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はじめに安価な農産物が爆発的に日本に流入してくる輸出国としての中国のイメージが強い中で、日本産果物の対中輸出の戦略から中日両国間の農産物の貿易を研究するのが新鮮なアプローチである。両国の経済発展の動きと世界経済のグローバル化、貿易自由化などの趨勢から見ると、日本産果物の対中輸出の増加の可能性が広がっている。また、一つのビジネスチャンスとして注目されている。すなわち、中国は、過去半世紀の間日本の最大の貿易相手国だったアメリカを抜いて、最大の貿易相手国になった。日本の2004年の中国(香港を含む)との貿易は輸出入合わせて前年比17%増の22兆2,000億円(2,110億ドル)となり、アメリカとの貿易(同1.1%増)の20兆4,800億円(1,950億ドル)を初めて上回った。2005年には、香港を除く中国本土との貿易でもアメリカを抜くことが確実のようである。2004年に中国は日本の全世界との貿易の20.1%を占め、初めて20%を上回った。日本の2004年の中国への輸出は、前年比17.2%増の11兆8,300億円(1,126億ドル)、中国からの輸入は同16.7%増の10兆3,700億円(988億ドル)だった。この結果、日本は対中貿易で1兆4,600億円(139億ドル)の黒字となった。香港を除く中国本土との貿易では赤字だが、香港への輸出のほとんどは本土向けだから、中国全体との貿易も実際に黒字だと見られている。日中二カ国間貿易の数字は、わずか1、2年前には日本の国内市場を低価格製品で氾濫させるかもしれない脅威と見られていた中国が、いまや重要な市場になったことを示している。これを背景に、日本政府は「攻めの農政」を象徴する農林水産物の輸出を促進している。日本産果物が有望な輸出農産物の一つと見なされている。今の中国では、台湾、香港、マカオはWTO協定上、それぞれ独立関税地域であり、中国大陸と違う経済貿易システムを持っているし、経済状況もかなり違う。だから、本論文の「対中輸出の戦略」は主に中国大陸向けの輸出を分析する。但し、「日本産果物の対中輸出の推移」などの章節では、台湾と香港の状況も触れる。
2005年06月22日
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