《櫻井ジャーナル》

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2010.05.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 OECDの加盟だけでなく、現在のイスラエルは全ての点でアメリカの支援なしには存在しえない。公然とアメリカからイスラエルへ渡っている資金は30億ドルに達するが、それ以外に水面下で流れている資金の総額は見当がつかず、「膨大」としか表現できない。

 そうした資金供給、さらに技術的な支援でイスラエルは工業化を進めたのだが、その中核は軍需産業である。国連でもアメリカという「盾」がなければ、イスラエルは攻撃の矢面に立たされる。1990年代にアメリカのネオコン(新保守=親イスラエル派)は、イスラエルをアメリカから自立させると主張していたが、亡命ロシア人の力をもってしても、これは無理だろう。

 しかし、アメリカという「盾」も最近は腐食が著しい。イギリスに「親イスラエル派」を公言する外務大臣が誕生し、OECDへの加盟も決まったとはいうものの、それでもイスラエルが厳しい状況下に置かれていることは間違いないだろう。ガザ地区への軍事侵攻を調査したリチャード・ゴールドストーンを委員長とする国連の調査委員会の報告は現に存在し、核兵器の保有を批判する声はIAEA(国際原子力機関)の中でも高まっている。イスラエルの核兵器開発を暴露したモルデカイ・バヌヌを正当な理由なく拘束せざるを得ない状況だ。

 民主化勢力を弾圧し、言論を封殺しなければならないほどイスラエルの現体制は追い詰められている。例えば、イスラエル軍はヨルダン川西岸でパレスチナ人ターゲットを、逮捕でなく暗殺したことを示す機密文書を暴露した記者を逮捕、起訴しようとしている。

 この文書をイスラエルのハーレツ紙に持ち込んだアナト・カムは昨年12月に逮捕され、記事を書いたウリ・ブラウ記者は現在、ロンドンにいると言われている。イギリスの政権交代でどうなるか・・・イスラエルの治安当局はあらゆる手段を講じて連れ戻すとしているようなので、また拉致するつもりなのかもしれない。16日には、アメリカの「ユダヤ系学者」でイスラエルの政策を批判し続けているノーム・チョムスキーMIT教授の入国をイスラエル政府は拒否している。

 チョムスキーやノーマン・フィンケルスタインたちは「ユダヤ系」だが、激しくイスラエルの政策を批判している学者だ。さらに、 少なからぬ「正統派ユダヤ教」のラビ(聖職者)がシオニズムはユダヤ教の教えに反していると主張、イスラエル政府によるパレスチナ人弾圧を厳しく批判している

 近代シオニズムの歴史を振り返ると、1838年にイギリスはエルサレムに領事館を建設、その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査し、40年にイギリスのタイムズ紙は、同国政府が「ユダヤ人」の復興を考えていると報じている。近代シオニズムはセオドール・ヘルツルが1896年に始めたとされているが、その遙か前にイギリスは「イスラエル」建国に向かって動き始めていたということだ。

 実は、1620年にシオニストがメイフラワー号でアメリカ大陸、現在のマサチューセッツ州プリマスに上陸した時点で「ピルグリム(巡礼者)・ファーザーズ」の聖職者は「ユダヤ人の国」をパレスチナに建設するべきだと考えていた。彼らは、自分たちこそがアメリカを開拓する使命を神から授かった人間であり、先住民は野蛮で未開の「サタンの息子」だとして殲滅すべき対象だと主張した。そして、後の大虐殺へつながる。イスラエルの歴史と酷似している。



 すでにアメリカはパキスタンの西部で軍事作戦を展開し、多くの市民を虐殺している。そうした現実に憤慨したことがファイサル・シャーザドを爆弾作りに向かわせたとする見方もある。日本のマスコミもそうだが、どうしてもタイムズ・スクエアの件をアフガニスタンやパキスタンの「武装勢力」とアメリカ軍との戦闘という構図に持っていこうとすると、容疑者の背後にはタリバンがいて、そうした戦闘の一環として爆弾を仕掛けたというシナリオにしなければならない。

 このシナリオが暴走するとパキスタンでの大規模な軍事衝突に発展する可能性も出てくる。イスラム世界を瓦礫の山にして、イスラエルが全域を制圧するという妄想もありえるだろうが、そうなると世界規模でレジスタンスが始まるだろうし、中東全域が火の海に包まれて石油生産が止まったらどうするのか・・・。バラク・オバマ政権は危ない橋を渡っている。





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最終更新日  2010.05.18 02:58:48


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