hongming漫筆

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1996.01.08
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カテゴリ: 欧米露の本
長い冬(上) 長い冬(下)
【著者:ローラ・インガルス・ワイルダー/鈴木哲子|出版社:岩波書店】

 とてつもなく困難な状況を描いた物語だ。七ヶ月もの間雪に閉ざされ、食料も何もかも無くなっていく。餓死者が出なかったのが奇跡だ。
 アルマンゾとキャップが麦を運んでくることに成功することによって人々は救われるが、何としてでもアルマンゾは自分が隠している種麦は売ろうとしないのが気になった。その代わり、自分が危険を冒して人々を救ったわけではあるが。
 この本が、なぜか講談社のシリーズに収められていないので全く異なる訳で読んだわけだが、あまりの訳文の違いに驚く。
 講談社版では上品で物静かな母親が、「なんでそんなに急いでかぼちゃを取り入れなさるね」などという。全く田舎の農家のおばさんになっている。また、「父さん」「母さん」ではなく、「父ちゃん」「母ちゃん」になっている。これは、訳された時代が違うためだろう。50年代の日本ではこう訳した方が自然な日本語になったのだろう。両親が互いに相手を呼ぶときも、今ならそのまま「キャサリン」「チャールズ」とするところを「母ちゃん」「父ちゃん」と訳しているようだ。
 講談社版は80年代になって訳されたので、欧米では夫婦は互いを名前で呼ぶことが知られているので、そのまま名前を呼ぶ訳にしてあるわけだ。
 日本語の変化についても考えさせられた。

 (現在は絶版。新訳





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Last updated  2006.12.29 16:07:48
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