hongming漫筆

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2000.05.31
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カテゴリ: その他の読書録




 日本と中国の関係を随筆風に書いたものを集めてある。
 最初の刊行は1943年。戦争中である。
「留唐外史」
 円仁は知っていたが、円載は知らなかった。今日の価値観から一方的に評価するのではなく、どういう時代に生きたどういう人間だったのか、ということを明らかにしようとしている。
「倭寇の本質と日本の南進」
 倭寇が一方的な侵略ではなく、実は貿易の一形態でもあったということは、10年ぐらい前から言われるようになったのかと思ったら、何のことはない、こんなに前から指摘されていたのだ。
 それでも、一度定まった図式というのは崩れないものなのだ。
「江戸におけるシナ趣味」
 別段、中国文化の需要のあり方を語る、というような固いものではなく、むしろ、江戸時代の成金の趣味の悪さを語っている。

 天神は雷という意味ではなかったのに、なぜ天神=雷となってきたのか。
 国内の資料だけでなく、中国との関連から見ている。
「パリで刊行された北京版の日本小説その他」
 北京で刊行されたということになっているインチキ日本小説の紹介。
 著者がパリ留学中に手に入れたもの。こういうものをでっち上げる人々がいる、ということが面白い。
「中国の開国と日本」
 これは文化論であり、日本と中国はどう違うか、ということを「開国」という事件を通して論じている。

 戦争中の著作ということもあり、日本を持ち上げ、中国を貶めようとしているような言辞も見られるのだが、全体としては冷静で、理性的に、真実を見極めようとしている。
 仮名遣いは現代仮名遣いに直してあり、文章も平易で読みやすいが、ところどころ、見慣れぬ漢字が出てくる。「廉で」(かどで)「渝らざる」(かわらざる)はしばらく読みを考えてしまった。





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Last updated  2005.04.01 21:46:11
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