2025
2024
2023
2022
2021
2020
2019
全15件 (15件中 1-15件目)
1
その39 ~友情~これ以上、余計な突っ込みをされるのはたまらない。冷めかけたジャスミンティを一気に飲み干して、金糸雀の方を向く。「それで金糸雀、雛苺はどうしたの? こっちに来たのは金糸雀だけ?」この家とみっちゃんさんの家は距離的にはかなり離れている。だからnのフィールドを通らなければ絶対に短時間に来れないはずよね。扉を開くことは金糸雀に出来たとしてもこの家のアドレスまで知っているとは思えない。雛苺が一緒ならそれもわかるんだけどね。私の質問に金糸雀は急に元気をなくしたみたいにしょんぼりとする。「えーっと、そうなのかしら。カナはそれから…。 雛苺と喧嘩して、そしたら、みっちゃんが…。 ヒナちゃんがかわいいって、マサチューセッチュして…。 カナのマスターなのに…。う、う、うぅ…。 カナ、ひとりぼっちになったのかしら…。 それで、それで…。」確かに…。元気に食べる雛苺はすごく可愛い。それは否定できない。みっちゃんさんがそうした気持ちもわかる。私だってさっき金糸雀にマサチューセッチュしたくなったんだもん。だからそれを責めるわけにはいかないけど…。「うーん…。雛苺ったら、こまったものよね。」今頃、心配しているだろうからみっちゃんさんに電話しなくちゃね。とにかく、金糸雀はここに元気でいるからと安心させてあげないと。それから雛苺はどうやって迎えに行くかよね。いくらなんでも今から東京行きの飛行機に乗り込むには、ちょっと無理があるか…。ふと隣を見ると目を爛々と輝かした理紗がいる。いやな予感…。「嫉妬? 殺意? 復讐? そうか昼ドラのサスペンスやなぁ。 それで巴を人質にヒナちゃんに復讐をしようとしたんやなっと…。 ふむふむ、なるほどなぁ。直接本人を苦しめずに周りからジワジワと…。 ほー、そうか。なかなか考えたなー。」ちょっと待って理紗、話を違う方向へ持っていかないで。「そうよ! このローゼンメイデン一の策士といわれた金糸雀様に不可能はないかしら! 雛苺のアンポンタンなんて、敵じゃないのよねー! まずはマスターである、ともちゃんからジワリジワリと襲っちゃうかしらー!」えーっ! 金糸雀もどうしてのせられちゃうの!?「そうそう。なんやったらお姉ちゃんが手伝うたるわ。まかしときー! 絶対、損はさせへんでぇー。 そりゃ腕力やったら巴に勝たれへんけど、そんなもんなんとかなるって。 それに頭も巴の方が賢い。だてに国立大学主席卒業してない。ウチは高卒やけど…。 お金かて口では言えんぐらいぎょうさん巴の方が持ってる。そりゃ、しゃあない…。 この女、お金の使い方まるっきりわかってへんしなぁ。 …って、ウチのほうが負けとるがなぁー! 腹立つー! よっしゃあー! カナちゃん、ウチと組も! それで悪の組織を倒すんやー!自虐ネタの一人ボケ一人突っ込み!? …って、なんでそうなるのよ? 「ちょっと理紗! 話がおかしい! そうじゃなくって…。」「おかしかったら笑わなあかんやん。ホンマにこの娘は覚えが悪いなぁ。 そんなことやからいつまでたっても悪役なんやで、巴。 正義は必ず勝つんやから!」理紗はこぶしを振り上げガッツポーズ。私、なぜ悪役?「そうなのかしらー! 正義は必ず勝つかしらー!」金糸雀も負けじとガッツポーズ。「って、ちょっと! 金糸雀まで何言ってんのよ。」何、この盛り上がりは? なんで? どうして?「あ、ありがとう。理紗お姉ちゃん。カナ、がんばるかしら。」金糸雀は涙を拭きながら、嬉しそうにそう言った。「そうやその意気や! 女の子はな、強う生きらなあかんねんで。 なっ、美味しいもん食べたら元気でたやろ。よかったよかった。」理紗は金糸雀の肩をポンポンと叩きながら握手をしている。いや、元気の意味が違うと思うんだけど…。それに、それに、やっぱり…。「良くなーい! なんでそうなるの?」「せやかて利害が一致したんやもん。しゃあないやん。 これからカナちゃんが、悪の化身人形の雛苺からみっちゃんさんを取り戻すまで、 孤軍奮闘の盛大な物語が始まるんやで。 ウチはその孤独に戦うカナちゃんに味方として参戦する同志や。仲間や。相棒や! よっしゃあっ! まかせときーっ! お姉ちゃんが仲間集めたるからっ! 『誠』の旗の文字に集うんやー!」…って、金糸雀、理紗、あんたたち本気? どうしてそんな展開なの!?それに『誠』の旗って、新撰組!? どういうつながりでそうなんのよ?突っ込みどころが多すぎて、もはや手が付けられない二人は仲良く手と手を取り合っている。よくわからないけど深い友情が生まれたって感じに見える。ちょっと待って…、理紗って実はまだ酔いが醒めていないんじゃないの?だってハイテンション過ぎる。うん、絶対そうだ。だって、私もまだほろ酔い気分だもん。それにこんな解決の仕方って、ありなの? …つづく。
2007/01/30
コメント(0)
その27 ~ 姉 ~「つぅ…。いったい何が起こったですぅ。」土に埋もれていた翠星石はゆっくりと体を起こした。怪我をしている様子はないが身体のあちこちが痛む。さっきまで気を失っていたらしく頭がボーっとする。額に手を当て何かを思う出そうとするが、強烈な光のイメージしか重い浮かばない。事の起こりはスイドリームがレンピカの魔法を利用し、ピーチェの体を乗っ取ったこだ。もともと禁忌として実体化できないスイドリームはレンピカの魔法陣を見るなりその意図が見えた。レンピカは自らの体をコピーして戦うつもりであると。ということは先ほどまで激しく戦っていた蒼星石は何らかの事情で戦えなくなったらしい。翠星石の攻撃がよほどこたえたか、あるいは別の理由かそれはわからない。ただはっきりしているのは翠星石にはかなり分が悪いと言うことだ。実体化したレンピカの動きは蒼星石以上の戦いぶりを見せていた。さらに双方向支援などと言うコピーまで作ろうとしている。擬似精霊とは言え、同等とは行かないまでもそれなりの力はあるはずである。なるほどそれならば蒼星石が出なくても充分戦える。(おもしろくない…。)スイドリームが最初に思った感想がそれだった。(私だってね、実体化したらレンピカぐらい戦えるんだからね…。)しかしローゼンメイデンに仕える人工精霊として実体化するのは禁忌である。そもそもそれがドールたちの父との契約だったからだ。レンピカがいかなる方法でそれを解除したかはわからないにせよ、現実にレンピカは実体化している。(そうだ! いいこと思いついちゃった。 それならあれをのっとっちゃえばいいんだわ。うん、おもしろそう。 それだと私が実体化したことにならないし…。)これはいい考えだとスイドリームは思った。魔法陣に浮かぶ文字からコピーされるのはピーチェであることが判明している。(ピーチェ…、ああ、あの袋かぶりの…。だったら簡単じゃない…。)肉体がコピーのピーチェならスイドリームが実体化したことにはならないので禁忌は破らない。それにスイドリームはレンピカの双子の姉なので同じ構成因子から成り立っている。つまりピーチェはスイドリームの構成因子でもある。スイドリームにとって着なれた服を身に着けるぐらいたやすいだろうと思った(意思を2分化して、ピーチェの出現と共にひとつを転送する…。 見てなさいレンピカ…、たっぷり驚かしてあげるわよ…。)こうしてスイドリームはピーチェの体を乗っ取った。最初はいかにもレンピカの指示で動いている素振りをしていた。数百年ぶりに肉体を動かすと言う行為は意外にも難しくもどかしくもある。それでもレンピカがある程度、行動支援をしているらしく、基本動作は理解できた。行動支援といっても肉体に直接語るように情報を送られているだけだ。いわば見えない糸で操られているような感じである。(そっかー。この袋かぶりの娘は意思がないものね。 基本動作の情報を送ってからでないとまともに動けないんだわ。 でも、私には好都合だわ。)間接の動き、体重移動と姿勢のバランス維持などを少しづつ学んでいく。(肉体があるってこんな感じだったのよね。懐かしいなあ…。)スイドリームは肉体を持つ喜びに満たされていった。無限にも迫り来る生命樹の枝がちょうどいい練習台となってくれる。いびつな体も馴染んでくると戦うには申し分ないみたいだった。慣れてくると四肢が自由に動く。そうなると本来のスイドリームの体として使えるようになる。(すっごいっ! 楽しいっ! 肉体があるってことがこんなにも楽しいなんてっ!)袋に閉ざされて見えないが、その中は満面の笑顔だったに違いない。戦闘の中でスイドリームは完全に肉体を動かす術を取り戻していった。ただそうなるとレンピカからの行動支援情報が無駄に思えてくる。肉体を通して雑音が頭の中に入ってくる感じは少し興醒めだったが、我慢した。ここでレンピカにばれるわけにはいかない。やがて頃合いを見て、サプライズの実行に移すことにする。(何をすれば一番レンピカが驚くのかしら…。とっておきの方法でないとダメね…。)考えるうちに隙が生じたのか左腕を鋏ごと生命樹の枝に捕らわれてしまった。(我ながらこの枝を振りほどくのは難しいわ…。何か魔法は…。 この体で使えるとは思わないんだけど…。所詮擬似精霊だし…って、ええっ!? この右腕って、もしかして魔腕なの? 知らなかった! なるほど、それでこのアンバランスな左腕なのね。カモフラージュのための…。 呪文は…。ええっと…。忘れちゃったわ。 本体からスペルをダウンロード…している暇はないわよね。 それにこの体には私の意思だけで許容量いっぱいだもの。出来ないか…。 うん? ちょっと待って。指が動くなら魔法陣を描くだけでいいのよ。 防御結界発動っと…。ああ…、ダメね。拒絶反応か…。 なら空間制御はどうかしら? これもダメ…。属性はあっているはずなのに…。 じゃあ肉体強化は…無理よね。そもそもこの体を強化すること自体に意味はないもの。 っていうことは回復系もダメなの? 使い捨てか…。そりゃそうよね。 そのためのコピーなんだし。 でもこのデタラメな大きさの不安定な魔力量は何なの? いくら魔腕だからって…。)スイドリームは懸命に右手の指を動かして魔法陣を描くもまったく形にならない。描くたびに右腕が所有者の意思に拒絶しているような痺れだけが返ってくる。 (単純な魔法陣だと扱いきれないと言うの? なら複雑なほうがいいわけ? 違う…。 普通の腕じゃないってことはどこかにスイッチみたいなのがあるはずなんだわ。 解析処理! そうよ自分の腕で自分の腕を解析…。それぐらいなら親指一本でなんとか…。 あった! 小指!? 小指ね! これが見えない封印となってるから機能しないんだ。 ここから漏れた魔力が打ち消しあって魔法陣を強制消去するってことなんだわ。)薬指を小指にぴったりとあてると不思議なほど魔力が安定する。(なるほど…。そっか、もしかしてこの状態で魔法陣を描く? だったらこんなこともできちゃう? って、えーっ!)スイドリームは枝の根元を切り取れればいいとだけ思っていた。それだけで身体の自由は何とか取り戻せる。魔法を使えば遠からずレンピカにばれるかもしれないが、それはそれで目的を達するからいいと思った。薬指と小指は固定されるためにあまり複雑なことは出来ないが、その必要はなかった。如雨露を使ったこの攻撃自体、スイドリームが考えたものでありウィークポイントも熟知している。根元を絶たれれば枝先は攻撃できない。ただそれだけのことだ。どうせ生命樹は燃えないものでもあるので炎系などの攻撃魔術は無意味。だから小さくとも鋭い刃のようなものを出せればいい。手の平から発射できるようなものなら、対象物を狙いやすい。そこでかまいたちのようなものを想像して圧縮された光の刃を放った。………つもりだった。魔法陣自体もそれほど難易度が高いものではなく、いわば3つの行程を示す魔術法程式だけである。『空間分子圧縮』・『水平指向性弦型結合子作成』・『有視界内制御維持』がその意味に当たる。片手、しかも右手の指4本でなんとかできるものとしてはこれぐらいが適度だ。スイドリーム本体の魔力制御は使えないため、どうしても魔腕である右腕に頼らざるを得ない。それでもこれほどの魔力量があれば多少の不安など無視してもかまわないだろう。どちらにせよ、実際使うのはピーチェの体なんだからとスイドリームは安易な気持ちになっていた。スイドリームの意思どおりなら光の刃は数メートル先の生命樹の枝に直撃して刈り取るはずである。だが魔腕の働きはスイドリームの予想をはるかに上回る結果を見せる。放出されたのは小さな光の刃なんていう生易しいものではなかった。激しい光の束が地平線まで放出された。太い帯状に轟音を伴って光が放出される様は行き場を失った獣の突撃のようであった。その光は凄まじく直線状にあるあらゆるものを焼き払ったのだ。 …つづく。
2007/01/29
コメント(0)
えーっと…。ここでは書ききれないというか書き尽くせないというか良いことがありまして、嬉しい気分でいっぱいなのです。こういう時は激しく感情を表したりせずに控えめに幸せを噛みしめたいと思います。いずれ皆さんにもお伝えするかもしれませんが…。とにかく、おかえりなさい です。さて、久しぶりに『Tomoest』更新しました。前回とは180度変わって、またボケ突っ込みの話です。ああ…、なんて節操のない話なんだろう、『Tomoest』って…。それにupの前に一部書き換えてしまいましたけど、これはようやく念願かなったせいでして…。ほとんどの方にはわからないと思いますけど、夏祭りの出来事と言うか、その話の流れがあったというか、とにかくそういうことなので…。(って、わかるかー! と突っ込みいれて下さいw)補足だけしますとパティシエの彼は高校卒業後にしばらくは日本のとあるレストランで修行した後、某ドールと共にフランスに渡り、さらに修行を続けているらしいです。理紗が知っているのは出張中に偶然現地で出会っていたからで、その話を聞いた巴が…。というエピソードがあったのです。まあ、これを書くと『Tomoest』の話が膨らみすぎますので『Tomoest』の中では書きませんがどこかでいずれまた書きたいと思っています。お待たせしすぎた感がありますがなんとかこっちはupできました。次は…今度こそ『そこ現』のほうですね。レンピカが…。それではまた…。
2007/01/28
コメント(0)
その38 ~初恋~「そうなのかしら。雛苺ったらひどいのかしら。」突然、金糸雀が思い出したように怒り出す。「みっちゃんが作ってくれたとっておきの卵焼きを全部一人で食べたのよ。 あれはカナの大好物で優太くんにもあげないくらいなのに! 本当にひどいんだから!」う~ん…。怒り爆発というか、食べ物の恨みはドールでも同じなのね。「ゆうたくん? ゆうたくんって?」話についてこれないだろう理紗は私に聞いてきた。っていうか、どうしてそこに疑問が!?「えーっと、優太くんっていうのは金糸雀のマスターのみっちゃんさんの子供なの。 まだ2歳だったかな? 金糸雀が面倒見てるんでしょ。えらいわねー。」こう言って理紗に説明しつつも、何気に金糸雀の矛先をそらす。これでも雛苺のマスターだもん。自分のドールの監督不行届きは責任あるわよね。なんとなくだけど詳しく状況を聞くまでもなく金糸雀が泣いている原因が見えてきた気がする。どういうわけか雛苺は他の姉妹に飛びぬけて食い意地が張っている。特別、大食漢とか美食家というわけじゃないんだけど、食べ物には執着心が強いんだから。実質的に7人姉妹の末っ子みたいなものだから人間なら当然なのかもしれないけど…。ドールなんだけどな…。「このローゼンメイデン一の策士、金糸雀様にかかれば子育てなんてへっちゃらかしらー!」その7人姉妹の次女はお姉さんらしさを本領発揮ってところかなぁ。さすがだわ。「って、お人形さんが子供の面倒見るん? 反対とちゃうん?」すかさず理紗が突っ込みをいれる。これもある意味さすがだわ。うんうん、当然の突っ込みというか意見よね。こればかりは理紗が正しい。でもそのお人形さんっていうのがローゼンメイデンだから話が変わってくるのよ。「みっちゃんさんも忙しい人なんだから仕方ないわよ。理紗に言わなかったっけ? ほら、私の知り合いに子供服のデザイナーの人がいるって。」とりあえずローゼンメイデンの話はスルーしておく。もっとも理紗も理解のある人とはいえ、雛苺を紹介した時の苦労は今でも忘れてないからね。思い出したくもないけど…。「あっ、『Deep Red』ってブランドのJUMって人?」そっちじゃないよ。もう!「それは幼馴染の桜田君。彼はドレスの服飾デザイナーよ。 彼もまたローゼンメイデンのマスターなんだけどね。」一応、今でも桜田君とは年賀状のおつきあいだけは続いている。どうせ有名デザイナーとただのOLじゃ釣り合いなんてとれないから、深いつきあいはない。それこそ思い出したくない話じゃないの。…ってまさか、理紗はワザとボケてる?「あれ? ローゼンメイデンのマスターって、パティシエやってる人ちゃうん? ケーキ作りの超うまい、誰かさんの初恋の人!」やっぱりそうきたか…。ううう……、馬鹿馬鹿馬鹿。だから酔っ払い嫌い。矛先をかわし損ねてクロスカウンターを食らってしまうとは…。せめて金糸雀にはわからない話なのが救いかもしれない。「ともちゃん、どうしたのかしら? 顔が真っ赤かしら。」ごめん、金糸雀。お願いだからそれ以上は聞かないで。「ウチも淡ーい初恋の味のケーキって食べたいわぁ。やっぱり甘酸っぱいんやろか?」「だ・か・ら、みっちゃんさんは子供服のデザイナーなの!」話がこれ以上変にならないように強く言った。とにかく勘弁してほしいものだわ。おかげで一瞬、背中に変な汗をかいちゃったじゃない。「へぇー、巴の知り合いっておしゃれ関係が多いもんなぁ。 巴はこんなにダサダサやのに。」えーっ! そっちなの!? そういうオチなの!?危うくジャスミンティーの入ったマグカップを握りつぶしそうになった。ううん、割らない割らない。普通の女の人はそういうことできない。たとえ握力が○○キロの人でも素手では割らない。割りたくない。「ダサダサは大きなお世話だわ。私のことはいいんです! それに金糸雀は子育てしてるっていうよりお姉さんみたいなものなんだからね。 みっちゃんさんが言ってたわよ。赤ちゃんの面倒を見ている金糸雀もかわいいって。」こうなれば意地でも話を元に戻してやるんだから! …つづく。
2007/01/27
コメント(0)
楽天ブログの方はご存知だと思いますが、いつの間にかブログの管理画面が変更されてました。私、その間放置していたものですから全然気づかなくて22日に見たときでさえ、なんだかわかりずらいなぁと思っていたんです。ああ22日の日記にも書いてますよね。仕方ない…、これも楽天のやりかたなんだなぁ…。と違和感を感じながら頭の中にはてなマーク?????がいっぱい並びつつもそのうち慣れるでしょうと安易に考えていました。それで後から知ったのですが25日に再変更されていたんです。私が見たのは26日の明け方頃です。時間ないけど、とりあえずチェックだけでもと思って管理画面を開きました。そしたら…。ああ管理画面にコメントとか掲示板の欄が増えてる…。これでなんだか元に戻ったって感じだなぁとひと安心したのも束の間、メッセージが更新されている!? 何…?って1月13日じゃないですか!!!しかもとても大切な人からのメッセージが!! いえ、ここに寄せていただくメッセージは大切なものばかりなのですが、それでも特に大切な方からのがありまして、自分の不甲斐なさに本当に悔やまれました。本当はその場でお返事&お詫びをしなくちゃいけないんですけどかなり切羽詰った時間ですし、こんなに焦って書くと失敗が失敗を呼ぶと言う経験則があるものですから、落ち着く暇さえない状況ですし昨日の日記にあんなことを書いたわけです。別に楽天側のせいにするつもりはありません。もともと放置していた自分が悪いのですから。それにチェックを怠っていたことも悪いですし…。というわけで反省ばかりの毎日ですね。これ書いているのも実は土曜日だったりします。ほんとに今月はうまくいかない…、っていうか今年がもしかしてダメな年なんでしょうか。うん、それはないですね。逆に思いがけない方からメールをいただいて、それ1通で今年は良かったと満足してしまいそうなんです。まあ放置していたとはいえ止めずに続けてきてよかったと思いました。まあ昨日と今日ばかりは見ていただいてる方にはまったくわからない内容で申し訳ないですが、このブログ自体そういうものなんで笑って流してやってください。はぁ…、とてつもなく自己嫌悪だー。それではまた…。
2007/01/26
コメント(1)
改めてこのブログを放置していたことに反省しています。とっても謝りたい気分なんです。でも時間がないので明日にまわします。それではまた…。
2007/01/25
コメント(1)
なぜか最近、書く気がしないんですね。今日もボーっとブログの管理画面を見ているだけで終わりそうな気がしたんですが、こんなことでサボるのもどうかと思い、なんでもいいから書いてみようとしたわけです。そうそう、トロイメントのキャラ別ドラマCDがついに真紅まで発売ですね。個人的には金糸雀の回が一番好きだったりします。ちょうどその頃は『Tomoest』で金糸雀登場だったわけで、いやが上にも一人で盛り上がっていたんですが、果たして真紅はどうなんでしょうか。ちなみにAmazonでハルヒのDVD7巻と一緒に注文のため到着は土曜日になるみたいです。週末はすごく濃度が上がりそうです。あれ? 密度かな? どっちでもいいか…。ハルヒはハルヒでキャラソンが喜緑さんとキョン妹の発売とドラマCDが出ますからそれも買いで、本当に濃い週末です。そういうわけで時間がない~なんてほざいている私はやっぱり贅沢なんでしょうか?先週末も年末に買った『ひぐらし…』をプレイせずになぜかホロウのエンディングを見ていたりしてましたから…。って言うか、『ひぐらし…』しようよ、自分!!『ひぐらし…』はPS2版の発売が待ちきれずに、結局パソコン版を買ってしまったのです。しかも、『ひぐらし…』と『ひぐらし…解』それに『ひぐらし…礼』まで一気に大人買いしてしまったのにまだ手付かずなんです。これでいつでも雛見沢の事件の真相を知ることが出来るなんて余裕かまして、実はまったく進んでないというコレクター状態ですね。インストールが済んだ時点で満足してたりします。まさにオイオイです。でもね…、『Fate』をPS2版発売前にもう一度最初からプレイしたい気もあるんですが、コレはさすがに長いかなとなんとか踏みとどまっていますし、でも『Fate/Zero』1巻を読み終えた後だからこそやりたくなってきている気もするんです。まぁ、そんなこと言っているから時間がないんでしょうね。何回も書いている気がしますが1日48時間は欲しいです。そんなことを言っているのも若いうちだけかもしれませんけど…。それでも…、欲しい…www。それではまた…。
2007/01/24
コメント(0)
しばらく放置していました。あまり書くと言い訳になりますから書きませんけど、この数日間は真夜中に起きていること自体少なかったものですから、書く時間が…。まあなんとか再開の目途は立ったかなと思います。(漢字が変ですね)でも問題が山積みなのも確かで、これからまた毎日更新できるかどうかわかりませんけど、少しでいいから何か書いていこうと思ってます。でも…。管理画面の変更にかなり戸惑いを感じているのも事実でして…。っていうか、何コレ? わけわかんない?そういう印象でしたwwwwww。それではまた…。
2007/01/22
コメント(0)
頑張れと言われ、頑張ったものの、頑張り過ぎてDown…。人間、何事もほどほどにするのが一番なのに気がつきました。…って、今さらなんですが私自身『ほどほどに』って言葉の意味がよくわかっていない人間だったりします。まぁいーや…。気温の低下に反比例してテンションだけは上がってしまうのが私なので、先週末はようやくワクワクしていたのも束の間、また気温が上がってややブルー…。いったい冬はちゃんと訪れているのでしょうか?こうなってくると地球温暖化問題を真剣に憂う必要に迫られているみたいです。今日久しぶりにあちこちのサイトを巡っていましたら、奇特にも(感謝でいっぱいなのですが)私のブログをLINKしてくださる方のサイトで、思いもよらないものを見つけました。実は私のこのブログには一応バナーと言うものがありまして、一時期置いていましたが、タイトル変更の際にはずしていたんです。このブログの最初のタイトルは『BlueBerryJamの小瓶』というもので、なんとなく気に入っていました。これにある方がバナーをプレゼントしてくださいまして、私には当時そんなものを作る技術なんてなかったものですから大喜びで使用させていただきました。それで、見ればわかりますがこのブログは2回タイトルを変えています。前のタイトルの変更の時に一生懸命勉強してバナーを作ろうと思ったのですが、どうしても絵心と言うものが私には欠如しているようなので作ること自体を放棄してしまいました。やはりこういうものはセンスが必要だと思います。技術でなくてセンスです。一応GIFアニメの作り方とかペイントソフトの使い方なんかは初心者程度には理解しているつもりですが、それでも実際書くとなると別の次元の問題です。それに今のタイトル『ペトラプトパルテプト』なんてどうすればいいの?と悩んでいる始末です。それで話は戻りますが、その過去の頂き物のバナーを見つけてしまいました。タイトルは『ぺトラ…』なのにバナーが『Blue…』っておかしくないですか?おかしいですよね。なによりもせっかくバナーを作っていただいた方に申し訳なくていっぱいです。かといって、元のタイトルに戻すのもどうかなと思いますし…。と言うわけで家で仕事の合間をぬって試作中です。しかもExcelで…。だってねー。ペイントソフトって未だに使いこなせないんです。図形とかならWordやExcelの方が使い慣れていますから、まだ作ろうって気になれます。それに伴ってTOPページも少々変更しないといけないと思います。あー、やることいっぱいです。それは幸せな悩みなんですけどね。それではまた…。
2007/01/11
コメント(1)
さすが連休明けはすごいですね。連休明けと言うより実質正月明けなんですよね。私も体がすっかりなまってしまうぐらいにのんびりと過ごしていたもんですから、なんとなく仕事の調子が上がらなくて困っていたりして…。それぐらい休めたということなんですね。かなりブログもさぼっていましたし…。そうは言っても、いつまでものんびりム-ドじゃいけないので明日からは気合を入れ直してがんばらないといけないです。よく、『がんばる』って言葉は無意識のプレッシャーを与えるから、あまり他人に使ってはいけないらしいのですが、昭和生まれの私はどうしてもこの体育会系なノリが割と好きだったりします。確かに他人に言われると腹の立つ言葉でもあるんですけど、自分自身に訴えかけるのには案外最適なのかもしれません。そうだ、自分がんばれ!ううぅ…。少し惨めな気分になりました。でも前に進むにはそれしかないんですね。明日こそは『Tomoest』をupして、明後日は『なんに…』をupできたらいいなと思っております。年も明けたことだし、違う話も書きたい気が…。 あ~私って、なんて風呂敷を広げるのが好きなんでしょうか?広げっぱなしは深く反省すべきことでもあるんでしょうが…。それではまた…。
2007/01/09
コメント(0)
長かった3連休が終わりました。と言っても私は風邪をひいたりのんびりしていたりでダラダラと過ごしていました。家にいたせいか外の嵐にはほとんど遭遇していません。ですが風は強かったですね。本当に台風並みでしたよ。『そこ現』の26をupしたんですが、実はこれ6日にはほぼ書き上げていたんです。ということは同日にupすべきなんですが、運悪くメンテナンスタイムに突入しまして、それで少しづつ書き足していくうちに2日遅れて今日になりました。思ったより書いてしまって、これで人工精霊の双子編は終わりになります。まだドールの双子の決着はついていませんが、もう少しでこのお話はようやく終われそうです。ちょっと甘い希望かもしれませんがね。それではまた…。
2007/01/08
コメント(0)
その26 ~ 双子2 ~ 右腕をなくし、それでも不敵に笑うスイドリームの表情には余裕が感じられた。事実、失ったのはコピーされたピーチェの右腕なのでスイドリーム本体には何の影響もない。あるとすれば切り取られた痛みだけである。それでも想像を絶する痛みには違いないのだが、スイドリームにはそれすらも楽しげに見える。享楽的だと言われればそれまでだが、長い年月にわたり実体化することがなかったことを考えれば無理もないことかもしれない。痛みとは肉体を持って初めて感じることが出来るものだからだ。それとは対称的にレンピカは境地に立たされていた。使い始めたばかりの道具とは言え、ようやく手に馴染んできた庭師の鎌をいとも簡単に取り上げられたのだ。両刃の鎌特有の癖もつかんできていたし、そろそろ新たな技が見出せるとも考えていた矢先のことだった。油断がなかったといえば嘘になる。相手の道具は自分が熟知している庭師の鋏である。蒼星石と共に他のドールたちと戦いぬけたレンピカの化身そのものと言っていいくらいだ。それゆえに庭師の鋏のことは知り尽くしていると言う油断が生じた。相手が誰であれ、自分以上に使いこなせるものはなく、万一いたとしてもそれはきっと蒼星石だけなのだ。また、鋏よりも断然、鎌の方が攻撃範囲が広いのも優位に立てると感じた要因だった。それが片腕になったスイドリームを追い詰めるどころか、逆に追い詰められた状態になってしまった。レンピカは思った。スイドリームは根拠のない自信など持たない。何がそうさせているのだろうか。借り物だとはいえ右腕を失っている。あれはピーチェの右腕があってこその魔法なのだ。つまり、先ほど見せた『忘却の光』は使えないと考えてもいいはずだ。でもその使えないという根拠はどこにも存在しない…。いや、違う…。スイドリーム本体なら自分と同じ魔法は使えるはずだが擬似精霊であるピーチェの体ならそれもかなり限定されるだろうとは考えられる。それは自分の体を持ってしてわかる。本人は『忘却の光』を放つ際に制御結界を張り忘れたと言っていたがそれはごまかしで本当は張りたくても張れなかったと考えるのが妥当であろう。同時に2つ以上の魔法を使いこなせない…!? なら、つじつまが合うかもしれない。それが今の状態であり、魔法に秀でたスイドリームの実力からすればありえない。ということは魔法に関しては肉体的な制限をかなり受けていると見ていい。だから右腕を切り落としたのはやはり正解だった。これで少なくとも魔法による攻撃の脅威は考えられない。仮に使われたとしても対処として防御結界を張ればそのほとんどは無効化できるはず。ならば鋏による攻撃か…。それならこちらに分がありすぎる。それはスイドリームが一番よくわかっているはずだ。では別の道具か武器かもしれない。スイドリームの言葉を信じるならば素手で戦うつもりかもしれないが、そうするとこちらがあまりにも有利だ。ピーチェの体は格闘向きではない。またスイドリームは庭師の道具を他の人工精霊と比べても数多く持つコレクターでもある。稀少具『庭師の富瑠衣』を持っているなら他に何か持っているのを疑うべきだろう。それでも片手で扱えるものは限られている。一番厄介なものは庭師の鉈だが所有者は自分の知る限りスイドリームでないはずだ。それに鋏を捨ててまで価値のある道具など存在しない。つまりどう考えても、これはスイドリームの虚勢だ。なら答えはひとつだが…。レンピカの額から汗が雫となって落ちる。安易な決断は許されない。レンピカ自身のことならまだ許されるかもしれないが、後ろには蒼星石がいる。蒼星石だけはなんとしてでも守らなければならない。「どうするも何も戦うに決まっております。 お姉さま、ハンデどころか負けたときの言い訳なら聞きませんので。」「言い訳なんてするもんですか。死人に口なしっていうじゃない。 なんならこっちも素手で戦ってあげてもいいわよ。 確かに戦うのはあまり好きじゃないけどね。久しぶりだし………、んっ!?」 レンピカの肩越しに見える翠星石がいた場所の土がかすかに盛り上がった。スイドリーム本体と言うべき光点がその上をゆっくりと円を描きながら飛んでいる。「あっ、シスターが目を覚ましたわ。残念ねレンピカ、私はそろそろ戻らなくっちゃ。」スイドリームは片目でウインクして、いかにも残念そうに笑った。「えっ?」動く気配を感じたのかレンピカも振り返って翠星石のほうを見た。「隙ありっ!」スイドリームは庭師の鋏で軽くポンとレンピカの頭を叩いた。三角の帽子が少しへこんでレンピカの頭から落ちる。「まったくあなたときたら、戦いの最中なんじゃないの? あなたが強くなったってのはわかったけど、まだまだ集中力が足りないわよね。 まあ、今度会うまでにはもう少し鍛えといてね。 でないと…、お姉ちゃんにはかなわないぞ~! あははは。」そう笑ってスイドリームは突然レンピカを抱きしめた。突然すぎて一瞬なんらかの技を仕掛けられたかとレンピカは思ったが動けなかった。「レンピカ…。元気でね。 もし許されるなら私自身の体であなたを抱きたかったわ。でも、いいの…。 あなたの顔が見れただけでも私は嬉しいから。 それとお願いだから私を姉と呼ばないなんて言わないで。 私達は同じ体を分かち合った姉妹なんだから…。じゃあね。」「お姉さま…。」レンピカは呆然と口を開けたまま立っていた。スイドリームの体が静かに離れる…。「待って、お姉さま! まだ戦いは終わっていません。それに…。 それにまだ私(わたくし)の質問にもお答えになっておりません。 お姉さまはなぜ『忘却の光』をお使いになられたのです?」「それは…、ねえ…。フフフ…。あなたを驚かせたかったからよ。うん、それだけね。 だってね、さっきからあなたに攻撃されて痛かったんだもの。 そうね、結果的にあなたと二人っきりでおしゃべりできる時間が出来たのは嬉しい誤算だったわ。 私が言うのもなんだけど運命って不思議なものよね。楽しかったわ、レンピカ。 またお話できればいいわね。それと…。」スイドリームは蒼星石のほうを見た。蒼星石は立ち尽くしたまま微動だにしていない。「蒼星石様のゼンマイが切れ掛かっているわ。ミーディアムがいないせいね。 あの様子だと早くまかないと完全にお眠りになるわよ。 ミーディアムを探すのは私たちの仕事なんだからこんなところで戦っている場合じゃないの。 早く行ってあげなさい。 それと庭師の鋏は蒼星石様のものだから返すわね。 じゃあ、また会いましょう。」そう言った途端、スイドリームは力が抜けたように膝から地面に倒れた。緑色の光点が一つ飛び出すと、やがて肉体は砂のように崩壊していった。飛び出した光点は翠星石の上を回る光点と重なって一つになった。残されたレンピカは呆然とその様子を見ていた。スイドリームの笑顔がまだそこに残っているような気がした。レンピカは地面に突き立てられた庭師の鋏を取るとつぶやいた。「まさか、お姉さまは…。いいえ、それはありえませんね。 お姉さまだってローゼンメイデンに仕える人工精霊…。でも…。 私(わたくし)は戦いを、アリスゲームをやめるつもりはありませんから…。」 …つづく。
2007/01/08
コメント(0)
久しぶりに『そこ現』をupしました。なんだかドールたちを置いてきぼりに話(戦闘)が進んでいます。翠星石は眠った(!?)ままですし…。蒼星石が退屈のあまりお昼ねしているようです…。でもあまりハラハラドキドキ感が足りないのは言うまでもなく私の稚拙な文体のせいなんでしょうね。せっかくの戦闘シーンなのに…。続きが早く書けるのを願って、それではまた…。
2007/01/04
コメント(0)
その25 ~ 双子 ~レンピカの心の中で少しずつスイドリームに対する怒りがこみ上げてきた。自分たちの使命を侮蔑されているかのような気分になってきたためだ。「そう…、ですか。 仮にも神々の祝福を授かった私(わたくし)たち人工精霊に可能性など…。 なんて愚かな…。 お姉さま…、私(わたくし)と同じ構成因子を持つ双子の姉、 スート・イファンヌ・ドレア・リリ・ムスカピ・ウラウチェルトよ。 やはり私(わたくし)とあなたとは相容れないみたいですね。 それに翠星石様も戦うことがお嫌いのようですし、案外あなたとお似合いなのかもしれませんね。 そうやってあなたたちはいつまでも夢を見てまどろんでいればいいでしょう。 ですが、私(わたくし)とシスターは違います。 シスターが全てのローゼンメイデンを倒し、アリスとなるまで私(わたくし)は共に戦います。 そう、それが私(わたくし)の『進むべき希望』なのです。 今まであなたのことを22人の人工精霊の中で唯一の体を分けた双子の姉だと思っておりました。 これであなたのことをお姉さまと呼ぶのは最後にします。」レンピカは庭師の鎌を構えなおしてゆっくりとスイドリームの前へと進んだ。庭師の鎌の刃先が鈍く光る。「戦うのがお嫌ならば、今すぐここで消えておなくなりになさいませ!」レンピカは庭師の鎌を高々と掲げ、すぐさまスイドリームに向けて振り下ろした。キンッ!金属同士が打ち合う高く冷たい音が響き渡った。その動作は一瞬ではあったがスイドリームも予測していたように庭師の鋏で受け止めていた。スイドリームは小馬鹿にした目で微笑んだ。「あら? 気の短いこと…。あなたらしいと言えば、そうかもね。 でも、そんなに真正面からじゃ不意打ちにすらならないわ。それに…。 レンピカはまだまだ武器の使い方がなっていないんじゃない。」「だったらなんだというのです。お姉さまこそ今の状態をご存じないのですか?」レンピカは力で押さえつけていたのを緩め、後ろに飛びのいた。スイドリームは機を逃さず、飛び込んで真っ直ぐに突いたが、見事にかわされてしまった。しかし、着地と同時に左へ横っ飛びをし、スイドリームの右手に回ろうとしたレンピカを目で捉える。「それはどういう意味なのかしら? もしかしてこの身体のこと?」回り込まれないように注意しながらスイドリームは庭師の鋏を構えなおした。だが…。「遅いですわ! 見ているだけでは、何も出来ないのと同じでございます。」 レンピカの声と共にスイドリームの右腕の肘から先が鎌によって断ち切られていた。レンピカがほんのわずかの隙をついて鎌を突き出していたのだ。もちろんスイドリームもその動きは見えていたはずである。そのための回避動作も計算に入れて鋏を構えたつもりだった。いかに借り物のピーチェの肉体であろうとも庭師の鋏を使いこなすには充分すぎる左腕を持っている。たくましすぎる左腕とは対称的な貧弱な右腕をかばってもあまりあるものだと信じ込んでいた。それは決して油断でも慢心でもないスイドリームの自信であった。そして小さな右腕が刈り取られた枝のように地面に落ちた。「くっ…。」スイドリームは短いうめき声を漏らして鋏でレンピカの鎌を払う。「速さでこの私(わたくし)にかなうものですか。お・ね・え・さ・ま。」レンピカはワザと顔を歪ませてニタリと微笑んだ。そのまま払いのけられながらも鎌をいったん引いて、横に振りまわす。「それともいつまで私(わたくし)の攻撃に耐えられるおつもりでございますか? もうそのご様子では受けられるのも難儀だと思われますが。」レンピカは続けて二度三度とスイドリームの首をめがけて鎌を振り回した。「心配ならいらないわよ、レンピカ。だって、ねー。 この体ってピーチェの借り物なんだもん。私の本体には何の影響もないんだからね。 でも、先に右腕を切り落としたのは褒めてあげるわよ。 さすがにこの腕じゃ魔法は使えそうにないみたいだもんね。」スイドリームはそれを上半身の動きだけでかわし、時折鋏で跳ね返したりした。「強がりを言われてもそれが嘘だとわかりますわ、お姉さま。 意思がそのピーチェのコピーにある以上、痛みは伴うはずですから。 それに私(わたくし)は手加減いたしませんのでご了承下さい。」レンピカはそれには動じずに執拗にスイドリームめがけて鎌を振るった。スイドリームは悪戯っぽく微笑を浮かべて鋏を鎌の動きに合わせた。「ははは…、ばれてたんだ。実はね、もう痛くって痛くって。 思わず叫んでしまうとこだったわよ…。なんてね。」そう言って鋏の刃先を鎌に引っ掛けて真上に上げた。レンピカの手から庭師の鎌が離れる。鎌はそのまま宙を飛んでスイドリームの後ろに落ちた。「素手で私と戦ってみる? あまりお勧めはしないけどね。 でもこのままやられっぱなしっていうのもねえ。一応、私は双子の姉なんだしさ。 お姉ちゃんが強いところも見せたいってところかしら。うん、それいいなあ。 こんなチャンス滅多にないわよね。偶然ながらハンデもついてるし。 ねえレンピカ。どうする?」 …つづく。
2007/01/04
コメント(0)
新年明けましておめでとうございます本年もどうかよろしくお願いします………、やはり、この手の挨拶は苦手だったりします。だいたい、これ書いてるの1月2日だし…。それではまた…。
2007/01/01
コメント(0)
全15件 (15件中 1-15件目)
1
![]()
![]()