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最初は名前がわからなかったけれど、あとで調べたらガマズミだった。漢字では莢蒾と書く、読めない…😅
花の名前にはあまり詳しくないので、ひとつ覚えただけなのに少し得をした気分になる。
六月が近づいて、公園の緑もだいぶ濃くなってきた。
朝早い時間だったから、人はまだ少ない。
犬を散歩させている人や、仕事へ向かうらしい人が静かに通り過ぎていく。
ガマズミの花は派手ではない。
近くで見ると小さな白い花が集まって咲いていて、なんとなく昔からそこにあったような顔をしている。
そういう花を見ると、子どもの頃のことを少し思い出す。
何を思い出しているのかは自分でもよくわからない。
昔住んでいた家の窓から見えた庭だったり、休日の朝の空気だったり、その程度の曖昧なものだ。
帰ってからコーヒーを淹れた。
お湯を注ぐと、台所にゆっくり香りが広がる。
シンクには昨夜のマグカップがひとつ残ったままで、そういうところに今週の疲れが少し出ている気がする。
コーヒーを飲みながら窓の外を見る。
特別なことは何もない朝だけれど、名前のわからなかった花のことがひとつわかっただけで、少し気分がいい。
ガマズミ。
たぶん明日にはまた忘れそうだけれど、今朝の白さだけはしばらく覚えていそうな気がする。
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