2003年12月16日
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むかし、むかし、それはまだ私が東京に住んでいたころのお話『2』です。

上司というものは理不尽なもの。
ある日突然、呼び出しを食って、応接室へ行きました。

上司(以下上)「エルパパ、ちょっとこっちに来てくれ~」
ん?何だ?
ここんとこ、仕事もしてないが、ヤバイこともしてないはずだが…。

エルパパ(以下エ)「へ~い。何でしょ?」
上「あのさ、アメリカ、行ってほしいんだけど、いいよね?」
エ「え?アメリカですか?どの辺りの出張ですか?」

エ「え?マジっすか?俺、英語、だめっすよ。」
上「何とかなるって。がんばってくれ」
がんばれって、あーた、そんな問題じゃ…( ;´д` )
これからしばらく上司とのバトル。
------ 略 -------
エ「ところで、出発はいつですか?」
上「あさって。はい。これ、航空券」
ちょっと待て。アメリカだぞ!転勤だぞ!
いくらなんでも、中1日で準備しろってか?お代官様、そんなご無体な。
航空券を確認すると、確かに日付も時間も入っている。
一応、往復航空券なのだが、帰りはもちろんオープン。


で、当座の荷物をまとめて、成田へ。
同行する人もおらず、ましてや見送りなどあるはずもなく、単身出国となりました。( ;´д` )
それまで、海外に行ったことはあるのですが、一人ってのは何となく心細い。
それでも、まぁ、何とかアメリカは花のサンフランシスコに到着。
ここから、アメリカ生活が始まるわけですが、この顛末記は別の機会に。


ドイツって…ドイツ語だぞ。英語だって満足にわからんのに、ましてやドイツ語など…。
上「エルパパくん、大学の第2外国語は何だったの?」
エ「はぁ、一応、ドイツ語です。」
そう、間が悪いことにドイツ語を取ってました。
上「じゃ、安心だ。よろしく~」
ちょっと待て。ドイツ語…いや、一応習ったけど、ホントの一応。
数だって3つまでしか数えられないし、発音だってまともじゃない。
文法だって、もはや銀河系の彼方だ。
よろしく~は、ハッキリ言って無理。
つーことで、ダダをこねた結果、通訳のバイトを雇ってもらうことなりました。
これで、一安心。(^^)

サンフランシスコからドイツはハノーバーの空港へ到着。
現地のエージェントにピックアップしてもらって、街へ移動です。
移動はやっぱり疲れる。取り合えずホテルに行って休みたいもんだ。

着いた場所は、とある民家の前。
ん??ホテルはどこ?
エージェントさん曰く、
「ああ、ここです。展示会があるとホテル、取れなくってね。近くの家で部屋が空いてるところを借りてるんですわ」
わお、何とプチホームステイ。
ドアを開けると、ドイツの母さんが立ってます。
母さんは何やら話しかけてくるのですが、ドイツ語生ライブは、さっぱり分かりません。
英語の場合、何となく聞き覚えのある単語を拾えるのですが、ドイツ語の場合、気持ちいい位、分かりません。
ダンケ、ダンケの連発で、その場を切り抜けます。(^^;
このお家に10日程、ご厄介になりました。
最後まで、母さんとはコミュニケーションは取れませんでしたが、それでも色々とよくしてもらえました。
世界ウルルン滞在記。母さんありがとう!

展示会を行なっている会場は、巨大なコンベンションセンターで、この中に各国の航空会社のオフィスなんてのも常設されています。
展示会もそれとなく過ぎて行き、後もう少しって時に、JALのプレートを発見しました。
お、JALだ。今回の展示会、日本から来ているスタッフもいることだし、やつらに付いて、日本に帰っちゃおうっと。
日本を離れて3ヶ月。里心が付きまくりな私。帰るぞ。どうしても帰るぞ。
つーことで、上司に「これ終わったら俺、絶対、日本に帰るからねっ!」と半ば脅迫気味に宣言し、気持ち良~く承諾してもらいました。(^^;
日本から来ているスタッフに、これ終わったら帰るんだよね?と聞いて回ったら、この後イギリスに行く、アメリカに行く、南ドイツのケルンに寄ってくとかで、誰もここから直接日本に帰る人はいません。
え~そんなぁ~。こうなったら一人でも帰る。
で、会場内にあるJALのオフィスへ。
エ「すみませ~ん。ここから一番早く日本へ帰れる便を手配してもらいたいんですが…」
JAL(以下J)「はい。かしこまりました。少々お時間がかかるので、明日またお越し下さい。」
つーことで、翌日。
J「エルパパさん、日本への直行便はあるのですが、ご希望の日の2日後なんですよね。そこで、このプランを含めて3つのルートを作ってみました。」
エ「おお、それは、それは。お手数かけましたです。で、そのプランとは?」

JALのおばちゃんの作ってくれたプランとは。
1 デュッセルドルフからJALで、成田直行。ただし、2日後の出発。
2 ハノーバーからハンブルグまで電車移動。ハンブルグ→アムステルダム→アンカレッジ→成田。希望日出発。
3 ハノーバーからハンブルグまで電車移動。ハンブルグ→イギリス→成田。これは希望日の一日後の出発。

で、どれにする?って聞かれても、手間は掛かるけど、一番早く帰れるプランは2だ。これしかない。
つーことで、2番をお願いしました。

バイトで雇った通訳さんは、実は、ドイツの大学に留学しているお姉ちゃんでありました。
結構かわいい。(*^-^*)
当方ドイツ語不明、地理不明なので、この子を拝み倒して、空港まで送ってもらうことしました。
お姉ちゃん曰く、ハンブルグにはゲーテハウスなるものがあって、ゲーテの博物館になっているので、時間もあるし、少し観ていかない?と。
エルパパ的には全然OK。デートだ、ゲーテだ、我に光を…だ!
ゲーテハウスを興味深く拝観して…ふんふん、ほほう、なるほど…、おお!ヤベ。好事、魔が多し。時間ないじゃん!
つーことで、別れを惜しむ暇も無く、空港へ。マジ、ギリギリ。
お姉ちゃんありがとう。お世話かけました。これで日本へ帰れます。(涙)

プラン2によるとルフトハンザでハンブルグからアムステルダムへ移動となります。
空港内をドタバタ走り、やっとルフトハンザのカウンターへ到着。
荷物を預け、荷物は成田までスルーなのを確認し、搭乗口へ向かう。セーフでした。
で、飛行機。一応ドイツ・オランダ間の国際便。なのに、この飛行機の小ささは何?
屈まないと、歩けないじゃないか。しかも、東洋人は私一人。心細っ。

無事、アムステルダムに到着しましたが、飛行機が止まったところは空港の一番端です。
元々少ない人数しか乗れない飛行機なので、出て来ても通路には人がパラパラしかいません。
さてと。ここでJALに乗り換えの予定だ。その前にちょっとトイレ。
出てくると、通路には誰もいません。
細い通路を歩いていると、ようやく大きなホールのようなところに出て、人が沢山います。
中央に円形のカウンターがあって、航空会社の小さなプレートが一杯貼ってあります。
乗り継ぎの手続きはここでいいのかな?
オランダ人のお姉ちゃん(以下オ)が座ってます。
航空券を見せて、
エ「JAL,please」
受け取った航空券をしばらく見て、

オ「No」

は?のぉ~?
ちょっと待て。私は今アムステルダムにいる。で、乗継をしたい。航空券は正規のものだ。
それが…のぉ~?

パニクる自分を抑え、
エ「Why?」
と恐る恐る聞いてみました。
と、お姉ちゃん、反対側の通路を指しながら、一言。

オ「Over there」

そこには、KLMのカウンターがあり、日本人風のスタッフがいます。
驚かすなよ~。それにしてもNoはないだろ、Noは。もう少し言い方ってモンがあるだろ!
てな具合にクレームの一言でも言ってやりたい気分だが、所詮は知れた英語力。
「Thank you」しか言えませんでした。(情けな~鬱)

ようやく、JALの手続きをして、これからアンカレッジ経由成田だ。
JALだし、気分はここからもう日本です。
エルパパ、お疲れさん。
財布の中に入っていたマルクをドルに代えて、アンカレッジに向けて出発。
このJALの便、フランスから日本行きで、ちょうど女子大生の卒業旅行のシーズンとドンピシャ。
なので、殆どが日本人の乗客です。
アンカレッジで、一旦降ろされて、かなりの時間待ちとなります。
どこいっても人が多い。
お、あそこのバー、外人しかいないけど、空いてる。
つーことで、ここでしばらくビールなどを飲むことにしました。
まだ時間がある。もう一本ちょうだい。う~ん、もう一本。(^^;

給油も終わり、いよいよ最終目的地、成田だ。
いいだけビールを飲んだ私は、飛行機の中で、爆睡。
で、めでたく成田到着。
やった~帰ってきた~。

荷物を受け取りにバゲッジのターンテーブルへ行き、出てくるのを待つ。
中々来ないな…。あれだけ沢山いた人が、ポツポツと抜けていき、気が付くと私一人。
ターンテーブルが止まりました。
荷物、コネェーーーーーー。( ;´д` )
おいおい、成田にスルーは確認したぞ。参ったな~。
しょうがないので、中央カウンターへ。
エ「あの~、荷物、出て来なかったんですけどぉ~」
職員(以下職)「では、この書類を書いて、一枚はJALのカウンターに、もう一枚は税関に出してください。」
エ「荷物って出てくるんでしょうか?」
職「大抵は見つかってます。出てきましたら宅配便でご自宅までお届けしますので、ご安心ください。」
なるほど。そういうシステムなのね。
荷物は何も無いので、紙だけ持って、税関の列に並びます。
皆さん、念入りに調べられて、エラク時間が掛かってます。
で、私の番。
税関「あ、荷物出てこなかったんだぁ。出てくるといいね~」
とか言いやがって頂きまして、唯でさえブルーな気持ちに、追い討ちを掛けてくれやがります。

書類の提出も終わり、さてウチに帰るか…と。
ちょっと待て。
そういえば、荷物の中に、1万円札2枚を入れたままだ。ガーン。
取ろうと思ってたんだけど、あせってそのまま荷物を預けちゃった…。
財布の中には? うわ、11ドル。
目の前の銀行で、11ドルを日本円に代える。
今日は1ドル124円だから、全部で1364円。
え?、これで、どうやってウチまで帰れと…。

注)ここから当時の金額です。(^^;

さて、成田から箱崎TCATまでリムジンは…うわ、2500円。無理だ。
アンカレッジでビール、飲むじゃなかったな…。( ;´д` )
おお、そうだ、京成だ。スカイライナーはどうかな?お、900円。
池袋まで、入れても1040円。
で、池袋から地下鉄でウチまで、140円。
てことは、残り184円。
やたー。ばっちり帰れるじゃん。
さてと、手元に残った184円。
コーヒー飲みたいな~、でも、電車の中は暇だしな~、週刊誌でも買おうかな?
184円。コーヒーと週刊誌は両立しない。
しかも、一般週刊誌は200円以上。唯一買えるのはYoungJump180円。
缶コーヒーを買って、一時の快楽に身を委ねるか?それとも、ヤンジャン買って、コラムの果てまで読むか?
悩んだ末、泣く泣く缶コーヒーは諦めました。
久しぶりのヤンジャン。見事にストーリーが繋がってません。なにせ前に読んだのは3ヶ月前。

後日談。
荷物は約一週間後に宅配便で送られてきました。
説明によると、アムステルダムで、荷物の積み替え途中、タグが取れて、行き先不明となっていたもようです。
半ば諦めていた荷物ですが、戻ってきました。システムはしっかりしてますね。
もちろん、この荷物の中に入っていた2万円はありません。( ;´д` )
オランダ人、取りやがったな!






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最終更新日  2003年12月16日 18時30分30秒
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