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里山がどんどん大切になってくる。私は冬山をやらない。そのため、初春のシーズン初めは、その年の体力しだいで山を選ばなければならない。若いときは無頓着だったが、最近はどの程度の山から始めるかはとても大事である。
年々衰える体力としっかりと相談しなくてはならないのである。一年どころの話ではない。ちょっとした都合で、3ヶ月ほどのブランクがあると心配になる。
ここ数年のシーズン初めの山は、ほとんど300~500mクラスの里山である。体力の心配がなくて、気軽に出かけられる。多少の積雪なら冬も歩けるので、できるだけ歩ける里山を見つけておきたいと思っている。
仙台市の広報誌で、「地域の自然再発見! ~大沢を取り巻く山の風景~」という市民講座があるのを見つけて、さっそく申し込んだ。大沢市民センターでのオリエンテーションに参加すると、大沢地区近辺、3回の里山歩きの企画で、私の希望にぴったりなのである。
第1回目の権現森での講師は、「 権現森自然研究会 」のメンバー数人が担当する。権現森自然研究会は仙台市の「緑の活動団体」の一つで、権現森一帯の遊歩道整備や、自然観察の活動を行っていて、講師としてこれ以上はない人たちである。
9:30、権現森の北からの入口、活牛寺に20人ほどが集合した。準備体操をして出発である。道々の解説などの関係で2班に分かれて遊歩道に入る。
30年ほども前に2度ほど権現森に入ったことがあるのだが、その時はまったく反対の南の松尾神社参道口と葛岡線口から入った。当時は、まだ遊歩道の整備はされていなかったと思う。
遊歩道は、良く整備されていて足もとの不安はまったくない道だ。最初は杉の植林だが、まもなく雑木林になって気分は快適である。しばしば立ち止まって、木々の話、花々の話、丁寧な解説がある。花を見つけては立ち止まるので、疲れる暇がない。
Photo B
快適な雑木林の道。 (2012/9/7 10:13)
低い山の林の下の遊歩道なので見晴らしが良いわけではないが、1カ所だけ「パノラマ展望所」と名付けられた権現森頂上のすぐ下の場所からは、南西方向の眺望が開けている。
Photo C
展望所からのパノラマ。 (2012/9/7 10:37)
すぐ目の前に蕃山、その向こうに青麻山の双耳峰、さらに蔵王連峰の南端の山裾が見え、連なる不忘山の頂きは雲の中、シーズン初めによく登る戸神山の峰が緑の向こうに半分ほど姿を現している。
この展望所脇の分岐から権現森頂上へ向かう。傾斜はきついが、あっという間に頂上の四阿である。やけに屋根の低い四阿だと思っていたら、柱の根本が腐ったので、その分を切断して全体を下げたとのことだった。
Photo D
あの四阿が権現森頂上。 (2012/9/7 10:44)
314mの頂上は、残念ながら木々に囲まれていて、眺望はない。頂上には三角点の石標があり、方位磁石を乗せて石標と方位の関係についての解説があった。おおよその方向は合っている、ということらしい。
頂上では休憩もそこそこに松尾神社めざして出発である。ここからの道は、第1峰の権現森頂上と第2峰の松尾神社の間の尾根道ということになる。途中、「おじゃま石」と命名された直径1mほどの石が遊歩道の半分を占めていたり、雑木林が赤松林に変わったりする道である。
Photo E
「カタクリの園」近くの十字路分岐でひと休み。 (2012/9/7 11:34)
春先には全山至るところにカタクリの花が咲くが、松尾神社の峰の北側の鞍部付近のカタクリの群生はとりわけ見事だということで、一帯は「カタクリの園」と呼ばれている。
ここはまた遊歩道の分岐で、十字路になっている。東から来て左折して松尾神社に向かう道は、松尾神社脇の電波塔の工事のためにブルが均して通った道になっている。
この十字路でひと休みして、ブルで均された急斜面を登る。遊歩道の中でどこが一番きついかといえば、たぶんこの坂だろうが、あっという間に終わる。つまり、どこも快適な遊歩道で、きつい場所はないというのが正しい。
Photo F
アカマツ三兄弟を左へ。 (2012/9/7 11:44)
三叉路を左折する場所に「アカマツ三兄弟」と命名された三本の松の木があった。その脇を通る最後の坂を登りきると松尾神社である。
Photo G
松尾神社に到着。 (2012/9/7 11:48)
松尾神社からは、北の泉ヶ岳方向の眺望がわずかに開けているだけである。この頂上には立派なブナの木があった。道の途中では、大きなミズナラの木を見てきた。ミズナラ、ブナがあって、それにカツラの木が加わったら、これはもう深山のおもむきではないか。
神社で昼食休憩である。今朝四時半頃に起き出して作った弁当を食べる。遊びのきつい私は、とてもじゃないが、妻に弁当作りを頼めなくなっている。山歩き、川遊びの時の手製の定番弁当である。
昼食後、松尾神社がお酒の神様で、酒飲みに関するもろもろの願いを聞き届けてくれる(かもしれない)という話があって、全員で拝礼して、その後、神社の前で記念の集合写真を撮る。
そのまま戻るグループと、少し回り道をして帰るグループとに分かれて、松尾神社を出発する(12:30)。回り道は、いったん下って上り返すので、希望者だけということだったが、半分以上の人が参加した。その回り道は、カタクリの園付近の十字路に戻る(13:03)。そこで、分かれたグループとふたたび合流して帰途につく。
左:ヤマジノホトトギス。中:ジョロウグモ、右:オヤマボクチ。
帰り足も、草花や木々の解説を受けながらの遊歩道歩きである。ヤマジノホトトギスは至るところに咲いていた。オヤマボクチは、写真のものを含めて2カ所で見られた(私が見つけたかぎり)。パノラマ展望所の看板には立派なジョロウグモが張りついていた。産卵前らしくよく肥えた立派なクモだった。
ちょうど14:00くらいに、活牛寺遊歩道入口に帰り着いた。14:10解散。じつに快適な歩きだった。じつは、この後夕方から脱原発デモを歩く予定があり、疲れはしないか心配していたのだが、まったく問題はなかった。
さて、次回は10月5日、樺沢山の自然観察である。
Map 権現森。 A
~ G
は写真撮影ポイント。地図のベースは、
「プロアトラスSV4」、 歩行軌跡は、「GARMIN GPSMAP60CSx」
によるGPSトラックデータによる。
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