やっぱり読書  おいのこぶみ

やっぱり読書 おいのこぶみ

2007年12月18日
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カテゴリ: 読書メモ
12月も終わりだというのに、ことしはやっと銀杏が黄葉して散っている。さすが陽に映えるさまは美しいけれど、落ち葉のかさこそ鳴るはもの悲しい。

『黄落』 の書き出しの 「こんにちでは六十五歳以上を老人というから、わたしはまだ老人の部類ではないが、還暦を間近にしてちかごろ、駅の階段で時折つまずく。」 という主人公が 「老親老後」 をおくるもの悲しさは身にしみる。

私小説かとまごうフィクションは、高齢社会突入現代の普遍性が散りばめられている。主人公といっしょに「どうしたらいいんだろう」と途方に暮れる。

30年くらい前有吉佐和子の 『恍惚の人』 がベストセラーになった時は、わたしも若いゆえ遠いことのように思っていられた。

介護保険が充実していろいろなサービスを受けられるようになっても、この 『黄落』 で持ち上がるような当惑や苦労が減るわけではない。


黄落





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最終更新日  2007年12月18日 13時39分23秒
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Re:はらはらと(12/18)  
きいぼ  さん
私も、いずれそう考えて途方にくれる時があるのかな。
なんて、今はまだ人ごとのように思うのですが。
恍惚の人は高校生の夏休みに読みました。
読書感想文を書いたけど、難しかった。
その時は、老人の方ではなく、介護するお嫁さんアキコさんのように
いずれ結婚する誰かの親を、こんなふうに介護するのかも、と思いました。
ありがたいことに、今のところ介護とは無縁ですが
久々に有吉佐和子さん、読みたいと思ってます。
(2007年12月18日 23時13分08秒)

きいぼさん  
ばあチャル  さん
わたしは『上野千鶴子が文学を社会学する』の評論で佐江衆一の『黄落』を知り読んだのですが、そこに『恍惚の人』も取り上げてありました。

ようするに両書とも家族が老人介護に振り回される話なのですが、とくに嫁、妻が一番働いて、忍耐強いという点が強調されて論じられていました。

きいぼさんが「いずれ結婚する誰かの親を、こんなふうに介護するのかも、と思いました。」とおっしゃる覚悟を利用されてしまう悲しさ、わたしもささやかに経験しておりますし。

『黄落』では姑のお葬式に夫が妻に感謝の言葉がなかったというクライマックスの場面がありました。

女が介護を一生懸命やって「あたりまえ」ということがないような社会でありたいです!とまだまだ思うような現代ですね。


(2007年12月19日 10時21分41秒)

Re:はらはらと(12/18)  
薔薇豪城  さん
 こんにちは~。おひとりさまの老後のタグから来ました。すてきなブログですね。 (2007年12月20日 11時14分38秒)

薔薇豪城さん  
ばあチャル  さん
コメント嬉しかったです!
薔薇豪城さんのブログも拝見しましたが、なかなか噛みごたえのあるページで、読書も共鳴していますね。
「薔薇豪城」のよみかたが??(笑)


(2007年12月21日 11時38分06秒)

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