音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2021年05月06日
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テーマ: 洋楽(3314)
熟年に達したアルの密かな名作


 アル・クーパー(Al Kooper)は1944年生まれで、ロックという音楽が確立されていった時代の生き証人の一人である。そんな彼のソロ作は決して多いわけではなく、しかも1960年代末から1970年代に集中している。1980年代には“指揮者”的な役割のアルバム( 『チャンピオンシップ・レスリング』 )、1990年代にはインスト盤(『リクーパレイション』)とライヴ盤(『ソウル・オブ・ア・マン』)をリリースしていたが、本格的なスタジオ作品は、30年近くという長い時を経て2005年に出された。それが本盤『ブラック・コーヒー(Black Coffee)』である。

 久々の復活盤ともいうべきこの作品は、派手な新作でもなければ出涸らしの駄作でもなかった。まさしくアル・クーパーの世界、それも年月の流れを経て、円熟味が加わっている。そもそも彼の音楽は、基本的にはホワイト・ソウルなどと分類されがちだけれど、アップテンポもあればスローバラード系もあり、ロック色ありと一本調子ではない。本作でもその音楽的な幅というか多様さは十分に生かされており、2000年代の洋楽の密かな名作の一つに数えられてもいいのではと思ってみたりする。

 個人的な好みで注目曲をいくつか挙げておきたい。アルの味がよく出ているナンバーとして、1.「マイ・ハンズ・アー・タイド」、9.「アナザー・マンズ・プライズ」が筆者的にはお勧めである。あと、いくつか共作のナンバーが含まれているが、4.「ゴーイング・ゴーイング・ゴーン」は要注目。R&Bやソウルの有名な作曲家ダン・ペンとの共作曲で、本盤収録曲のうち、1、2を争う出来のナンバーだと思う。

 他方、全14曲(日本盤ではボーナス・トラックがあるので15曲)のうち自作ではないナンバーが5曲あるのにも注目されたい。筆者が特に気に入っているのは、まずはライヴ演奏(2001年のライヴとのこと)の8.「グリーン・オニオンズ」。言わずと知れたブッカーT&ザ・MG’ズのナンバーだが、アルのオルガン演奏は健在。11.「ガット・マイ・アイオン・フー」は、ダイアー・ストレイツのギタリストを務めたハル・リンデスのナンバーだが、見事にアルのカラーに仕上がっている。これと、同じことは、レイ・チャールズで知られる12.「ジャスト・フォー・ア・スリル」なんかにも言える。


[収録曲]

1. My Hands Are Tied
2. Am I Wrong

4. Going, Going, Gone
5. Keep It to Yourself
6. Get Ready
7. Imaginary Lover
8. Green Onions (Live)
9. Another Man´s Prize
10. Childish Love
11. Got My Ion Hue
12. Just for a Thrill
13. Goin´Back In A Cadillac (Live)
14. (I Want You To) Tell Me the Truth


2005年リリース。




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【輸入盤CD】AL KOOPER / BLACK COFFEE (アル・クーパー)

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ブラック・コーヒー / アル・クーパー






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Last updated  2021年05月06日 17時19分41秒
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