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2022年03月07日
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テーマ: 楽しい俳句(373)
カテゴリ: 句会

23 回鴎座通信句会 選句結果のお知らせ



23 回鴎座通信句会は 39 195 でした。選句と講評は作者名を伏せて鴎座代表、編集長・副編集長・顧問などに依頼しました。また投句された方の互選(任意・5句選)も行いました。句番号はランダムに変換されたものです。結果は「鴎座」に発表するとともにFACEBOOKなどにも発表します。毎月開催(締切 26 日)。        鴎座俳句会 代表 松田ひろむ

〈第 23 回鴎座通信句会結果〉 作者名は特選のみ追加記入しました。他は一覧をご覧ください。

石口  榮(編集長)選
12 鉄球の山荘朽ちて蕗の薹
67 浅利にも入国待機夜の浜
98 桜貝一つこの手に実朝忌
118それぞれに見るとこ違ふ日向ぼこ
154葱坊主ぼくの散髪いつもママ
179口紅も買ったままです雛祭
特選191立春やワクチン接種何度まで/古川和美
(選評)特選にいただいた191「立春や」の句。オミクロン株感染者が増えるなか今三回目のワクチン接種が始まった。ワクチンの免疫効果も半年を過ぎるとかなり減ると言われる。収束の見通しが付かない現状を憂いているのだろうか。立春とは名のみで新型コロナウイルスから解放される春はまだ先のようである。今後はインフルエンザ同様、新型コロナウイルスとの共生の時代が続く。一日も早くマスクから解放されたい願いでもある。
12「鉄球の」の句。連合赤軍の残党が人質を取って籠った浅間山荘事件。あれから五十年、蕗の薹が語り継いでいるようだ。風化させてはならない一句。

98「桜貝」の句。鶴岡八幡宮で甥の公暁に暗殺された源実朝と「桜貝の歌」の「うるわしき、さくら貝ひとつ」の取合せに惹かれた。
118「それぞれに」の句。それぞれが違うことを思い、違う方向を見ている日向ぼこ。言い得て妙である。
154「葱坊主」の句。可愛らしい表現に惹かれた。私もそうであったがタイムスリップした感じである。
179「口紅も」の句。感染予防のため今、マスク着用は欠かせない。そのため口紅はつけないのかも知れない。「口紅も」と言っているので他に洋服なども買ったものの着る機会がないのであろうか。雛人形の女雛と自身を重ねて一句となった。

小髙沙羅(副編集長)選
132022年2月22日梅ほつほつ
24啓蟄やまた散らかしている夫の部屋
53草団子無理難題を丸め込む
特選59剪定の枝ごつごつと兜太文字/石口榮
144春の昼休憩室の求人誌
148加湿器のときどき螺子の遊び癖
193じゃがいもの花よ自由よウクライナ

13「2022年」の句。2並びのこんな句もあっていい。「梅ぼつぼつ」がいかにも2月22日である。
24「啓蟄や」の句。啓蟄の季語から、片付けるよりも、外に出てゆく姿だろうか。わが家の夫も同じ。共感。
53「草団子」の句。「無理難題」は誇張だが鬱々とした気持ちだろう。それを草団子に丸めこめば、何とか気が晴れるというもの。
144「春の昼」の句。この求人誌は無料のいわゆるフリーペーパーだろう。職場の休憩室に求人誌があるのは、その職場に問題があるのだろうか。季語の「春の昼」はもう一工夫か。
148「加湿器の」句。新型コロナウイルス感染症で加湿器も大活躍。螺子も緩むというものだろう。


小平 湖(Ⅰ欄同人)選
1干し物をとんとん畳み久女の忌
40花ミモザこの路地美男美女ばかり
59剪定の枝ごつごつと兜太文字/石口榮
92リモコンの戦争があり春西風
106雛飾る今季をもって解散ね
144春の昼休憩室の求人誌 
145まだ生きるつもり入江の柳の芽
(選評)特選にいただいた59「剪定の」の句。剪定の枝から兜太先生の文字や先生に思いをはせる作者。確かに先生の宇はごつごつしていて、それでいて暖かい感じがした。あれからもう四年が過ぎ感慨深いものがある。
1「干し物」の句。とんとんのリズム感でその生活が見えてくる。もしや久女にもこんな反面があったかもと想像が膨らむ。
40「花ミモザ]の句。嘘でしょう?なんて思ったけど、こんな路地があったらいいね。
92「リモコンの句」今ロシアのウクライナへの侵攻をテレビ報道で見た。逃げ惑う市民や子供達の悲惨な姿に胸が締め付けられ思いだ。戦争も遠隔操作つまりリモコンの時代である。逆にボタン一つで平和と願うばかり。
106「雛飾る」の句。もうお雛様を飾るのはこれを最後にしょう。段飾りは出すのも片付けるのもこの頃は骨が折れる。お陰様で子供達も孫もみんな元気に育ってくれた。「解散ね」に説得力がある。       
144「春の昼」の句。偶然見た求人誌が妙に気になる。区切りつけて新しいことに挑戦するには春の今がいいチャンスだ。
145「まだ生きる」の句。生きるなら柳のように強くしなやかに。ますます生きる勇気が湧いてくる芽柳の力強さ。

白石みずき(Ⅰ欄同人)選
11貧乏でいいうぐいすさえ鳴けば
29道の駅誘う楤の芽蕗の薹
特選42一幕で終わる一生紫木蓮/吉村きら
53草団子無理難題を丸め込む
111母からの大き擂鉢ほうれん草
118それぞれに見るとこ違ふ日向ぼこ
150人前でひいたと言えぬ春の風邪
(選評)特選にいただいた42「一幕で」の句。一幕とは短いこと喩。作者は人生は舞台の一幕のように短いという。季語の紫木蓮がちょっと気になるが、これは凛とした女性の姿と思える。
11「貧乏で」の句。世捨て人みたいな心境が心地よい。鶯を聞く心のゆとり。しかし俗に「鶯鳴かせたこともある」という言葉もあるので、このウグイスは異性の喩かも。
29「道の駅」の句。道の駅にはそこでしかないものが必ず売っている。我家も時々出かけ、珍しい野菜や旬の楤の芽、蕗の薹などはもちろん。新鮮でやはり買ってしまうのだ。
53「草団子」の句。無理難題を丸め込む、言い得て妙、俳諧味たっぷりの句。
111「母からの」の句。私も母から受け継いだものは沢山ある。擂鉢は一生もの。「大き」が思い。お母さんがよく作ってくれたほうれん草の胡麻和えを作者も作って懐かしんでいるのだ。
118「それぞれに」の句。同じ所で日向ぼこをしていてもそれぞれ見ているもの、考えていることは別なのだ。お互いに自分の世界に浸っている。納得のいく句。
150「人前で」の句。風邪だと気楽に言えない今の世を詠んでいる句。とてもよくわかる。 


宮 沢子(顧問)選
2病妻のひとこと桜もう咲いた
10カレンダー一枚減って黄水仙
59剪定の枝ごつごつと兜太文字
79主人より威風堂々うかれ猫
151北窓開く明日からもう私服です
163春ショールこれから私出かけます
特選 168チューリップ名札の主は感染者/高橋透水
(選評)特選に頂いた168「チューリップ」の句。オミクロン株になってから子供の感染が増え、小児科の医師も大忙しと聞く。初めてチューリップを育てていた子が感染症にかかってしまい、お花のお世話がでず、お花は萎れている。こんな情景に胸を痛めた作者から生まれた句で味わい深い。季語が傑出した作品となった
2「病妻の」句は春を待つ病人の気持ち「桜もう咲いた」という問に、作者の優しい返事まで聞こえる。一層味わい深い作品となった。二人の安らかな心境が思われる作品である。
10「カレンダー」の句は「一枚減って」だが同じ一枚でも、秋の寂しさと違い、春は水の温みや咲きだす花の明るさを待つ一枚で作者の気持ちが黄水仙に生き生きと表れている明るい作品で素晴らしい。
59「剪定の」句は「ごつごつの枝」それだけで想像が広がる。取り合わせの兜太文字がまたいろいろなことを思い出させてくれる素晴らしい作品である。
79「主人より」の句、散歩をしているとよく出会うのがペットの散歩。いかにも楽しそうだがペットのお供で散歩をしているのである。万物の生命をいとおしむ情景が見えてくる。孫よりペットの現代なのかもしれない。
151「北窓開く」の句は春を表し「明日から私服」でたびだちをイメージする。この取り合わせが心に沁みる作品となった。
163「春ショール」の句、不要不急が頭から離れない今、「私出かけます」と言い切っているところがすがすがしい。春ショールが背中を押してくれる気がする作品である。

松田ひろむ(代表)選
10カレンダー一枚減って黄水仙
27皓歯より白梅の名が告げらるる
64お日和のクリームチーズ桃の花さ
準特選66憲法が光源しゃぼん玉とばす/木野俊子
87雪降って根っこあたりがさわがしい
94帝国の危うい派兵流氷期
104善人の満員となる花電車
119枯茨職業欄の婆にマル
特選151北窓開く明日からもう私服です/増田萌子
155薄氷の中の青空割れる音
157缶切りの忘れられたる多喜二の忌/ 石黒宏志
(選評)特選にいただいた151「北窓開く」の句は、卒業などとは書かれていないものの、新しい門出の句。つまりは制服に対する私服である。改めて季語の「北窓開く」が清々しく感じられた。
準特選の66「憲法が」の句。しゃぼん玉に対して「憲法が光源」は言い得て妙。しゃぼん玉が表す子供への贈り物、それが憲法だ。
同じく準特選の157「缶切りの」の句。缶切不要の缶詰(プルトップ缶)と「蟹工船」の小林多喜二との対比。時代は変わっても新しい貧困がある現代。問題提起の句である。
10「カレンダー」の句。あっというまに二月。しかしそれを直接言わないで焦点は黄水仙。この一年に立ち向う清(すが)しい句。
27「皓歯より」の句。皓歯と白梅と白を重ねて、その背景の青空が見えてくるようだ。
64「お日和の」の句。晴天を「お日和」というのも親しみやすい表現。「クリームチーズ桃の花」は、いかにも春である。
87「雪降って」の句。雪が降ることは雪国でない人にはうれしい。木々にもじっくりと水分を得られる。「根っこあたりがさわがしい」は木々の喜びの声だろうか。
94「帝国の」の句。この句はロシアのウクライナ侵攻ではないかも知れないが帝国主義への警鐘。季語が「流氷」であるのでロシアのウクライナ侵攻を予言した句となった。
104「善人の」の句。花電車とは都電などを飾りたてたもの。普通は、花電車には客は乗せないのだが句は「善人で‐満員」という。一種の諧謔であろう。
119「枯茨」の句。同じく諧謔。なんといっても「婆にマル」がおかしい。ただ俳人はいつまでも創作。つまり老けてはいられない。
155「薄氷の」水中・水面に青空という句は多いが、これは薄氷で独自の句となった。

(互選高点句)○数字は点数  3点以上
一位53 草団子無理難題を丸め込む ⑥ 吉村きら
二位2 病妻のひとこと桜もう咲いた ⑤ 松田ひろむ
二位10 カレンダー一枚減って黄水仙 ⑤ 古川和美
二位193じゃがいもの花よ自由よウクライナ ⑤ 松田ひろむ
五位38 梅の香に方向音痴どこまでも④石口榮
五位42 一幕で終る一生紫木蓮   ④吉村きら
五位59 剪定の枝ごつごつと兜太文字④石口榮
五位144春の昼休憩室の求人誌④ 川崎果連
五位152八十は異界の入口春の雪④白石みずき
五位153思いっきりハグしてあげる雪だるま④小髙沙羅
五位155薄氷の中の青空割れる音④磯部薫子
五位166アイロンに余熱地球に蜃気楼④吉村きら
十三位24啓蟄やまた散らかしている夫の部屋③岩渕純子
十三位40花ミモザこの路地美男美女ばかり③荒井類
十三位66憲法が光源しゃぼん玉とばす③木野俊子
十三位77佐保姫を迎えるしたく庭箒③石口りんご
十三位157缶切りの忘れられたる多喜二の忌③石黒宏志
十三位174介護度五愛の深まる雪柳③ 翠雲母

(第23回全句データ)掲載番号・作品・点数・作者の順
1干し物をとんとん畳み久女の忌 1   古川塔子
2病妻のひとこと桜もう咲いた 5  松田ひろむ
3浮かれ猫浅き眠りの友として 1  望月のぞみ
4枝ぶりの先に春待つ桜かな 0 斎藤 藍
5春光にコロナ禍ならば投げキッス 0 磯部薫子
6ところごころ歪みがあって蕗の薹 0 増田萌子
7初桜欄干の竜首立てて     0 荻野樹美
8愛のチョコ洋酒入りとはなおさらに 2 金丸菜斗
9父母鳥に春光眸溢れさせ     0   後藤よしみ
10カレンダー一枚減って黄水仙 5 古川和美
11貧乏でいいうぐいすさえ鳴けば 2 木野俊子
12鉄球の山荘朽ちて蕗の薹     2 川崎果連
132022年2月22日梅ほつほつ 2  安原南海子
14土踏まぬ浅き春へと春キャベツ 0  信岡さすけ
15父の忌のなんだか蓬餅の艶 0 小平 湖
16いいじゃない休みは休み建国祭 0 石黒宏志
17校庭の桜のつぼみ声かけられ   0   福島芳子
18鍵盤の模様の帽子春隣     1 荻野樹美
19須黒の道一本を鳥の声     0 荻野樹美
20麦踏の季語は悲しき人要らぬ 0 石黒宏志
21あと千歩橋のたもとの猫柳 1 金丸菜斗
22これ以上増やせないのに植木市 2  石口りんご
23雪女の一系愛情物語     0 古川塔子
24啓蟄やまた散らかしている夫の部屋3   岩渕純子
25雪晒デイサービスのバス街へ 0 安藤利亮
26春菊の白和え老楽の色香     1 金丸菜斗
27皓歯より白梅の名が告げらるる 1  後藤よしみ
28あしぬけに戦車突っ込む葱坊主畑 0  信岡さすけ
29道の駅誘う楤の芽蕗の薹     1  安原南海子
30飛鳥寺の時計が刻む水の春 1  行成佳代子
31父の忌日母の忌日もスイートピー 0 小髙沙羅
32独房の中野刑務所多喜二の忌 0 翠 雲母
33万歳の上手くできた木より芽吹く 1 小平 湖
34行く雲の春のスカーフくれた人 0  はまつばさ
35春立つ日日差しと影乗せ山手線 0 郡楽清子
36ラッパーの「いいね」マスクの茗花柄 0田辺花
37スカイツリー雲隠れおり春の雪 0 郡楽清子
38梅の香に方向音痴どこまでも 4 石口 榮
39路地裏の月下にほのか白梅かな 0 郡楽清子
40花ミモザこの路地美男美女ばかり3    荒井 類
41渡良瀬の男の匂い野火猛る 0 宮 沢子
42一幕で終る一生紫木蓮     4 吉村きら
43悴める手をつつまれしころのこと 0 白石みず
44逃水を追いかけてみるあゝ疲れた 0 磯部薫子
45キャンパスカメラに雪掻きの道空青し0 行成佳代子
46後悔先に立たずだが斑雪     0 磯部薫子
47風光る郵便バイク寄りもせず 2 小平 湖
48八十は与(くみ)し易しと春鴉 1  信岡さすけ
49人なみにおごれや春の月丸(まろ)し0   荒井 類
50先生の家の辺りへ恵方巻     0 小髙沙羅
51三月や十一日の名前たち     1 荒井 類
52スキンケア二月の乾燥注意報 0 古川塔子
53草団子無理難題を丸め込む 6 吉村きら
54ゴッホの黄花菜の黄色削げ落す 0 増田萌子
55受験子の耳に尖りてオミクロン 0  行成佳代子
56春塵やコロナを運ぶ武器商人 1 高橋透水
57春の宵満月ですよとワイン抜く 0 岩渕純子
58白梅や男の意地を哀れとも 1 国井 梢
59剪定の枝ごつごつと兜太文字 4 石口 榮
60立春の空拓けゆき深呼吸 0 中村ふみ
61花あかりこっそり揺れて沈丁花 0 福島芳子
62やさしさにどっぷり浸かり粥柱 1 古川塔子
63タブレットの母抱きしめる余寒かな2宮 沢子
64お日和のクリームチーズ桃の花 1はまつばさ
65鉛筆の木の香あふれるランドセル 1 岡崎久子
66憲法が光源しゃぼん玉とばす 3木野俊子
67浅蜊にも入国待機夜の浜 2 行成佳代子
68猫の恋産業廃棄物の島 1 木野俊子
69顔を上げ肺いっぱいに春の風 0百目鬼英明
70さてあれは踏絵だったと令和かな 1信岡さすけ
71ゴム段のスカートはさみ春を跳ぶ 1白石みずき
72春雷に言葉はじけてオルゴール 0 吉村きら
73春光の濤より兵が殺到す 0 後藤よしみ
74雪解川水彩画紙に黒筆で 1 安藤利亮
75いぬふぐり傾(なだ)り自在にひとりじめ0安原南海子
76暖房の微音引きずる骨密度 0 岡崎久子
77佐保姫を迎えるしたく庭箒 3石口りんご
78丁寧に眼鏡を洗い春惜しむ 1 石口 榮
79主人より威風堂々うかれ猫 1百目鬼英明
80神あらば戦鎮めよ涅槃西風 0 国井 梢
81野に道に瞬く星や犬ふぐり 0百目鬼英明
82拒むものなんにもなくて下萌ゆる 1安原南海子
83雨の三月背に乗っている市民税 0 木野俊子
84春眠の覚め際ほろ苦き疑問 0 古川塔子
85紅志野で飲みきる抹茶春立つ日 2石口りんご
86侘助が椀に咲かせる花菜和え 0はまつばさ
87雪降って根っこあたりがさわがしい2古川和美
88洗濯の乾ききれずに春の雷 0 田辺花
89不要不急外出自粛夢見月 0 石口 榮
90服と靴バックも軽め鳥曇 0 石口りんご
91外出着少し派手目に菜の花忌 0 翠 雲母
92リモコンの戦争があり春西風 2松田ひろむ
93六十年も続く文通沈丁花 0 小髙沙羅
94帝国の危うい派兵流氷期 3 翠 雲母
95かくれんぼ一人が怖い大春野 1 高橋透水
96冴返るシルクロードの国想う 2 荻野樹美
97なにもかも気に染まぬ日や鳥曇り 0 岩渕純子
98桜貝一つこの手に実朝忌 1 国井 梢
99小兵なれど力を溜めて黄水仙 0 郡楽清子
100凛として生き抜くかくご実海棠 0望月のぞみ
101手渡してもうらう手紙の梅つぼみ 0 福島芳子
102銚子電鉄菜の花を鬣(たてがみ)に1小平 湖
103泣く象を指差す親子涅槃絵図 0 安藤利亮
104善人の満員となる花電車 1 田辺花
105外堀を染める桜や中央線   0 近田吉幸
106雛飾る今季をもって解散ね 2 高矢実來
107ぶらんこを漕ぎオミクロン無き世界0高橋透水
108冴え返る二級河川の七曲り 0安原南海子
109炒め煮て二月ボルシチ血の色に 1松田ひろむ
110白梅や護摩火を揺する大太鼓 0 安藤利亮
111母からの大き擂鉢ほうれん草 1石口りんご
112駄菓子屋の汚れっちまった春の雪 0 宮 沢子
113逃水や子は親の年追い越せず 0 石口 榮
114春暖かく花粉症に要注意 0 斎藤 藍
115ネット上で実家売られる涅槃西風 0 磯部薫子
116春水やすっかり洗練されてきて 0 国井 梢
117春疾風チェルノブイリに戦車なぜ 2松田ひろむ
118それぞれに見るとこ違ふ日向ぼこ 2 中村ふみ
119枯茨職業欄の婆にマル 1 望月のぞみ
120勝って泣き負けても泣いて牡丹雪 1 小髙沙羅
121芽吹きまで小鳥の舞台雑木林 0 高良和子
122vAppつながるまでの春炬燵 0百目鬼英明
123天気図に二つ膨らむ春キャベツ 2 宮 沢子
124初恋は幻想になり海市かな 0望月のぞみ
125転がりし錠剤に這ふ春の雷 0 高良和子
126プラタナス風を形に春隣 0 荻野樹美
127春めくや小魚の群れ回りくる 0 近田吉幸
128埋み火を継ぎてリンクの親子鷹 0行成佳代子
129夕星や富士山荘の雪解音 0 近田吉幸
130妹が初孫抱く春の空 0 国井 梢
131口紅のUber Eats風光る 0 安藤利亮
132春愁やぎしぎし鳴るも膝の骨 1 中村ふみ
133寒明けるまずは五センチ窓を開け 0 古川和美
134春眠や寝巻き起き巻き近トイレ 0信岡さすけ
135斑雪マトリョーシカの出土せり 0 川崎果連
136世の中の余寒明烏の盛ん 0はまつばさ
137応援は目刺肴に画面超し 0 金丸菜斗
138しら梅がどんと咲いたよ外厠 0はまつばさ
139ほんのりと紅らむ桜樹液来て 0 高良和子
140早春の体育館のせわしなく 0 田辺花
141料峭の沈黙砲火より勁し 0後藤よしみ
142マルチーズころがる春影追いかけて0福島芳子
143沼ひとつ飛び越えて行くしゃぼん玉2増田萌子
144春の昼休憩室の求人誌 4 川崎果連
145まだ生きるつもり入江の柳の芽 2 増田萌子
146ピアソラの"忘却"ひたる「サクラ」不起訴 0翠雲母
147雛六十路お歳のせいと言わないで 0 高矢実來
148加湿器のときどき螺子の遊び癖 1 小平 湖
149無造作にさして整うジャヤスミン花0福島芳子
150人前でひいたと言えぬ春の風邪 1石黒宏志
151北窓開く明日からもう私服です 2 増田萌子
152八十は異界の入口春の雪 4白石みずき
153思いっきりハグしてあげる雪だるま4小髙沙羅
154葱坊主ぼくの散髪いつもママ 2白石みずき
155薄氷の中の青空割れる音 4 磯部薫子
156鍵外す音のやわらか凍ゆるむ 0 近田吉幸
157缶切りの忘れられたる多喜二の忌3石黒宏志
158蕗味噌のほろ苦きかな妣(はは)思ふ0荒井 類
159薄氷の先を越された跡ばかり 1 石黒宏志
160潜りこむ子宮回帰の冬布団 1 高良和子
161春愁やわが町なれど知らぬこと 0 斎藤 藍
162夫の手のゆるり振られて浅き春 0 高矢実來
163春ショールこれから私出かけます 2 中村ふみ
164縁側に赤子寝てゐるあたたかさ 0 荒井 類
165三・一一突然のがん告知 1 岡崎久子
166アイロンに余熱地球に蜃気楼 4 吉村きら
167春寒しホットレモンに和む夜 0 岩渕純子
168チューリップ名札の主は感染者 1 高橋透水
169また一人癌に敗れて春の星 0 百目鬼英明
170春風や忍びて来てはまた去りぬ 0 中村ふみ
171奥入瀬の水の勢い春隣 0 岡崎久子
172煎餅の音顔じゅうに冬ごもり 0白石みずき
173目には目を意地には意地を木瓜の花1吉村きら
174介護度五愛の深まる雪柳 3 翠 雲母
175留守宅へまだ鳴り続く初電話 0 古川和美
176臘梅や香り身を寄せマスク越し 0 郡楽清子
177鈍色の空佐保姫は体重過 1 田辺花
178雛人形お道具類の様々に 0 斎藤 藍
179口紅も買ったままです雛祭 1 宮 沢子
180どの道も隠すがごとく山笑う0 川崎果連
181落第すみちのくの旅果て知らず 0 近田吉幸
182野良犬が片足上げる遍路道 0 川崎果連
183退院の乾杯の夢春暁の 0 高矢実來
184菫草戦車浮かすに足らざりし 0後藤よしみ
185赤子はや初めの一歩水温む 0 岩渕純子
186春昼のウイルス語るホームレス 0 高橋透水
187二ん月の絹さや摘みたて湯がきたて0高矢実來
188春隣ランプの宿のランプの灯 0 岡崎久子
189チューリップ二つも咲いて今日佳き日1斎藤 藍
190御神渡り赤いポルシェの願い事 0望月のぞみ
191立春やワクチン接種何度まで 2 古川和美
192菜の花の真ん中に心霊写真 1 木野俊子
193じゃがいもの花よ自由よウクライナ5 松田ひろむ
194東京の雪は先駆け春近し 0 高良和子
195残り鴨いまさらユーターンだなんて0 金丸菜斗
(第24回鴎座通信句会)投句締切=3月26日。5句まで。参加費500円。その他要綱は従来通り。





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Last updated  2022年03月09日 07時03分20秒
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