意外と難しい「当たり前のことを当たり前にやる」を全員で徹底する「凡事徹底」。
1つのファウルに、三塁側ベンチの広島ナインが沸いた。三塁側ベンチの選手たちが両手をたたいて見つめる先は、打席の安部友裕ではなく、一塁走者。肩で息をしながら一塁に戻る新井貴浩だった。
リードを3点に広げた6回の2死一塁。フルカウントから安部の打球は三塁側スタンドへ。スタートを切っていた新井はすでに二塁を回り、三塁方向へ体が向いていた。
2死一塁でフルカウントならば、走者がスタートを切るのは常識。新井はそれをやっただけなのだが、あれだけのベテラン選手が“外野を抜ければ一気に本塁に返ってやろう”とする走りはなかなかお目にかかれない。
新井は続く安部への7球目も当然のように“外野を抜ければ一気に本塁に返ってやろう”というスタートを切ったが、結果は空振り三振。
ベンチに戻り、交代を告げられた新井はしばらく、ベンチ裏で呼吸を整えていたという。
「新井さん」というキャラクターは、なぜか懸命なプレーがときに滑稽に見えるときがある。
それも今季の広島に活気を与えた一因ではあるが、何よりチーム最年長野手が率先して当たり前のことをやることを示せば、若い選手が手を抜くわけにはいかなくなる。
以前テレビの試合中継で、ある解説者が「広島打線は三振しても、捕手がはじいていたら素早くスタートを切っている」と感想を口にしていたのを覚えている。試合を見ているファンの側としても当たり前のように見ていたプレーではあるのだが、それも実は簡単なことではないのかもしれない、と思うようになった。
「当たり前のことを当たり前にやる」は、広島の強さであるとともに、広島の伝統か。この長年築き上げてきた土壌に、好素材の選手を揃えたことで……セ・リーグ史上2球団目の3連覇を成し遂げようとしている。
一死満塁でも得点できず 2026年05月20日
証言で大波紋 新たに発覚なら厳罰必至 2026年05月17日
球団54年ぶり快挙の栗林 2026年05月16日
PR
カレンダー
キーワードサーチ
カテゴリ
コメント新着
New!
登歩十歩さん
大好きバスケさん