森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2021.11.09
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シンクロの優れた指導者である井村雅代さんのお話です。

ビジネスのグローバル化が言われて久しいですが、世界で闘ってきた経験から言うと、今のままでは日本人は勝てません。必ず負けます。

私は中国とイギリスで代表監督として指導してきましたが、彼女たちは自分の考えをはっきり言います。「先生はこう言ったけれど、私はこう思う。だからこうしてみた。見て!」
それに対して、やっぱり私の言ったやり方のほうがいいと言えば、「残念、私のは駄目か」と言って引き下がります。納得できなければ、納得できるまで聞いてきます。
自分の言ったことが否定されても、それは自信喪失につながりません。
否定されたのは、「言ったこと」であって、自分の人間性が否定されたわけではないことがよく分かっているからです。
一方、日本の若い人は、自分の考えを言うこと自体が少ないですし、言ったことが否定されたら、自分の人生まで否定されたかのように自信を失います。

なぜこうも違うのかと考えると、やはり日本が豊かで平和であるからでしょう。
特に自分が何かを主張しなくても生活に何ら支障はありません。

中国では、自分が主張しなければ、存在意義がなくなり、居場所がなくなります。
自分を認めてもらうためには常に主張し続けなければならないというような環境で育ちます。
(結果を出す力 井村雅代 PHP 118ページより引用)

中国の選手は、自分の考え、気持ち、意思、感覚、感情をしっかり持っている。
その方向で自分の立場、立ち位置をはっきりさせようとしている。
それがなければ何も始まらないという気持ちがある。
つぎにそれをコーチに向かって説明しようとする。
実際に試してみて、結果が出なければ、その時点でコーチの指導を受け入れる。

日本の選手は、コーチの指導に対しては絶対服従という考え方が強く、自己主張を前面に押し出すことが少ない。自分の考え、意思、感覚、感情があっても、それを抑圧しているように見える。心の中で、「こうしたい」「こうした方が良い結果につながるのでは・・・」と思っても、コーチに伝えることがない。自分の感情や気持ちを抑圧して、相手に合わせるということが美徳と考える風潮がある。こうなると本音と建前が食い違うということになります。

本音を軽視・無視すると脳の中では大変なことが起こります。
やる気の脳といわれる側坐核や前頭前野の働きがお休みするようになるのです。

ここが活性化しないと、やる気に火が付きません。
実際にはドパミンの分泌が抑えられてしまいます。
そうなりますと、いくら建前で自分を叱咤激励しても、積極的な行動にはならないのです。

行動するときは、まずは自分自身の本音を聞いてみることです。
本音から出発するとやる気に火がついて、モチベーションが高まります。

本音の部分がない、抑圧しているということは、悲劇的な展開につながることを考えておく必要があります。





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Last updated  2021.11.09 06:30:14
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