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2015.05.13
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カテゴリ: 測量
米テキサス大学オースティン校の研究者グループが、モバイル機器でセンチメートル単位の精密なGPS測位を可能にするレシーバ 『GRID』を発表

一般的なモバイル機器用GPSの精度はせいぜい数メートルで、地図に現在地を表示しても通りのどちら側に居るのか分からなかったり、WiFiアクセスポイントなど他の手段を併用してようやく「だいたいこの辺り」まで絞り込めるのが現状です。

米国テキサス大学オースティン校Department of Aerospace Engineering and Engineering Mechanicsの研究者 Todd Humphreys 氏率いるチームが発表したのは、一般的なモバイル機器と同等の安価なアンテナを使いつつ、ソフトウェアの改良で測位精度を従来の約100倍にあたるセンチメートル単位に向上させたGPS受信機『GRID』。

スマートフォンなどのGPS精度が一般にメートル単位なのはGPSシステムの原理的な限界ではなくアンテナ側やソフトウェアの制約によるもので、業務用や研究用途にはもっと大型で高価なアンテナを使った高精度なGPS受信機がすでに存在しています。

一方、今回 Humphreys氏らが発表した『GRID』は一般的なモバイル機器に使われるような安価なアンテナで『搬送波位相測定』をおこない、ソフトウェア側で建物による反射などのエラーも訂正し高い精度を実現する点が意義とされています。

センチ単位で絶対位置が掴めることの利点のひとつは、三次元座標だけでなく機器の傾きや回転など方向(オリエンテーション)も取得できること。ハンフリーズ氏はGRIDの活用例として、VRヘッドセットに搭載して屋外でも着用者の動きや位置に同期した仮想現実や拡張現実の実現を挙げています。

動画はVRヘッドセットとGRIDを使い、頭部の位置をリアルタイムに測位するデモ。 その場で動かずに飛び跳ねたり、のけぞったりして頭を動かすだけで測定結果が追従する様子、何メートルも歩くことなくGPSをポインタのように使い字を書いてみせる様子が示されています。

現在のGRIDはモバイル機器で動いているわけではなく、「モバイル機器と同様の」安価なアンテナと、外部のプロセッサを使っています。開発者によれば、いずれ携帯電話のプロセッサでも動作可能とのこと。

(デモに使われているサムスンのVRヘッドセットGear VRでは傾きや加速度を取得できるものの、頭部位置のトラッキングには本来対応していません。VRヘッドセットの本命と目される Oculus Rift は着用者の頭の位置をトラッキングできるものの、ヘッドセットのLEDを外部のカメラで撮影する方式のため、カメラで捉えられる比較的狭い範囲でしか認識できない制約があります。)

そのほか応用の可能性として挙げられるのは、ドローンやロボットなどの精度向上(配達ドローンが正確な位置に荷物を置いてゆく)、自動運転車やアシストの安全性向上(視界が通っていなくても、自動車どうしが正確な位置をお互いに認識してアクシデントを減らす)、モバイル機器や小型ドローンなどによる精緻な3D地図の作成など。

一方弱点や制約としては、GRIDでは高い建物のあいだなど従来のGPS受信機で精度が落ちる場面でのエラー訂正も向上しているものの、原理的にはGPSそのものであるため、屋内や地下などGPS衛星からの電波が全く届かない場所ではやはり使えません。

またロボットの自律制御などには、地図にない障害物を認識するためLIDAR(レーザー)やカメラ、超音波などによるセンシングは引き続き必要になります。しかしGPSがセンチ単位で信用できるようになれば、複数方式の併用にも大きなインパクトが期待できます。

Humphreys氏らはGRIDの研究成果を GPS World誌で発表済み。また事業化を目指してスタートアップ企業 Radiosense を設立し、すでにサムスンとの協業で従来のスマートフォンやタブレットなどに取り付けるアクセサリの開発を進めています。アクセサリの商品化時期や価格、あるいはGRIDレシーバー内蔵モバイル機器の発売予定などはまだ分かっていません。





準天頂衛星「みちびき」の運用で日本でも本格的な「GNSS(※)時代」に入り、測位精度も向上しつつある。
(※一般的に用語として使われいる「GPS」は本来アメリカの衛星測位システムの固有名称で、ロシアのGLONASSや欧州のガリレオ、中国の北斗、さらには日本のみちびきなども含めてGNSSという呼称への変更が推奨されている)

カーナビゲーションやスマートフォンで利用される一般的なGPS測位(単独測位)はGPS衛星から送信される搬送波に乗ったC/AコードやPコードを利用して位置を決定している。
元来この方法は誤差が大きいので、複数の受信機で単独測位(通常は常設されている電子基準点が利用される)を行ってそれぞれの位置情報から相対位置を求めてDGPSと呼ばれる方法で補正されている。
またカーナビなどでは測位した位置情報に誤差があっても、最寄りの地図データに一致させるマップマッチングと呼ばれる手法が一般的に使われている。

これに対して2つの受信機を用いて搬送波そのものの位相を測定することでより正確な位置を求める干渉測位という方法があり、高精度の計測が可能になる(1時間以上干渉させるスタティック測位であればミリメートル単位、リアルタイムキネマティック方式でもセンチメートル単位。ちなみに単独測位では10m程度の誤差がでることもある)ことから測量等で利用されている。
ただし本格的な機器を要することや位相の高価であることに加えて手間や時間もかかることから一般向けではない。


本格的な測量機器を使用せずにセンチメートル単位の精度が実現するとすれば画期的なこと。
こうした技術が製品化されることで新たな利用法やそれに対応したビジネスが生まれて、位置情報利用はまた次のステージを向かうのかもしれない。そんな期待もある。





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Last updated  2015.05.13 01:21:35
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