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なんか早い気がします。朝晩がだいぶ涼しくなって本格的に秋かなあと思うと嬉しくなってきたりして…。週末だから余裕たっぷりでこんな時間まで起きているんですけど、また例のニコニコで見れなかった某スクイズ最終回を見ました。確かにあれは地上波は無理です。残念ですけど…。たまたま見終わったその直後に『瀬戸の花嫁』をテレビ大阪でリアルタイムで見て、またまた永澄が誠に見える始末…。だからこの流れはよくないって前から封印していたのに。まあそんなことはどうでもいいことなんでしょうけどね。それではまた…。
2007/09/28
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なんとなく…でニコニコで見始めた『さよなら絶望先生』。なんとなく…で思い出して、何気に買った『撲殺天使ドクロちゃん』の原作文庫本。なんとなく…で買ってみたDSソフト『ハヤテのごとく~ボクがロミオで…』。そっか、今の私には『お笑い』が足りないんだ。飢えてるんでしょう、きっと…。十五夜だけにそんな事を考えるのかどうかわかりませんけど、嗜好の傾向が『お笑い』に向いているのは確かです。たぶん、『AIR』・『KANON』とシリアス物が続いたせいでしょうね。かなり大きい反動がきています。あー、ちなみに十五夜はまったく関係ないですね。満月に影響されるのはユキちゃんぐらいですから(ユキちゃんというのは『ななついろドロップス』に出てくる羊のぬいぐるみのことです)。これは少しまずくって、今書いている『ネバクラ』が少~しコメディ路線に向かおうとして、慌てて修正しているような次第です。だからと言って『Tomoest』や『なんに』を書こうとしないのは私らしさかもしれません。まあ今はお仕事が厳しくってそれどころじゃないのも確かなんですが、お話だけはテンポよく頭に思い描けるので、それをいかに忘れないようにするか大変なのです。そのうち時間があるときにじっくり書いてみたいですね。うん。それだ! 最近の私に抜けているもの。メモを取る行為…。 えーっと冗談です。今日もまた意味不明の日記ですけど、たぶん『お笑いによるヒーリング効果』を求めているなんて感じでしょうか。なんだか最後だけに悲壮感が漂います。明日はもう少しがんばりたいです。それではまた…。
2007/09/25
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なんていうか良かったですね。無事放送されまして。もちろん『ひぐらしのなく頃に 解』のことです。サンテレビ>京都テレビ>テレビ大阪 の図式が私の中で確立されつつあります。とある事件のおかげで金曜深夜の『Schooldays』が放送中止になり、おまけに京都テレビでの『ひぐ解』も中止になりました。それで今日のサンテレビを気にしていたんですが、杞憂だったみたいです。ただ次回予告が公式HPでのっていないのは、他の地域での配慮でしょうか、ちょっと残念です。それではまた…。
2007/09/24
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意外と調子よく更新できると思っていたら、結局はいつも通り…。ということはデフォルトで週一が確立しつつあるんでしょうか?などとこのブログの存続に関わるような悩みを抱えている場合ではないのですが、それぐらい深夜に起きている事が少なくなったということです。喜ばしい事? えーっと、たぶん違います。違うんですけど起きていられなかったりします。そうです。寝るのが早いんです。理由は多々ありますが、いいかげんにニコニコを自粛しないといけなくなりそうだと言うのは確かです。まあ毎日見るのは仕方がないにしても、影響されてamazonでDVDを買うのはそろそろ経済的に限界が来そうなのでマズイかなと…。保存すればいい? 確かにそうすれば安上がりでしょうけど、なんだか納得いかない部分もありまして、それにDVDのほうが集中して見られるからいいんですよ。ニコニコは大勢でワイワイと見ている感じがして、それはそれでいいんですが、やはり好きな作品と言うのは一人でじっくりと見たいなって気がして、それはコメントを非表示にしたぐらいじゃ味わえないんです。好きだから買う。ただそれだけの理由です。なんとなく以前にも同じことを書いたような…。まあいいか。明日はもう少しマシな事を書けるといいなと重いつつ、今日はこのへんで。それではまた…。
2007/09/23
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自分でもすごいと感心しています。なにが?えーっと、連続毎日更新…。でも2日目…。あまり褒められたもんじゃありませんですけど…。と言うわけで『ネバクラ』第1話のあとがきを少し。以前書いたかもしれませんけど、このお話は基本が復讐劇です。たぶん!?ていうか、そういうコンセプトで考えていたのですが少しずつ違う方向へ向かっています。ローゼンの二次創作で復讐劇なんて考える人はいないだろうなんて安易な発想から生まれました。戦闘モノのアリスゲームに関してはいくつかお目にかかったことはあるのですが、こういう展開は面白いかもしれないなと思いまして、書き出した次第です。でも世界は広いですからね。たぶん同じ事考えている人はいるかもしれません。私は別にこだわりを持っているわけではないですので逆にそういうのがあればお目にかかりたいです。たぶん、そういう発想で書かれたものを読みたいと思ったからこそ書いているんだと思います。まあ結局、読みたいから自分で書くといった、いつものパターンです。当初はヒロインの恵瑠奈が単独で復讐を果たす(!?)物語の予定だったのですが、あまりに殺伐としすぎて面白くないので、一度書いてみたかった薔薇水晶を使いました。原作には登場しませんけどトロイメントでは重要な敵キャラですし、このドールにはマスターがいないっていうのもありまして恵瑠奈とくっつけました。正直言って薔薇水晶は使いづらいです…(泣)。でもお気に入りなんですよ。ローゼンメイデンシリーズでないのに…(笑)。でもこの子が光るのはやっぱり戦闘シーンだと思いますので、これからの展開で激しく戦ってくれると信じてます。いや戦わせます。バトルはローゼンメイデンの基本ですから。確かトロイメントの最終話で薔薇水晶は…、なんて突込みが入りそうですけど、実は密かに復活しています。『なんに』の第9話で修復中でした。だから私の二次小説では復活後に恵瑠奈と契約しているんです。まあ契約のエピソードは『ネバクラ』本編で書きますので省略しますけど、時系列的には『なんに』は秋のお話(『まきまき』が秋のため、その1年後)なので、その翌年の5月中旬が『ネバクラ』の舞台になります。ちなみに『Tomoest』は『なんに』の3ヶ月ぐらい前にあたります。つまり…。 200X年7月『Tomoest』→10月『なんに』→200X+1年5月『ネバクラ』と言った感じでしょうか。まあどうでもいいことかもしれませんけど…。あまり年代にこだわると文化的な設定にボロが出ますのでそこはスルーしてください。なぜなら仮に2006年にした場合、原作が1995年になってしまいます。つまりジュンはWindows95がOSのパソコンでネット通販していたことになります。ちょっと厳しいかもです。いやありえないですね。特にみっちゃんのオークションとかが。そういうわけでそこはスルーしていただくとして次はやっぱりこの人、ベビードールでしょうか。きれいなお姉さんっていうのが本性みたいです。今の段階で詳しく書けないんですけど、やっぱり神の領域に土足で踏み込んだっていう表現が似合う人です。同じ人工精霊でもスイドリームとは一味違います。なんていうか…強い。みたいな。早速傷ついちゃいましたけど、次の3話で…って、まだ話が煮詰まっていません。たぶん戦います。誰と? それはまだ秘密と言う事で…。それとこの『ネバクラ』は魔術の話が割とよく出てきます。まあこのあたりはFateの影響を受けています。私も魔法と魔術を分けて考えるのは大賛成です。だから魔法使いなんて出てきません。出てくるのは魔術師です。それで魔術協会とか魔術法程式なんて言葉が出てきました。魔術協会はともかく魔術法程式ってファンタジーの世界でも出てこない単語ですよね。これは残念ながら私の創作ではなく、ある小説からヒントを得ました。一応、本家に敬意を表して漢字が微妙に違うんですけどね。詳しくは本編でスイドリームかベビードールが語ってくれると思いますけど『視覚的に変化した実体ある魔力の塊を術者の意思を言語化して形づけたもの』って感じでしょうか。まあそういうわけで強引に終わった第1話でしたけど、実は書き直してどうしようもなくなったので無理矢理終わらせたって言うのが正しいです。まあ私自身、稚拙な文章しか書けませんし、逆に開き直ってみたらああなったわけです。まさに駄作中の駄作感がヒシヒシと伝わってもらえたら幸いなのかもしれません。はぁ…、反省する事ばかりなのでとりあえず今日はこのへんで。次は第2話のあとがきですね。全然ローゼンっぽくない感じですけど、それは私にデフォルトですから。それではまた…。
2007/09/18
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本当に週一くらいのペースで更新していますが、それでも何とか続いています。実は何度か書いたものをupしている(未遂)のですが、登録ボタンを押してエラーが出ることが多くて涙の連続なのです。そういえばらき☆すたでも黒井先生のネタでありましたけど、私はあれを見たときに激しく同意してしまいました。ここを開設してそろそろ2年になりますけど、消えていった日記はそれこそ山のようにあると思います。最初の頃は何とか思い出しながら一から書き直したりしましたけど、最近ではとてもそんな気力もなく書かないどころか数日間は書く気がしないなんてことになるしだいです。まあ、下書きしてからupすればいいだけの話でしょうけどね。でも日記の下書きなんて…。何度かやった事はありますけどなんか空しくありません?今となっては小説なんかは絶対テキストで下書きしますけど日記はさすがにそこまでは…。だからひどい目に遭うんでしょうけどね。そう言えば白状しますけど、『おかえり』の2話と『そこ現』の更新が止まっている理由はupに失敗したからなんです。更新時に修正した分が消失しましたから…。記憶のバックアップからのリカバリーが難しくって…。でもまあ、せめてupする前にコピーするぐらいはやっておこうと反省しています。あっそうそう。『ネバクラ』が無理矢理ながらに第1話が終了し、第2話に進みました。またまた意味不明っぽいサブタイトルなんですけど、後から効いてきますので大丈夫です。(ちなみに1話もそうですけどね。)近いうちにあとがきを書く予定です。と言うか書きたいです。でも今日はやめておきます。それではまた…。
2007/09/17
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< Scene.2-1>I could not say “Thank you” because I could not see the truth.「さすがに一ヶ月も家を空けるといろいろと溜まるもんだな…。」これでもかと外まではみ出たマンションの集合受箱の扉を開ける中には色とりどりのチラシや公共料金の請求書・郵便物がごっそり入っていた。無事に家に帰れた証拠みたいなものだ。悪い気はしないが出迎えがこいつらというのも寂しい。4階までの階段をゆっくり上りながら選別にかかる。とりあえずチラシは無視。電気・ガス・水道に電話…。ひととおりの請求書がそろっている。封を開けるまでも無い。たぶん今月は基本料金で済んだはずだ。カードの請求書は、っと…。ペーパーナイフのように指を入れて封を破る。「ふむ、相変わらずひどいもんだ。使った奴の気が知れない。って俺だがな…。」独り言は癖になるからなるべく言わないようにしないといけないのだがつい漏らしてしまう。もっとも、そばで耳立てている奴が相手をしてくれれば独り言にならないのだが。他の手紙を見ようとして手が止まった。水色の封筒、ロンドンからのエアメール。濃紺色の文字で書かれた差出人は見覚えの無い人物。でも宛名は間違いなく俺だ。「いや、待てよ。どっかで聞いたことのある名前だ。超有名人じゃないのか、これ?」名前はさて置き、かすかに香る特殊なハーブの匂いが水色の封筒の差出人を物語っていた。中身はほぼ予想できる。帰ったばかりだというのにこれだ。少しは休暇というものをいただきたいものだが、どうこう言える立場ではない。3階の踊り場で立ち止まり周囲を確認する。こんな真っ昼間に人は通らないだろう。解呪の呪文を4つ唱えた。人によれば高度な魔術法程式なのだが、俺としてはシリンダー錠を開けるより簡単なのだ。たちまち手紙の文字が濃紺から真っ赤に変わる。それがこの手紙にかけられた封印を解いた証拠だ。「おい、ベティ。喜べ、また仕事だ。このご時勢にありがたすぎて涙が出るねえ。ったく、なんて人使いの荒い連中なんだ。」背後にいる相棒に手紙をひらひらと見せた。わかってはいるが反応が無いのは寂しい。たぶん興味ないんだろう。別にいいけどな。封を開けようとして裏を見るともう一つの封印に気づいた。なるほど…。これはただ事じゃないかもしれない。つまりは容易に開けるなって事か。自分でも表情が険しくなるのがわかるくらいその封印の意味は重い。仕方なく足早に階段を駆け上がり、急いで自分の部屋に戻った。一ヶ月も主のいない部屋はこもった空気で満たされていたが窓を開ける気にはなれなかった。「おい、ベティ。戸締りとレベル2の結界を頼む。ああ、そこだけでいい。」相棒に結界を張らせると周りの空間との断絶が始まる。発泡スチロールが擦れるような音とエレベーターで急降下するような振動が合図だ。あまりいい趣味とはいえないがこの音と振動は心地いい。日本の住宅事情もさることながら、このマンションという建物は良く出来ていると感心する。特に日本という国は先祖からの知恵なのか建物に関しては欧米に比べてかなり優れている。もちろん魔術的にという意味なのだが。立地的に地脈が安定しているのはもちろん、人が住む空間を無駄なく計算されている。つまり下手に一戸建てよりもマンションのほうが効率よく魔術を行いやすいってわけだ。だから日本で住むのに場所は不自由しない。どっかの大国と違ってな。このマンションだって都会でありながら魔術師なら垂涎の住処といえるだろう。目をつけたのは相棒だが、まあ並の魔術師には見つけられないか…。こんな場所で魔術を行うってほうがどうかしているもんな。普通の神経の持ち主ならばな。こういう仕事を生業としている身なればこそだが、まったく因果な商売だな。さて、結界も落ち着いた事だし協会からのDM(密令書)を開けるとするか。ロンドンからのエアメールは主に魔術協会が監察者との連絡に使われる。それは携帯電話やパソコンのEメールが発達したこのご時勢でも変わらない。秘匿を常とするには昔ながらのこの方法が完璧だからだ。もっともEメールにパスワードをかけることができても魔術封印はできないからな。そういう理由だ。この手紙の場合は2重ロックされているようなものだ。第3者が不用意に開けると普通なら中身が消失するだけだが、これは予備魔術が発動する。最初の文字の色が変わる封印はある程度上級の魔術師なら解呪できない事はない。だがその次の封印は下手に解呪すると周囲を巻き込んで消失する悪質なものだ。原理は簡単で単純明快。地獄につながる小さな扉を手紙につけてあるだけ。開けた途端に『地獄の濃霧』といわれるガスが拡散し、分子レベルで周囲の構造を破壊する。つまり全てのものが塵にかえるってだけのことだ。あー怖ろしい怖ろしい。生身の人間なら気がついたら地獄に落ちているってことになるんだろうよ。どんな敬虔なクリスチャンでもこれには問答無用に引きずり込まれるらしいからな。と言っても最初の封印すら解呪出来ない素人には関係のない話だ。中身が消失して終わり。よっぽど他の魔術師には見られたくない内容…、それがこの手紙の正体。どこの馬鹿が考えたのか知らないがこのやり方は二百年近くも変わっていないらしい。科学がこんなに発達したんだから誰かEメールに魔術封印を施す方法を考えてくれ。それだけでこんな難儀な仕事が減るだろう。「本当に手間のかかる仕事だな。えーっと聖水は残ってたっけ? ああ、あった。」冷蔵庫にしまっておいた聖水の瓶を取り出す。開いた冷蔵庫から少し悪臭がするのは2ヶ月前の納豆の匂いのせいか…。「おい、ベティ。そんな顔するなって。納豆は日本人の心なんだぞ。お前も一度食ってみろ。 白いご飯には最高に相性いいんだから。このネバネバがなんともいえないくらい美味いの なんのって…、ああ、わかった、わかった。わかったから怒るなよ。」とりあえず腐りかけ納豆は後で味見してから処分しよう。それにしても臭いに敏感な奴だな。まあそれぐらいでないと俺の相棒は務まらないか…。妙な感心をして手紙をテーブルの中央に置く。見た目はただの木目調のどこにでもあるテーブルなのだが、よく見ると木目が全て極微小の文字で描かれた魔術法程式と言う究極の一品だ。もちろんこれ一つで新宿の高層ビルが一つ買えるぐらいの値打ちものだが見た目は安っぽい。食うものに困ったら最後にこれを売ろうと思うのだが買い取ってくれるものはいないだろう。高度すぎて魔道具とは見なされないからな。残念だが…。聖水を右手の小指につけテーブルの上を慎重になぞる。あらゆる超難度の儀式を省略できるメリットは大きいが精神負担は膨大なものだ。ほんの数ミリでもずれると別の魔術が発動する危険は否めない。だから呼吸すら出来ない。二つの楕円を交差させる形で手紙を囲むように描き、周囲に六茫星を配置。今まで何百回もやってきているので目を閉じても描けそうなのだが、そんなことはしない。状態の変化を見極める事も大事だから指先と視線は極度の集中が欠かせない。描きおえると次の工程に取り掛かる。「閉門・封鎖・状態保護・辛酸・鈴音・黄道解離・配布…。」空間上に呪文(スペル)の魔術法程式を描いて解呪の準備が整う。相棒のベティは何も問題無しとばかり、マホガニー色の瞳で静かに見守っていた。「まあこの程度の魔術が出来なきゃ監察者失格だからな。さて、どんなお仕事が待っているやら、開けてみるとするか。」右手の人差し指と親指で対象物を指し示し、薬指をはじいて最後の呪文を唱える。封筒の裏面にびっしりと埋め尽くすように書かれた魔術法程式が徐々に封筒から剥がれるように浮かび上がる。これが第2の封印の正体だ。面白いように剥がれた文字がゆるやかにテーブルの上を昇りはじめると空間上の魔術法程式と打ち消しあって消滅していく。パチパチと弾けるその姿は線香花火に似ている。もう少し部屋が暗ければ風流なんだが、俺一人で楽しむってのもなんだしな。チラッと横の相棒を見ると何の感慨も無いらしい。そりゃそうだな、理解できないか…。念を入れてもう一度封筒を確認する。大丈夫みたいだな…。ペーパーナイフで丁寧に封を開けると中には便箋が2枚と写真が1枚だけだった。写真だけを手に取り、じっくり眺める。余計な情報無しで観察する事が重要だ。「これが地獄行きの切符の中身か…。ん…、女の子!? この子が対象者?」 to be continue…
2007/09/12
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< Scene.1-6>There are two pines in the hill and there are a master and a doll in the hilltop.ベビードールはそのアナウンスが終わらないうちに立ち上がってこう言った。「じゃあね、マスター。あたし、バスを降りてちょっと見てくるわ。 とっくに逃げて無駄かもしれないけど、このままってのはちょっとね。この矢の犯人に仕返ししなくちゃ気がすまないっていうか…、ああ、わかってるわよ。目立つ行為は避けるべきだってことぐらいわね。でもあたしにもプライドってものがあるんだから、マスターにもわかってもらいたいわ。どちらにしてもこの忌々しい毒のおかげであと2時間も動ければ…、って、まあいいか。 ああ、シスターにはあたしから連絡したから、もうすぐこっちに来るわ。 それじゃあまたね。」言い終わらないうちにバスが停車したため。ベビードールは出口に向かう。「ちょっと待って! ねえ!」ベビードールは私の呼び止める声に片手だけ振って応える。聞きたいことは他にもまだたくさんあるんだけれど…。でも…呼び止めようとしたのはそれだけじゃなくって…、大丈夫なのかな?あっ…、やっぱり不安的中かも…。ベビードールは降りようとしてバスの運転手に止められたみたいだ。だって、バスって無料じゃないよ。ちゃんとお金払わないと。私は定期券があるからいいけど、ベビードールってお金持ってるの?あー、なんか言い争ってるっぽい。私は小さな姿のベビードールしかしらないけど、あの子の性格からしてマズイ気がする。もしここで運転手を殺しちゃうとかの魔術を使ったりしたら…。…って、ありえない。ありえないよね、ねっ!?………。うー、素直に否定できない…。他の乗客には私たちが会話しているのを間違いなく見られてるわけだし。今さら他人のフリも難しいか…。でも私はあの子のあんな姿なんて初対面なんだよ。ど、どうしよう…。さっきとは違う意味でドキドキしている私。間違いなく心臓に悪い。でも助けてもらったから今度は私が助けなきゃ。経済的に…。なるべくなら関わりになりたくないんだけど、仕方がないかなぁ。それに私はあの子のマスターなんだから。そう腹をくくることにした。私が立ち上がろうとした時、ベビードールは満面の笑みで運転手に右手を突きつける。マズイ!! あの子ったら、本気で魔術を使う。実際にあの子が魔術を使うところを見たことは数回しかないが、さっきの怒りようだと本気で殺りかねない。哀れなのはとばっちりを食らった運転手という結末だ。「待っ…、あれ?」手にしているのは赤いお財布らしきもの…。そしてその中からおもむろに千円札を出すと運転手に渡した。運転手は苦い顔で料金ボックスを指差す。ベビードールはそれを見て料金ボックスの上に千円札を叩きつけると降りていった。後に残ったのは運転手の「お客さん、お釣り~!」って叫ぶ声だけ…。ふーっと安堵の息をもらす。なんだかどっと疲れた…。やはり心臓によくない。ベビードールがどんなにきれいなお姉さんに変身しようとも、あの子はあの子なのだ。見かけに騙されちゃいけないってことよね。うん、勉強になった。再び動き出したバスの中でそう思った。あれ? いつの間にか震えが止まっている? ある意味、ベビードールが変な緊張感を与えてくれたおかげなのかもしれない。でも…。それも含めて私を守ってくれたと理解していいものだろうか。それにお金持ってるなら最初から払えばいいと思うんだけどな。いくら人工精霊だからって人間の貨幣経済ぐらいはわかると思うんだけど。窓の外を眺めながら、今度はふ~っとため息をつく。考えなくちゃいけないのはそうじゃない。私が何者かに狙われていること。もちろん心当たりなんか無い。私がドールのマスターであることすら誰にも知られていないはずだ。『上位クラスの監察者ってところか、それとも協会の執行者…』そんなことをベビードールは言ってたっけ?監察者? 協会の執行者? なによそれ? 人間ってこと? 他のドールじゃないの?薔薇水晶と一緒に戦うと決めた日から覚悟は決めていたけど相手は人間なの?他のドールのマスターとか? ありえないことかもしれないけど…。でもそうよね。薔薇水晶が言っていた雛苺のマスターの可能性だってないこともない。魔術師じゃなくったって敵には違いないんだ。ベビードールのおなかに刺さっていた矢が現実なんだ。ジワーッと広がった血の色が頭の中に焼きついている。あれが戦うと言う事? これがアリスゲーム?なんでもないようなことをベビードールは言っていたけど本当に大丈夫なんだろうか?心配する気持ちとともに生まれたもう一つの感情。私はただ守られているだけでいいんだろうか?「本当にそれでいいのかな…?」私だって…、私だって戦えるはずだ。こうして現実を目の当たりにしても何もできないのはわかっている。ただの15歳の少女に出来る事なんてあまりにも限られている。何も出来ない私は足手まといにすらなれないこともわかっている。怖くないと言えば嘘になる。本当はすごく怖い。怖くて逃げ出したい。だけど私はこの道を選んだんだ。戦う方の道を。薔薇水晶たちが私を守るのは私がマスターだからだ。すなわち契約を交わした力の供給源を保護するためのもの。その力とは何なのか私にはわからないし実感もない。薔薇水晶は『マスターは戦わなくていい』といつも言ってくれている。『万一戦って、一時的にでもマスターを失うとドールとしての力が弱まる』そうだからだ。しかし私にだって譲れない理由はある。そのために薔薇水晶と利害が一致して契約したのだから、直接は戦えなくてもその目的を果たすためも私は戦いたいんだ。 「アリスゲームか…。」正確に言えばこれはゲームではなくて、ドールたちの戦争だ。でも私にとっては単なる復讐劇にしか過ぎない。薔薇水晶はアリスゲームに便乗しているだけの殺し合い。ベビードールは気まぐれで付き合ってくれているだけ。そんな3人が奇しくもめぐり会い、ともに戦う事になった。しかも敵は明確じゃなく、どれぐらいいるのかさえ検討つかない。ドール・人間・それ以外のもの…。あらゆるものが敵になりうる可能性がある。私が倒したいのは二人だけなんだけど、倒してそれで終わりなんてありえない。足を踏み入れたときから抜けないものだとわかってしまった。だから、戻れない道を進んでいる。だから、最後まで突き進んでやる。今の私は一人じゃない。薔薇水晶だってベビードールだってそばにいる。「一人じゃないから大丈夫だよ。私は戦える…。」知らない間に拳をギュッと握り締めていた。少し落ち着こうとして目を閉じた。まぶたの裏に子供の頃の光景が浮かんだ。10年ほど前、私がまだ幼かった頃、お父さんが亡くなった時のことだ。父の枕元に立つ二つの影。その片方にいる冷たいオッドアイが信じられない言葉を吐いた。子供心に激しい憤りを覚えたあの日…。私は…。私は…そう、許せないんだ。あんなにも悔しくて、あんなにも悲しくて、あんなにも辛かった。忘れたくても忘れられない。いや、忘れるべきじゃない。忘れてなんてやるもんですか。蒼星石…、レンピカ…、私はあなたたちを絶対に許さない。いつまでもあなたたちを怨んでやる。 Scene.1 End
2007/09/10
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いろんな意味でつらかった8月もようやく終わり、季節は9月。これで少しでもすごしやすくなると嬉しいのですがどうなんでしょう?でも…あまり期待しておりません。9月が暑いのはいつもの事です。暦の上の季節なんて、体感温度をはるかに無視ですから。最近、自分でも書きたいのか書きたくないのかわからなくなってきました。こうして書き始めると面白いのですが、どうもそこにたどり着くまでの気合が足りないみたいです。パソコンも家で灯を入れても仕事に使うこともなくなったので、もっぱらニコニコ専用機です。っていうか、あまりExcel自体使うことが減ってきていますね。逆にWordの使用率のほうが上がっているような…。少し寂しいですね。理由は簡単でして、今まで文書の類は今後の汎用化やマクロを組み込んでの自動処理化を考えてExcelで作っていたのですが、環境の変化で家でお仕事をする機会が減ったものですからExcelの起動自体をする事がなくなりました。単発的な報告書や高度なレイアウトを要する文書はやはりWordのほうが使い勝手が良いのでたまーにですが使っていました。ほんとにたまーにです。数ヶ月前の事なんですけど、なんとなく自分で書いた小説を印刷してみたいなと思いまして、いろいろ試した結果、Wordが一番適している事に結論しました。まあ確かにワープロソフトだけあって扱いの難しさを除けば、これほどよく出来たソフトはないかもしれません。私は他のテキストエディタと言うものを知りませんので比べようもないんですけどね。得意のExcelもこればっかりはうまく印刷するのに手がかかりすぎましたし…。それと扱いやすいのと余計な機能がないという理由で小説はウィンドウズ標準のメモパッドを使って書いていました。もちろん印刷する事なんて考えていなかったからです。ページ数が増えるとそれをまとめて印刷したあとにまとめる作業が面倒だったからかもしれません。それでふと思いついたんです。ルーズリーフの無地用紙に印刷すれば綴じるのも楽でなおかつ見やすいのではと。最初の設定こそは苦労しましたけど、今ではB5のバインダーで綴じたり、システム手帳の無地用紙に印刷して文庫本サイズとして楽しんだりしています。誤字脱字があって文章構成が変なところはそのままなのですけどね。(一応、Wordには文書校正の機能がしっかりとあるのですが、あまり使っていません。)それではまた…。
2007/09/01
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