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2019.08.07
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カテゴリ: アートと自然
​この夏、続けて2本のアニメ映画を観た感想です。


「海獣の子供」 原作:五十嵐大介 制作:STUDIO 4℃

 元々は米津玄師さんの主題歌「海の幽霊」で知ったアニメ映画です。原作の画力が凄すぎてアニメ化は難しいとされたにも関わらず6年を費やして制作されたということにまず驚きました。生命の起源という個人的に好きなテーマです。漫画では手塚治虫さんの「火の鳥」が好きで(特に未来編)、同じようにスケールの大きな話であろうと期待して。

 完全に大人向けのアニメです。ストーリーのベースは生命の起源は宇宙にあり、他の天体の微生物が隕石などに含まれて地球に来たとする「胚珠広布説」です。物語の主人公の女子中学生が偶然に出会った2人の不思議な少年と過ごす夏休みの物語。少年たちはジュゴンの子として海で育てられたという奇妙な設定ですが、実は胚珠広布の媒体であるようでした。胚珠広布の瞬間のドラマはアニメならではの抽象的な表現で、原作の画風を大切にしているように感じました。アニメ化されると原画のタッチや癖がなくなって、綺麗なんですが平準化するというか、そんな感じありますよね。このアニメには手描きのタッチが故意に残されている部分があります。

 映像は圧巻でした。海、波、光、風、海の生物の美しさ、そして生命が宇宙へ放出される瞬間の独創的な表現はそれを理解するよりも体感するだけでよいのかもしれません。私は中学生の時に観たディズニーの「ファンタジア」を思い出していました。(朝ドラでなつと天陽くんが観てたやつです)久石譲の音楽と映像の一体化も非凡。それから水の中を自由に泳ぐ少年にジャック・マイヨールの姿を重ねていました。「グランブルー」の主人公になった人です。ストーリーはやっぱり手塚の「火の鳥」(あれは自然発生説)も思い出していました。こちらはまさに大人のための芸術作品と言えるでしょう。

 音楽は主題歌が米津玄師、劇中は久石譲。こちらも素晴らしい。米津玄師さんはこの作品に相当の思い入れがあり、自ら手を挙げて作詞作曲したそうです。彼の音楽は2年くらい前から聞くようになりましたが、作詞が一番好きで、映像もカッコよく、多才な人だなと日ごろから感じています。YouTubeにアップされている「海の幽霊」MVもアニメ映像とともに完成度が高く大変美しい。

 これまでに観たアニメ映画の中で最高の作品です。できればもう一度観にいきたかった。すでに上映は終了してます。これをきっかけに原作も読むつもりです。


:新海誠 

 「君の名は」が大ヒットして知った新海誠。オンデマンドの普及で過去の作品も何作が観ています。話題性があるということで観に行きました。主人公はこちらも女子中学生と男子高校生。2人のティーンエージャーは本来いるべき場所から逸脱した境遇にありながら、大人が心配するほど悲壮感はなく、雨が続く東京の異常気象のことも全く気にしていません。ルールや慣習に捕らわれず、自分たちの力で生き抜く姿が描かれています。チャレンジする事は、大人になるとなかなかできないですが、それをいとも簡単にやってしまう痛快さがあります。



 今一つ感情移入できなかった事は否めない。やっぱり思春期の子どもたちのための映画なのかなと思います。小さかった息子を連れて行ったポケモンよりは観れましたけど。それでもスタジオジブリの作品は子どもと一緒に観ても十分に感動し共感できましたから、この差は一体何なんだろう?もしかすると、描かれている世界のリアルさが中途半端なのかなと思ったりしてます。だから「どうせお話でしょ」となってしまうのかもしれません。ジブリ作品のように現実の社会を一切描かずに、大嘘で世界を固めてからキャラクターに演じさせる方がよりリアルに感じるのかもしれません。

 奇しくも、主人公の陽菜の体が消える表現は「千と千尋」千尋の体が半透明になったシーンを思い出しましたが、その瞬間の「えらいこっちゃ!」感ははるかに宮崎駿監督の方が勝っているように思う。それはやはり、背景となる世界との整合性なのでしょう。

 主題歌も含めた音楽は「君の名は」に引き続き、RADWIMPS。劇中には「君の名は」に登場した瀧と三葉、他のキャラクターがちりばめられて、さながら隠れミッキーのようです。私の年代ならヒッチコックのカメオ出演と言った方が解りやすいかな。ファンにはたまらない演出ですね。





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Last updated  2019.08.13 23:52:56


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