人間の寿命のアッパーリミットを決定づけるテロメアもどうやら制約ではなくなりそうである。テロメアを操作して生物の寿命を延ばす実験はすでに成功しているようで、テロメアとともに「スーパーp53」という遺伝子を活性化したマウスは、通常のマウスよりも13~24%も長生きするという研究結果が発表されている。「テロメアが活性化すると、細胞の寿命が延びるとともに、がん化しやすくなるのが問題でした。しかし同時にスーパーp53を活性化すると、細胞ががんにならないよう監視してくれる。テロメアが長いほど細胞は若いということですから、寿命も延びる」というような報告がインターネットに載っている。 そしてまた、寿命を延ばすだけでなく若返りをもたらす衝撃的な薬が開発されている。年初(2015年)のNHKの番組、「NEXT WORLD 私達の未来(2)-寿命はどこまで延びるのか-」を観た人も多いのではないかと思うが、寿命革命がおきているのとのことである。この番組では、長寿遺伝子の発見、3Dプリンターを活用した臓器製造による再生医療、手術ロボット、ナノマシーンによる病気の監視と根絶などの話が出てくる。副作用が問題とされている抗がん剤も、ナノテクノロジーが発達すれば、がん細胞にのみ作用するようになるという。日本でも研究されている「体内病院」はまさに夢の技術のようだ。 これらはいずれも人間の寿命を大幅に伸ばす作用がある。老化を止め、病を治し、病を予知する時代が到来するとのことである。このうち、特に気になったのは、長寿遺伝子(NMN)についての話である。NMNの分子構造は下記のようなものである。