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gamzatti @ Re[1]:「ムー」「ムー一族」(05/28) ひよこさんへ 訂正ありがとうございました…
ひよこ@ Re:「ムー」「ムー一族」(05/28) ジュリーのポスターに向かってジュリーっ…

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gamzatti

gamzatti

2007.08.04
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カテゴリ: 日本映画


カンゾー先生

「うなぎ」でカンヌ映画祭で二度目のグランプリを獲得した今村監督は、
次回作に意欲を燃やしました。
「カンゾー先生」です。
大きな賞を獲ったあとは、マスコミがぞろぞろついてきますから、
この「カンゾー先生」、
発表記者会見とか、露出度満点でした。
でも。
興行的にはイマイチだったのでは?
ジミ~な映画です。

集客力、なさそーですよねー(失礼)。

けれど、私は今村監督の映画の中でも、これが一番好き、というほど、
忘れられない映画です。

戦争中の田舎の医者。
どんな症状で診てもらっても
「うむむ、これは肝臓が悪い」。
こりゃヤブだ。
そこでついたアダ名が「カンゾー先生」。

前半はこのカンゾー先生の日常を淡々と描いていきます。
今村監督はカンゾー先生をはじめ、
どこか「時局」を真剣に受け止めていない

不マジメな生活ぶりを中心にすえています。
軍の人たちからは、人間のクズみたいに言われちゃう人たちばかり。
世良正則なんて、原作者の坂口安吾をほうふつとさせる
だらしなーい着物姿でいっつも酔っ払ってるだけ。

物語が急展開するのは、後半もドン詰まりのあたりから。

人間の本性がどんどんあらわになってきます。

戦時中、ぷらぷら、へらへらしていた人たちの中には、
実は多く真の愛国者がいて、
彼らは素晴らしい人間性ゆえに自分らしい生活をできずにいた。
あるいは、同じ「非国民」になるなら、
軍に反駁してムダに命を落とすより、
「不良」の類になって生き延びる方を選んだ。
そのことを、監督は、ニヤニヤ、へらへらしながら映画にしています。
そのたらりんとした作風は、まるで、カンゾー先生その人みたい。

「素晴らしい人間性」は、戦争をやりたい人たちののテキである。
なんてことがわかっちゃうこの映画。
今村監督、肝っ玉すわってます。

誰にでもやさしく、「肝臓が悪い」と診断してあげることで、
休ませてあげたり、滋養のつくもの食べられるようにしたり。
心がきゅんとなるほど、人の気持ちが切ない映画です。

この映画でデビューした麻生久美子が
「夕凪の街、桜の国」に出ています。





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Last updated  2007.08.05 10:19:43
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