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「デコトラの夜」全2巻 山田睦月・菅野 彰 新書館地元の信用金庫に勤めてはや3年。生きてるんだか死んでるんだか25歳の冬。一応妻子(子は予定)あり。集金に行ったスナックでヤクザの襲撃に巻き込まれ、見知らぬ男と逃避行。・・・人生は色々と言うけれど、こんな人生はちょっとヤダ。でもまあ。それでも生きていかないといけないメガネリーマン榊原祐一。死なないように生きていたそれが俺の二十五年間謎の男・タイヨー。そいつは「ダメ。ゼッタイ。」厚生労働省のキャンペーン支持者だった。チンピラから始まり、覚醒剤のルートを辿って。単身撲滅運動に勤しむ、トラック運送業。俗に言う、デコトラの運ちゃんである。1キロ1千万円以上の<小麦粉>をトイレに流す日々。だが何の因果か。ふたりは全国指名手配の身と出世してしまった。そして。北へ北へと取引現場に進んでいくことに。そんななか。マタニティー・ブルーに陥るゆうちゃんに、タイヨーは自分の経験を話す。「こっちがおたおたしてたってガキはどっからでも勝手に生まれてくるよ。大丈夫」タイヨーのトラックには自分のヨメとムスメのペイントがしてある。それは幸福の象徴であり、タイヨーの消すことのない罪の象徴でもあった。「教えただろ?カムパネルラとジョバンニは一緒には行けないんだ。絶対に」「…………会えないんだ。もう」っと。ここまでシリアスな展開ですが。基本的に菅野原作なので、笑いのなかにしんみり……といった感じです。本編その後の番外編はコメディ感が強いですね。ゆうちゃんの嫁がイイ性格していて、強くて格好良くて好きです。タイヨーの過去は。真夏のニュースでよくある話。他人からしてみれば、なんてバカな親なんだと罵ってしまえる。当たり前のことを、当たり前として受け取ることが出来ない、なんて信じられなくて。誰が悪い訳じゃない。だから。ゆうちゃん嫁の美晴の抱いた気持ちがとてもよく判る。胸の奥に広がっていく、静かな怒りだ。ゆうちゃんは初めての友達を得た。けれど、タイヨーの旅はまだ終わることが出来ずにいる。それでも、形は不格好ながらもみんなが幸せであればそれでいい。「幸せって逃げ出したくなるくらいおっかないんだ。きっと」
2006年07月23日
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「三千世界の鴉を殺し」 津守時生 新書館 (非売品・画像は文庫11巻)諏訪部順一、三木眞一郎、斎賀みつき、神奈延年相変わらずパー・ヘヴを読んじゃあ、大笑いしているルーシーに。毎度の如く頭痛に耐えるライラお母さん(またの名を猛獣の調教師)そこへやってきたマッドドクターズことサラディン・アラムートとカジャ・ニザリ。昼飯のお誘いにやって来たものの、今月号のパープル・ヘヴンの付録に話題に花が咲く。いいケツしてるじゃねえか、Baby?ルーシーのケツメイシ……じゃなかったケツメインの写真ですよ。盗撮ポートレートにムッキーズもそりゃもう、群がる訳ですよ。はい。「栄光ある銀河連邦宇宙軍士官が練兵場でヤンキー座りなどするな!!」「ほう。これは大変美しいラインの大臀筋ですね」その写真を譲って欲しいというアラムートに、突如。読書に夢中だったはずのルーシーが大慌てで拒否し始めた。「外科主任室に書いた魔法陣の中心に、これを貼り付けた骨格標本の頭蓋骨置いて、猿の脳味噌やらニシキヘビの抜け殻やら投げ込みながら妖しい呪文唱えそうじゃん」そこから論点は入手困難な珍味の話題へ……あー、確かにヘビはそんなに食べずらいモンでもなかったなあ……ふぁ~ぃ☆L(´▽`L )♪なんであんなモン喰ったんだろう私……○| ̄|_結局。ルーシーがライラを怒らせて。さて、それじゃあ昼飯喰いに行きますか、って感じで終わりです。時間にして8分48秒。なんつーか物足りなさが残りますねえ同じ新書館の全サCD「なんでも屋ナンデモアリ」(感想)は19分47秒ですよ!!この差は何なんでしょうかね……今までに一番ぼったくられ感がしてます。(読者負担は同じ金額)確かにさあ。応募用紙には「ドラマは約7分」って書いてあるけどさ……小説ウィングス50号記念にしては、ちょっとね……装丁に凝っている訳でもなく、ストーリーも微妙に中途半端。「なんでも屋」で結構楽しませてもらっていたので、今回も楽しみにしていたんですがね……これだったらいつものプチ文庫の方が楽しめたかも知れないとか考えちゃいました。好きシリーズだけに勿体ない……役者陣についてはもう、みなさん心配もしていませんよね?私的萌え台詞はベイビーのくだりでしょ!!!サイガーカッコイイ!!!いやーもう惚れ惚れしちぃますよ!!!同じ台詞をベーさんも言ってるんですけど、こちらはグデグデ具合が笑えます。ミキシンとランディ様のドツキ漫才コンビも健在ですので。声優ファンとしてなら及第点、原作ファンとしては残念としか言いようがですね(苦笑)
2006年07月12日
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「キスブルー」 木下けい子 大洋図書キスはしなかった できなかっただって、俺たち友達だし昨日も 今日も 明日も-------ずっと珍しく書店購入した作品でした。いつもはネット通販ばかりなんだけど、やっぱり書店買いが一番楽しい。↑の台詞はオビにあって、激しく私はわんあいずふぉーりんらぶ。たしかこれ5月ぐらいに買ったのよ。あれから何度も読み返しては続きを楽しみにしております。大学生の友坂と野田。二人は中学からの親友なんですがね、友坂はごく普通のマヨラー(マヨラーってなんだよ、おい)野田はハチクロでいう、真山みたいなメガネです。女の子を喰っちゃあ捨て……いや捨ててないんだった。同時進行なんだよ。女の子は資源です。大事にしなさいんで。友坂っちがですね、(作中ではこんなあだ名はありません)野田っちにですね、(くどいようだがこんなあだ名はありません)惚れちゃう訳ですよ。まあ、激しく内容はしょってますけどね。そんでもって。自分の気持ちに気づいてからの友坂っちが、やるせないほどいとおしいと感じてしまった。最初から諦めて。押しつぶそうと必死になって。それでも壊せない。親友を汚した。情けないと、自分を卑下し、恋情に溺れることを何よりも脅えて。そして壊れそうになったとき。バイト先のカフェの店長が言うんですよ。「男同士でセックスしたって 世界が崩壊するわけでもないのになにがそんなに怖いのかな?」店長はゲイなんですよ。友坂っちのギャルソンコートの尻を撫でまわす、素敵なセクハラッぷりです。おまけにこの店長。作中で一番エロいです。もう素敵オヤジ臭プンプン☆.。.:*(嬉´Д`嬉).。.:*☆この人のせいで、手首にするキスに激しく(* ´Д゜*)ハアハアしてますよ。そうよね。香水を付ける場所は、キスする場所だもんね……って。そんなことはどうでもよくて(いや、私的どうでもよくない!!!!!!)そんなこと言われてヤケになったのか、それとも自爆したくなったのか、友坂っち、野田っちに訊くのです。「お前 俺とセックスしてみたいと思うか?」友坂っちは、断罪してほしかったんだろうか?ふざけんなよ、と切り捨てられれば諦められると思ったのだろうか?しかし、答えは意外なもので。「どうしてもってんなら 友情の力で 一回くらい できそうよ?」なんか、ここまで書いていて気がついたんですけど、出てきた台詞、全部オビに抜粋してあるのよね。ってかオビに惹かれて買った作品なんだけど、ストーリーにとっても深く関わってくるのよ。しかも、妙に印象的。台詞使いの巧い作家さんだなあ、と思いました。この1冊で終わらない作品なので、どうなるんでしょうな……友坂っちがグルグルしまくってるんですけど、全然女々しいとは思わない。ってか頑張れ青春!!青春スーツ完全装着!!!@ハチクロみたいな?恋愛と友情の境界線って何処にあるんでしょう。とあるビアン作家さんが書いていらしたんですけどね。要約すると。バイセクシャルの恋人を持つと苦労する。彼女(もしくは彼)にとっての性別は決して安心材料にはならないからだ。男であろうと、女であろうと、それは皆、恋愛対象でしかないのだ。相手の行動を逐一拘束するように報告してもらわないと、とても安心なんか出来やしない。っていうことなんですけど。確かにわっかんないんだなあ、これが。何故か私には同性愛者の友人が結構、いるのですよ。プライベートなんで、あんまりしつこく話は訊きませんが、みんなよく言うのが。だって好きになっちゃったから。ああ。べつにセクシャリティなんて関係ないんだなあ……と改めて実感しましたの。友坂っちのやるせなさに、野田っちの戸惑いに、是非とも共感してほしいなあ。←オビを取ると、ふたりの手が触れあっているところに、萌えを1000点!!
2006年07月10日
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