ロシア軍がキエフに対する大規模な攻撃を続けている。そのターゲットはウクライナの軍事産業、兵器庫、兵站、燃料供給だとロシア側は主張しているが、ロシアの情報機関はイギリスの軍事産業がミサイルを製造している工場の正確な位置を特定、それらをロシア軍が破壊していると伝えられている。そうした工場ではイギリス人技術者が監督しているため、ロシア軍の攻撃で犠牲者が出ているともいう。
また、ロシア軍は都市を爆撃するだけでなくアゾフ海やドン・アゾフ運河におけるすべての水上交通やケルチ海峡の航行を停止させ、オデッサやニコラエフへ物資を輸送する船舶の航行を遮断、ウクライナは黒海経由で物資を運び込むことができない。以前からNATO諸国はモルドバからトラックなどで兵器をウクライナへ運び込んでいたが、ロシア軍は8月20日、攻撃型ドローンで輸送の拠点を攻撃した。ロシア軍はウクライナ軍の兵站線を遮断しようとしているほか、NATO軍の将兵や施設も容赦なく攻撃しはじめた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキーは6月下旬、ロシアに戦争を終わらせる、つまり降伏させると宣言した。それを実現させるための切り札とされたのがロシア深奥部まで届くイギリス製のドローンやミサイル。それらはNATO諸国の情報機関網や衛星が収集した情報で目標を定め、アメリカの衛星ネットワークに誘導されている。
そうした攻撃を実施すればロシア国民は怖気付くとゼレンスキーは考えたのだろう。本ブログでは繰り返し書いてきたように、ゼレンスキーはイギリスの対外情報機関MI6に操られている可能性が高く、そのハンドラーはMI6長官だと見られているので、イギリスの情報機関もそう考えた可能性が高い。
それに対し、ロシアは朝鮮との関係を強化、モスクワと平壌との間で締結された包括的戦略パートナーシップ協定が2024年12月に発効している。それに基づいて朝鮮軍は1万から1万3000人程度をロシアへ派遣し、クルスクへ軍事侵攻したウクライナ軍を撃退する作戦に参加させ、目的を達成しているのだが、ここにきて3機の朝鮮製のKN23弾道ミサイルがドニプロペトロウシク州で攻撃に利用され、ウクライナの冶金工場「アルセロールミッタル」が破壊された。その結果、工場の大部分を閉鎖せざるをえなくなっている。
派兵にしろミサイル発射にしろ、ウクライナにおける戦況に大きな変化をもたらすものではない。朝鮮軍に実戦経験を積ませることが目的なのだろう。それだけロシア軍は余裕を持っている。
ウクライナでロシア軍に圧倒されているNATO軍は長距離ドローンでモスクワを含むロシア深奥部への攻撃で対抗している。こうした攻撃で戦況を変化させることは不可能だが、ロシア国民を怒らせることはできる。選挙を控えていることもあり、ロシア政府は報復せざるをえない。
そこで「特別軍事作戦」から戦争へステージを進め、攻撃を強化しているのだが、イギリスを中心とするヨーロッパ諸国はロシア軍にNATO諸国の軍事関連施設を攻撃させようとしていると推測する人もいる。ロシアのNATO諸国を攻撃させればアメリカが参戦せざるをえなくなり、核戦争を実現できると考えているのではないかというわけだ。実際、アメリカ政府の内部には戦術核兵器を使用するべきだと主張する人が存在する。そのひとりがエルブリッジ・コルビー国防次官にほかならない。
エルブリッジの祖父に当たるウィリアム・コルビーは第2次世界大戦の終盤に米英の秘密工作機関が組織したジェドバラのメンバーで、1973年から76年までCIA長官を務め、その際、議会で情報機関の秘密工作について証言し、組織から睨まれることになった。1996年4月、彼は別荘からカヌーで漕ぎ出したまま行方不明になり、後に水死体となって発見された。他殺説を唱える人も少なくない。
エルブリッジ・コルビーの妻、スサナ・コルデイロ・ゲラはブラジル人経済学者で、ジャイール・ボルソナーロ前大統領と親しいことでも知られている。
また、彼女の師にあたるパウロ・ゲデスはアウグスト・ピノチェトが率いるチリの軍事独裁体制で新自由主義政策を推進した「シカゴ・ボーイズ」のひとり。ピノチェトは1973年9月11日、リチャード・ニクソン政権を後ろ盾とする軍事クーデターでサルバドール・アジェンデ政権を倒して実権を握り、世界で初めて新自由主義を政策に取り入れた。この政策をヨーロッパで初めて採用したのがイギリスの首相を務めたマーガレット・サッチャーだ。
**********************************************
【 Sakurai’s Substack 】
【 櫻井ジャーナル(note) 】