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春先に本を大量処分しました。400冊ぐらい処分したのでスッキリしましたが、半年経った現在、また本が溜まって困っています。 自分が悪いんだけど・・レコード→CD→MD→iPod。省スペースに関して劇的な進化を遂げている音楽業界と比較するなら、出版業界のそれは文庫本で停滞しています。 まぁ~ケータイ小説とかあるんだけどね・・・・ファミコン(←赤いやつ)全盛期の80年代後半にディスク・システムなるサービスがありました。 手持ちのディスクにゲームを書き込むシステムで、書き込みのできる機械は玩具店や電気店に置いてありました。 もちろん上書きも出来るのでディスクは一枚購入すればOKでした。DSにこのシステムを導入して、新刊本と連動。価格を「本」の7割ぐらいに抑えれば、本屋さんのネットワークも維持できるし、個人的にはブック○フに行く機会も減るのになぁ~とブック○フのレジで支払いをしながら思った次第です。 というわけで9月の書籍代です。12冊 3,950円(@330円) 大当たり本 当たり本9月の読書メーター読んだ本の数:12冊読んだページ数:4083ページ戦前のこわい話 (河出文庫)読了日:09月27日 著者:骨の記憶読了日:09月23日 著者:楡 周平群青 (小学館文庫 み 10-1)読了日:09月17日 著者:宮木 あや子しをんのしおり (新潮文庫)読了日:09月13日 著者:三浦 しをん向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)読了日:09月12日 著者:道尾 秀介白蝶花(はくちょうばな)読了日:09月09日 著者:宮木 あや子青葉の頃は終わった (光文社文庫)読了日:09月08日 著者:近藤 史恵29歳読了日:09月05日 著者:山崎 ナオコーラ,柴崎 友香,中上 紀,野中 柊,宇佐美 游,栗田 有起,柳 美里,宮木 あや子ジャージの二人 (集英社文庫 な 44-1)読了日:09月05日 著者:長嶋 有当確への布石読了日:09月02日 著者:高山 聖史アンフィニッシュト (文春文庫)読了日:09月01日 著者:古処 誠二空の中 (角川文庫)読了日:09月01日 著者:有川 浩読書メーター
2009.09.30
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本書に収録した作品は、全て事実談である。─明治時代から戦前までにあった、怪談、不可解な物語、猟奇事件を生なましく伝える、怪奇と恐怖のアンソロジー。陰の世界に住む死霊、猫の祟り、探偵趣味溢れる首なし事件といった、都会や村の民間伝承に取材した、おそろしい話を集める。怪異、因縁、宿業、凄惨。 <感想> ★★★☆☆雑誌のジャンルのひとつに実話誌というのがあります。 「本当にあった○○」などと題してコンビニで売られているやたらと安っぽいアレです。怪奇譚に加え、暴力や性を扱うこともあるので有害図書に指定されることも多いようですが、この実話誌の歴史は古く、終戦直後に数多く発行されたカストリ雑誌の流れを汲んでいるといわれています。 さらに遡れば昭和初期のエロ・グロ・ナンセンスブームにまで至ります。さて、前置きが長くなりましたが、本書に収められている大正12年から昭和33年の間に書かれた7つの短編もその流れの中にある作品です。 それゆえ芸術性などは皆無で、実際にあった犯罪(猟奇事件)をいかに興味本位で描くかに終始しています。 しかし、そこには書かれた当時の風俗や文化が色濃く映し出されているのは言うまでもありません。 時代に淘汰されずに残っている文学作品はまぎれもない名作ですが、そうではない大衆小説にはそれなりの味わいがあります。 特に一番最後の『生肝殺人事件』(原題・「生肝質入裁判」)は、私の想像していたカストリ雑誌のイメージにぴったりと符合する作品でした。 とは言うものの昭和7年に起きた首なし娘事件を小説化した『淫獣』(原題『乳房を抱く一匹の淫獣』←すげぇタイトル)はそこそこリアルだったし『闇の人形師』(原題『白蝋の肌を慕う闇の人形師』←昔の土曜ワイド劇場っぽいタイトル)はじっくり読ませてくれました。 あらすじを真に受けると失敗しますが、視点を変えるとするなら貴重な一冊かもしれません。 できれば旧字・旧かなで読みたいものです。
2009.09.27
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没落した東北の旧家の嫁のもとに届いた宅配便は51年前に失踪した父の頭蓋骨だった。差出人は、中学卒業後、集団就職で町を出てその翌年に火事に遭って死んだはずの同級生。いったい誰が、何のために―。隠されていた過去が、昭和の記憶とともに今、明らかになる。人生の光と影を余すところなく描いた力作長篇。 <感想> ★★★★★この本は「読書メーター」に参加されている方から教えていただきました。 二月に出た作品ですが、あまり話題になっていません。 えっ!ナゼなんだろう??と考えこんでしまうほど面白い作品でした。さて、本書の主な舞台は昭和30年代前半です。 あくまで個人的な見解ですが、夜の闇の深さは時代の雰囲気を推し量る手段になるのではないかと思います。 文字通り焼け野原だった終戦直後の夜の闇でもなく、一晩中コンビニの灯が点る現代の夜とも異なり、昭和30年代前半の夜は薄暗い夜だったのではないかと想像します。 この薄暗闇を描く著者の描写は秀逸でその舞台装置を背景に集団就職で上京した主人公が、時代の階段を一気に駆け上って行く過程がスリリングです。 リアルなキャラクターは同じ時代を生きた「金の卵」と呼ばれた人たちの生きざまを垣間見たような気になりました。 彼が駆け上がった階段の先に待っていたものは何だったのか? 彼が終生抱き続けたコンプレックスの根源である故郷とは何だったのか?それを踏まえるならこれは彼個人の物語でなく、日本という国そのものの物語であると言えます。ミステリーの要素に加えて『嵐が丘』的な味付けもされているので、あらゆる方にお楽しみいただける作品だと思います。 興味のあるかたは是非!!
2009.09.26
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ピアニストの由起子は、病気療養のために訪れた沖縄の離島で漁師の龍二に出会い、恋に落ち、やがて女の子を身篭もる。しかし、娘・涼子を産んだ後、由起子は他界。やがて涼子は美しく成長し、島の幼馴染の漁師・一也と愛し合うようになる。だが、一也は結婚に反対する龍二に反発。漁師のプライドを賭けて深く海に潜り、帰らぬ人に。ショックで心を病んだ涼子は、心を閉ざしてしまう…。『花宵道中』で鮮烈なデビューを果たし、“新官能派”の旗手として活躍中の著者が等身大の若者の愛と苦悩、親子の愛情を描ききった意欲作。 <感想> ★★★☆☆沖縄の離島を舞台にした本書は6月の公開された同名映画の原作本です。さて、作品のジャンルを無理に分類する必要はありませんが、あえて本書を分類するとするなら「離島モノ」といったところでしょうか?「離島モノ」の基本は、濃密な人間関係とそこで暮らす人たちの葛藤。 そして海の青です。 本書はそれらを踏まえた恋愛ドラマです。 主人公の母親の物語から時間が流れていくあたりは宮木作品らしいと思いましたが、全体的には平板の印象が拭えませんでした。 個人的にはそのあたりに物足りなさを感じましたが、宮木作品の一冊目としてはいいのではないかと思います。 海の青。 珊瑚の赤を感じたい方にもおススメします。
2009.09.26
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噂というか、ほぼ確実視されていた『1Q84』第三部ですが、来夏をめどに刊行されるそうです。 詳しくは↓村上春樹氏:「1Q84」を語る 単独インタビュー (毎日新聞)今秋気になっている新刊は・・・・東野圭吾 『新参者』 講談社特設HP 発売中。川上弘美 『これでよろしくて?』 発売中。奥田英朗 『無理』 文藝春秋 特設HP9月29日発売予定。(予約受付中)三浦しをん 『まほろ駅前番外地』直木賞受賞作『まほろ駅前多田便利軒』のスピンオフ作品。10月末発売予定。(予約受付中)スピンオフといえば・・・・桜庭一樹 『製鉄天使』 東京創元社製鉄天使とかいてアイアン・エンジェルと読む『赤朽葉家の伝説』のスピンオフ作品。バブル世代にとっては青春グラフティー的読み物になると思いますゼ。(笑)楽天ブックスではまだですが、アマ○ンでは予約受付を開始しています。10月末発売予定。
2009.09.19
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河合瞳子が大阪郊外のホテル七階から飛び降りた。周囲を魅了した彼女の突然の死。大学卒業から五年、その報せは仲間に大きな動揺を与えた。そんな折り、友人たちに瞳子からのはがきが。そこには、わたしのことを殺さないで、とあった。彼女を死に赴かせたものは?答えを自問する残された者たちが辿り着いた先は?ほろ苦い青春の終わりを描く感動のミステリー。 <感想> ★★★★☆最近、あちこちで感想のUPされている近藤史恵さんですが未読です。 『タルトタタンの夢』が気になっていますが、とりあえず「ぶ」でみつけた作品を読んでみました。さて、本書をひとことで言うなら、自殺した女性を巡る心理サスペンスです。 章ごとに、自殺した女性の友人達が一人称形式で語るという構成になっています。 語り手たる友人の性格や行動様式を踏まえた書き分けが秀逸で、近藤史恵さんの実力を垣間見ることができました。客観的に言うなら、ミステリーとしては弱いし、青春小説として読むにはトーンが低すぎます。 ただ、個人的にはこの手の作品はすごく好きです。文庫版の解説でミステリー評論家の方が、アンドリュー・ガーヴを引き合いに出していますが、激しく同意しました。(笑)登場人物は現代の若者たちですが、古典的な手法で描かれた心理サスペンスとも言えます。良質の心理サスペンスをお求めの方におススメです。
2009.09.19
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「漫画の王国」に生れた小説家の乙女な日常生活。バンドを追っかけ上方へ、愉快な仲間と朝まで語り、わきあがる妄想の楽園に遊ぶ…色恋だけじゃ、ものたりない!なぜだかおかしな日常はドラマチックに展開―日本の政局も、家族の事件も、人気のTVドラマも、考え始めたらいつのまにかヒートアップ!「読んで楽しく希望が持てる」、笑い出したら止まらない、抱腹微苦笑ミラクルエッセイ。 <感想> ★★★★★カリスマという言葉があります。 本書を読み終えて15分の私は、それこそが三浦しをんに最も相応しい称号ではないかと思っています。 さて、直木賞を受賞して不動の地位を確保したといっても過言ではない三浦しをんさんですが、作品のジャンは多岐にわたります。 また、最近ではマンガの評論でメディアに登場することが多いようにも思います。 個人的には「傾向と対策」の立てにくい作家さんです。それを踏まえてエッセイを手に取ったわけですが、読んでみると作家としての立ち位置や創作の原点は?という問いの答えが明確に記されています。 それは・・・妄想。その延長線上にしをん作品があると言われれば、私は素直にナットクします。 それさえ理解していればBLも読みこなせるはずだっ!!などというムボウな考えさえ浮かんでくるほど、著者の妄想論は説得力があります。漫画を読み込んでいる方なら十二分に楽しめると思いますが、そうでなくても妄想生活の片鱗に触れることは可能です。 妄想なんていうとやたらマニアックな印象がありますが、妄想生活をはじめたなら人生は3倍ぐらい楽しくなるはずです。 しをんファンはもちろんのこと、なんか最近ストレスで・・という方に強くおススメします。 妄想生活万歳!!※爆笑系なので電車の中で読むのは危険です。 私は高倉健の日常がツボでした。
2009.09.13
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夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。 <感想> ★★★☆☆道尾秀介さんは初めて読みますが、すでに直木賞にもノミネートされている若手の実力派です。 さて、他の作品やあらすじから本書はミステリーであることがうかがえます。 冒頭、友達の首吊り死体を発見するの主人公は小学生。 三歳になる妹と友人の死の真相に迫るという筋立てからレトリックを用いた探偵ごっこ(実は友人は自殺していないという結末)的な作品だと予想しました。 しかし徐々に友人の死は確定的なものになって行きます。 でも、どこかにレトリックがあって主人公は救われるはずだ・・・という想いで読み進めていくと三歳の設定の妹に違和感を覚えます。 自分の子供が三歳の頃って・・・??結論から言うならいくつかのレトリックを用いていますが、昨今ブームのそれとは異なります。 正直言ってストーリーより読者のミスリードを誘うことを優先したり、無理な「整合」を提示するスタイルのミステリーに飽きあきしていたので、この着地は納得できるし小説としてのレベルはそれらを凌駕しているといっても過言ではありません。 ただ、前段でも申し上げましたが、この展開は読後感の悪さだけが印象に残ってしまいます。 もちろんそれは著者の狙いなんだけど・・・・・・・。ちょっと複雑な作品でした。
2009.09.13
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昭和十九年、福岡県知事の屋敷に奉公にきた千恵子。華やかな博多の街、美しい令嬢・和江との友情、そして初めての恋。しかし戦争の足音は、千恵子のすぐ背後に迫っていた…千恵子の波乱に満ちた人生を縦糸として、激動の時代にそれぞれの愛を貫き通した五人の女たちが織りなす恋模様。戦前・戦中・戦後の日本で、恋に命をかけた女たちを描く純愛官能ロマン。第五回R‐18文学賞大賞受賞『花宵道中』の宮木あや子最新作。 <感想> ★★★★★もぉ~思いっきりツボです。戦前・戦中・戦後。 時代に波に押し流されていく男と、それに翻弄されていく女。 『花宵道中』と同じく変則?連作短編ですが、順番どおりに読んでいけば長編になります。 タイトルは『白蝶花』ですが、それぞれの作品に「天人菊」「凌霄花」「乙女椿」「雪割草」というタイトルがついています。とにかくこのシチュエーションは大好物なので、上下巻(できれば二段組)ぐらいの長さで読んでみたいものです。(笑)さて、本書は昭和前夜の有馬温泉からはじまります。 冒頭の「天人菊」は親に芸妓として売られた姉妹を情感たっぷりに描いています。 一月後、年号は昭和へと変わる。 のひとことで、この物語は幕を下ろしますが、後に語られる物語と密接な関係があります。その後、主人公と時代を変えながら舞台も東京、博多、酒田へと移っていきます。 当時の新聞記事や歴史的な事実を時系列で織り込んでいくというやり方はベタといえばベタですが、あたかもその時代、その場所に身を置いているような気分にさせられる文章は秀逸です。前半で主人公の女性たちは時代や制度から文字通り蹂躙されていますが、時代の波に押し流される男に対して、翻弄されながらも押し流されまいとする女の強さが印象的でした。 彼女たちが命がけでする恋が新たな命を生み出し育んでいく、それこそが時代を紡いでいくということなのではないか?などと思ったりもしました。二作目まではエロエロシーン多発注意報発令中ですが、ここにお見えになる方々はリッパなオトナなので大丈夫だと思います。(汗)読後感は最高にいいです。 芸妓・やくざ・お嬢様・奉公・お屋敷・青年将校・女学校・反政府運動千人針・赤紙・妊娠毒・大本営発表。 これらのキーワードにビビッと来た方におススメです。宮木あや子さんのブログを発見したのでリンクを張っておきます。宮木ログ
2009.09.12
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29歳女性を主人公に流行作家8人が競作!仕事、会社、家族、恋、結婚、出産…微妙に揺れ動くアラウンドサーティーの女性の実感をリアルに紡ぎ出し「日経WOMAN」だからこそ可能にした異色の小説アンソロジー。<感想> ★★★★☆本書は「日経WOMAN」の掲載小説を書籍化したものです。著者は山崎ナオコーラ/柴崎友香/中上紀/野中柊/宇佐美游/栗田有起/柳美里/宮木あや子の各氏です。さて、掲載誌の「日経WOMAN」は働く女性をターゲットにした雑誌です。 そのせいか読者に媚びるとまではいいませんが、かなりそれを意識していて主人公は働く独身女性という縛りがあるようです。 栗田有起さんと山崎ナオコーラさんに心を惹かれて読んでみましたが、このお二人が得意とするのは、波間を漂っているような女性キャラを主人公にした作品です。 このテーマは作家の持つ個性を充分に発揮するにはちょっとキビしいのかなぁ~というのが正直な感想です。 しかし、読み込んでいくと文章や主人公の言動にそれぞれの作家の個性やメッセージを感じ取ることができます。 二度三度読んで、そのあたりの「発見」をするのも楽しみのひとつかもしれません。 8作の中では、テーマを強引に自分の世界に引っ張り込んでいる中上紀さん(←中上健次の娘さんです)の『絵葉書』がピカイチでした。 アラサーの女性が手に取ることが多いと思いますが、どの作品を読んでも十九歳でも三十九歳でもない、二十九歳でしか感じることのできない独特の揺れを表現しているので、他の世代の方でもそれなりに楽しめると思います。
2009.09.09
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私立大学で教鞭をとり、犯罪被害者救済活動を続けてきた大原奈津子は、衆議院統一補欠選挙東京6区への出馬を決める。前議員の田所孝夫がセクハラ事件を起こし、その失職に伴う補選だった。そんな折、元犯罪者の顔写真や所在等を記したビラを撒いて騒ぎを起こしていた「凶悪犯罪抑止連合会」という実体不明の団体から奈津子宛てに、推薦状が届く。選挙を知り尽くした策略家・森崎啓子や、抑止連との関係を書きたてる雑誌記者・井端純平のキナ臭い動きに翻弄されながらも、栄治の捜査によって補選のカラクリが見えてくる…。<感想> ★★★☆☆本書は「このミステリーがすごい!大賞」第五回優秀作受賞作品です。さて、タイトルからお分かりただけると思いますが本書は選挙をテーマにしたエンターテイメントです。 衆議院補選に立候補した女性候補の「表」と「裏」を描きながら投票日を迎えるという筋立てです。 選挙戦に関しては特に目新しいものはありませんが「裏」を担っている元公安刑事がイイ味を出していました。個人的に「このミス大賞」は相性が悪いんだけど、この作品はそれなりに読み応えがあって楽しめました。 選挙と言えば、新しく自民党で首班指名される若林さんって誰??って感じでしたが、みんなから押し付けられて「もぉ~いいよぉ。俺がやるよぉ」 という姿勢が、なんとなくいい人っぽいです。
2009.09.08
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東シナ海に浮かぶ伊栗島に駐屯する自衛隊の基地で、訓練中に小銃が紛失した。前代未聞の大事件を秘密裡に解決する任務を負い、防衛部調査班の朝香二尉とパートナーの野上三曹が派遣される。通信回線というむき出しの「神経」を、限られた人員で守り続ける隊員達の日常。閉鎖的な島に潜む真犯人、そして真実はどこに。 <感想> ★★★★☆ここ数回、直木賞にも顔を出すようになった古処誠二さんは元自衛官。私と同世代(70年生まれ)にも関わらず、太平洋戦争を舞台にした作品を数多く手がけています。 文章力のある作家さんですが、やはりテーマがテーマだけに作品自体はとてもヘビィ(重い)です。 戦中派の直木賞選考委員のセンセイからはリアリティーが・・なんて言われちゃってまてますが、実際の戦争を知らない世代が、どのようなカタチで次世代にそれを語り継ぐのか?という点では注目に値する作家だと思います。さて、本書の舞台は現代の航空自衛隊です。 事件を調査する二人の自衛官のキャラが柔らかいので、コミカルとはいえないまでも他作品と比べると格段に読みやすいつくりになっています。 かつて現場の自衛官だった経験を十二分に活かして語られる自衛官の日常やホンネは、かなりリアルなのではないかと想像されます。 また、それらを昇華させて物語の核としている点は見事です。後半に出てくるエピソードを興味深く読みましたが、これをひとつのエピソードとしてしまうのはもったいないような気がしました。自衛隊って実際のところどうよ?とお考えの方や自衛隊に入隊したいんだけど・・・・という方に強くおススメします。
2009.09.07
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恒例の「一人避暑」に行く父親と犬のミロにくっついて、五年ぶりに北軽井沢の山荘で過ごす小説家志望の「僕」。東京に残った妻には、他に好きな男がいる。危ういのは父親の三度目の結婚も同じらしい。―かび臭い布団で眠り、炊事に疲れてコンビニを目指す、アンチスローな夏の終わりの山の日々。ゆるゆると流れ出す、「思い」を端正に描く傑作小説。翌年の山荘行きを綴る『ジャージの三人』収録。<感想> ★★★★☆肌に合うという慣用句がありますが、私にとってこの作品はまさにそんな感じでした。さて、本書には社会や家庭からドロップアウト気味の父子が山荘で過ごす数日間を描いた表題作と翌年の夏休みを描いた『ジャージの三人』の二編が納められています。 祖母の集めた古着のジャージ(装丁参照)に袖を通して過ごす父子には大きなドラマが用意されているわけではなく、ただひたすらまったりと過ごす様子が描かれています。 退屈と言えばかなり退屈な小説ですが、達観した感のある父子の様子や彼らの会話の間に生まれる独特の間が印象的です。 文章もこねくり回されているということもありません。平易に文章で綴られることの多い長嶋作品ですが、この作品はそれがさらに顕著です。 このシチュエーションなら父子ではなく母娘だろうという気もするんだけど、そうした場合はそのまま江國香織さんの初期作品に近いものになるかと思います。 高原を通りぬけていく風や近所からもらう野菜。 五右衛門風呂でトイレは汲み取り式。 カマドウマが飛び跳ねている台所。別荘というには程遠い山荘がなんとも味わいがあって、ちょっとku:nelしています。 江國香織さんの初期作品がお好きな方。 ku:nelを購読されている方。また、なんかメンドくせぇ~ 俺は他の人よりヘッポコかもしれないとお感じの諸兄におススメいたします。
2009.09.06
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200X年、謎の航空機事故が相次ぎ、メーカーの担当者と生き残った自衛隊パイロットは調査のために高空へ飛んだ。高度2万、事故に共通するその空域で彼らが見つけた秘密とは?一方地上では、子供たちが海辺で不思議な生物を拾う。大人と子供が見つけた2つの秘密が出会うとき、日本に、人類に降りかかる前代未聞の奇妙な危機とは―すべての本読みが胸躍らせる、未曾有のスペクタクルエンタテインメント。 <感想> ★★★★☆本書のジャンルをひとことで言うならSFです。 10年ぐらい前に利己的遺伝子論が流行った時、関連するSFっぽい小説がベストセラー入りしていましたがイマイチついていけませんでした。 利己的遺伝子論は小説の素材として面白いなぁ~とも思うわけですが、その理論を足がかりに塩基配列までに至るとなると理系オンチの私はちんぷんかんぷんです。 そんな私に言わせるなら「SF=と本(とんでも本)」です。さて、それを踏まえるなら本書も「と」本の色合いが濃いわけですが、読み始めてみるとまどろっこしい理論云々より、読ませることに重きを置いていることがわかります。 まぁ~とにかくそのあたりは・・・・という感じで小気味よくストーリーが展開していきます。 また、現象そのものより、それに巻き込まれる人たちや舞台をとても丁寧に描いているというのも本書の優れた点です。 特に主人公である中学男子の融通の利かないところや、頑迷さはこの世代の性質をよく表現しているのではないかと思います。 おなじくラノベ(ライトノベル)からメジャーデビューした桜庭一樹さんは思春期女子を描くのに秀でていますが、有川浩(←女性です)さんは思春期男子の心の揺れを的確に描いています。 SF苦手なんだよね・・という方に強くおススメします。
2009.09.06
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ただでさえビンボーな私ですが、最近そのビンボーに拍車がかかり、どん底のサラリーマンライフを送っています。最も顕著なのはランチです。最近はカップラーメンと、家から持参したおにぎりで凌いでいます。コンビニでカップラーメンを買うとメーカーのNBだと150円前後コンビニのPBで120円前後です。ところが、某スーパーに行ったところPBのカップラーメンをなっ なんと 68円で売っているではないですかぁ~さっそく二個購入して、ランチタイムに臨みましたが・・・・具がニンジンのスライス数片と小さいワカメが数枚・・悲しすぎました・・・味はフツーでした。(念のため) というわけで8月の書籍代です。7冊 3250円(@464円) 8月の大当たり ↑西川美和恐るべし!! 8月の当たり
2009.09.05
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