途絶えていた縁がブーメランに乗って戻ってきた！

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2009/08/11

テーマ：自分らしい生き方・お仕事(41186)

カテゴリ：ものづくり！人づくり！

誰かが言っていた。

『最高のお客さんは上司であり社長である』

顔色を見るということではなく、上司が喜ぶようなことをやれば、お客さんは当然それ以上に喜ばれることだろう。

若きサラリーマン時代、もし私がこの言葉を知っていれば、違った人生を歩んでいたかもしれない。

横浜から地元に帰ったきた私は、ある会社の営業所に転がり込んだ。

その営業所には、超がつくほどワンマンな上司がいた。

最初はともかく、しばらくすると理不尽とも思える叱責に耐えられなくなり、私は猛然と食って掛かることが多くなった。

正に怖いもの知らずで、営業所の中でそんなバカなことをするのは私一人だった（笑）。

しかし、よくよく考えれば、二人の性格はよく似ていた。

上司も言葉に出さないまでも、私を認めてくれていたようだ。

私が会社を辞めた時、あるメーカーの人が上司にこんなことを聞いたらしい。

「彼がもし失敗して戻りたいと言ったら、どうしますか」

この問いに対し、予想とは逆の返事があったとか。

「彼だったら、許してやるよ」

それでも、二人は自然と疎遠になり、最後に会ったのはもう１０数年前。

私がいた会社は、営業所では分からないところで、本社が問題を起こし倒産。

直ぐに上司が社長となり会社を興したが、如何せん倒産で全て持っていかれた後だったので台所は厳しく、数年後に他社へ譲渡したとか。

その後、再度興された会社も台所は厳しく、今度は他社へ売却されている。

かつての上司の凄いところは、会社は継続出来なかったのは確かだが、人に迷惑は掛けていないし、事業が売却出来たこと。

手元にも借金は残っていないという。

上司と部下の関係の時代、あれだけ遣り合っていた二人なので、気になっていても電話をたまにするくらいで、なかなか会うことはなかった。

別に未だに確執があるわけではない。

なんとなく時間が経ち過ぎて、顔を見て何を話して良いのやら（笑）。

それが、今日の昼休み昼食を食べた後、ゆったりと椅子に腰掛けている時だった。

突然玄関の扉が開き、誰かが笑いながら入ってきた。

私も顔を見たら何故か笑いが込み上げてきた。

二人とも、なんとなく恥ずかしく照れ笑いだったんですね（笑）。

応接室で向かい合った二人は、かつての確執などどこにもなく、ただ近況を互いに話すだけだった。

人伝に聞いていたが、あるメーカーの営業所の所長の名刺をいただいた時は、感慨深いものがあった。

我が社とは代理店を通してではあるが、これから取引をさせていただけるようだ。

「○○さんの人徳ですね。失礼ですがその年で雇ってくれるなんて、メーカーの○○社長との縁は切れてなかったんですね。大したもんですよ」

「いやいや、鍛冶屋さんのほうが・・・・」

「えっ、さんとつけんでください。鍛冶屋くんでも鍛冶屋でも好きなように言ってください」

「いや～、今は社長やからね」

「なにを言ってるんですか・・・」とたわい無いことを言い合いながら、お互いまた笑うしかなかった。

ただ、私は一言だけ言わしていただいた。

「○○さんは、本当に運が強いですね。凄い運ですよ。・・・悪運か幸運かは分かりませんが」

かつての上司は、よほど可笑しかったのか、大笑いだった。

若い頃の私が『最高のお客さんは上司であり社長である』ことを知っていれば、目の前にいる方を盛り立てて、全く違った人生になっていたかもしれない。

独立するにしても、違った形になっていたかもしれない。

しかし、『もし』なんて言っても、何の意味もない。

私もかつての上司も後悔はないはずだ。

私は、反省することは多いが（笑）。

今の私から見ても信じられないくらい傲慢で生意気だった私を、よくぞ使っていただいたものだと思う。

途絶えていた縁がブーメランに乗って戻ってきたような気分だ。

私を忘れずにいてくださった、かつての上司に感謝するしかない。

それではまた。

「頭は薄くなったけど変わってないな。それに苦労していると思ったけど顔色がほんと良いね」

こんなことを言われた。

他の人からも「他は皆大変なのに、あなただけ苦労してないような顔色してるよ」なんてことを言われた。

う～～～ん、本気なのか御世辞なのかさっぱり分からん。

だいだい、顔色が良いなんて言われて嬉しいとは言えないな？？？

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