As Time Goes By ~時のすぎゆくままに~
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なんやらバタバタしているうちに、長男の初の小学校生活も一学期が終了し、夏休みに突入してしまいました~。今日も大阪は昨日に引き続き、昼間は暑くムシムシ、ジメジメしていて、夜になるとカミナリをともなう雨が降っています。最近はと言いますと。。。長男が小学生になってからは、毎日の宿題のひとつに「本読み」があるため、図書館へ行く機会が増え、私も何か読書!と思うのですが思うだけで残念ながらかなり長いこと小説らしいものが読めてません。小学校入学前は、図鑑を読むというより眺めていた(笑)長男は、小学校に入ったとたんに周囲のお友達の影響を受けて、お話の本なども好むようになり、マイブームは「怪談レストラン」シリーズをよく借りてきます。これ小学校低学年ぐらいの子供たちににすごく人気があるのですね♪ 今後、長男はどんな本に出会い、感動するのだろう?本を読んで感動したりするのかな?そんなことを勝手に想像しては涙ぐんでしまったりしています。。。(笑)本を読み終えて、胸が一杯になり、涙が止まらなかったり、一筋の涙が頬をつたったり、その本と出会ってからはじめにたった一度だけしか感じることのできない感動がありますよね!堀辰雄の「風立ちぬ」私にとって心に残る作品のひとつです。はじめて読んだのはちょっと遅めで社会人になってからです。正直、こういう文学作品は感受性の強い若いうちに読んでおかなければならないものだと思っていました。実際、10代に読んで衝撃を受けたほどの感動作や、笑い転げるほどの文豪のユーモア溢れる小説を後に読み返し、当時ほどの感動を得られなかった経験があったからです。でも、この「風立ちぬ」は違いました。小説の舞台となるのは八ヶ岳のサナトリウム。主人公の彼(私)は、結核によってもうじき死をむかえようとする恋人に付き添うためこのサナトリウムにいる。小説は彼女との短い生活が、美しく詩のような文章で描かれており、なんだかハイビジョンの美しい映像の映画でも観ているようです。そして恋人は死んでいく。しかし、そこで重要なのは「死んだ」という言葉が一切書かれていないということです。主人公の彼女への愛、生きるということ、すべてがここにきて、心に強く響くものがあり、涙がこぼれ落ちました。小説の最初の部分でヴァレリという詩人の詩から引用されている言葉ー風立ちぬ、いざ生きめやもー最後、最初のこの文の意味を想い返し、胸が熱くなります。人の命は儚く美しい、一秒たりとも大事に大切に生きていきたい。
July 20, 2009
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