inti-solのブログ

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2021.03.02
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カテゴリ: 政治
夫婦別姓に反対の丸川珠代大臣「自分は旧姓使用」に疑問の声
丸川珠代男女共同参画担当大臣含む自民党の国会議員50名が埼玉県議会議員に対し、“選択的夫婦別姓制度導入に賛同する意見書を地方議会で採択しないよう求める文書”を送っていたと2月24日に報じられた。朝日新聞デジタルによると、丸川大臣は「私個人の信念だ」と説明したという。
そんな夫婦別姓に反対の立場を示した彼女だが、実は丸川は旧姓。08年6月に自民党の大塚拓議員と結婚し、大塚珠代となっているのだ。2月24日にアップされた「インターネット版 官報」にも「丸川珠代(本名・大塚珠代)」と記されている。
しかし結婚して以降、13年にもわたって丸川珠代という名前で政治活動を続けている。そのため、ネットでは彼女の言動を疑問視する声が相次いでいる。(以下略)

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極右派の連中は、「選択的夫婦別姓制反対、その代わり旧姓の通称使用を」と言っています。その限りにおいて丸川が選択的夫婦別姓制に反対して旧姓を使い続けるのは、主張の上では首尾一貫しています。
ただし、「旧姓の通称使用を」という主張ほど、彼らの論理矛盾、ご都合主義を示している言い分はありません。
彼らが選択的夫婦別姓制に反対するのは何故でしょうか。検索すると、参議院に提出された 選択的夫婦別姓制反対の請願要旨を見ることができます
それによると、
この制度を導入することは、一般大衆が持つ氏や婚姻に関する習慣、社会制度自体を危うくする。別姓を望む者は、家族や親族という共同体を尊重することよりも個人の嗜好や都合を優先する思想を持っているので、この制度を導入することにより、このような個人主義的な思想を持つ者を社会や政府が公認したようなことになる。~
一体感を持つ強い絆のある家庭に、健全な心を持つ子供が育つものであり、家族がバラバラの姓であることは、家族の一体感を失う。子供の心の健全な成長のことを考えたとき、夫婦・家族が一体感を持つ同一の姓であることがいいということは言うまでもない。


のが反対理由だそうです。要約すると、結婚に関する習慣や社会制度を危うくする、家族を破壊する、子どもに悪影響がある、ということです。
夫婦別姓になるとそんな悪影響が生じるという、その主張自体がバカバカしい限りなんですけど、そのことはひとまず措きます。もし本当に、夫婦別姓にすると結婚に関する習慣や制度が危うくなったり家族が破壊されたり子どもに悪影響があるなら、旧姓の通称使用だって、同じことではないでしょうか。というより、通称使用の方がよほど問題のはずです。

人が一生の中で、自分の戸籍を見る機会なんて、そう何度もありません。私など、自分の戸籍を初めて見たのは大学生の時パスポートを取った時じゃなかったかな。そのあと、就職時に戸籍を取ったかどうかは記憶があいまいですが、確実なのは結婚した時、子どもが生まれたとき、それに父がなくなって相続の諸手続きをするとき。そのくらいです。

だから、もし本当に、「夫婦別姓にすると結婚に関する習慣や制度が危うくなったり家族が破壊されたり子どもに悪影響がある」から夫婦別姓に反対だというなら、「通称だろうが何だろうが夫婦は同じ苗字を名乗らなければなりません」「子どもの前で別々の苗字を名乗るなんてとんでもない」と言わなければ論理的につじつまが合わないのです。
それなのに、「選択的夫婦別姓制反対、代わりに通称使用の拡大」などと言っている時点で、何の論理性も首尾一貫もないのです。まさしくご都合主義。
つまり、そんな理由はとってつけたお題目に過ぎず、本当の理由は他にあるのでしょう。

想像するに、それは男性優位の社会制度を欠片ほどでも脅かされたくない(選択的でも、自分の妻、子ども夫婦が別姓にしたいと言われたら嫌だ、とか)、あるいは夫婦別姓の議論を先導していると彼らが思いこんでいる、いわゆるリベラル派、ジェンダー論者に対する脊髄反射的な反発(実際には、選択的夫婦別姓制を待ち望んでいる人のほとんどは、イデオロギー的理由ではなく、職業的不利益を回避したいからですが、彼らの目にはそう写らないのでしょう)といった理由ではないかと思います。
そんな本音をむき出しにしたら誰も相手にしてくれないから、とってつけたようなお題目を掲げているけれど、あまりにとってつけたようなお題目だから、論理矛盾がミエミエなわけです。

丸川に関していえば、別姓は旧姓で売った名前を変えると選挙で不利だから、という選挙対策でしょうし、おそらく「選択的夫婦別姓制反対」というのも、元からの信念ではなく(テレビ朝日のアナウンサーだった時代にそんな信念を持っていたとは考えにくい)保守層に媚びを売った結果でしょう。もっとも、ウソも100回繰り返せば何とやら、ずーっと保守に媚びを売り続けた結果、もはや本心からそれを信じるようななっている可能性も高そうですが。

選挙対策だろうが何だろうが、必要に応じて旧姓を名乗ることは、まったく正当なことです。ただ、それによって夫婦で別々の姓を名乗っても結婚に関する習慣や制度が危うくなったり家族が破壊されたり子供に悪影響はないことを、自ら証明しているのです。ならば、希望者が夫婦別姓を選択できる制度を導入することに、何の問題があるのですか?というしかありません。
毎日毎日「大塚です」「丸川です」と名乗っている夫婦が、それで家庭や子どもに深刻な問題が生じていないのに(確認はしていませんが、丸川・大塚夫妻には子どもが一人いるらしい)、滅多に見ることもない戸籍に別々の姓を記載すると深刻な悪影響があるなんて、そんな与太話を誰が信じるか、というのです。

なお、我が家は相棒が旧姓を名乗ることを希望しないので、夫婦別姓にする予定はありませんが、私の周囲には別姓を希望する知人、同僚がいっぱいいるので、選択的夫婦別姓制の導入には大賛成です。やっぱり、結婚後も引き続き同じ職場で働き続ける人にとっては、姓を変えるデメリットは確実にあるし、通称といっても戸籍名と異なることの不便も大きいですから。





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最終更新日  2021.03.02 19:00:06
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