November 14, 2015
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カテゴリ: 科学と技術
●この2~3年、宇宙論に関心が移っていて、未来社会の方は置き去りになっています。最も、宇宙の話も未来社会と密接な関係があると思っている。宇宙の不思議を知れば、人間の存在及び自分自身が超奇跡的存在であることを認識し、利潤追求に明け暮れる生活、地球環境、戦争や紛争の愚かさ、宗教の在り方…について大いに反省させられるようになると思っているのであるが…。
『宇宙の不思議』PDFファイル へのリンクを張っておきます。

●本題に戻り、今年なってNHKの『NEXT WORLD』に関連して、不老長寿の社会について考えてみたり、未来社会の出版物についても触れてきた。この『NEXT WORLD』は、超弦理論研究者であり未来の科学技術の研究者でもあるミチオ・カクの著作物などがバックボーンになっている。

●そこで、『NEXT WORLD』よりも出版時期は古い(2012年)が網羅的に近未来から遠未来までの科学技術の姿がどうなるかについてまとめている『2100年の科学ライフ』を読んでみた。



●多岐に亘る内容であるため、ここでは内容の紹介には立ち入らないが、内容の構成は次にようになっている。これまで知らなかった本当にそうなるのだろうかと思えるような科学技術も多数散見できる。100年前に現在のような科学技術の大部分が思い至らなかったのだから、思えなくても当然かもしれない。

1.コンピュータの未来…心が物を支配する
2.人工知能の未来…機械の進歩
3.医療の未来…完璧以上

5.エネルギーの未来…恒星からのエネルギー
6.宇宙旅行の未来…星々へ向かって
7.富の未来…勝者と敗者
8.人類の未来…惑星文明
9.2100年のある日

●世界でもトップクラスの科学者や思想家など300人以上のインタビューや様々な最新技術開発の現場見学を通じて得られた知見に基づいて未来予測を行っている。その意味ではミチオ・カクの未来予測とは言えないが、研究者としての彼自身の判断に基づく取捨選択を行っているという意味では彼の予測も混入している。

●未来予想に当たって、彼は近未来(現在から2030年)、世紀の半ば(2030年から2070年)、遠い未来(2070年から2100年)に時代区分をして予測している。

●彼はSF的な科学技術ではなく、極めてリアリスティックに推論しており、例えば、ロボットと人間の能力と違いについての考察からSFの世界のようなロボットにつては懐疑的である。遠い未来といえどもロボットは人間のもつ知能に遠く及ばないと考えている。

●未来の科学技術がどのようになっていて、人間の生活スタイルがどのように変化しているかを描こうとしているわけであるが、未来の生活スタイルは科学技術の姿だけで語れる訳ではないことはミチオ・カクも十分に承知している。科学技術は社会や経済のシステムを変化させ、変化した社会や経済のシステムは科学技術のありように影響を及ぼす相互関係がある。
●彼の未来予想は科学技術偏重といえなくもないが、現下の世界的・社会的問題である温室効果ガスによる地球温暖化がもたらす問題については「エネルギーの未来」で触れており、簡単にではあるが、最低限所得保証の話とかテロや独裁政権、イスラム原理主義の問題についても簡単に触れている。

●例えば、インタビューでの話として… まず考えられたのは、働かなくても最低限必要なそこそこの所得をだれにでも保証するほど、富が存在するようになるということだ。…人口の一部は、働くことをひたすら拒む人からなる、生涯変わらぬ階級を形成するだろう。一方で、貧困の束縛から解放され、学問や芸術で創造的な成果を追求する人もいるかもしれない

●現時点で実現が予想される科学技術をベースとした推論なので、彼の予想が十中八九的中していてもおかしくはないし、現代の科学者が予想だにしなかった科学技術が実現してもおかしくはない。

●科学技術は社会システムを改善も悪化もさせる両刃の剣であるが、彼は未来への鍵として、知恵の必要性について記している。… では、知恵はどこからもたらされるのだろう? 一部は、対立する立場同士による、理屈と情報にもとづく民主的な議論から得られる。この議論はめちゃくちゃで見苦しいことも多く、つねに騒々しいが、そんな稲妻と煙のなかから真の洞察が生まれ出る。われわれの社会では、こうした議論は民主主義の形態をとって生じる …と述べている。

●人間の未来について知りたければ、まずはこの本からということになるだろうか。





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最終更新日  November 14, 2015 05:13:12 PM
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