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<レミゼSP公演楽☆7月16日(月) 1階上手サブセンター>9日から始まったSP公演のレミゼ。最後の2回を観ただけですが、この幸せ感はなに?最初評判を聴いたときは、「ふたりは浮いちゃうのでは?」とか、「昔のレミゼを観た人だけがノスタルジックに感動してるだけ?」とか「早く石川マリウスと歌穂エポを観たい!聴きたい!」という気持ちと同時にないといえば嘘になる。なんかアマノジャクというかチョット待て、自分の目で見て自分の耳で聴けよ、という声も。でもね、やっぱりふたりは凄かったです。それが15日夜ずっと祐バルの神々しい顔とともに石川マリウスの顔がちらついて仕方がなくて、迎えた16日のSP楽。A席後方でしたが比較的見やすく気持ちが1幕最初からもう違っていると全部違う!祐一郎バルジャンの声!もう冴え渡るというか、体の表面でなく皮膚や肉を突き抜けてぐいぐいと入り込んでくる。なんか今日は来たな、という予感がして、久しぶりのすーっと心に光が差しこむ様に入ってくる港司教の声が祐バルの心に届くのと多分同じくらいの力で自分の中にも入ってきて、だんだん体が震えてきました。わたしが勝手に思うだけなのですが、祐一郎さんに「バルジャンが来る」タイミングが昨日よりずっと早くやってきたように感じ(これは自分の気持ちのせいだと思うけど、でも日によって違うように思う)ぞくぞくしました。SPのふたり。不思議なことにどこにいても照明が暗くても目立つのです。歌穂さん、ラブリーレディーでどの子よりもチャーミング。色気だそうと努力しているんじゃなくて、ちょっと自分を違う目線でみつつお客さんにカモーンをしているの。その目つきとか手の動きとかが可愛くて見惚れてしまいました。それに禅さん、警吏姿もなんであんなに目立つの?それに宿屋で邪険にされて放り出される祐バルに最後にどさっとかばんを投げつけるのマリウスなんだもの。今までなんで気付かなかったんだろう?えーっ?禅さんが祐さんに!?と思わずズキっときちゃった。そうそう、祐バルの後ろで労働する禅さんほんとにツルハシ(?)が200キロくらいあるように見えるほどスローな動きで、過酷な労働だったんだ!すごいマイムですわ。で、あちこちで既に禅さんを確認できてふふっと思っていたのだけど、16日はやっぱりなにか降りてきたのかな?マリウス登場での叫びたくなる感動はなんだろう?声も姿もそして動作もすべてそこにいるタイムスリップしたマリウスさんに釘付けで。昨日の岸さんとの並びのほうが細くみえたのはたしか。麗しい細身で小顔な東山アンジョと並ぶとやっぱり・・なところはあるけど、でも目が離せないんです。禅マリから。時代も場所もぜんぶ関係なくなって気持ちがここまで入り込めるなんて。声が若いとか優しそうとか包容力が違うとか形容詞はいっぱい。でもぜんぶ足りん!時空を超えたなにかが在ったとしかいえない。そしてやっぱり思ったことは前にも書いたけど「レミゼは一日にしてならず」だった。素敵で好きだと思っていた岡田&育三郎マリ。バルジャンが本当に命をあげたいと望みコゼットを託しても大丈夫と思えるマリには一朝一夕ではなれないよね。初々しくて可愛くてコゼットが惚れるマリウスではあっても、いろいろな思いを背負って生きてきた人間として持ちうるものを全部つぎこんでそこに存在した人にはやっぱり心を動かさずにはいられなかった。無視できない存在感!これは演じることを意識することを超えて初めてにじみ出るものなんだね。だから岡田マリや育三郎マリを観る目とは全く違う目で禅マリをずっと追ってた。ひとりの人間が生きてきた証を見られた気がして嬉しくてならなくて。なにかマリウスなのにバルジャン的で。エポの歌穂さん。昨日よりずっと喉の調子よかったね。そしてやっぱり全身全霊で最後になるかもしれないエポになりきっていて、マリウスに惚れたりためいきをついたり、そのひとつひとつが演技じゃなくて自然にこぼれでてくる。ソロも、上手い、今年はいい、と思った笹本さんや新妻さんのような「声の張り」で勝負しようという気持ちなどはなくて、(たとえば、若いエポは「知ってる♪夢見るだけ~」から声を作って張り上げてくるけど)1つの自然な気持ちの流れがふうわりとすこし湿り気のある優しい風のように強弱や温度差を含みながらそよいできて、聴いているほうも構える気持ちをまったく持つことなく、エポの切ない気持ちをし自然に受けとめていられる。バリケードの向こうに消えるエポに「行かないで」ってこんなに感じたことはなかった。ずーっと拍手も続いていたね。みんなの気持ちはひとつになってたなって感じた。(ブラボー男もいたけど)ふたりがいるとやっぱりアンジョやバルジャンも懐がでかく人間味が増しこくのあるところを魅せてくれてすべてのアイコンタクトや行為がいつも以上にせつない。アンジョと並ぶとやっぱり禅マリは副官のようで頼もしすぎるんだけど、「死んでもいいさ♪」ってグランに(伊藤グラン!)歌いかけるところ、もう「そんなこと言っちゃだめ!」って言いたくなるほどせつなくて、祐バルの「彼を帰して」も年齢性別を超越した尊敬をこめた愛の祈りのようにも感じ、あふれる思いが空気の波になり伝わる。歌がバズーカだったかどうか、かすれたかどうか、なんてどうでもいいの。魂が声にならない声になってそれが天に届けばいい、それが祈り。役者さんどうしの相互的な作用の凄さを感じました。エポ最後の死に顔が安らかすぎて嗚咽。ほかの場合「生きてるうちは愛が伝わらなくて可哀想だったけど死ぬときくらいは優しくしてくれる思いやりはあってよかった」と冷ややかにみえることもあるけど、禅マリは最後にこの人に「生きてよ♪」と言われたことを胸に抱いてあとは苦しみから解放されてほんとうに安らかに逝けたように見え、人と人の愛は最後は男女を超越するのかも、と思えたほどでした。「練習した演技」ではなく自然に思いがにじみでる、からこその感動なのね。東山アンジョ素敵だったし男らしくて頼もしくなったけど、声そのものは東山くんの初日のほうが安定していた?SP公演ということで気合がいつも以上だったのかもしれないけれど、喉に力がはいって上擦り気味。発声してるという意識が前にでてしまった箇所も。でも散り際が潔くて死に顔がとても幼くみえて美しいものが散る悲しさに泣けました。カフェソングの頃はマリウスの御髪も結構乱れてきてるのですが、それがまた心の乱れを象徴するかのようで効果的(?)禅さん特有の力のはいった声が混じって現実に返されるかな?との心配もよそに、まるでつぶやきのように響きを捨て上手く響くことなどまるで考えずにもらしたノンビルラートでリズムすらつけない「ことばにならない♪」からじわっと始まって、うねりのように高まる無念に怒涛のように乱される心。たったひとり暗い舞台で歌うマリウスの姿をこれ以上ないほどの寂寥感で覆い、やはり歌がうまいとか声がいいとかそういうレベルを超えたものでした。形容詞が浮かびません。エピローグに向かってのマリウス、コゼット、そしてバルジャン。きょうは神々しくやはり母性と包容力にあふれたシルビアファンテだったこともあり、バルジャンの思い、マリウスのバルに対する思い、そしてコゼットの思い、すべてがひとつに溶け合って昇華し大きな白い光になってバルジャンを導き、昇天後も思わぬ出会いが待ち受けていた祐バルの笑顔はそれはそれは幸福感に満ちたものでした。涙でかすんでしまい詳細がぼやけています。マリウスが信頼感にあふれていると後ろ髪ひかれることなくあちらの世界に移れるけれど、そうしてほしくないコゼットやマリウスそして観ている私たちの抵がいの気持が一瞬にして安寧に変わる。ここはほんとにこの作品のマジックであり真髄ですね。トロ様も歌っていたけれど無から有が生まれる奇跡です。いなくなったのにそこにいるんです。すべての人が。今ジャベ。感情がほとばしりでていて叫び交えダイナミックでよかった。対決は祐バルの声が細く聞こえるほどでした。祐バルの対決後の乱れた上着にちょっとどきどき。警棒裁きの美しさやSTARSはじめ毅然とした職人としての潔さ、は美しさを湛えプライドの高い岡ジャベとはまた違った持ち味と存在感を増しました。感動は駒田・森ペアやシルビアファンテや伊藤グランなどの存在も大きいです。現実にふっと戻される瞬間が少なくてGOOD。フイイは今日の方は長身だが自分は松原くんのほうが今のところ好きだな。あとファクトリーガールも今日の人はがなる感じだけど、浅野さんのほうが工場長との人間関係とかストーリーがしっかり見えてて好きかも。リトルコゼット、きょうの子凄い演技力だった。あのソロでぐぐっと涙がでてきたのは初めてかも。あの雲の上にお城があるのよ、ってほんとにそのとおりの光景が浮かぶの。そして楽しい世界を想像するその頬はほんとにばら色なんだよね。そういうものが見えた。そして井戸に向かうときの恐怖感。わたしまで「可哀想すぎだよ!わたしが代わるよ!」っておっ○いが目立ちすぎのテナ夫人を通せんぼしたくなった。この子凄いです。だから優しいおじさん(笑)が来てくれたときほんとにこちらまで嬉しくて。ぐるぐる回りも一回くらい多めだったような?(12回?)駒ちゃん好きなんだけどコゼットを逆さにするのはやめてね、と言いたかった。モリクミさんのしぶきがほんとに祐バルにかかってもろ嫌な顔した?お願い!ぶーっとするのやめて。美しくてシルクハットな平吉風味な市長から宿屋のコート姿までがためいきのでるほど素敵すぎな祐一郎バル。バルとして観ようと努めてもどうしてもこのへんは理性はどこかへ。声と容姿とオーラと面白みと(失礼)その他諸々の要素を兼ね備えた「舞台のために生まれてきた男」に出会えた幸福を感じ、神様ありがとう、とひとこと。今年はより「演技してる」などと言われてますが、わたしはバルジャンが宿ってバルの人生をそのまま生きて死んでいっているんだな、と感じる今年の祐一郎さんです。演技と感じたら泣けません。だから演技力でなくて「バルとしての存在力(?)」が増したのだと思う。どうしてもSPのおふたり中心のレポですが、最後に。年齢を重ね経験豊かなおふたりも凄いけれど、笹本エポ新妻エポ、そして岡田マリウス、泉見マリウス、そして育三郎マリウスはそれはそれでやっぱりいいものをもっていると改めて思いました。新しいキャストもなかなかいける!可能性を秘めてていいと。旧キャストは新しい人と比較して持ち上がるためでなくkただそこにいる「堂々と生きてきた人間」を感じてもらうために存在するのだと思いました。カテコの挨拶。禅さんは「マリウスには賞味期限がある」と言いつつも「今の自分でできることを精一杯やった。幸せだ」と言ってくれた。これがすべてを語っていますね。そして歌穂さん。心をこめて涙をこらえながらいっぱいしゃべってくれて「レミゼは何度演じても毎回怖い。毎回新しい発見がある」という言葉。きっと多くの人たちがうなずいていたでしょうね。普通若干ふくよかで柔かになる年齢(信じられない若さにみえるけど)なのにあんなに小さくて細くて・・・衣装がめくれたときに見えたけどすごい筋トレもしてる。痛々しいほどでこの仕事に人生かけることを決意したその潔さがみえて、なんとなく祐一郎さんとだぶって泣きそうになってしまいました。でもどんなことがあったにしても、今はふたりともたくさんの人に愛されてとっても幸せな人生だよね。何千人もの人の割れんばかりの「心からの」拍手を一生に何千回も受けるなんて普通の人はありえないよね!(あ、お兄さんのほうは舞台以外でもそのHand&Eye powerを求める女性たちがいっぱい♪ですし・・・^_^;))虚脱状態だったけれどきょうは緊張続きなハードの1日でレミのことを思い出す暇もなく1つの救いだったかも。これは額縁に飾り、また新しい気持ちで新生レミも応援するぞ!
2007.07.17
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<レミゼSP公演☆7月15日(日)マチネ:1階席上手席>本日は台風の影響で帰宅できないのを覚悟で出かけましたが、その後台風はどうにか東に逸れてくれたようで電車は普通に動きましたので、いったん帰還しました。朝は電車が停まる可能性を考えてかなり早く家を出たのですが、どうにかストップせずに順調に到着することができました。関西・東海方面から新幹線で向かわれた方は大変だったのではないでしょうか。はじめてのSP公演。噂どおりSPキャストのスケールの大きさと演技力に感動したマチネで新旧キャストが舞台上で一緒にひとつのものを作り上げている、その現在進行形の姿にあらためてレミゼという作品のスケールの大きさを感じました。またレミゼにはプロローグ&エピローグがありますが、本日マチネは「祐一郎さんの生声によるオリジナルプロローグとエピローグ」という思わぬサプライズプレゼント(?)つきで、もうそれだけで行ってよかった、と思える嬉しさでした。プロローグは・・諸事情により省略させていただきます(笑)エピローグ:カーテンコールお花投げの前で拍手をふんわり止めた祐一郎さん。 え?きょうって貸切でしたっけ?と戸惑うわたしたち。「本日は、気象庁観測史上最大の台風の中、あらゆる困難をのりこえて、靴の中がびしょびしょに濡れても暴動を起こさず、静かにわたしたちとレミゼの時間を過ごしてくださり、真にありがとうございました!」みたいな感じのご挨拶をいきなり始めたのでもうびっくり!しかもハイテンションのあの声ではなくて、落ち着いた大人の(←いつもは?)しっとりと心のこもったいい感じの声でなんだかそのさりげなくあたたかい気持ちが伝わってきて、じーんと来てしまいました。今日頑張って来てこんな素敵な瞬間に出会えてほんとうによかった!!その気持ちでなにかがほぐれ、胸がいっぱいになった人がきっと私のほかにもたくさんいらしたことと思います。祐一郎さん!!ほんとにありがとう!なんというかそのタイミングにぐっときました。深々と頭を下げたいのはこちらのほうです♪<本編>靴がびしょびしょの人ばかり、という会場ではないものの、やはりお天気の乱れのせいですこし時間が押しての開演。途中で入ってくる人は思ったよりは多くはないものの、自分の気持ちがばたばたしたせいもあり、1幕はなんとなくあわただしい気持ちで観ていました。そのせいか、今日はレミゼの世界に没頭できるまでいつもより少し時間がかかりました。音響も1幕は抑え目に聞こえ、オケのテンポ(というか指揮)も急ぎ気味に感じ、どんどんストーリーが先に行ってしまう感じが若干しました。全部自分の気持ちのせいかな、とも思います。石川マリウスが岸アンジョとともにバリケードに登場し、SP公演の実感が湧いてきました。とはいえ、禅さんはやっぱり目立つ人で、席の関係で囚人はよく確認できなかったものの、労働者や治安官などですでに「禅さんがいる」とすぐわかる存在感。そして島田歌穂さんも労働者、ラブリー・レディーなどですごく表情豊かなのでひとり目立っていました。(ファンティーヌよりもついつい歌穂さんに目がいってしまうときも。)東宝ブログでマリウスに変身した石川さんの動画などを見ていたのでそんなに驚きはしませんでしたが、やはり声の魔術師!若いです。笑顔が素敵です。デコがかわいいです!そして他のマリウスたちとは違って、アンジョルラスと並ぶとその副官といえるような貫禄でした。恋に悩みながらもやはり落ち着きのあるマリウス。「その髪好きだわ♪」という歌穂エポにもおののいたりびびったり怒ったりせずにこりと余裕で対処。おお、ゆとりのある大人!というかんじ。歌穂エポは他のエポより大人びているということもなく、元々そこにずっといたエポのようになじんでいましたし、表情がくるくる変わる愛らしさ、また顎の感じなどがちょっと意地っ張りなところに合っていて、エポそのものが存在していて驚きでした。歌声的には、喉が少々お疲れか、オンマイオウンではかすれ気味な箇所がありましたが、とても心のこもったしっとりした張り上げるだけでないせつない歌唱で、ソロが終ってから拍手が沸くまでしばし静寂の時間があったのが印象的でした。自分の気持ちのせいもあり、きょうは2幕がとても素晴らしく感じました。それもエピローグに向かってどんどん決壊する涙腺。これはとめようがないです。また、どうしても存在感のあるエポとマリウスに目が奪われてしまうことは仕方がないことで、そのせいで華のある岡ジャベールの印象は今日は自分には薄めでした。自殺では熱演がとてもよかったですし、カテコの笑顔も爽やかでしたが、7日が凄すぎてそれに慣れてしまった私がいけないのかも。あと気持ちのうえで、「祐一郎バルジャンがいて石川マリウスがいる。」状態。彼がアンジョルラスだったら・・とついつい観ているわたしも考えてしまったせいもあるのかもしれません。またアンジョルラスのリーダーぶりもマリウスとのパワーバランスがとれていてふたりでグループのように見えることもありコンブフェールの存在は薄く感じられました。岸アンジョきょうも熱いまなざし、バリケードでのリーダーぶり、死にゆく際のグランへの微笑みなど要所要所でつぼを押してくれて、とてもよかったです。今日はついマリウスを観察する時間が多かった、という感じでしょうか。エポが撃たれてバリケードを降りてくるとき、禅マリウスは「エポニーヌ!」と小さく声をあげるのがはっきり聞こえますね。ほんとうに心配そうに駆け寄ります。愛情深い男なのでうsね。そこからなにかがわたしの中で決壊。自分を愛してくれた女性を腕のなかで看取る、この部分がこんなに包容力のあるマリウスであると、違ってみえるのですね。ほんとうにエポが幸せな人生だった、というその言葉どおりに見えました。「彼を帰して」どんどん深まりますね。静かな祈りは天に毎回きっと届いています。だからマリウスとコゼットは幸せになるにきまってる。そう思わせる神々しい深い声と表情です。「彼にいのちを!」「死ぬならわたしを!」ここが今日は心の底からの願いが迫ってきて聴いていてぐっと来ました。エポのソロと同じで、しばしの静寂ののちの拍手で、聴くほうの気持ちが揃っているというのは心地いいものだなとつくづく感じました。エピローグもバルジャンが心から信頼してコゼットを任せられるという気持ちになるのが自然に感じられ、「委ねる」という言葉の重みどおりの空気がまさにそこにありました。辛島コゼットも大人っぽく静かな感じがふんわりとした空気を作り出すのに適していて、三重唱も綺麗でした。辛島さんと祐一郎さんのふんわり具合に比べると若干あたりの強い禅マリウスの声が芯として残る感じでしょうか。祐一郎バルジャン。きょうは上手サイドだったため、普段見られない角度で観察できたいろいろな表情が目の裏に焼きついて離れません。独白も正面から見るのとは違って、すこし天を仰ぐように歌う部分が印象的でした。バルジャンは結構天を仰いで神様に祈ったり歌うポーズが多いのですね。その横顔が荒くれていても優しい表情であっても、そこに宿っている真剣なまなざし、生き様はとても生々しく変わらずにあり、バルジャンが祐一郎さんに宿っている、といっても過言ではない真摯さがあり、いろいろな場面で心打たれました。死にゆくファンティーヌに対してもそうですが、とくにリトル・コゼットに向けるあの眼差しは横顔もありえないほど優しく、どの顔も切り取って「保存版」にしたいほどの美しさでした。よく「仏様」の顔の写真をコレクションしている人がいますが、あの気持ちに似ているかも。ぐるぐる回ししてずれてしまった帽子もさりげなくきゅっと直してあげて・・あそこの1連の動作はファンとしてちょっとどきどきするものもありますが、やっぱりみていて口元が緩んでしまいます。バリケードでマリウスを発見してからのバルジャン。なにも気付いていない風のきょとんとした石川マリウスの表情もみものです。やっぱり「あ、禅さん」がでてる、あるいは「いまのはルイだ!」と感じる場面も少なくはなかったですが(笑)それもSPということでご愛嬌。やはり若いマリウスのような恥じらい・初々しさを求めるのは無理なこと。禅さんのマリウスはバルジャン寄りというか、すべてを受け入れ許す、という方向にあるような気がします。エピローグも禅マリウスのその懐の広い菩薩のような表情があったからこそ、感動が違いました。それにしても今年の祐一郎バルジャンはどうしてエピローグでの表情がこんなに神々しいのでしょうか。確実に段階が変わって悟りを開いた人のような表情なのです。ファンティーヌをみつけて驚きと喜びに満ち溢れて「あなたの御国へ♪」と歌うようになったこともありますが、もう蝋燭をともしながら登場して祈る場面からして、あちらの世界に魂を委ねる覚悟を感じる、そういうどこか潔さがあるのです。からだの一部がもうその段階で半分透明になりつつある、というイメージでしょうか。今日のファンティーヌは表情と体の動かし方がマネキン仕様な感じで声もまだ固めかな、という感じでしたが、エピローグはエポニーヌとマリウスの優しさ、大きさに救われた印象でした。コゼットも空気を邪魔しないふんわり感があり、表情も戸惑いながらもすべて前向きに受け入れていこうとする気持ちが現れていて、とても良かったです。辛島コゼは大人グループにぴったりのコゼットかもしれません。たまきさんで観てみたい気もします。演技が深く歌唱力存在感が抜群の大人のキャストが揃うと、どうしても他のキャストの存在感や歌唱力などが気になります。今井ファンティーヌと徳井テナ、あとときどき現実に戻してくれる音を出すアンサンブルさんやオケがそういう意味でひっかかりました。でもきっと完璧ということがなく、台風のようにもまれつつ形ができてくるのがレミゼの世界なのでしょうね。徳井テナといえば、結婚式シーンでちょっとしたハプニング。お皿が落ちた勢いでころころところがって(カトラリーの一部も?)オケピに落ちてしまって、会場は沸きました。あるい意味ちょっとした救いでしょうか。テナ夫婦との宿屋はお札を頭にのっける程度で、お猿発言もないし、ノーマルバルでした。ちょっとした含み笑いが適度に皮肉でいいかんじです。明日は駒田テナ、シルビアファンテと嬉しいメンバーが揃っていますが、きっと「だから完璧だろう」と思わないで観る方がいいんだろうな、と思っています。どんな化学作用が起こるかわからないのが、レミゼなのですね。今日はどなたかのお花をキャッチすることができました!ありがとうございます!一生に一度でいいから祐花も来ないかな?(一生無理な気がする)カテコの祐さん、上手下手とたくさんにこやかなお手振りで爽やかで優しげで楽しそうでした。禅さんは歌穂エポちゃんをおんぶしていました。なんか和やかでした~!ジャベの岡さんの満面の笑み上手で見られるのも嬉しかったです。また明日もあるので、今日はこの辺で。(体調不全でいけなくなった方のチケットをH様に譲っていただき、マチネを観る機会を与えられました。貴重な機会をありがとうございました。終演後別の友人Yさんとお茶しながら、祐一郎さんの舞台についてあれこれ話せたのもとても楽しかったです。愛あるツッコミタイムム、これがまた愉快なのです!つきあってくれてありがとう!)
2007.07.15
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<レ・ミゼラブル 7月7日(日)マチネ:1階上手>バルジャン:山口祐一郎ジャベール:岡幸二郎エポニーヌ:笹本玲奈ファンティーヌ:シルビア・グラブコゼット:富田真帆マリウス:小西遼生テナルディエ:安崎 求テナルディエ夫人:田中利花アンジョルラス:岸 祐二雨がぱらつきましたが、どうにか天気を維持した七夕の観劇は役者さんたちの息遣いまで感じられる前方席で、美しいたくさんの長い脚たちをうっとりと見上げ火花散る数々の対決を、目に飛び込む数々のドラマやふれあい、ほとばしる汗や色や匂いを変える空気や多くの生の刺激をオペラグラスなしで五感をしっかり使って受けとめた幸せ感が押し寄せたまま、感動と興奮の余韻でまだどきどきが収まらない状態です。全体を客観的に観られた自信がありませんのでご容赦ください。まず祐一郎バルジャンと岡ジャベールの噛みあい方が最高でした。ただ対決が迫力があるというだけでなく、遠くに打ち捨てられていたパズルのピースたちを合わせてみたらたまたま隣り合うピースだったかのようにびしっと断面が一致するような快感。言葉にするのが難しいのですが、とにかくふたりの間に瞬間瞬間できあがる空気の密度の濃さ、キレのあるやりとりをしながらも何か見えない糸のようなものでつながっていて、無意識に相手を理解しながら応酬しているかのような不思議な感覚がありました。どちらかが優勢のようにみえるときでも何か均衡が保たれているかのような運命的な関係が感じられる不思議な世界。なかなかこういう感覚は味わえないので、とてもラッキーに感じました。岡ジャベール。凛とした立ち姿や長いまっすぐな脚や後ろの縦ロールは変わらず美しいのですが、今年はそれだけでない、確実に何かが降りてきているようなパワーが感じられひとときも目が離せない緊張感に満ちています。そしてその空気をなによりも感じ取り鏡のように同じ緊張感で返せるのが祐一郎バルジャンです。小手先で歌う叫ぶ囁く、そういうレベルを超えてもっと深い目に見えぬやりとりまでを感じさせる、そういう瞬間が何度もありました。相手を疎みながら愛しているよな矛盾した感情、その迸りのレベルが拮抗しているとなんと素敵な対決になるのでしょう。ここで「対決」と書いているのは病院、下水道の対決はもちろんですが、ふたりがアイコンタクトをとるすべての場面について感じたことです。目でする芝居の強さ、深さをすごく感じました。ふたりが歌声と目でぶつかりあう場面ではセリフをやりとりする以上の「演技力」を感じました。祐一郎さんは今年は歌声バズーカをきかせることより、きめ細かく相手の心に寄り添い、心の機微を深く歌声で演じることに力をいれているように感じます。「やはりバズーカを!」という人もいて好みは色々と思いますが、私個人はこの変化を興味深くそして嬉しく受け止めています。歌声のパワーで圧倒されるというのは、オリンピックのワザをみるような快感はありましたが、お芝居としての表現の目盛りがとても細かくなって、とくに改悛、祈り、優しさの表現については、毎回生の揺れ動きは予測がつかず、その動きを見守るのはとてもスリリングであり、予め作りこみすぎた演技とは違って決して飽きることがありません。司教との出会い、ファンティーヌとの再会と別れ、コゼットとの出会いと別れ、マリウスとの出会いと祈り、バルジャンはたくさんの出会いと別れを繰り返すのですが、祐一郎バルジャンはそれぞれの人物と見詰め合う場面の空気をとても大切にし、それにより湧き上がる自分の感情の行方をとても大事にしているので、そういうコンタクト場面からますます目を離せません。独白や裁きもただ歌い上げるというよりは自己に問う哲学的な姿勢もみられ、その反映か岡ジャベの自殺も自問的、哲学的につきつめて破綻した姿が哀れに思えました。そして独白と自殺の最後だけは、2階から見たい、できるならそこだけビヨヨーンとクレーンを使って伸び上がってあの光の渦を見たい、と思いました。MAでもそうでしたが、大切な効果が1階からみづらいのはどうしたものでしょう?シルビアファンテ。きょうはいささか立派過ぎるように感じました。ソロは歌手のリサイタルのようです。それはまだいいのですが、娼婦としてあるいは死に際の母として、まだ生きるエネルーに満ち溢れていて、強そうでした。たとえば雨の中校庭を5周走り、3日徹夜をするくらいでちょうど弱弱しさがでるかな、という感じでしょうか。歌唱力抜群で腹から太い声がパワフルにでてしまう人がファンティーヌを弱弱しく演じるのは難しい。かといってイメージがファンティーヌらしければそれでOKかというと・・・それだけでは物足りないですよね。理想のファンティーヌを探すのは難しいかもしれません。でもエピローグのシルビアファンテは神々しくてこの世のすべての苦しみから自由になった美しさがありよかった。これがあったからエピローグで泣けたので。というのも、今日のマリウス(小西さん)とコゼット(富田さん)については、大きな感動の渦を作り出すには何かが物足りなく感じてしまったのです。特に小西さん。たしかにイメージは長身美しいマリウスですし、声もまっすぐで初々しくいい感じのときもあるのですが、顔や声に表情がほしい。「太陽の矢が胸に飛び込んだ」ようなドキドキ感、高揚感が感じられません。泉見くん、育三郎くんのマリウスを知った今やはり物足りない。息遣い、脈拍の動き、気持ちがダイレクトに伝わってきにくいのです。とっても綺麗で絵になるマリウスですし祐一郎ファンの中でも隠れ小西ファン(?)も増えているようです。頑張れ!!と応援したいと思います。アンジョとマリウス、バルジャンとマリウス、そしてコゼットとマリウス、エポとマリウス、という関係はとても重要だったのですね。とくにエピローグはマリウスとコゼットと背後のファンティーヌが作る空気に感動できないと涙がでるに至らないのです。富田コゼットは表情は可愛くていいのですが、声をだすとなにか自分のなかで「あれ?」って戸惑いが生じてしまう。よくわからないのですが、なにか表現というか空気が現代的というか、まだぴたっと収まらないのです。繊細で古風で空気が優しいコゼットが好きです。エポ、コゼ、マリウスの3重唱も決まりませんでした。笹本エポ。前回はかなりの感動しましたが、今日はマリウスとのパワーのバランスがいまひとつで、抑え気味だったのか、前回ほどの感動がもらえませんでした。本人の歌や演技は同じだとしても、そういうところがレミゼの不思議なところですね。やっぱりマリウスって思っていたよりずっと大事な役です。その分といってはなんですが、バリケードの学生たちには感動の涙を流しました。今日のマリウスとアンジョルラスの関係は希薄な感じだったのですが、岸アンジョが素晴らしく懐の大きいリーダーぶりや細やかな心遣いが近くで感じられたのがよかったです。この方も祐一郎さんと同じでアイコンタクトを非常に大切にするリーダー。仲間たちに強い目線を送りながら歌い、語ります。目をしっかり見る相手にはやはり心をしっかり返そうとするもの。学生たちの中に彼への尊敬やすごく強い絆、リーダーとしての安心感を感じ、観ていてとても頼もしく楽しい集団でした。伊藤グランテールとの目線のやりとりもとても多かったのも見逃せません。荒っぽいふりをしてとても心優しく繊細なグランテール。やはり伊藤さんだと感動が違います。祐一郎さんのマリウスを見つめる目は今年はかなりのガンミですね(笑)ひとときも目を離さずすごい目力です。その思いがそのまま歌に詰められたような心のこもった「彼を帰して」は、この祈りは絶対に神が聞いてくださるだろう、と思える不思議な力があります。声を大きくだすとかそういうテクニカルな問題でなく、声、祈りがそのまま空気に溶け込んで天に届くに違いない、そう思える歌唱なのです。これは他のバルジャンではまだ味わえない感覚です。ガブローシュのカバンが今日はアンジョに届きました。心のなかで拍手を送りました。岸アンジョはそれを大切に胸に抱き、ガブローシュの死を悲痛な顔で見届けるのが見えました。今日のガブは演技を超えて本当のガブになっていて、最後は体のうちからうめくような声がひっくりかえるほどのすべてを切り裂くようなカウントとともに果て、ほんとにここは悲しかった。その大切なカバンを岸アンジョは最後までずっと大切にあつかい、止めるグランテールにあのかすかな微笑みを残し瞬く間に散っていった。岸さんもアンジョになりきっていました。鼻の下のてかりは汗だけでしょうか。今日のこのあたりの流れはお芝居であることを忘れそうに吸い込まれていました。グランテール・アンジョルラスは大切ですね。この間東山アンジョに傾いた私ですが、今日は岸さんにやられました。脚やたたずまいが美しいとかそういうレベルを超えた感動が波のようにやってきて、歌だけでは泣けないカフェソングも後ろに並ぶあの仲間たちの微笑みにぐっとつまりました。あ、コンブさんもあそこでもうすこし表情を研究してくださると嬉しいです。フイイの松原さんの表情はいつもよくてムードメーカーです。安崎テナ、前のときはオペラチックで変わった笑いのとリかたが気になったり、「いい人」オーラがでていたのが気になったのですが、今日はすっかり「黒い人」のオーラをまとっていて美声の艶もうまい具合に消していて、ど迫力と面白み、凄みのある好きなテナになっていました。駒ちゃんと並ぶくらいすきになったかも?自分の世界というかストーリーが確実にあるなかで演じているその余裕がエンターテイナーとして素敵です。そして17日に田中さんと夫婦やったときよりもずーっと長年連れ添った夫婦らしく見えて、しかも憎みつつも愛がある、いい感じの夫婦。田中さんもトゥーマッチなところがないので飽きないですね。そうそう!!きょうのメンバーはよく観ると顔の系統が似てるんですよ。安崎テナ、田中テナ夫人、富田コゼ、そしてリトルコゼットのゆららちゃんの4人ですが、口がやや大きめ若干「ワニ」系で口をさらに横に開いて歌う感じ。ソウル系というかどこかの国の親戚同士のよう(?)で面白かったです。なんかシリアスに演技しててもコミカルで憎めない顔立ちといいましょうか。アンサンブルさん、今日はファクトリーガールの浅野さんやマテロットの折井さんがとても生き生きして見えました。見えないところでの芝居もきちんとしています。下水道のマリはやはりおんぶでした。結婚式のとき岸さんはとぼけてて可愛かった。エピローグはマリウスとコゼットにもう少しなにかが欲しいですが、蝋燭をもって現れた老いたバルジャンの姿とあの音楽、そして神々しくたたずむシルビアファンテ。その顔はすべてを許す女神のように包容力を湛え、改悛したとはいえわが身の罪深さをひとときも忘れないバルジャンの最期を優しく導く大切な役割をしてくれました。ここでファンテが愛にあふれていないとだめですね。今日のエピローグはシルビアさんがある意味「救い」でした。バルは本死(?)の前には一度胸を押さえていました。カテコは岡さんコール祐さんコールがたくさんかかり、賑やかに盛り上がりました。今日の公演は目にみえない大切な宝物をたくさんいただくことができました。休演あけの祐一郎さんきらきらしてはりきっていて本当に素敵でした!♪祐一郎さん!!ありがとう!!♪最近はひとり呼び出しなどしつこい拍手もする人はいなくなり、あっさりと終るようですが大きな感動の余韻があるので、わたしはそれで充分満足しています。山口さんx岡さんでなにかあると面白いかな、と思ったりもするのですが、なにごとも腹八分目がいいですね。
2007.07.07
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<レ・ミゼラブル 7月1日(日)マチネ:2階下手>バルジャン:山口祐一郎ジャベール:岡幸二郎エポニーヌ:笹本玲奈ファンティーヌ:山崎直子コゼット:辛島小恵マリウス:藤岡正明テナルディエ:徳井 優テナルディエ夫人:瀬戸内美八アンジョルラス:東山義久前の回(23日)がいまひとつ入り込めなかったため、レミゼを見る気持ちや体調の大切さをひしひしと感じていたり座席も大きく感動に影響するのかな、と考えたりしていた昨今ですが、今日2F席でレミゼを観て、やっぱり席は関係ない!と思い直しました。今日はやはり化学作用でしょうか、とても大きな感動をもらうことができ、たくさん泣かせていただき、すっかり浄化されて帰宅しました。まずは祐一郎バルジャン!二日間の休演日のあとのマチネ。私好みのすっきりとキレがありながら味わい深くコクのある(←ビールみたい)惚れ惚れする声と背中と脚と、そして肌の表面だけでなく奥深くまでバルジャンの血が流れ始めたかのような深みを増した演技にすっかり魅了されました。荒っぽい動きをしながらも手は美しいし、パンやワインに喰らいつく動きもどこか上品な感じを残す祐バルですが、あのペッというツバする場面などはちょっと荒っぽさを感じてどきりとします。あそこ復活したのとてもよかったですね。宿屋のあとカバンは祐バルの左側にちゃんと放り出されました。今日の司教様は中井さん。まるで錦織さん?という感じのオペラチックな歌い上げ系の歌唱でしたが、落ち着いた音色の諭しはバルジャンの心に染み入ったようです。自分が感じられると独白も自分に響いてくるのです。音響のせいかどうか分かりませんが、独白の迫力もどんどん増してきているように感じます。テンションがどんどん上がり、rit気味に歌う終わりのところは2Fからだとジャベールの自殺のような渦がしっかりみえ、それはまだ不安を抱えながらも先に進むしかないバルジャンの気持ちを象徴しているかのようで、1階では感じられない不思議な感動を覚えました。『独白』『自殺』は2Fから観ることはかなりのお勧めです。(『STARS』も天を煽ぐジャベールの姿がよく見えてよかった)さて、さりげなく「背中と脚」と書きましたが、今回初の岡ジャベール、登場シーンから息を呑む存在感と美しさに圧倒されました。普段のぽわっとした顔などどこへやら、という全身を氷でできた刃で守っているかのような油断のない佇まいと動き。囚人バルがこんなに小さくみえたのは初めてです。市長になってからはあんなに上背のある祐バルなのに、ほんとうに不思議です。このジャベールに呼び出されたときのバルジャンが哀れであるほど、効果的というか、独白へのエネルギーが観ている側で勝手に倍増するのです。祐一郎さん、痩せたせいかぼろぼろの囚人服からのぞいた胸の部分もがりがりに見える。ボロ靴を履いた足首もあんなに細くて。もうこのへんで目頭がじわっとしてくるのが分かります。岡ジャベールの声も美声でありながら鋭さが増し、声の突き抜け方がまろやかさもありながら甘すぎにならず、今年はとっても気に入りそうです。以前はすこしナルシー度というか歌い上げて気持ちよか!みたいな感じがあったように思うことがあってジャベールにしては声が甘いかな、と思ったりしたのですが、今年はより無駄がなくてすっきりしているのに表情が増していい感じ。自殺では、前半は自分をまだしっかりと保っているのに、途中でがたがたっと自己破壊が起こるのがはっきりと表現されていて、死を選ぶことがすごく自然に見えました。死を選ぶしか自分を生かす道はない、という厳しい現実に苦しむ顔がとてもリアルでしかも2階からみるとジャベが呑み込まれていく渦は本当に幻想的で、どこか現実離れしたような凛とした空気をもつ岡ジャベールにふさわしい最期に思えてなりませんでした。市長になってからの祐一郎バルジャンとそれに疑いを持ち始める岡ジャベール。このふたりの構図はちょっと保存したいほど美しかったです。ブーツ入れて190cmらくに超えてますね。背中や脚がすっと伸びているおふたり。とくに囚人であれほど小さくいじけていたバルジャンがこの市長ですっと後ろから登場したときの空気!ちょっと手を振って退場しないで、ずっといてよ!とファンティーヌ以上に「待った!」をかけたい気分にならずにいられましょうか。ファンティーヌの山崎さんはだいぶソフトになってきたようですし、死の床はかなり死相が顔にでているように感じられました。声のだしかたがややきつめなのと表情がまだ硬い感じなので、まだ進化しそうですね。あとエピローグでお胸がなんだか気になりました(下着つけわすれ?位置がだいぶ・・・・気のせいでしょうか。前からあんなでしたっけ?)それにしてもファンティーヌに優しく語りかけ膝を折る市長。このブーツ姿反則です。やっぱりブーツのデザイン変わりました?あと死の床のファンティーヌを起こして優しく抱きしめるその背中のあたたかさ、美しさ!祐一郎さんのファンは、あちこちでファンテになりコゼットになり、そして見つめられてるマリウスになり、頭の中は妄想しまくりで実は大忙しなのです(笑)。岡ジャベと祐バルとの病院での対決もカッコイイのひと言という語彙のなさです。音量はやや岡ジャベのほうが太く強く響きましたが、最後にいすを割るところのバルの俺はやるぞぉをぉおお!!うめきが大好き。心臓速度x3です。のされた岡ジャベはあまりしつこくうめかず、わりと静かでした。なんかすっきりしててこういうのもいいわ。高橋りかちゃんを見かけたので「今日はコゼットかな?」と思ったらリトル・エポの日でした。リトル・コゼは佐藤瑠花ちゃん。すごく表情が豊かでお掃除しながらぶつけたりする姿に思わず涙でました。このコゼットとエポニーヌ両方やるというアイデアは教育上(?)とてもいいな、と思います。(こういうロールプレイを学校でやったらいいのにと思ったりも)最近森クミさんのテナより瀬戸内さんの美人ぎつねテナが気にいってます。ここだね~とか、行きな、さぁっさと♪の抑揚が独特でこわ~。で色気もあるし観ていて潔くてなんだか楽しいです。エンターテイメントに感じられるよさがあるんですね。宿屋は徳井テナですが。うーん。微妙さが増してます。なんだか観ていて盛り上がらないのはなぜ?いっぱいいっぱいな感じなのかな。面白おかしくしようとたくらんでましたが、祐一郎バルはちょっと声に含み笑いが混ざったものの態度は毅然としていて、お札を頭にのっけましたが、流れは自然でいい感じでした。私はこのくらいは全然OK派です。くるくる廻しは11回?お城も見られるのね♪のあとのハハっの声ほんとに自然で優しくて素敵です。キャメルのコートも展示よろしく!そしてバリケードのシーン。きょうは東山アンジョの初日ということで、期待高まっていましたが、もう輝かしいとしかまたいいようがない。前回の美しさは保ちながらも、その美しさだけが全面にでることなく、きりっとした男らしさが増し、歌唱も最初はさすがにちょっとだけ上擦った?と思いましたがすぐ強力になり、藤岡マリウスと非常にバランスがよく、きまっていました。今日一日で岸さんよりお気に入りになったかも?そして彼はダンスをするせいか、体の動きの1つ1つが滑らかで綺麗で、とくに脚を伸ばすところなどは惚れ惚れ。顔に反して太めでしっかりした声はリーダーらしさ、若さに満ち溢れて絵柄的に完璧で美学を感じました。やっぱりマリウスは山崎育三郎くんが好きなわたし。藤岡くんも声も体も立派で素晴らしいのですが、立派過ぎるというか、悩める姿やコゼットにめろめろ(死語?)になる様子がまだ硬い感じです。もっととろけてほしいです。(これは好みですね)それでもアンジョ、マリウスはとても拮抗していてバランスがよかったのは確かです。これでコンブフェールとグランテール(新しい方)に、何かが増せば最高なのですが・・。進化に期待しましょう!松原フイイはなんかキュートで目に飛び込んできます。笹本エポはもう最初にマリウスの髪型を「この髪好きだわ♪」と褒めるその表情はマリウスを心から愛している、もう切なくてこの時点で決壊が始まりました。今回の笹本さんのエポは本当にチャーミングで切なくてやるせなくて素晴らしい!MAからなにかが降りてきているかのように役を生きているようで、恵みの雨もほんとに可哀想で泣きました。寝ながらも腹筋がつい使えちゃうのは、MAでの成果(?)でしょうか。死にそうにしては声がしっかり、というところもややありますが、それでも完璧にエポです。捨て身で計算がないところがいい。これからが楽しみですね。そして初めての辛島コゼット。評判どおり綺麗なソプラノで3重唱などはほんとに綺麗にきまって嬉しかったです。他のコゼットよりやや大人っぽいというか、マリウスやバルへの気持ちをセーブしているようにも見えます。それがバルジャンの臨終のところではもっと我を忘れんばかりになって悲しんでほしい、という思いにもなります。でも辛島コゼットのもつ最大の魅力は、その品のよさ!バルジャンが大切に育てたお嬢様に欠かせない上品な空気をもっています。他のコゼはその点おきゃんな感じがするかな。それもまた魅力ですし、コゼットは3人を交互にみたいかも。あ、辛島さんは横顔のラインが素敵でした。でもバルジャンと親子、という点では今は菊地コゼが一番かな。うーん。まだまだ変わっていきそうですね。バリケードが崩れて死にゆくところ、やはり華麗なる東山アンジョは死に方も美しかったです。逆さになったアンジョの赤いベストが半分乱れているのをみて涙があふれました。東山アンジョはカフェソングでの亡霊姿もほんとに透明感があり綺麗で、よけいこの曲を効果的にします。まだ後ろにたつメンバーに対しては一体感があまり感じられないので涙がでそうでひっこむ感もあるのですが、8月末ごろはまた違った感想になるでしょう。あ、ガブの新井くんは表情がすごく好きです。演技派の芽を既に感じます。死ぬところとってもかわいそうで嗚咽しそうでした。それにしても祐一郎バルジャンの歌い方がダイナミックでありながら丁寧なこと!いつも書いてますが、フレーズの捉え方と終結のしかたが美しくすっきりしているのです。歌ってから語尾を無駄に延ばしたりビブラートかけたりして上手く人はたくさんいますが、それに頼らずまっすぐな声で勝負する潔さが好き。『彼を帰して』静物かと思われる座ったままのバルジャンから迸る祈りの思いの強さ。音楽と相まって盛り上がる気持ちがそのまま音となり表情となり伝わってきて、気が付くと頬を涙が伝わっていました。祈るバルジャンの苦悩も感じとれ深かったです。エピローグでは蝋燭をつけながら歌うシーンはどうしても蝋燭が消えたら?とか余計な心配を。そしてあのひざまずく祈りのポーズがまた心の中で勝手に絵葉書になってます(笑)ちょっと老人の脚のラインとは思えないのですが。眉など薄くてすごく老人らしいのですが、笑顔がまぶしすぎる老人です。ファンティーヌの姿を見つけたときの表情が神々しく、ここからは内部決壊が続き、大変でした。きょうは心臓発作けっこう目立ちますが、これって胸をううっと押えて苦しがるエポの動作に似ていたような?祐さんの場合、ほんとに突然襲ったという感じなので、ちょっとどきっとします。ほんとにあちらの世界に移るときは静かなのですよね。このあたりはレミゼのエピローグの素晴らしさを心と体全体で感じで、恍惚に近い思いでカテコもいらないくらい(?)満たされています。今日は華麗なる背の高い人たち、背中の美しい人たちが揃った日でしたが、やっぱり舞台は観てうっとり楽しむものでもあるし、眼福そして耳福でもあり、感動で胸いっぱいになって帰路につくことができました。アンサンブルさんのまとまりもこれからますます増すでしょう。7月8月楽しみです。
2007.07.01
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