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2004年01月25日

「真知子」野上弥生子

(2)

カテゴリ：名作の散歩道

長生きの作家だった野上弥生子氏。

とても、みずみずしい。
1930年代（昭和の初期）に書かれている。
風景、風俗、社会が古めかしいのだが、内容はけして古くはない。
むしろ、懐かしい情景の中に一本筋の通った思想があり、それが色あせず感動する。

若い女性が人間として自我を確立、成長していく姿は現代に通じる。

その後、「迷路」「秀吉と利休」と骨太の本を書き、翻訳も数々。
「迷路」は「真知子」の姉妹編のようで、「弥生子思想」がより深まる。

親しみを感じるし、随分影響も受けた。

随筆と「山姥」を読むと、北軽井沢の別荘で、夏だけでなく春秋と自然にふれてばあさん暮らしをしたとある。
偶然私も似たような暮らし方というのも嬉しい。

「海神丸」という「老人と海」ないし「白鯨」かと思わせる作品にも驚いたし、面白かったなー。

晩年の「森」（未完である）は99歳の時に連載。
さすが文章がダブったりなさったところがあるが、弥生子氏の自伝のようで、小説であり、こちらは明治時代の自立を目指す女性の姿ががあざやか。
ほんとうに、すごい！

私の好きな作家、ベストテンに入る方。
時間が許すなら、（この日記を始めてほんとに時間が足りないことよ！）他の作品も読み返して詳しく感想を書きたい。

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最終更新日 2004年08月06日 13時15分46秒
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■コメント

Re:「真知子」野上弥生子(1/25)

isemari さん

おう。野上弥生子好きです。といっても真知子は読んだことないのですが。へへ。秀吉と利休とか迷路とかは読みましたあ。 あと、野上弥生子というと思い出すのが、ギリシャ神話。あたしが子供の時最初に手に取ったギリシャ神話が野上弥生子訳だったんですね。すごく優しくておかしみのある文章で、原本が家に帰らないとないので記憶があいまいなのですが、夏目漱石(世代的にありえるかしら?)かなんかが前書き書いて激賞していた記憶があります。 (2004年01月26日 15時41分41秒)

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Re:Re:「真知子」野上弥生子(1/25)

ばあチャルさん

isemariさん ＞おう。野上弥生子好きです。といっても真知子は読んだことないのですが。へへ。秀吉と利休とか迷路とかは読みましたあ。 また、好みが一致しましたね。うれひい。 ＞あと、野上弥生子というと思い出すのが、ギリシャ神話。あたしが子供の時最初に手に取ったギリシャ神話が野上弥生子訳だったんですね。すごく優しくておかしみのある文章で、原本が家に帰らないとないので記憶があいまいなのですが、夏目漱石(世代的にありえるかしら?)かなんかが前書き書いて激賞していた記憶があります。 ----- そうそう。「ギリシャ神話」ありましたね。 ネットで見ると「アルプスの少女ハイジ」も訳されれ、それも子供のときに読みましたねー。 夏目漱石氏の弟子です。若い時、その後ご主人となる野上さん（お名前失念）に連れられ集まりに参加、修行されたそう。昔はすごい。 ちなみに、夏目漱石氏も、ユーモアあり、知識豊富でちりばめられた古典が興味深く、好きです。 そのうち感想かこうかな、といっても読み直さないと書けないので、こりゃ大変だ！ (2004年01月27日 13時12分41秒)

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