JINさんの陽蜂農遠日記

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2026.01.16
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カテゴリ: 藤沢歴史散歩

大イチョウの前に立ち、視線を 中雀門の方向 へ向けると、境内は大きく、静かに開けていた。
低く並ぶ灯りが一直線に連なり、夜の広がりの中に、確かな道筋を描いていた。



大イチョウ をこれでもかと追う。なかなか立ち去れない時間と空間なのであった
太い幹から四方へ枝を伸ばし、黄金の葉を余すところなく広げて。
照明は幹の起伏と枝分かれを丁寧に拾い、樹が積み重ねてきた時間の厚みを、静かに浮かび
上がらせていたのであった。


大イチョウの幹に近づくと、幾筋にも分かれた木肌は硬く、深く、
樹皮の割れ目や盛り上がりは、装飾ではなく、時間そのもの。
風を受け、雨に耐え、数えきれない季節を越えてきたことが、触れずとも伝わって来たのであった。
この大イチョウの乳根は、鋭く主張することなく、幹の起伏の一部として静かに溶け込んでいた。
木肌の割れや隆起と同様、装飾ではなく、時間が自然に刻んだ痕跡なのであった。



上部を覆うのは、大イチョウの黄金色の葉。夜空に向かって張り出した枝先が、やわらかな
天蓋のように広がっていた。その下、本堂の屋根に浮かび上がる「光」の一字は、
瓦の起伏に沿いながら、静かに形を保っていた。強く主張することなく、葉の重なりの
向こう側で、確かにそこに在ることを伝えていたのであった。

遊行の光」開催中 │ 藤嶺学園藤沢中学校・高等学校の新着情報

ズームして。



黄金の自然の色と、青緑に照らされた文字の光。
色も由来も異なる二つが、この一瞬、同じ視界の中で重なり合う。
どちらかが前に出るのではなく、互いの存在を引き立て合っているように。




明かりがあった。
視線は自然に上下を行き来し、この場が持つ奥行きと時間の重なりを感じさせるのであった。



「遊行の光」が、建物の上に浮かぶだけの演出ではなく、大イチョウという
生きた存在とともに、夜の境内に溶け込んでいたことを、静かに語っていたのであった。


本堂正面に立つと、屋根の上に大きく「光」の一字が浮かび、
境内全体を静かに見下ろしていた。
石段に沿って並ぶ灯りは、左右対称に配置され、夜の空間に落ち着いた秩序を
与えていたのであった。



ズームして。


石畳の脇に立つ灯りに、「遊行の光」の文字がはっきりと刻まれていた。
文字は大きく語るのではなく、この周囲に続く道の性格を、静かに示していた。
足元には紫の光が低く流れ、参道の輪郭をなぞるように続いていた。
視線の先には、大イチョウが闇の中に浮かび、黄金の葉が、夜の奥行きを確かなものに。
奥の門の石柱は動かず、長い時間、この場所を見守って来たのだ。
その脇を、今夜だけの光が通り過ぎ、境内は一夜の表情をまとっているのであった。


山門跡の門柱に刻まれている紋は遊行寺(時宗)の宗紋。
「折敷に三文字紋(おしきにさんもんじもん)」、別名 「隅切三(すみきりさん)」 と
呼ばれる紋。
●形と意味
 ・外形:四隅を切った八角形(=折敷・膳を表す形) 
 ・内部:三つの横画を重ねた「三」、
  この「三」は、   
 ・仏・法・僧の 三宝
 ・過去・現在・未来   
 ・身・口・意   
  など、仏教的な「三」の世界を象徴するとされる。
 ・折敷(おしき)の意味
  折敷は、食を供するための器であり、施し・布施・平等の象徴でもある。
  遊行の教えと深く結びつく意匠。



いろは坂 」を下る。
石畳の坂道はゆるやかに下り、両脇に置かれた灯りが、一定の間隔で足元を照らして。 
遠くに街の灯りが見え始め、境内と日常との距離が、少しずつ縮まっていき行った。
それでも、この坂を下りきるまでは、まだ「遊行の光」の余韻の中に。


左右の石垣と樹影は闇に溶け、視線は自然と道の中央へと集まるのであった。
坂を下るにつれて、先ほどまで見上げていた黄金の光景は背後へ退いて。


一枚一枚の石の表情がはっきりと見えてき来た。
長い年月を踏まれてきた角の丸みや、不揃いな継ぎ目が、歩く速さを自然に
落ち着かせるのであった。


夜の中に、 眞徳寺の赤門 ははっきりとした輪郭を保って立っていた。
朱塗りの柱と梁は照明を受け、昼とは異なる、引き締まった表情を見せて。
左右の石積みと低い塀が門の構えを整え、中央の開口部は、内と外とを明確に分ける境界。
「遊行の光」の巡りを終え、ここに立つと、境内の静けさが一段深まったように感じられた。
赤門は迎えるための門であると同時に、歩いてきた時間を静かに送り返す門でもあった。



赤門の先、正面の石碑。



本堂。



これは?



下りきった足元から、ふと振り返る・・・。

青紫の光は、夜の静けさをたたえ、両脇に並ぶ行灯のやわらかな灯りは、一つ一つが
人の祈りのように、過ぎゆく背中を見送ってくれていたのであった。


惣門をくぐり、境内を後にして・・・ふと、振り返る。
闇の中に大きく構える惣門は、もはや入口ではなく、一つの結界。
その奥に、一直線に伸びる光の階(きざはし)が、静かに、しかし確かに、こちらを
見返していた。
石段に沿って配された青と白の光は、遊行寺の深さを浮かび上がらせ、
一段一段が、時間の層のように重なって、過ぎ去った歩みを記憶しているかのようであった。

藤沢遊行寺ライトアップ「遊行の光」 – いきいきシニアライフ

しだいにズームして。


惣門の正面に立つと、闇を額縁にして、光の石段が奥へ、奥へと連なっているのであった。
門柱に掲げられた「 清浄光寺 」、「 時宗総本山 」。
その文字が、夜の光を受けて浮かび上がり、ここが単なる坂や階ではなく、
信仰の中枢へ至る道であることを、改めて告げているのであった。


石段の両脇に並ぶ行灯は、声を潜めた僧の列のように、一段一段を確かめながら、
道の意味をそっと照らしていた。
足元には白くやさしい灯、樹々の幹には青紫の光。
その対比が、現世と彼岸、動と静、二つの世界を溶け合わせ、この階(きざはし)を
境界ではなく「通路」へと変えていた。
枝葉が天蓋となり、光は奥へ奥へと吸い込まれるのであった。

闇に沈む境内の片隅で、 築地塀と青銅の灯籠 が、静かに向き合っていた。
白く浮かび上がる築地塀は、幾重にも重ねられた土と時間の層。
粗く、しかし端正な横筋は、風雨に耐え、祈りを受け止めてきた無言の記憶装置のごとく。
その脇に立つ青銅製灯籠は、闇を押し返すように、重厚な姿をくっきりと現し、透かし彫りの
意匠には、かつて灯された火の温もりがまだ宿っているかのように。


惣門を後にして・・・。
歩みはすでに外へ向かっているのに、光だけが、なお境内にとどまっているのであった。
左右に構える築地塀と灯籠は、夜の闇を背負いながら、門という境界を、
静かに、しかし確かに、この場の重みとして刻み込んでいたのであった。
振り返る者だけが見る光景。入るときには前しか見えず、
出るときになって初めて、道全体がひとつの意味を持つと感じたのであった。



ふじさわ宿交流館 」を振り返って。


藤沢宿高札場 」。
藤沢宿の高札場は 高さ:2間(約3.6m) 長さ:3間(約5.4m)。
高札場(こうさつば)とは、江戸時代に幕府や領主が定めた法令・禁令・掟などを墨書した
木の板札(高札)を、人目につきやすい街道沿いや宿場、村の中心などに高く掲げた場所。



ふじさわ宿交流館 」を旧東海道上から。



そして「 大鋸橋・遊行寺橋 (現) 」。



「ゆぎょうじばし」。 



境川上流を見る。



境川下流・藤沢橋方向を見る。



振り返って。


バス停に向かって国道467号の歩道を進む。
歩道に設置されていた、藤沢宿(東海道・藤沢宿)を題材にした浮世絵をデザインとして
貼り付けた「景観アート電柱・電気通信ボックス」の浮世絵をカメラで追う。
江戸時代の旅籠の様子 」 市川勝典 作成。



そして バス停「遊行寺前」 に到着。



バス停の真向かいにあった「​ 旧・桔梗屋の文庫蔵・店蔵・主屋 ​」👈️リンク
「旧桔梗屋は、旧東海道藤沢宿で茶・紙問屋を営んだ旧家であり、市内に現存する唯一の
店蔵及び江戸時代末期の文庫蔵を含む3棟が国登録有形文化財の登録を受け、旧宿場町の
雰囲気を伝えています。藤沢宿の歴史・文化を継承するとともに、地域の活力やにぎわいの
創出を図るため、令和2年(2020年)10月、旧桔梗屋を取得しました。この旧東海道に
面するシンボル的な建物を保全していくとともに、魅力ある活用の実現を目指します。」
と藤沢市のネットページから。



そしてバスに乗り15分で帰宅したのであった。 

                                   ・・・もどる・・・                                        


                     ・・・おわり・・・



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Last updated  2026.02.23 12:49:22
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