大阪の印刷会社で端を発した事件ですが、印刷会社で働く従業員が立て続けに胆管がんに罹患し、なかには命を落とした方もいらっしゃるということです。

ちなみに僕の勤務先も印刷会社なのですが、僕の仕事は印刷工場でのものではなく、オフィス業務なので、いわゆる現場の作業ではありませんが、それでも他人事とは思えない事件です。
報道によると、大阪の印刷会社では、地下1階に印刷見本を刷る校正印刷機を7台設置しており、印刷機に付着したインキを洗い落とすため、刺激臭の強い有機溶剤を使用していたとのことです。
このインキを落とすための溶剤(ジクロロプロパン、ジクロロメタン)が発がんの要因ではないかということで、厚労省などが検査を始めるそうです。
なお、印刷会社ではインキはもとより、いろいろな有機溶剤を使用することがあって印刷工場を勝手に建てることはできず、定められた場所にしか建設することはできません。東京では、神田川沿いに工場が建てられており、昔は廃液を神田川に棄てていたんだと思います。
今では廃液も害が無いようにしてから棄てることに決められていて、神田川も綺麗になりましたが、以前はかなり汚染されていたようです。
さて、この胆管がんの事件ですが、素人目にもこの有機溶剤が原因であることは想像できます。なお、これらの溶剤の気体は上昇するのではなく、空気より重いので床のほうに溜まるとのことです。
この特性を理解したうえで空気の換気設備を整えていれば、人体への影響は免れるということですが、従業員に胆管がんが発症したという、大阪の印刷会社では、換気が充分ではなかったと思われます。
なお、有機溶剤を使用している社員は、半年に一度の割合で握力検査などの特殊な健康診断を受診することが義務付けられており、僕の勤務先でも実施されていますが、この大阪の印刷会社ではどうだったんでしょうか?
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