ばあチャルさん、こんばんは~。

>私は「風とともに去りぬ」は両方強く印象に残って、いいなーと思っていますよ。

同感です!どちらもすばらしいですよね・・・。小説を読んで、リバイバル上映の映画を観たら、小説の世界が映像で一層迫力のあるものになりました。燃え盛るタラの地。思い出しただけでもざわっとします。

残念ながら、別の作家によって書かれた続編「スカーレット」はいただけませんでしたが・・・。 (2006年01月25日 22時15分21秒)

やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2006年01月24日
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カテゴリ: 読書感想
「仏領インドシナを舞台に15歳のときの、
金持ちの中国人青年との最初の性愛経験を語った自伝的作品。」(表紙裏より)

映画は観ていないが、予告編の雰囲気に記憶があるので、
エロティックで妖艶な恋の物語だろうと思っていた。

ところがなんと哀しい可憐な少女の心。
そして文章の美しさ。

インドシナのメコン川デルタ地帯、靄と湿地とのけだるい空気。
愛人との出会いの迫力、愛人と過ごす時間の濃密さ。
そのひまに見え隠れする少女の家族。


文章が美しいと言ったが翻訳とて、言葉というより構成がいいのかもしれない。

一人称、三人称と自在に変わり、情景もめくるめく、時も行ったり来たり、
まるでデュラスが思い出を思いつくまましているようにみえて、
しかし、印象深い作者の思索。書きたい意欲。みずみずしさ。

作者これを書いたとき60歳だったのだ!

もうひとつ。
この本の表紙、18歳の美少女が作者自身で、
みかえしの老いた作者のお顔をみて、のけぞってしまった。

愛人(ラマン)

そこで、この小説唯一の鍵括弧文、(本文には「...」がない)

ある男に話しかけられた。
「以前から存じ上げてます。若い頃はおきれいだったと、みなさん言いますが、
お若かったときよりいまのほうが、ずっとお美しいと思っています。
それを申しあげたかった、若いころのお顔よりいまの顔のほうが私は好きです、
嵐のとおりすぎたそのお顔のほうが」


が強烈に胸をうつ。


デュラス、解説によると難解らしい。でも読みたくなるではないか。








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最終更新日  2006年01月24日 15時27分38秒
コメント(10) | コメントを書く
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Re:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
かつきねえ  さん
なんともいえない雰囲気の漂う小説ですね。
そう。デュラス60歳だったんですよね。
私は20歳くらいで読んだので、それがどのくらいすごいのか、わからなかったですが、今では、すごい作家だということがわかります。
60歳になったらまた読みます(^^)v
(2006年01月24日 18時26分51秒)

Re:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
alex99  さん
マルグリット・デュラス
私の好きな作家です。
と言いながら、小説は読んだことが無く、映画化された映画ばかり観ていますが。

舞台のサイゴンは私の「初恋の街」で、中国人街の華僑達の生活の一部も見知っていますので、ますます思い入れがあります。

(2006年01月24日 18時33分04秒)

かつきねえさんへ Re[1]:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
ばあチャル  さん
>私は20歳くらいで読んだので、それがどのくらいすごいのか、わからなかったですが、今では、すごい作家だということがわかります。
>60歳になったらまた読みます(^^)v

それが文学のいいところですよね。若い時に何わかろうぞ、人生を経てみてやっと理解できるものが多い。

反対にああ、若い時に読めばよかった!というものも。第一、忘れませんもの。
(2006年01月24日 20時10分52秒)

alex99さんへ Re[1]:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
ばあチャル  さん
>と言いながら、小説は読んだことが無く、映画化された映画ばかり観ていますが。

マルグリット・デュラスの作品の映画はいい女優さんに恵まれるらしく、印象深いようですね。

>舞台のサイゴンは私の「初恋の街」で、中国人街の華僑達の生活の一部も見知っていますので、ますます思い入れがあります。

小説のような人生?!
そういえば亡くなったジャーナリスト近藤紘一さんの「サイゴンから来た妻と娘」は新鮮でした。


(2006年01月24日 20時19分04秒)

Re:alex99さんへ Re[1]:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
alex99  さん
ばあチャルさん
>>と言いながら、小説は読んだことが無く、映画化された映画ばかり観ていますが。

>マルグリット・デュラスの作品の映画はいい女優さんに恵まれるらしく、印象深いようですね。

>>舞台のサイゴンは私の「初恋の街」で、中国人街の華僑達の生活の一部も見知っていますので、ますます思い入れがあります。

>小説のような人生?!
>そういえば亡くなったジャーナリスト近藤紘一さんの「サイゴンから来た妻と娘」は新鮮でした。
-----
読みました。

(2006年01月24日 20時40分01秒)

Re:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
hako0418  さん
こんばんは~。

この作品も、小説は未読で映画を観ました。(海外物はそういうのが多いです)
映画は前評判からしてエロティックなシーンにばかり注意を喚起するようなものでした。そして実際に観たときも、そういうシーンの衝撃度が結構強かった・・・。でも時が経つと、そういうシーンではなく、ふとしたシーンや少女が老いてからのシーンのほうが印象が強くなっているのが不思議です。(ということは良い映画だったのかも?!)
映画ももう一度観てみたいし、小説も読んでみたいですね。 (2006年01月25日 00時53分35秒)

hako0418さんへ Re[1]:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
ばあチャル  さん
>この作品も、小説は未読で映画を観ました。(海外物はそういうのが多いです)
>映画は前評判からしてエロティックなシーンにばかり注意を喚起するようなものでした。そして実際に観たときも、そういうシーンの衝撃度が結構強かった・・・。でも時が経つと、そういうシーンではなく、ふとしたシーンや少女が老いてからのシーンのほうが印象が強くなっているのが不思議です。(ということは良い映画だったのかも?!)

小説と映画の関係。文字からのイメージするものと映像の印象の違い。テーマですね。どちらもいいというのがたまにありますし、まるで違った作品になってなおかつ、いいというのもありますしね。

私は「風とともに去りぬ」は両方強く印象に残って、いいなーと思っていますよ。 (2006年01月25日 09時46分15秒)

Re:hako0418さんへ Re[1]:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
hako0418  さん

hako0418さんへ Re[1]:hako0418さんへ Re[1]:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
ばあチャル  さん
>残念ながら、別の作家によって書かれた続編「スカーレット」はいただけませんでしたが・・・。

そうでしたねー。でも興味がつのって読みたくて読みたくて、読んだら読まなければ良かったになりました。勝手なものでしたよ(笑)
(2006年01月28日 16時23分37秒)

Re:「愛人 ラマン」マルグリット・デュラス(河出文庫)(01/24)  
ykchan  さん
あーこれ、以前読みましたが、、。
あまり好きじゃなかったな~

でも、今読み直したらきっと違う感想になりそうですね。きっと、今の私のほうが大人だから、、ぽりぽり (2006年01月29日 00時59分48秒)

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