アメリカのドナルド・トランプ政権は同国がホルムズ海峡における船舶の通航が回復したと発表したが、イラン革命防衛隊(IRGC)はその主張を否定、敷設された機雷の正確な位置を把握しているのは自分たちだけだとしている。これまでもトランプ大統領は自分たちがホルムズ海峡を管理していると宣言してきた。そうした発言のたびに原油価格は低下するが、そうした話が事実でないことが明らかにされてきた。
2月28日にアメリカ軍とイスラエ軍がイランを騙し討ちして最高指導者を務めていたアヤトラ・アリ・ハメネイ師を含むイランの要人を殺害したものの、体制転覆に失敗、そこからイランの報復攻撃が始まった。イスラエルの主要都市が攻撃され、西アジアにおけるアメリカ軍基地が破壊されている。
バーレーンにあるアメリカ海軍の第5艦隊基地も破壊された。ここは艦船にミサイルや食糧を補給する重要な場所で、アメリカ海軍の艦船は補給が困難になっている。空母「エイブラハム・リンカーン」でも食事や生活環境が悪化し、問題になった。
この空母を含むアメリカ海軍の艦船ではシャワーがカビだらけで、トイレは壊れ、洗濯機は故障、お湯が出ないうえ食事は悲惨な状態だ。石鹸も脱臭剤も歯磨き粉もないという。その結果、乗組員5000人の精神衛生も悪化、海への飛び込む人が少なくないとされている。そのエイブラハム・リンカーンはアラビア界を離れ、タイへ向かっているとタイ当局が8月25日に発表した。アメリカ軍がホルムズ海峡を管理しているという状況ではない。ホルムズ海峡の状況をアメリカ政府が改善しようとしているとは思えない。
その8月25日、イランのアッバス・アラグチ外相とオマーンのサイード・バドル・ビン・ハマド・アル・ブサイディ外相がイランで会談、ホルムズ海峡の航行再開に向けた段階的な枠組みを定めた共同声明を発表した。暫定的な共同航路を設置、海峡の機雷除去する共同プロジェクト計画が柱になっている。
25日にはジョン・ラトクリフCIA長官を乗せたアメリカ軍のC-17A輸送機がモスクワのブヌーコボ空港へ到着、ロシアの治安機関と会談したとされている。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官によると、ウラジミル・プーチン露大統領との接触はなかった。ラトクリフがモスクワを訪問したとする公式発表はなく、ロシア側から相手にされなかったとする見方もある。
ウクライナでロシア軍はオデッサをはじめ黒海に面した港を封鎖、黒海を回避した輸送ルートのドナウ川に面したレニ港やイズマイル港もロシア軍は破壊した。
NATOの司令部に対する攻撃も激化しているが、ショッピング・センターの地下倉庫を改造したドローンの組み立て工場やそこを出入りしてドローン発射に使われている配送用トラックもロシア軍は攻撃するようになった。破壊されたトラックがドローンを積んでいることはウクライナの救急隊員が撮影した映像に記録されている。敗北しつつあるNATO軍は飛び道具を使ってロシア深奥部を攻撃、防空体制の甘い民間施設を狙うようになったことに伴う攻撃のエスカレーションだ。
ロシア領内を攻撃している主体は事実上NATOなため、ロシア軍は早晩NATO諸国を攻撃すると推測する人が少なくない。イギリスを中心とするヨーロッパ諸国はロシア軍にNATO諸国の軍事関連施設を攻撃させ、アメリカ軍を戦場へ引き戻そうとしているとする推測もある。そうした流れになることを止めることがCIA長官がモスクワを訪問した理由ではないかと考える人もいる。
そのほか、ラトクリフCIA長官がモスクワを訪問した目的は、イランにホルムズ海峡の再開を迫るように頼んだ、あるいは経済戦争で脅したとする情報もある。ロシア側はこの脅しを拒否、ラトクリフとのやり取りをイラン側に伝えたとする話も伝えられている。アメリカが保有する戦略石油備蓄含む総貯蔵量は大きく落ち込み、底をつきそうな状況。中国が備蓄した石油を取り崩す一方、石炭へシフトしているとされているが、需給バランスの破綻は近づいているはずだ。
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【 櫻井ジャーナル(note) 】