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おおきななみ作: バーバラ・クーニー訳: かけがわ やすこほるぷ出版お話の主人公は、ハーティという女の子バーバラ・クーニーのお母さんをモデルにしているといいますどうりで、ずいぶんと具体的、現実味のあるお話になっていますドイツからアメリカに渡り、事業で成功した一家の日常が描かれています大きなお屋敷や別荘を持ち、使用人を雇い、ドレスを着て、パーティを開き、オペラに行く…憧れの"お嬢様の生活"を垣間見ることができます姉が花嫁になる夢を叶え、兄も父と共に働く夢を叶える中、ハティは子どもの頃から抱いていた画家になる夢に向けて、一歩を踏み出すのでした絵がとにかく素敵建物が細部に至るまで緻密に描かれ、調度品、着ているものなどからその時代が手に取るようにわかります見ていると色々な発見があり、飽きることがありませんハティの選択を後押しする終わり方も、読み心地がいいですこれも手元に置きたい一冊です#絵本 #おおきななみ #バーバラクーニー #絵本ノート #絵本くらぶ
2024.07.26
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うきわねこ文:蜂飼 耳絵:牧野 千穂ブロンズ新社猫のえびおは、おじいちゃんから誕生日プレゼントにうきわをもらいましたこのうきわ、普通のうきわではありません満月の夜になったらわかります待ち遠しい満月の夜その夜、うきわを膨らませたら、あら不思議!うきわがふわりと宙に浮いたのですおじいちゃんもうきわに乗ってやってきて、夜のお散歩にお出かけです向かった先は海2匹は、夜釣りを楽しみますすると釣れたのは、見たこともない大きな魚お腹いっぱいお魚を食べ、大満足でも、今夜のことはえびおとおじいちゃん、2匹だけの秘密朝になって、えびおはうちに帰ります絵本!ザ・絵本!絵を楽しんでください!かわいい!猫たちがかわいいのはもちろんうきわも、カップも、本も、細部にいたってかわいらしくて、見ているだけで楽しめます"えびお"という名前"おかかのおむすび"を食べているとこおじいちゃんの釣り姿海に走る月の道自分たちの何倍もある大きな魚をペロッと食べちゃうとこ私の胸をくすぐるポイントがいっぱいです先2つの言葉のチョイスもいいですが、「ほそかった つきは だんだん だんだん ふくらんで とうとう まんまるになりました」「なみは ぽちゃん ぽちゃん くりかえし うたいます」といった表現もさすがではないですか😊#絵本 #うきわねこ
2024.07.25
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おっきょちゃんとかっぱ文:長谷川 摂子 絵:降矢 奈々福音館書店ある日、川で遊んでいたおっきょちゃんは、こどもの河童、ガータロに出会います"お祭りだから、お客さんになれや"とガータロに誘われ、おっきょちゃんは、キュウリをおみやげに持って付いて行きます川底ではにぎやかな音楽が鳴り、屋台が並んでいますおっきょちゃんは、大人の河童に囲まれますが、おみやげのキュウリを渡すと、大喜びされ、歓迎を受けますまつりのもちをもらって食べると、お父さんやお母さんのこと、水の外のこと、全部忘れてしまいましたおっきょちゃんはガータロのうちの子になりました果たして、おっきょちゃんはこのまま河童の子として生きていくのでしょうかこのお話は読み進めると、"あれ、どこかで見たような…"という気持ちになります新しいお話なのに、懐かしいに近いでしょうかまず、想像上の生き物ですが、河童という存在に対して、それから浴衣やお祭り、人形、西瓜といったものに対しても親近感を感じますそこで、場面によって、浦島太郎や人魚姫、桃太郎、雛祭りの話を思い出すのです絵呪文とスイカという組み合わせには思わず笑ってしまいました。縁側に裸ん坊で立っていた、おっきょちゃんを見つけたお母さん、凄くビックリしたでしょうね。スイカの中身がないこともね。お腹大丈夫だったのかしら?#絵本 #おっきょちゃんとかっぱ #かっぱ #絵本ノート #絵本くらぶ
2024.07.12
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びっくりビック作: ふせ わかこ福音館書店"びっくりビック"苗字がびっくりで、名前がビックです…ではありません思うに2つの意味があるかと1つ目は、ビックはいつも誰かをびっくりさせていますから、その意味でのびっくり2つ目は、イタズラをしないとビックって、別人に見えるほどげっそりするのでびっくりある日、ビックはレストランで悪ふざけし過ぎて、牢屋に入れられてしまいます出してもらえず、大泣きをするビックでしたが、捕まっている間、イタズラができなくて激細になり、なんと格子をすり抜けてしまったのです困ったおまわりさんが署長に相談すると、署長は“ごろにゃんやま”に住んでいるヒックの所へ行け、と言うのですそこでビックはヒックの元に向かいますもう誰もおどかすことができなくなったビックは、ヒョロヒョロにやせて、遂には風に乗って飛ばされるほどにそして、あろうことか、吸い込まれるようにヒックの家の煙突に落ちたのです家の中には、しゃっくりが止まらず、苦しむヒックそこへビックがズドーンと落ちてきて、ヒックはびっくりして、しゃっくりが止まったのでした一方のビックも、おどかすことに成功して、元気いっぱいまんまるの顔に元通り2匹はずっとなかよく、一緒に暮らしたとさ絵がオシャレで愛嬌のあるかわいさ表情豊かなネコたちがとにかくカワイイ💕風で飛ばされてしまうほどのペラペラのビックに思わず笑ってしまいます#絵本 #びっくりビック #こどものとも #猫 #絵本ノート #絵本くらぶ
2024.07.10
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あおいうま作: ナタン・アール絵: ルシル・ビュテ訳: 伏見 操パロル社ルブロンさんの馬は青い馬とても賢くて自慢の馬なのだけれども、年をとって今はご隠居状態ある日、ルブロンさんは青い馬を置いて、新しい車で街へお出かけに青い馬は、置いていかれたことが残念で、自分でルブランさんの古い車を運転して追いかけようと思い立ちますそれなら、おめかししなくちゃ青い馬は、ルブロンさんのシャツとズボンを着て、靴を履きますすると、それを見ていためうしが"連れて行って"と言って、ルブロンさんの奥さんの服を着て、準備を始めたのですそして、2匹は街に行くと、ショッピングや食事を楽しみました帰り道、1台の車がガス欠で動けずにいましたなんと、それはルブランさんの新しい車でした青い馬は、自分がのっている古い車にルブランさんの車を縄で繋ぐと、引っ張って家に帰りました悪いことは続くもので、ルブランさんは買い物をしたのに、かごを忘れてきてしまったのですが、青い馬たちが買ったものがあったおかげで事なきを得ましたルブランさんは、ただ、"わしの馬は賢い"とひたすら褒めるのでした巻末に「ペール・カストール」シリーズという言葉が紹介されています「ペール・カストール・アルバム」というのは、フランスの出版人、ポール・フォシェが、教育の道具に最適なものは絵本であるとして、1931年に創刊した一連の絵本を指します廉価な紙に針金綴じの簡易な作りの本で、現在も尚、刊行され続けています#絵本 #あおいうま #ペールカストール #絵本ノート #絵本くらぶ
2024.07.08
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月のしかえし文: ジョーン・エイキン絵: アラン・リー訳: 猪熊葉子徳間書店セッピーは、馬車作りをしているお父さんの7番目の息子おじいさんは、国一番のバイオリン弾きでしたセッピーはおじいさんのようなバイオリン弾きになりたかったのですが、お父さんは、"それでは食っていけない"と言いますある日、セッピーは悪魔が住んでいると噂のある空き家に行き(セッピーは天使かもしれないじゃないか、と言っています)、バイオリン弾きになるにはどうしたらよいか、と尋ねましたすると、"七晩続けて月に靴の片方を投げろ"という返事が返ってきたのですセッピーは満月の近いある晩、海岸へ行き、月に向かって靴の片方を投げました7日目の晩、最後の靴の片方を投げた後、月は心底怒っているようでした怒った月はセッピーの部屋にやってきて⚫︎願いは叶えてやる⚫︎今後7年間、セッピーは裸足で過ごせ⚫︎投げた靴を元に戻さない限り、妹は口を聞くことができない⚫︎セッピーと家族に大きな災難が降りかかると告げたのですそれから何年もの月日が流れましたが、月が予言した通り、セッピーは靴を履くことができませんでしたし、生まれた妹が口を聞くことはありませんでしたセッピーはずっと隠れてバイオリンの練習をしていましたでも聞いているのは、妹と動物たちだけですある時、セッピーと妹は海岸で難波船の積荷と巨大な靴を見つけます靴を見たセッピーは不安になり、それを振り払うためにバイオリンを弾きましたすると、王様の幽霊が目の前に現れ、バイオリンを聴いていたのですずいぶんとバイオリンの演奏を気に入ったようでした王様が巨大な靴を指差すと、崖が崩れ、セッピーが引きずっていた積荷の箱が開き、中にはなんと美しいバイオリンが入っていたのです不思議なことに、セッピーがこのバイオリンを弾くと、家族に降りかかる災難を防ぐことができるのでした7年が経った頃、港に怪物が現れました村の人たちは恐れ慄き、もう駄目だ、と思いましたその時に、口の聞けなかったはずの妹が叫んだのです「お兄ちゃん、バイオリンを弾いて」とセッピーがバイオリンを弾くと、怪物は唸るのをやめて、踊り出しましたでも、セッピーが演奏を一瞬でも止めると、怪物は唸ります結局、一晩中、弾き続けました朝になると怪物はどんどん縮んで、どこかへ姿を消しました履いていた7足の片方だけの靴を残してこの事件以降、月の怒りがおさまったのか、妹は声が出せるようになりましたし、セッピーは人前で演奏する機会が持てるようになりましたなんとも不思議な話です"どうしてこんなに7にこだわるの"とか"お願いをするのに、なぜ靴を投げるようなことをするの"とか"空家で教えてくれたのは誰なの"とか"結局願いをきいてくれる方法を教えてくれたんだから善の存在だったの、それとも数々の禍いをもたらすことになったのだから悪の存在だったの"とか謎がいっぱいなのですただ、後書きに"西洋の伝承を組み合わせたもの"とあるのを見て納得ですなるほど、だから唐突にも思える王様の幽霊やドラゴンのような怪物が出てくるのですねそのせいなのか、遥か昔に書かれた内容に思えるのですでも実は初版でも1995年、比較的新しいのですね私だけかも知れませんが、「不思議の国のアリス」を読んだ時のような不条理感や、"なんかヘン"なんだけど惹かれてしまう、そんな感覚を覚えました絵が魅力的です美しくもあり、ダイナミックで力強くもあり、幻想的でもあり、怖さもあり、の絵です#月のしかえし #絵本 #絵本ノート #絵本くらぶ #絵本紹介ラジオ #afternoonteatime
2024.07.07
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