったであろう。要は交流の質が重要なのである。子どもが時々父親について、「親父なんかいなくたっていいんだ。おふくろを放ったらかしにしやがって」と言っているという母親の報告からも推測できる。カウンセリング・マインドにとって重要なキーワードである「共感的理解」の家庭内での不在は伝播するのである。

        田渕昭三著「もっと楽~に生きるための12章」(福音社)より


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Last updated  2007.06.05 16:47:59
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