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2004.03.20
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カテゴリ: その他の読書録



 言語学を一つの科目としてとらえ、どのようなものなのか入り口から中をのぞくという姿勢の入門書。
 おもしろく読んだが、さて、言語学とは何か、ということがわかったかというとそうはいかない。

 印象に残ったのは、著者の姿勢として、批判するときは、名を出さないこと。
 「蒲焼き」の語源を民間語源で説明してしまっていることを取り上げ、「アルファベット」の説明では「見事なまでに役に立たない」とやっつけているのは、明らかに岩波書店の「広辞苑」だと思われるのだが、「某社の大型国語辞典」としか書かない。
 「びっくり! 日本語の起源」(p196)では、大野晋のタミル語起源説を取り上げているが、ここでも「国語学の大御所」というだけで名前は出していない。
 「信じられないような音韻対応を発明し、言語学を勉強した人はみんなビックリしたが、ご本人は自信満々であった。」ということだが、著者は1964年生まれだから、発表された時はまだ中学生ぐらいだろう。これは後で知ったことだろう。
 興味深いのは、「真面目なインド言語学者が何人か反論していた。でもこういう真面目な意見は面白くないのか、マスコミはあまり取り上げなかった。」というところ。
 問題はこれなのだ。旧石器時代の遺跡の捏造がずいぶん大きく取り上げられたが、あれだって、ずっと前から疑義を提示していた学者がいたのに、それをとりあげず、新発見、大発見と持ち上げてきた人達がいたから捏造が続いたのだ。マスコミが捏造を誘発した面があるだろう。
 以前は見ていたが、「外国語学習メカニズムについて特集したのを見たら、その荒唐無稽《こうとうむけい》さにあきれかえってしまった」(p197)という番組は「特命リサーチ」だろうが、これも番組名は出ない。

 ここでは「毎日新聞だろうな」と察しは付く書き方をしている。
 気になるのはその後の部分だ。
 人は誰でも、自分の専門にかかわることなら、不正確な書き方がしてあれば「変だ」と思うが、それ以外は新聞に書いてあることを鵜呑みにしてしまうのではないだろうか。とにかく、新聞は疑ってかかるに越したことはない。

 「《ハングル語》というのもわたしには抵抗がある。ハングルとは文字の名称である。日本語のことを《ヒラガナ語》と呼ばないように、韓国・朝鮮語にそういう名称を与えるのは変だと思う。」(p32)
 言語学者でなくたって変だと思う。なぜ「ハングル語」がまかり通っているのか不思議だ。こういうことろは声を大にしてもらいたい。
 一方、言語の名称と言うことに関しては、「言語に名称を与えるのは政治と歴史であり、言語学では判断できない。」(p177)と明確に述べている。事はそう簡単ではないのだ。





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Last updated  2005.04.01 21:22:13
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