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2011年2月の鑑賞記録まとめです。2月2日(水)『RED』これはもう、勢いで観る映画ですよね。私は個人的にはヘレン・ミレンが好きなので、こういうカッコいい役は大歓迎。じいさんだのと揶揄して、バカにする若者たちにもひと泡吹かせたいというたくらみがあるようで(笑)、痛烈な感じなのは好きです。絶対にみんな元気っていうのがわかりきっていると観ている方も安心しますから(笑)ただ鑑賞して1カ月近く経つけど、ほとんど残るものがないんですよね。こういう作品ってそれでいいのかもしれないけど。。★★★ 3/5点********************************2月2日(水)『完全なる報復』これ、気持ちとしてはわかんないこともない。実際に被害に遭ったら、そう思ってしまうのも無理はないから。そして司法取引という制度そのものも、何かいい加減な感じするじゃないですか。この映画みたいに、単に自分の成績のために、取引させてる事例もいっぱいあると思います。たぶんそのことに対しての警鐘も込みなんだとは思いますけどね。ですけどね。。。どうも最後が腑に落ちない感じがしまして。それでいいの? みたいな。頭の良さというか、そういうのは絶対にクライドの方が上手なんだから、それにかかったらたまらんというのもあるけど、だったらニックももう少し誠実であってほしかったと思う。最も、誤られたくらいじゃ今さら止められるか! ってクライドは思うんだろうから、これはこれでいいのかもしれませんけどね。何となく、『ショーシャンクの空に』っぽさも感じてしまったわ。★★☆ 2.5/5点********************************2月9日(水)『白夜行』原作、ドラマ共に触れてない状態です。 少年期の体験が引き起こしたことはわかりますし、事の重大さもわかります。 そうしたくなる気持ちもわかる。 しかしながら、最後に語らせているのはダメなんじゃないかな? 行間にほとんど伏線がなかったように感じました。 いきなり、さあこれが全部ですよと言われてもねえ。 困ってしまいます。 雪穂の本当のところの動機って語られてないかも。恨んでいるのはわかるけど、大学時代の友人とかにまで? って考えると、それは単に嫉妬なんじゃないかなと。そして時代考証がどうにも全編通じて古くさく感じました。 昭和55年~平成10年の話ですけど、古すぎませんか? 出発点を昭和25年とか35年とかって言うならわかりますけどね。 最後のあのブティックも、平成10年にしてはクラシカル路線すぎた感じがして。 最近のクラシカルを狙うなら、もっと雪穂をビジネスができる感じに描かないと。 あれではただお金を持っているだけの女性です。 信憑性がどうにも薄かった。 商売成功させたっていう苦労があんまり見えなくて。 ★☆ 1.5/5点********************************2月12日(土)『洋菓子店コアンドル』続けて同じ監督の作品を鑑賞というのも珍しい。公開が同時だからでしょうね。本作、ちょっとあり得ない・・・っていうのがありまして。まず、なつめみたいなキャラのコが、採用初日に一流店の店頭に立つことはないですよね。 きちんと研修なり指導を受けた後じゃないと、普通させないはずです。何も分からない、口の利き方も知らない人を客の前に出しますかね?ノリですから・・・ って言われても、現実としてそれは矛盾してるでしょ。この映画、江口のりこさんが非常によかったと思うんですけど、彼女の場面がもっとあってもよかった。まりこの本音もちゃんと聞きたかったし。ケーキも、ものすごく美味しそうに撮影されている訳じゃないですし(TV番組にももっと美味しそうなのはあります)実際に去年パン関係のお仕事をさせていただいた私にとっては、彼らがやるところの「店を作る」ということが、あまりにも行き当たりばったりなんじゃないかと感じてしまいました。★★ 2/5点
2011.02.28
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原題: UN HOMME, UN VRAI 監督: ジャン=マリ・ラリユー、アルノー・ラリユー出演: マチュー・アマルリック、エレーヌ・フィリエール、ピエール・ペレ、フィリップ・スネル、アイタナ・サンチェス=ギヨン、ミシェル・ピコリ上映会場 : 東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『運命のつくりかた』 ページはこちら。動画はこちら。これ1月9日にマチューの舞台挨拶つきのがあったんですが、予定が合わず&根性もなく行けなかった・・・ ああ行っとけばよかった(笑)貴重なチャンスだったけど、ま、仕方ないです。滑り込みセーフにて鑑賞できました。「恋人どうしを演じた赤の他人二人が、恋に落ち、別れ、今度は赤の他人どうしを演じる」という触れ込みなんですが(フィルセンのサイトより)、ほんとにフランス映画らしいシチュエーションでしたね。あれで恋に落ちる! って、フランスなら本当にありそうですもん。そんなもんかあ・・・ と思って気楽に眺めることができるのは他人の特権ですね(笑)とにかくこの映画で目を引いたのは、マチュー・アマルリックという俳優そのもののスペック。いやはやびっくりしました。スタントも使ってはいるんでしょうけど、実際にロッククライミングも挑戦したんでしょうし、約10年前とは言え、それが可能だった肉体を作ってたっていうのがもう。きっとマチューは貪欲な方なんでしょうね。 最近では監督業でも活躍中ですし。駆け出し映画監督助手のボリスと、企業幹部のマリリンは、PR映画プレゼンの場で逃避行も辞さないくらいの情熱的な恋に落ちた、それが倦怠期になってお互いの主張が強くなってうまくいかなくなった、別れた後の、あり得ない場所での再会・・・ ということなんですが、まあこれも話の範疇と考えて(笑)むしろ、気がついてないふりをして、雷鳥(でしたっけ?)に敢えて感動させられてしまうというのも彼らにとっては想定外なんでしょうね。1か所、最後の最後、ゲレンデのシーンが分からなくて。あれはこれからまた始まるの? と考えると、今までの彼らのお話が全て演技だったってことなのか? そこが疑問になってしまいました。ここでくっつけてしまうから、フランス映画は分かりにくいと言われてしまうような気もする。普通に終わらせてもよかったと感じました。それもありましたが、話の意外さ? には十分持って行かれましたので、よしとします(笑)今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.26
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2011年1月7日(金)~2月27日(日)まで、京橋にある、東京国立近代美術館フィルムセンターにて開催されていた、ユニフランス寄贈フィルム・コレクションが終了します。「現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクションより」サイトはこちら。この企画、いままでフランス映画祭などで上映されたけど、日本国内で未配給の作品のうち、フィルムセンター所蔵の物を上映したということで、これが本当の「蔵出し」フィルムなんですね。45プログラムのラインナップ、実際は長編に短編を組み合わせているものもありますので、それ以上の数の作品が上映されました。これを逃すと、大きなスクリーンでは二度とお目にかかれないかもなあ・・・とも思いまして、できるだけ行きたかったのですけど、そこはそんなに自由に行けない用事などもあり、結局鑑賞できたのは7プログラム(涙)1月に行けなかったのが大きかった・・・。まあ、仕事帰りに行ってもよかったんだけど、連日ですとやっぱりかなり疲れますしね。家庭もあるし、そうそうは観にいけないけど、時間の都合の合ったもの、あるいはこれだけはどうしてもという作品に絞りまして鑑賞しました。わざわざこれに合わせて休暇も取ったくらいですし(笑)鑑賞したのは長編・短編併せて以下7プログラム・11本です。勇気を出して! ( "HAUT LES COEURS!"、1999)新しい肌 ("PEAU NEUVE"、1999)正装のご用意を ("TENUE CORRECTE EXIG?E"、1996)キッチン ("KITCHEN"、2005) →短編リトル・エルサレム ("LA PETITE J?RUSALEM"、2005) アルフレッド・ルプティへのオマージュ ("HOMMAGE ? ALFRED LEPETIT"、1999) →短編カーニバル ("KARNAVAL"、1998) 赤ちゃんザメ("B?B? REQUIN"、2005) →短編正しい恋愛小説の作り方 ("TOI ET MOI"、2005) インタビュー ("L'INTERVIEW"、1998) →短編運命のつくりかた ("UN HOMME, UN VRAI"、2002) 別記事にするものを除いて、一通り感想を書いてみます。**********************************『勇気を出して!』"HAUT LES COEURS!"(1999)113分監督:ソルヴェイグ・アンスパック出演:カリン・ヴィアール、ローラン・リュカ、ジュリアン・コトローHaut les coeurs ! 動画はこちら(Dailymotion)妊婦でありながらも乳がんと闘う女性、そしてその周辺の人々との関係を描く。対照的な2つの状況、すなわち「生と死」を同時に体内に抱えるという重大な状況にも拘らず日本の病気ものと違って、さらりと描いているところがいい。淡々と、余計なものははぶき、それでいて内面の葛藤をきちんと出している。変に生温かくて優しいだけじゃない、本音の人間関係もよかった。本作で主演のカリン・ヴィアールは、1999年にセザール賞最優秀主演女優賞を受賞。★★★☆ 3.5/5点**********************************『キッチン』"KITCHEN" (2005)15分監督:アリス・ウィノクール出演:エリナ・ロウェンション、ベルナール・ニッシルuniFrance の紹介ページはこちら。オマール海老と格闘する主婦の様子を描いたショートショート。オマール海老って、自分で調理して下さいねってなったら、すごい困るものの1つのような気がする(笑)一種怖いでしょ? 動きも大きいし(笑)その滑稽な様子が面白かった。ショートショートとしては十分にインパクトありました。★★★★ 4/5点**********************************『リトル・エルサレム』"LA PETITE J?RUSALEM"(2005) 98分監督:カリン・アルブー出演:ファニー・ヴァレット、エルザ・ジルベルスタイン、ブリュノ・トデスキーニこれはエルザ・ジルベルスタインが出ていたので観たかった作品。エルザは準主役です。 主役のファニー・ヴァレットは、『モリエール 恋こそ喜劇』にも出ていました。 透き通るような美しさ。エルザは結婚生活の悩みと戒律との狭間で悩みを抱える役。 パリ郊外、サルセル地区にあるリトル・エルサレムに住むユダヤ人、彼らの習慣から逃れたくても逃れられない葛藤や、その中で修復していく人間関係を描く。宗教の壁に阻まれる自由もやるせないに違いないし、宗教がありながらも戒律に反する葛藤も細かく描かれている。フランスのユダヤ人コミュニティーが詳しくわかるのも興味深かった。★★★☆ 3.5/5点**********************************『アルフレッド・ルプティへのオマージュ』"HOMMAGE ? ALFRED LEPETIT"(1999)9分監督:ジャン・ルスロ出演:ロマン・ポランスキー、ジャン=クロード・ブリアリ、シャルロット・ランプリング数々のきら星のようなスターや、名監督・スタッフが口を揃えて絶賛しているアルフレッド・ルプティ氏。彼の仕事ぶりもみてみたくなります。★★★ 3/5点**********************************『赤ちゃんザメ』"B?B? REQUIN"(2005)17分監督:パスカル=アレックス・ヴァンサン出演:アドリアン・ジョリヴェ、ピエール・ムール、クレール・ミショー、アレクサンドル・カリル、ヴィクトール・カリル17分間という時間の中に、フランスの若者の躍動感だとか厭らしさ、はっちゃけぶりなどをぎゅっと凝縮して見せている。ショートフィルムとしての見せ場もあって面白い。主演の双子の男のコがイケメン! ★★★☆ 3.5/5点**********************************『インタビュー』"L'INTERVIEW"(1998)19分監督:グザヴィエ・ジャノリ出演:マチュー・アマルリック、ジャン=マリ・ウィンリング今をときめくマチューの貴重なショートフィルムの映像。「これは本当です」、とありましたけど果たしてどうだったんでしょうね(笑)エヴァ・ガードナーだなんて。マチューの英語が、フランス人らしい英語でこれも貴重。オチもとっても「らしく」って、好きです。 ほろ苦い。★★★☆ 3.5/5点残りはぼちぼち書いていきたいと思います。いい作品がたくさんありました。
2011.02.26
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原題: MORNING GLORY監督: ロジャー・ミッシェル出演: レイチェル・マクアダムス 、ハリソン・フォード 、ダイアン・キートン 、パトリック・ウィルソン 、ジェフ・ゴールドブラム公式サイトはこちら。予告がかわいらしいなーって思ったのと、ドタバタも気になったので早々に観ることにしました。と思ったら、脚本が「プラダを着た悪魔」(→ もう5年前なんですねー。。)のアライン・ブロッシュ・マッケンナだそうで。なんか道理でテンポが良くて、それがドタバタだけじゃ終わってなくて、後味がいいというか、嫌味がない元気さなんですよね。これは主演のレイチェル・マクアダムスの魅力も大いにあると思います。実は彼女の作品は4作くらい観ているのですが、どうも今まであんまりいいなと思ったことがなくて、ちょっと不安でしたけど、本作の役はとてもいい。彼女はシックというよりも、元気な感じの役の方が合っているようにも思います。ベッキーはそれまで勤めていたTV局を解雇されて、新しく他局の朝の情報番組「デイブレイク」のプロデューサーに就任するんですけど・・・というのが主な設定。お国柄もあるんでしょうが、アメリカでは、女性が転職してもそのままキャリアを積んでいきやすい環境ですね。日本はその点、女性が簡単に転職しづらい環境なので、うらやましいなと正直に思います。その代わり全国ネットの朝の情報番組という重責がベッキーにはちゃんとのしかかってくるんですね。 当然と言えば当然なのですが。TVの世界では、視聴率が上がらない番組は例外なく切り捨てられて行きますが、そこで彼女が見せた頑張りの凄さというか、自分を捨ててなりふり構わず番組のため、仕事のために献身する姿はカッコいい。やったらやっただけちゃんと評価されていくのはほんとうらやましいの一言に尽きますね。そして仕事と同時に、彼女の恋模様も進行していて、せっかくできた恋人にも仕事の話しかできずに、次々振られる姿は、当世アメリカワーキング・ウーマンの現状なんでしょうね(笑)そこに絡んでくるのが、頑固じいさん(という形容詞がぴったりな役)な古参ニュースキャスター、マイク・ポメロイ。彼は「本物のニュースとは何か」にこだわり続けて家族とまで疎遠になった「伝説のキャスター」。 最近のニュースはなっちょらん!って感じなんじゃないでしょうか。その彼がベッキーの斬新な、しかしながら前向きな仕事ぶりに心を動かされ、またベッキーがかつての自分のように、何もかもを犠牲にして視聴率のことばかり考えてしまう人生になってしまうんじゃないかと危惧していく。ベッキーが、番組の在り方だけにこだわらず、いいチームワークで番組を愛するようになっていったとき、マイクの頑ななポリシーも氷解していく。それは、共演キャスターのコリーン・ペックとの会話にも現れてきます。お互いを嫌って本気でケンカばかりしていた2人でしたが、心がほぐれていくにつれて、その毒舌トークですら番組のネタとしてきっちりハマってくるような気がするのは観ていて痛快。このベテラン2名、ハリソン・フォードとダイアン・キートンの働き、本作では非常にスパイスとして効いています。それまでの自分たちの確固たるスタイルと、諦めをかなぐり捨てて、新境地(笑)にチャレンジしていく姿は見てて好感持てますね。若いレイチェル・マクアダムスとパトリック・ウィルソンのカップルと対照をなしています。また若者組(!)も、仕事一辺倒になりたくない自分と、仕事を全うしたい自分との狭間で悩みながらも、お互いにとってちょうどいい距離を探していく関係は、これまた前向きでいいもんです。仕事って乗っている時は本当に楽しくて楽しくて、脇目も振らずに一心不乱にしちゃってるもんですが、そこに恋人の存在があると、それが励みになってプラスに働く場合と、いつの間にか疎遠になったりうまくいかなくなってしまったりというマイナスに行く場合とがあるように思う。同じ付き合うなら、「この人のおかげで」「この人が支えてくれたから」って思える関係がいいんでしょうね。仕事をすることで毎度毎度恋をスポイルするのももったいないし、新しい人を探すエネルギーや時間もないでしょうし。でも、仕事に打ち込んだ結果、恋人とはこれ以上一緒にいても自分のためにならないと結論を出したのなら、それはそれで1つの結果なんでしょうが。お互いにこの人と思える人に出会えたら、その存在を大事にしていくためにも、仕事にも張り合いを持ってやって行けるのがいいんじゃないかと。・・・と、映画を観た後でいろいろと考えてしまいました(笑)仕事をしている人も、かつて仕事をしていた人にも、仕事とパートナーとの関係を再考させてくれる、明るくて元気な作品でした。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.26
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原題: TOI ET MOI監督: ジュリー・ロペス・キュルヴァル出演: マリオン・コティヤール、ジュリー・ドパルデュー、ジョナサン・ザッカイ、エリック・ベルジェ、シャンタル・ロビー上映会場 : 東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『正しい恋愛小説の作り方』 ページはこちら。動画はこちら。これは『エディット・ピアフ 愛の賛歌』でオスカーを受賞したマリオン・コティヤールと、ジュリー・ドパルデューが主演ということで、どーーーしても観たかった。日本では劇場未公開、DVDは出ているようですね。しかしながら、すでにDVDスルーな作品なんで、これ逃したらほぼスクリーン上映はないと予想。というかほぼマリオンを観に行った私としては、これ大変よかった。やっぱり、美しい人を見るのは楽しいし(笑)姉役のジュリーが作家、そして妹役のマリオンがチェリストという設定。姉は自分の周辺をまんま小説にして、しかもそれをみんなが知ってるんで、今風に言うならリアルワールドがダダ漏れ、ってことなんでしょうね。それを承知で自分のネタまで売りますし、また家族友人知人も書かれますので、黙ってネタにされる方はたまったもんじゃない。そして自分の恋愛が停滞してる時はそれはそれは辛い連載となります(笑)作家ってある意味そういう職業という感じしますが、少なくとも脚色は入れると思うんです。しかし全くのガチンコはお互いような気もする(笑)ジュリーの服装、これ『しあわせの雨傘』のドヌーヴさまをちょっと思い出してしまいました。 カラフルでポップ、可愛らしく、これって女子の永遠のワールドなんでしょうね。どっかで夢見ちゃってる・・・。夢見てる分、痛さに気付かないっていうのもある意味痛い(笑)だってそいつはもうダメ男じゃん! って観ている方は完全に「終了フラグ」立ててるのに、ご本人は気付かないんですよねーこれが。恋愛なんてそんなもんですが。対照的に恋に臆病な妹役のマリオン。このままでいいのだろうか・・・と思いつつも最後の一手が出せない、そこで行かなきゃ! って、これまた他者は思うけど(笑)、それも自分で自分の背中を押すか押さないかってところにかかっている訳だから。この映画でも最後がちょっとほろ苦く、そしてちょっとあったかく、という終わり方で、さらっとしてて観ている方は好感持てますね。DVDスルーされてしまった作品ですが、普通に劇場公開でもよかったかも?フランス映画好きさんなら普通に観に行ったと思いますけどね。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.22
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原題: KARNAVAL 監督: トマ・ヴァンサン出演: アマール・ベン・アブダラ、シルヴィ・テステュ、クロヴィス・コルニヤック、ドミニク・ベイヤン上映会場 : 東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『カーニバル』 ページはこちら。動画はこちら。この日は1日お休みを取ってフィルセン詣出でした。朝から晩までいると正直ちょっと疲れましたが、でももう二度と見れないんじゃないかと思うと、どうしても行きたくて(笑)この日は長編+短編の組み合わせでしたね。本作は、『サガン -悲しみよ こんにちは-』(未見なのー)で日本でもその名が広まった、シルヴィ・テステュー主演ということでかなり興味湧きました。フランス北部の港町・ダンケルクで行われるカーニバルが舞台となる作品。これがまた、にぎやかなのよねえ。すごい盛り上がり。イメージとしては、こんな感じ。参考にさせていただきました。とにかく飲めや歌えや、小さい子がいたって夜通し遊ぶ時は遊ぶ! なんていう姿勢って、やっぱりラテン系の国なんだなあと感じる。こういうお祭り行ってみたいなー。 1月~3月みたいなんで、今がちょうど旬。そういえば劇中でもみんな寒そうにしてたもんね。真冬のお祭りなんでしょう。カーニバルそのものが一種の「興奮状態」なので、その中で起こることも非日常、いつもだったらまずはしないことがほとんどなんじゃないかと。ラルビにとっても、ベアにとっても、あのキスは「魔法のキス」だったんでしょうね。街中も自分もトランス入ってて、そして激情にかられてしまう。 それもカーニバルの魔法。日頃悩みにしていることが重ければ重いほど、それを忘れて目の前のことに走ってしまう、そして永遠にそこに戻らなくてもいいんじゃないかとも思い始めてしまう。ベアの抱える想いも、主婦としては共感できちゃう。一口にだんなさんと言っても、全部が全部ウェルカムというわけでもないでしょうから(笑)そこに現れたラルビはそんなに好きじゃないとわかってても、その言葉に吸い込まれてもいいと思ってしまう。そしてカーニバルが終わった後、夢から覚めた人間のように、現実に向かっていく様子というのもね。 やっぱり現実なくしては生きてはいけないから。夢の中で夢に酔い、そして夢から覚めてもまだ夢の続きを彷徨っているように、人は生きていくものなのか・・・何事もなかったようにしようと思っても、季節がめぐってくるとまた、カーニバルを思い出すのでしょう。シルヴィ・テステュはほんとに可愛い! 生活に疲れた主婦役であっても、何気ないしぐさが小悪魔に見えちゃうんだからさすがです。これも味わい深い作品でした。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.22
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原題: CERTIFIED COPY監督: アッバス・キアロスタミ出演 ジュリエット・ビノシュ 、ウィリアム・シメル 鑑賞劇場 : ユーロスペース公式サイトはこちら。「夜にたどりつけない男と女」という、何ともまんまな(失礼)コピーが当てられちゃってったんだなあと、今さらながら思ってしまいました。ネタばれもそうですが、そう言いきってしまってもねえ・・・。 と。「本物を証明する意味で、贋作にも意味はある」がモットーのジェームズ。その講演に参加した「彼女」(→ 役名はない)との絡みを描いていくのですが・・・。役名がない、というところがもう、この映画のテーマと深くかかわっているようで、文字通り「存在しない」ような存在、つまり本物ではない象徴としてそこにある。2人の会話がいつの間にか、どこから真に受けていいのかを分からないように仕組んでいくのも、この監督の技なんでしょうね。観客の方が「あれ? 今見てるのは真実? そんなこと言ってた?」と煙に巻かれてしまいそうな感じですしね。ずーっと夢の中の風船を追いかけるような感覚で映画を観て、最後の最後に、現実はこれなんだよと突き付ける。結局は、現実と願望とのボーダーラインを決めていく訳ですけど、映画全体がトリックのような雰囲気なんです。「彼女」の詳しい現状についてはあまり伏線はなかったけど、人が抱える願望、こうなってほしいという想い、それが叶わないながらも、強く持ち続けるあまりに、世界までもが変わってしまうような錯覚を起こすこともあるのかもしれない。結局そこは偽物の世界でしかないのですが。その「念」が動かしていくものを覗けるとしたら・・・? という、過程として考えても面白いかもしれません。その対象に選ばれてしまうのは、いいのか悪いのかわからないけど。そういう意味で本作、実験的だなと感じました。監督の遊び心なのかしら。 キアロスタミ作品は初鑑賞なんで、ずいぶん観念的だなとも思いましたが・・・。その実験を、トスカーナの美しい風景や、ビノシュの妖艶な様にうまく絡めています。ルージュの赤はカッコよかった。あの赤、ブライトじゃなく少しダークというか、茶色がかってて大人の赤でしたね。観客までもが迷い込むような感覚に陥らせる当たり、なかなかうまく組み立てていると感じます。今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.19
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この週は結構オフがあって、モバックの翌日は、映画オフ♪おしゃべりしてきましたー。場所は品川プリンスシネマ前にある、カフェ・ド・シネマ。ここの映画館は来たことないので(!)、なかなかたどりつくのが大変でしたが(笑)、どうにかみなさんと落ち会えて合流。お茶しました。DSC04430 posted by (C)rose_chocolat日向夏のレアチーズケーキセット。これ表面に求肥(ぎゅうひ)みたいなのがついてて面白かった。(ちと食べにくくはあるが・・)カップ&ソーサーがかわゆい。フィルムついてるし。この日持って行ったお土産です。やっぱり、モバックにも持ってたんだから、頑張って作らなくちゃ! って感じで、作りました(笑)いつものエピですが・・・。DSC04429 posted by (C)rose_chocolat短い時間でしたが楽しかったー。また行きましょう~。
2011.02.19
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今回のオフでのおみやげです。いつものチョコブレッドですいませんが・・・。DSC04398 posted by (C)rose_chocolatそしてパルメザンソフトを作りました。 2次発酵前。DSC04399 posted by (C)rose_chocolat焼きあがり。DSC04400 posted by (C)rose_chocolat2人分、ラッピングしました。DSC04402 posted by (C)rose_chocolatLouiseさんからはクッキーをいただきました。地元のお菓子屋さん、しっかりしたお仕事のお菓子です。DSC04403 posted by (C)rose_chocolatそしてさいしょさんからは、手作りのチョコ。さいしょさんプロの方ですから!!DSC04422 posted by (C)rose_chocolatDSC04431 posted by (C)rose_chocolat丁寧ですよねー。お味もよかったです!みんな忙しいですが、また行きましょう!お疲れ様でした。
2011.02.18
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1つ前の日記で、モバックショウにご一緒した、Pastoral Louiseさんと、さいしょさんと、ご飯食べました。風ですぐ止まる京葉線に、帰りはまた乗っちゃいましたが、3人とも座れたんで、そのままちんたらと東京駅まで来ちゃいました。この日は1日中京葉線は混乱してたみたいですね。京葉線の終点の東京駅、実はここは東京国際フォーラムの隣なので、元々の東京駅よりも、有楽町駅が近いのよ。(京葉線だけ、別にして、駅作ればいいのにっていつも思う。。。)なので、ご飯もその近辺でいただきましょうということになり、行きつけのローストチキンハウスに行ったんだけど、満席だって!金曜だからねえ・・・ ということでその近くにあったBangkok Kitchen 丸の内店 に入ることにしました。Bangkok Kitchenの公式ホームページはこちら。DSC04425 posted by (C)rose_chocolatまずはエスニックと言えばお約束の生春巻。DSC04407 posted by (C)rose_chocolatツナサラダ。 辛さはマイルド。DSC04411 posted by (C)rose_chocolat春雨の炒めもの。 お野菜いっぱい!DSC04413 posted by (C)rose_chocolatチキンカレーだったかな? 忘れましたけど何かのカレー。DSC04414 posted by (C)rose_chocolatまあ、女同士なんでよくしゃべるよね(笑)パン関係のこと、お店のこと。お店ならではの話も濃かったー。こういう時じゃないとなかなか時間取れないですよね。 お互いに。そしてこれまたお約束のデザート。昨年から私がハマってる「タイアイスコーヒー」、注文しよう~ってことになりました。DSC04416 posted by (C)rose_chocolat何かすごくおしゃれ~。タイアイスコーヒーって、アイスコーヒーなんだけど、甘さが砂糖の甘さじゃなくて、一体何だろうね? って。日本よりも甘いのよね。現地が暑いから?エバミルクなんじゃないか? というのがさいしょさんのご意見(笑)ですけど調べてみるとコンデンスミルクみたいですね。タイでは「甘くしないでください」って言わないと、とんでもなく甘いのが出てくるんだそうです。そしてデザート!どれも美味しそうだねー って話になり、どうせなら3つ取って分けようって(笑)マンゴープリン。DSC04417 posted by (C)rose_chocolatココナッツアイス。DSC04418 posted by (C)rose_chocolat本日のシャーベット。 ライチです。DSC04419 posted by (C)rose_chocolat3つ並ぶとすごい幸せ感♪DSC04420 posted by (C)rose_chocolat短時間でしたけど中身の濃い時間でした。また行きましょう~
2011.02.18
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2年ごとに行われるモバックショウ。2年置きに、関東と関西でやるんですけど今回は関東の番。なので4年ぶりの参加です。4年前は大人数で行ったんですよねえ・・・ 懐かしい。4年前の参加の様子です。Part1だけ載せておきますんで、あとは適当に探して下さい(笑)4年なんて本当にあっという間でしたね。あの頃は上の子が中学受験終わって、ホッとしていろいろイベントに行った頃。早いなあー。今回は、楽天blog友の Pastoral Louiseさんと、さいしょさんがご一緒しました。どちらも、このblogの初めのころからのお友達です。さいしょさんはご自分でお菓子屋さんをされてますので本職の方、Louiseさんもパン&お菓子作りにはとても信念持っている方ですね。自分もパン作りに関してはいい加減なことしたくないので、そういう意味では3人ともすごく共通項がある? やっぱりテイストが近い方たちの方が楽しめますもんね。ということでモバックショウです。会場は4年前と同じ、幕張メッセ。京葉線ってよっぽど何かのイベントがある時じゃないと乗らないんですけど、この電車、強風で新木場で止まってしまった~!!13時に東京駅から乗ったのに、その後新木場で30分止まって、それから徐行運転でノロノロ・・・ 海浜幕張に着いたのは15時(涙)駅でLouiseさんと合流~そして、幕張独特のどうしようもない海風にたっぷりとさらされながらメッセまで歩き、死にそうになった。疲れました・・・。メッセで休憩してからでないととてもじゃないけど入場する気になれませんでしたので、さいしょさんとも落ちあっておしゃべり。結局入場したのは16時(笑) 回る時間が1時間しかないじゃんw今回驚いたのは「場内撮影禁止」の場所がほぼ展示内全域だったこと。仕方がないので、上からの写真でガマンして下さいね(笑)DSC04405 posted by (C)rose_chocolatDSC04406 posted by (C)rose_chocolat写真撮影はここまで。フロアに降りたら一切禁止でした。これは、模倣対策でしょうね。 機械のメーカーさんは例外なく撮影禁止、撮影していた人はストップかけられてました。でもこのくらいしていいと思います。 技術泥棒はNGですし。4年前と違うこと、他にもいっぱいありました。まず、前回はかなりあったサンプリングはほぼないこと。サンプル希望者には、自宅に発送しますという体制を取っていました。これじゃないと企業は大変ですもんね。試食ばかり出してても経費が大変だし。と、こんなところで不況が分かりますね。そして、出店者の顔ぶれというか、機械メーカーがほとんどで、食品・包材関係のお店がとても減っていたこと。減ってはいないけど、小間になったってことかもしれません。派手にやっていないですね。 どんどん試食させて客を呼び込んでいたのは大手食品メーカーばかりです。それでもサンプリングはしないという。 (まあこれが正しい商談なのかもしれませんが。。。)なので文章だけで紹介しますと、試食で印象に残ったのは昭和製粉。業務用小麦粉で作ったパンの試食がありましたが、私たち3人の目を引いたのは、業務用小麦粉の中の「パン用粉B」。いや~、これはもちもちですよ。しっとりというか。さいしょさん曰く、「手に持った瞬間から違う!」とのこと。これ早く一般流通していただきたい!現在は業務用しかないそうですが、これはヒットするんじゃないですか?あとは、米粉も注目されてましたね。埼玉県の小さなブースがあって、そこでは埼玉県職員の方が、米粉をPR(笑)何でも、埼玉県産のお米を使用した米粉関係の製品を作っている、みたけ食品工業株式会社とタイアップしてるみたい。米粉製品のご紹介はこちらです。もう私たちは終了間際だったんでちょっとしか見れませんでしたが。。最後に見つけた出店者さん。平野紙器さんです。いやー、ここ、すごい。製品を格安で販売してました!!!↓の写真。DSC04410 posted by (C)rose_chocolat角型のカップ。 480枚で1000円!!DSC04421 posted by (C)rose_chocolat丸型、70枚で250円!!あり得ないお値段です(笑)もう、3人とも必死で探して~。さすがに1000枚のは分けっこしましたが、それでも安い。 安すぎー!で、お兄さんのツッコミがこれまた面白いよ。岐阜県に本社ですけど、ノリは関西系と見ました。とにかく買うてって、安いから! と(笑)また行きたいな~。そしてこれは数少ないサンプリングなんで紹介しちゃいます。日本製粉株式会社の、ポタージュです。お姉さんが一生懸命サンプリングしてくれました!DSC04423 posted by (C)rose_chocolatこのポタージュ、一般のスーパーには置いてなくて、例えばパン屋さんの店先に置いて販売するという形のようです。商品名は「実りの野菜スープ」、お味はトマト・コーン・普通のポタージュ。昨日トマトポタージュを食べましたがこれ超美味しい!普通にも買いたいくらいですね。売ってるところ探したい!ニップンというと、オーマイだのうどんだのというイメージがありますが、業務用も面白そうです。そしてこれは購入した製品。いちばん端の、「パンのイベントステージ」で販売してました。ドイツのパンマイスターが作ったパン6種類+エコバッグで、1000円!これよく考えたら安いよね。普通にパン6個買ったって1000円超えるし。マイスター制作パン&エコバッグだもん。DSC04426 posted by (C)rose_chocolatエコバッグ、可愛いでしょ??普段づかいしやすいし。 デザイン、イケてます!DSC04428 posted by (C)rose_chocolatパンもね、菓子パン、黒パン、リースパンもあったり、どれもおいしいのよー。すごく満足です。DSC04427 posted by (C)rose_chocolat1時間しか回れませんでしたけど、4年前に来てコツはわかっているので、ささーっと要所要所は押さえたと思います。面白かった!このあと、Louiseさんとさいしょさんとのオフ飲みでーす。
2011.02.18
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原題:TENUE CORRECTE EXIG?E 監督:フィリップ・リオレ出演:エルザ・ジルベルスタイン、ジャック・ガンブラン、ザブー、ジャン・ヤンヌ上映会場:東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『正装のご用意を』 ページはこちら。Tenue correcte exig?e wiki(仏語)動画はこちら。これもね、フィリップ・リオレ監督&エルザ・ジルベルスタインということで、どーーーしても観たかった!見逃したくなくて、仕事1時間早退しました(笑)このあと『英国王のスピーチ』試写がよみうりホールであったんで、この日は1本しか見れなかったけど。でもそうまでして観てよかったなと思える作品だった。こういうジャンルの作品ってなんて言うのかしら。 ただのコメディでもないような気がするけど。あららら・・・というコメディのテンポそのものを楽しむ作品です。内容の濃さうんぬんは置いておいて(笑)、ジャック・ガンブランとエルザの掛け合いを楽しむのが正解なんでしょうね。とにかくエルザがかわいくて。あのピンクのタイトなドレス。 そして小悪魔的な態度といい、可愛らしい。ガンブランの奥さんの仕打ちっていうのも、絶対にあり得ないんだけど(笑)、そのあり得なさっていうか無理難題っていうかワガママさがね。 かえって笑えます。このラストがすごくよかったと思うのは、やっぱり一筋縄ではいかないように作ってあること。助けてもらって、新しい人生を! ではなくて、そこはプライドがそうさせない!くらいの強さがありました。それでもこの2人にはいい感じになってもらいたいけどね。ラブコメも、フランス映画流になると、こうも辛口、リアリズムになるのかと、結構驚きます。チョコレートドリンクのような甘ったるいんじゃなく、まるで辛口の白ワインのような味わいと言いますか・・・。 このテイストは本当に国民性なんでしょうね。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.16
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原題: THE KING'S SPEECH監督: トム・フーパー 出演: コリン・ファース 、ジェフリー・ラッシュ 、ヘレナ・ボナム=カーター 、ガイ・ピアース 、ティモシー・スポール試写会場: よみうりホール公式サイトはこちら。急に試写にお誘いいただきました。 ありがとうございます。アカデミー賞大本命と言われてますんで、やっぱり外せませんよね。そしてこの映画を語るに当たっては、当時の英国王室の状況を知ることは不可欠と言ってもいいでしょう。知らないで観ても別に構いませんけど、話に置いていかれる可能性は大。(苦笑)というか歴史でやりますよね。 「世紀の恋」とか。ジョージ6世 wikiエリザベス・バウエス=ライオン(王太后:The Queen Mother) wikiエドワード8世(ウィンザー公爵) wiki映画の中では、この血縁関係の間柄はさーっと描かれていますが、実際はね。 いろいろあったんだと思います。何故ジョージ6世が吃音になったのか、幼少期からのことを読むにつけ、彼ら兄弟が置かれた状況の特殊さということを十分考えたとしても、これはかなり気の毒な環境だったし、また当時の方針が彼に合っていなかったんでしょう。 不幸なことです。そして、本作のベースとなったエピソードであるところの、ジョージ6世の妻となったエリザベスが言語障害の専門医(ライオネル・ローグ、ジェフリー・ラッシュの役)を夫につけたことも史実。ただし「エリザベス王太后の存命中はこれを明らかにしてほしくない」という王太后の希望があり、大衆向けの公演(演劇とか映画(→本作も)とか)は彼女の死後に行われています。ということでほとんど史実のため、話を崩しようがない前提がありますから、本作は「ジョージ6世が直面した難題」、すなわち吃音を取り巻く話を丁寧に描くということに専念しています。これはある意味正しいと言えましょう。一国の王の演説が聞き取れないのでは、国民の士気に関わる訳ですし。まして当時はTVは大衆にまで行き渡りませんでしたから、音声だけが全てといってもいいでしょう。予告にもありますが、ジョージがヒトラーの演説の映像を見て、「何を言っているかわからないけど、彼はうまい」と言います。指導者たるもの、民衆の心をとらえないと支持はされないという意味ですが、当時、第2次大戦前の一触即発の状況だったことを考えると、吃音を克服したい彼の心情も理解できます。とは言っても、生来の引っ込み思案な性格、加えて吃音コンプレックスもあるジョージにとっては、克服は並大抵ではない。王族の一員であるというプライドもそれを邪魔する。そこで生きてくるのが、ライオネルの方法論でありまた彼の性格でもあったりする。何かを成し遂げようとする時に、余計な垣根やプライドはいらないし、実はそれを取り除くことが最も難しい。そこを、「信頼」で乗り切って行ければ、ということです。ジョージの奥底に眠るトラウマを引きだしたことは、ライオネルにとって、信頼に足る人物と認められることになります。人間誰しも何がしかの触れられたくない事情を抱えながら生きるのは当然だけど、そこをさらけ出すことはなかなかない。 さらけ出す人も選ばないといけない。そのような人に、ライオネルがなれたのも、ジョージにとっては幸運だったのではないでしょうか。コリン・ファースの演技は素晴らしかったですね。彼がアカデミー取るかな?そしてジェフリー・ラッシュもですが。ガイ・ピアースの、即位1年足らずで王位を去るエドワード8世役。 華やかだけどどこか浮わついている感じも適役です。あと個人的に素晴らしかったのはヘレナ・ボナム=カーター。 彼女自身も上流階級の出身なだけに、最近のコスプレみたいな役ではなくて、ここで真価を発揮していたのでは?毅然として動じない、そして策を練る。 それでいて夫には尽くす女性。ロンドンが戦火にさらされても疎開せず民衆と苦難を共にして、ヒトラーから「危険な女性」と恐れられた肝の据わったエリザベス王太后。 なかなかしっかり者でしたたかだったんでしょう。ジョージに、彼女のような、人の心を捉える女性がついたこともまた幸運だったんだと思います。まさにヘレナならではの役というか。 そこに一番共鳴しました。史実ということで、割と淡々と進んでしまいますし、悪く言えば「崩しようがない作品」です。 そのままです。なのでこれは今年の作品の中では、myランクのすごく上位には来ないと思います。『ソーシャル・ネットワーク』のように、奇を衒うというか、あっと驚く展開というものはそうありませんが、そこは俳優陣の演技で見せていく作品と言えましょう。Queen's Englishの、流れるような言語の持つ美しさも改めて感じることができます。今日の評価 : ★★★ 3/5点
2011.02.16
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原題: MASH/M*A*S*H監督: ロバート・アルトマン出演: エリオット・グールド 、ドナルド・サザーランド 、トム・スケリット 、ロバート・デュヴァル 、サリー・ケラーマン第2回午前十時の映画祭:青の50本 『M★A★S★H マッシュ』ページはこちら。いやあ、こういうの大好きです。アメリカンブラックジョークみたいなやつ。テイストとしては『トロピック・サンダー』に近いんだろうねえ。 もっとも、それより30倍増しくらいのブラックさですが(笑)かなり事実を皮肉っている、えぐりこんでいる。 こうじゃないと映画が面白くならないんです。で、これ、戦争反対!とか言ってる訳じゃなくて、 むしろフザけてます。 フザけてるのが狙いかもしれません。 おバカにところどころ混ざる重症負傷兵のグロ画像や、 頻繁に行われる手術シーンの深刻さに戦争を感じさせてる。 製作年が1970年ということで、ベトナム戦争真っ最中、 しかしながらベトナム戦争を正面から題材にする訳にも行かず、それでやむを得ず 朝鮮戦争が舞台になっているのでしょうか。 朝鮮戦争もかなり攻防が激しかったですが、それは一切見せずに作っています。 それなのにどうしてなんだろう。 このブラックさが突き刺さる。 それにしても昔の軍隊ってセクハラ全開じゃないとどうにもやって行けなかったんでしょうね。表では厳しくしつつも裏ではしたい放題・・・ っていうのも何となくわかるような気がする。ある意味動物的!?人間の本性がぶつかり合う戦場だから、それがあって当たり前なのもわかるような気がするけど、フィクションも大いにありと予想。あのシャワーシーンはさすがにね(笑)そして何と言っても、音楽がいいですよね。この映画の場合。 オープニングも、よくよく曲を聴きながらスクリーンを見つめると、そこにはさりげなく またもやグロ画像。 シチュエーションが飲み込めてない観客を、遠目からのロケ地俯瞰図で 誘導していく、これとてもうまいです。 しかも歌詞がありえない(笑) "Suicude is painless"とかってさあ・・・ マジなんだかふざけてるんだか。 あとはBGMとして流れる日本の曲ですね。 「東京シューシャインボーイ」 歌:暁テル子 なーんて、 持ってくるところがうまい。 最も日本の描写もかなりいい加減ですけど、それがどうでもいいところがまたギャグで。 まあ何ともいい加減で面白い作品でした。 ノリとしては『パイレーツ・ロック』にも近いかな? そこに戦争ブラックギャグ30倍&アイロニーをちりばめたって感じです。 ドナルド・サザーランドはカッコよかったですね。 今日の評価 : ★★★★☆ 4.5/5点
2011.02.14
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原題:PEAU NEUVE 監督:エミリ・ドゥルーズ出演:サミュエル・ル・ビアン、マルシアル・ディ・フォンゾ・ボー、カトリーヌ・ヴィナティエ、クレール・ヌブ上映会場:東京国立近代美術館フィルムセンター現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクション 『新しい肌』 ページはこちら。「現代フランス映画の肖像」、ずっと行こう行こうと思っていたのですが、この日が初参戦となってしまいました・・・ほんと忙しかったんですよね。何だかんだと相変わらず用事が入るし。 見逃したのはすごく多くて残念なんですが、こうして観たものは記録したいと思います。サミュエル・ル・ビアン、私結構好きでして、出会いは『DISCO』です。なんか、コメディアン? かと思うくらい面白くて、その次彼をスクリーンで観たのは、『ジャック・メスリーヌ』。これも出番は少しだったけどなかなかシブかった。他のも観てみたいなあ。。本作はDVDは日本でもないみたいで、やっぱり貴重な作品です。タイトルの"PEAU NEUVE"、こちらはフランス語で「新しい肌」ってなるみたいですが、同時に、生き方を新しくするって意味にもなるんでしょうか。まさにそういった感じのストーリー。今までの、親子3人でのつましい生活を続けてもよかったのに、いきなり妻子を置いて遠方に転職するなんて。。「ブルドーザーの運転くらいしか、職はないから」と言われたアランが本当にその仕事に向いていたっていうのも、偶然と言えばそうなのかもしれないけど、そこに、男ならばみんな持っている「ロマン」を見出してしまったアラン。まるで、今まで見たこともないおもちゃでも見つけてしまったような感じなのかもしれません。自分の居場所はそこにしかないと思う一方で、次第に疎遠になって行く妻子のことも、自分が選んだ結果なのにどこかやるせなく、八つ当たりしてみたりする。でもまあ、妻子にしてみればこれほど身勝手な大黒柱もないわけで、気持ちが違う方に向いていってもしょうがないんでしょうね。アランの同僚で、若いけど不器用で、自分をうまく表現できない男がいる。彼なんかは言うなれば「どんくさい」感じだったりして、子どもっぽく憤慨したしもして、どこか周りと違うアプローチしかできないところに本人も歯痒かったりするのだけど、そんな「はみだし者」の彼に親身に接するアラン。ここに出てくるエキストラの中には、本当に就職センターに通っていた人たちも参加しているというエピソードを聞き、約10年前のフランスの世情を思うとともに、世の中についていけない人間に対しての温かい目線を感じる。いつまで経っても大人になりきれない男たちへの賛歌でした。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.12
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ひさびさパン作りでございます。また作らないといけないのよね。 いろいろ予定入りました。春の、上の子の文化祭バザーに、パンを出すことになりました!個数は決まってないけど、今回は私1人で焼くから、まあ気楽と言えば気楽、だけどお手伝いがないので、あんまりたくさんは出せないかも。ちなみに前回出した時(3年前)は50個でした!試作たくさんしないといけないね。 何作ろうかなー。その前に家にある材料も消化。いちごシートがあったので、これこそ早めに使い切らないといけないし。発酵前。 折り込み→成形後、パウンド型に入れます。DSC04393 posted by (C)rose_chocolat・・・・・・・なんかこの段階でもう、出来上がりのダメさが見えますね(爆)あららー後ろのコなんか、ぶちゃいく決定?まあ、出来の悪い子ほど可愛いって昔から言って・・・ ないよ!でもいいの、折り込みパンは売らないから(笑)DSC04394 posted by (C)rose_chocolat翌朝の写真。出来のいいコの方です(笑)折り込みも難しいからねえ。。まあ、家用なんで別にかまわないけど。試作&家パンを兼ねてこれからいろいろと作りますかぁ。。
2011.02.12
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原題: HEREAFTER監督: クリント・イーストウッド出演: マット・デイモン 、セシル・ド・フランス 、フランキー・マクラレン 、ジョージ・マクラレン 、 ジェイ・モーア試写会場:ニッショーホール公式サイトはこちら。(以下、ネタばれにはしてないつもりですが、わかってしまうかもしれませんので、鑑賞予定の方は、鑑賞後にお読みになった方がよいかもしれません。あしからず。)イーストウッド作品で鑑賞済みなのは、 『チェンジリング』 『グラン・トリノ』 『インビクタス』です。 空白期間が長いのであんまり本数観てないんですけど。 それらと比較すると、やっぱり本作、薄めかもしれません。 全面的には社会派映画という感じじゃない内容ですのでね。「人は死んだらどうなるのか」 「死んだ人と交流ができるのか」 がテーマ、3人の登場人物のエピソードがクロスする。 まさに原題に "HEREAFTER"、「来世」とあるのですが、私は霊的なものは否定しません。 なので、この映画で描かれている世界も「あり」かなとは思っています。 ただし世の中には、霊的なことを商売にしている人も多いし、その大半がまやかし(でしょうね)だから、 ジョージのように控えめで真実を告げる人がいてもいいと思う。本当に、邪念や私利私欲がなく、相手のためを思って時には叱咤激励するような言葉なら、私も訊いてみたいと思うし。 ジョージの場合は、自分が利用されることを望んではいないし、また積極的に自分を利用したいとも思っていない。彼は自分が人のことが分かり過ぎるのが辛い。 わかってしまうと、その人との関係がその後は変わってしまうだろうし、また、興味本位で訊いてくる相手に真実を告げたところで、反応は様々だから、一概に感謝されるばかりでその後を過ごすこともないかもしれない。ましてや、愛した人のことが分かり過ぎてしまうのも場合によりけりで、知ってしまったがために関係が壊れることもたくさんある訳ですし。なのでジョージの選択は、ある意味必然だったと言えましょう。 「自分が相手を知ることが苦痛にならない関係・環境」を探していたのですから。そしてそこに、津波で九死に一生を得たマリーと、双子の兄を亡くしたマーカスの人生が交差して行きます。マリーは津波での臨死体験をずっと心に抱えていて、それが理解されないということに深く悩んでもいるし、また分かち合える人がいてほしいと望んでいる。マーカスも、大事な兄を失った悲しみに浸っており、また兄に依存してきたことに気が付いていなかった。彼もまた、自分がとらわれている場所から動けなかったのだろう。霊視によって人生が交差するというのもわかるのですが、その仲介が「大切な人を亡くした悲しみ」であるとするならば、それがマーカスでなくてはならない理由付けが少々弱いように感じました。彼以外にもたくさんその人物は出てきましたし。その理由として「私利私欲がない」ということなら、何となくわからなくもないのですけど。ずっとわかりあえる人がいないまま、あるいはその想いを抱え続けたまま生きていくということも、なかなか辛いことでしょう。その意味で、自分がまっすぐに生きていける場所を探したかったのかもしれません。自分の心の置き所が、ジョージもマリーもマーカスも 欲しかったんでしょうね。 そのために1度、精神的に生まれ変わって、あたかも「来世」に生きながらにして行く心地にしていったのでしょう。こんな感じですが、私は個人的には非常にうなずける部分があったので 好きです。 ただし、テーマ的に非常に個人の振れ幅は大きいので、 絶対的にどうのこうのとは言えないでしょうし、 無理な人は全くダメかもしれません。 (スピルバーグが製作総指揮に入ってて、その影響かもしれませんけど・・・)ファンタジーでありながらも、ウェイトとしては少なめですが、社会に対しての批判もありました。安心して観れるとは思いますし、トーンも落ち付いていて私は好きなんですが、 果たして万人がそう思うかは何とも言えないと思いました。 今日の評価 : ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.10
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原題: APART TOGETHER監督 ワン・チュアンアン 出演 リン・フォン 、リサ・ルー 、シュー・ツァイゲン 、モニカ・モー公式サイトはこちら。コピーに、「中国と台湾を隔てる悲しい歴史に翻弄された二人の夫と妻」とあるのですが、これをきちんと理解するには、第2次大戦後の中国史や、台湾との問題を押さえておかないといけないのでしょうね。国共内戦について wiki最も、この映画においては、そんなに中台のあれこれは描かれてはおらず、むしろその歴史の流れによって運命を変えられてしまった人たちからの目線が中心ですが。あまりにも簡単に善民(シャンミン)が玉娥(ユィアー)の希望を認めてしまい、燕生(イェンション)とも友好的な関係を築いてしまうのにはかなり拍子抜けしましたけど、そこには、台湾建国時の混乱や、動乱によって生じた影響、携わったり残された人たちの様々な心情を加味する必要がある。善民は玉娥を不憫に思ったのだろうし、そしてお腹に建国(ジュングオ)を抱えた玉娥はそうするしか生きる道がなかった。愛だの恋だのと言っている余裕はなかったはずです。そこからお互いに、後ろ指を指されながら、理不尽だと思いながらも必死に生きてきた。だから、「そこには愛はない」と玉娥が言った時も、それに対して真っ向からなじるということは善民にはできなかったのでしょう。それ以上に40年という歳月を、玉娥は尽くしたはずです。また、自分の裏返しとしての燕生の苦労も、善民はわかっていたと思うのです。それにしても、建国はかなり燕生には冷淡だったかなとも思いました。関係ないとは、かなりなお言葉です。父親の苦労を汲み取ろうとする意思がないのはもともとなのか、それとも後天的に建国に植えつけられてしまったものなのか。その理由は映画の中では明らかにはならないのですが、その冷淡さや、他の子供たちの自己主張なども併せての原題の中国を描き、中台間の動乱が起こった頃に中国人が持っていた良さが失われてしまったことを強調したかったのではないだろうか。ナナを除く子孫たちが非常にドライなのはその象徴でしょう。新しい住居に来なくなってしまった子どもたちもまた、歳月と共に変わって行く中国社会の象徴でもありますが、愛のために生きると決めた玉娥の、今後の人生に結果として横たわる深い絶望も考えていかないといけないように思います。愛と言っても、博愛もまた愛であると自分に言い聞かせることでしか癒せないように感じました。しかしながらそれをどこかで運命として、流していくような覚悟も、玉娥のなかには存在していたと思います。食卓を家族で囲むこと。 しかしながらその胸中には裏腹の想いも同時に乗せているはずで、外での食事が台無しになるシーンにも重ねられている。原題にもあるとおり、"together"であるのにも関わらず、実際は"apart"だったのは、今まで築き上げてきた自分の家族だけではなかったということです。いくら歳月を重ねても、越えられないものは越えられない。それに耐えられるかどうか。 この描き方が、どうしようもない現実を浮き彫りにしています。20年前に設定にしているところがまた、リアルでもありました。欲を言えば、もっと中台問題に踏み込んでもよかったかもしれません。監督は『トゥヤーの結婚』(未見です)のワン・チュアンアンですが、中国での制作ということを考えると、この着地点はギリギリの線だったようにも感じました。あくまでも家族の問題が焦点ですし、これでよかったと思います。今日の評価: ★★★☆ 3.5/5点
2011.02.09
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原題: THE TOWN監督・出演: ベン・アフレック 出演: ジョン・ハム 、レベッカ・ホール 、ブレイク・ライブリー 、ジェレミー・レナー公式サイトはこちら。東京国際映画祭クロージング作品。これは人気で、当然のごとくプレは全て外しちゃいましたので、一般公開まで待って鑑賞して来ました。実際にこの舞台となったチャールズタウンという街は存在していて、ボストンに吸収合併された入植地。 アイルランド系住民が多く住むらしい。ボストンと言えばハーバード大学やMITなどの有名大学がある文教の街である一方で、地区によってはこのように犯罪発生率が高い場所があるの? と調べてみると、あからさまに犯罪発生率が高いと言及している訳ではないみたい(『ザ・タウン』関係の感想やらサイトに、やたらそういう指摘が多いのってどーなんでしょ)。原作の小説は、昔刑務所があったチャールズタウンを舞台に設定し、架空の強盗犯罪の街という風に作り上げたようで、このあらすじだけで一概にチャールズタウンそのものを凶悪な街と断定するのは尚早のように感じますが・・・。観終わって思ったのは、テーマとしては似ている要素がある映画は多く存在していて、私が観た中では、同じ東京国際映画祭で上映があった『そして、地に平和を』ですとか、『ソフィアの夜明け』だとか、そういったジャンルです。街全体が荒廃していて、そしてそこに住む者たちの中に悪の連鎖が存在する、ということです。荒れた街で育ち、そこ以外何も知らない環境だと、染まる以外に生きる術はないのかもしれない。朱に交われば・・ ということですが、その街で散々犯罪をしてきたダグは、仲間のジェムらとは一線を画し、タウンを出ようとする。もともとダグの生い立ちの中で、悪に染まりきるには完全になれない部分があったのかもしれないし、または罪を重ねる中でその意識が芽生えたのかもしれない。その説明は詳しくはなされなかったように思うけど、とにかくダグは人生を変えたいと切望している。彼の仲間たちがみんな根っからの「ワル」なのに、どことなくダグだけがまだ根っこには立ち直れるような要素が垣間見えている。 ここがポイントのように感じます。悪の中にもわずかなる善が存在する、そこに希望がある、しかしそこから抜け出すことは容易ではない。その彼を決断させるのは、今まで彼が知らなかった世界で生きていたクレアだった。正面突破では到底かなわないことを、2人にしかわからない方法で実現させようとするダグの試みは、それだけ彼が真剣だからこそなんだろうと思います。話としては『ショーシャンクの空に』(→ ネタばれ、要反転)を思い出してしまいました。てっきり展開から、よくある悲劇ものとばかり思っていたので、この最後はあら?って感じもしなくもなかったけど、基本的に架空の話だから、ファンタジーであってもいいという考えなのでしょう。俳優が監督をする場合って、割と正面切っての問題作とか社会派作品というのではなくて、どこか物語の中に、ご自身とは離れた世界に仕上げた部分が多いんでしょうかね。ディエゴ・ルナ監督作品の『アベルの小さな世界』でもそう感じました。悪の連鎖が世界中にあるならば、そこから抜け出したい人たちもまた同じ数だけ存在しているはず。 その希望を見出せる終わり方は一理あると思います。昨年『ハート・ロッカー』でも活躍した、ジェレミー・レナーが、根っこに抱える不安を犯罪にぶつけている若者役、そして『旅するジーンズ』シリーズではガールズトークを展開してくれたブレイク・ライブリーが、本作ではダグへの依存から脱却できないクリスタを演じていて、そのあたりの役作りも面白かった。そして俳優としてはポジションを築いたベン・アフレックが、今後どのような作品を作って行くかも大いに期待させる作品となりました。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.05
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原題: KRAMER VS. KRAMER監督 ロバート・ベントン 出演 ダスティン・ホフマン 、 メリル・ストリープ 、 ジャスティン・ヘンリー 、ジェーン・アレキサンダー 、ジョージ・コー第2回午前十時の映画祭:赤の50本 『クレイマー、クレイマー』ページはこちら。昨年度見逃してしまったんですよねーこれ。毎週毎週、規則正しく朝の10時に映画館に行くというのもなかなか難しくて。今年は2年分あるので大忙しになりそうです。青はまた追いかけられるし、最悪みゆき座で観ればいいかっていうのがあるけど、もう赤は逃したらほぼ無理なので、こちらも追いかけないといけないでしょう?(笑)結構ハードかも。本作、私が子どものころの作品なんでもちろん劇場で観ることもなく、何回かTVでは流して観ているんだけど、ちゃんと劇場鑑賞できるんならそうしたいとも思っていたので、早速行って来ました。第52回アカデミー賞の目玉となったこの作品。制作された1979年当時は、アメリカでは「離婚問題が深刻化し、結婚した二組に一組が離婚するまでに」なっていたそうで、その問題を取り上げた本作はタイムリーであったでしょうし、また離婚問題がつきつける現実にも正面から取り組んでいることから、多くの共感を呼んだものと思われます。とりわけ、離婚での裁判のシーン、両親に対してのビリーの言葉やしぐさ、それらはみな、離婚によって一体どのくらいのひずみが生じ、またそれを乗り越えていこうとするのかを表しているようにも感じます。しかしながら本作はやっぱり30余年前の観念なんだろうなと思わせる部分も正直あります。観ていてこの作品にすごく共感した訳じゃなかったな・・・ と思った理由がジョアンナの結論で、 今だったら、「ビリーの家はここだから」などとしおらしく引き下がることは 絶対にしないと思うんだよね。 とことん闘うだろうし、また彼女に親権がいくと思います。 それを引かせたのは一重に当時の社会事情というか、 まだまだこの映画が男性目線で作られていることの証拠かもしれません。 原題をよく読むと"Kramer vs. Kramer"ですので、夫妻の戦いを意味している訳ですけど、 その割にはずいぶんあっさりと幕引きしてしまったなあという印象です。 しかも勝ったのに。 怪我のことを持ちだすとは思わなかった、とジョアンナは言ってますけど、 裁判なんだからそれは当然だよね? 勝たないと報酬も少ないし。 今見るとこの裁判のシーンなどもずいぶん柔らかい印象があります。 そしてやっぱりあのフレンチ・トーストのシーンは面白い。 ビリーくんも可愛いですね。 しかし涙が出なかったのは何でだろう? と自分に問いかけてしまいました。 それにしても、男親が、忙しい仕事の合間に不慣れな子育てをして、 一生懸命子どもに言い聞かせてコミュニケーションを取っても、 セントラルパークで、母親が目の前に現れた瞬間にビリーが取った行動。 あれは世の男親をがっかりさせますよね(笑) 母は強し。 なので、その「強い母」に対抗すべく、あのラストにしたんじゃないかなっていうのも考えられます。 一貫して、テッド目線では描かれてはいますけど、ジョアンナの心情というのは会話や裁判の説明などで、断片的にしかわからない。 30年前はそれでもいいっちゃいいのかもしれないけどね。 1979年制作ですから、今から32年前のお話です。 この映画が当時各賞を受賞しても、絶賛こそあれ、あまり批判の声が聞こえなかったのも不思議。 撮影当時、ダスティン・ホフマンも離婚協議の真っ最中だったというのが何とも皮肉だし。 このことが脚本に影響を与えたのかどうかは知りませんけど。これを見ながら思ったことは、例え30年前の現象であったとしても、 女親が子供を引き取ってきちんと暮らしていけるだけの素地がアメリカにはあるということ。 日本にもあるといえばありますが、それができるのはごく少数の、安定した職を持った女性たちのみでしょう。 基本的に日本は「女性が1人で人生を生きる」ことに対しての選択肢を与えていないように 感じます。 その意味では日本はまだアメリカの30年前の水準にも達していないということなのでしょうね。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.05
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監督: 瀬田なつき 出演: 大政絢 、染谷将太 、鈴木京香 、田畑智子 、三浦誠己 、山田キヌヲ、鈴木卓爾公式サイトはこちら。これも東京国際映画祭では「日本映画・ある視点」部門でしたが、時間が合わずに断念した作品。やっと観に行けました。染谷くんは『パンドラの匣』で初々しい感じだったのが印象に残っています。原作はコミックなんですね。 これも未読。みーくんの、ちょっと人とは違う?系を見守りつつも、だんだんと明らかになるまーちゃんの壊れっぷりにも驚かされますが、それにはそれなりに理由がある。下地になっているのが、小学生の時に揃って監禁された過去と言うことですが、これも、そのまんま出してくるわけではない。 ここがポイントなんだと思います。まーちゃんが何で「みーくん」と言い続けるのか。それはもう、そうなっても無理もないと言うべきでしょう。心が壊れ切っている訳ですから。今までにいくつか、幼児や少年少女を監禁するという事件がありましたが、やっぱり犯人の性質は尋常じゃなく、当然ですけど理解し難いものがあります。その犯人の周辺の人物たちもまた、犯人に絡め取られてしまっているわけで、これも一種の犯罪被害と言える。少しだけ勇気出して欲しい・・・ と思うんだけど、実際は恐怖でとてもできなくなってしまうんじゃないでしょうか。話を戻して、みーくんとまーちゃんのある種の「異様」は、ファンタジーというオブラートでくるまれる形で進んでいきます。屋上のシーンなんかもそうですね。そしてその異様さとか、不自然さなどには理屈としての説明がなく、シーンとしてのみ伝えている。 これは統一感があってよかったと思います。下手にくどくどと言わない方がこの場合はいい。で、みーくんですよねえ。観客に、「そうなのか!」と一旦は思わせておいて、実はそこから仕掛けが始まってくるというのも、うまい。他の方のblogのコメント欄に最近、「グリム童話って本当は怖いんだよね」とコメントしたことを思い出したのですけど、本作もそのような印象がありました。怖いから、実はファンタジーやギャグとして何事もなかったように扱う。その本質を見抜く作品です。今日の評価 : ★★★★ 4/5点
2011.02.02
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