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蛇ヶ岳分岐から3分、10:05、蛇ヶ岳山頂である。この山頂は狭く、展望もさほどではない(三峰山方向は見える)ので、水を補給しただけで通過である。
Photo J
蛇が岳山頂。 (2012/10/8 10:05)
蛇ヶ岳を少し過ぎた付近から見ると船形山に東から雲がかかり始めている。厚い雲ではないので、心配はないだろう。
Photo K
蛇が岳からの船形山。山頂は雲の中。 (2012/10/8 10:09)
蛇ヶ岳山頂から升沢コース分岐までは笹で道が隠れてしまっている道が続く。今日は晴れているからよいが、雨が降っていたり、露が落ちている時には辛い道だ。
若いころ、泉ヶ岳-北泉ヶ岳-三峰山-升沢小屋泊-船形山-蛇ヶ岳-後白髪山-(後白髪コース)-定義と歩いたことがあったが、升沢小屋から定義まではずっと小雨だった。帰りを急ぐため、飯盒の飯を食べながらこの笹藪道を歩いたことがある。そのうえ、後白髪山に着いたら山頂一帯がぶすぶす煙っていた。雷か何かで火が出たのだろうが、雨が幸いしてくすぶっているだけだった。煙の多いあたりを足で踏みつぶしたものの、這い松が深い所はどうにもならないのでそのまま下りてきて、家に帰り着いてから県庁に連絡した記憶がある。
Photo L
笹の海に潜行するガイド犬。 (2012/10/8 10:11)
上の写真、リードの先、4mほど前の笹藪の下をイオが先導して歩いているのだ。まるで笹の海に潜行して進んで行く潜水艦なのである。リードに繋がった私はひたすらその後を付いていけば、間違いなく早足でも道を辿ることができて、大いに助かったのだ。
突然イオが魚のように空中に飛びだし、ふたたびさっと潜っていった。直径40cmほどの倒木が道に直角に倒れていたのである。リードの動きにさえ注意していれば、段差があることもよく分かって、歩きやすいことこのうえない。
ただし、向こうから来る登山者にはイオはまったく見えないので、驚かせないように早めに待避する必要があることだけは気を遣わざるをえない。
登山者に遇うと、「たいへんな道ですね」というのが挨拶代わりになるような道なのだった。
蛇ヶ岳頂上からほぼ1時間、必死に薮道を歩いて1428m峰近くの升沢コース分岐に着く。ここからも少しは薮道もあるが、歩きやすい道になる。ここから少しの上りを頑張れば、頂上台地の南端、いわば船の舳先に上がる。
ここの登り道で二人連れの青年に出会った。二人は口々に「おっ、ここまで登ってきたんだ」などとイオに話しかけながらすれ違ったのだが、5,6m下ったあたりで一人が滑って転んでしまった。イオはすかさず走って行って上から覗きこんでいる。二人は「いやぁ、覗かれてるよ」と笑いながら下っていった。どういう風の吹き回しか、今日のイオは少し人慣れしている感じである。
Photo M
船の舳先から艫(山頂)を望む。 (2012/10/8 11:34)
頂上台地に上がると急に植生は低くなる。尾根の真ん中を通る道と西の崖の際を通り道があって、少し危険だが際道を通っていく。中道を通っていた登山者がイオを見つけてわざわざ戻ってきて写真を撮っていった。
頂上近くでは上から下りてくる人に話しかけられ、なかなか前に進めない。イオがいるといつもこうなる。イヌ好きの人だったりすると、しばらくはイヌ談義になる。
Photo N
船形山頂での記念写真。 (2012/10/8 11:46)
頂上標の前での記念写真、お得意のポーズである。どういう心の変化かは分からないが、最近は以前のようにカメラを正面から見ないようになった。もしかすると、「めんどうくさい」とか思っているのかもしれない。11才になる経験豊かな「おばちゃん犬」らしいということか。
急いで記念写真を撮って、次のグループと交代である。
Photo O
船形山頂から北の眺望。 (2012/10/8 11:48)
朝食が遅かったので、ここではおやつタイムとして、私はキャラメル、イオはクッキーを食べる。
頂上には森林管理局の人が4人ほど待機していて、登山マナー向上のチラシを配っていた。その内の一人が、イオのダニ対策を聞きに来た。先日、犬を連れて山に入ったら、ダニがたくさん付いたというのである。
月1回の滴下薬に加えて、歩き出し直前に必ず噴霧式の防虫剤を使っていることを話した。メモを取りながら熱心に聞いていたが、残念ながら私は薬の名前を覚えていなくて、ペットショップにあるだろうということで納得してもらった。
頂上を出発して下山しようという段になったら、イオが抵抗する。頂上南斜面にある山小屋の方に行きたいということらしい。小屋の南側に行って少しぶらぶらしたら満足したらしい。
この小屋の南側の陽だまりで、イオと食事したことがある。北から強い風の吹く日だったので、歩きまわることなく一匹と一人はけっこう寄り添って親密な時間を過ごしたのである。その場所を確認したかったのかもしれない。
帰りは崖の端道ではなく尾根の中道を通る。升沢コース分岐まで来ると、イオはそちらに行きたいという。蛇ヶ岳方向の薮道をまた歩くというのは嫌だということらしい。
升沢コースの道をイオは二回ほど歩いている。イヌは一度歩いた道をよく覚えているのだ。そうは言うものの、イオの希望には添えない。イオは少しの間、私の目をじっと見つめて、そしてあきらめた。
しばらく薮道の「潜水歩行」をしていたら、夫婦連れの登山者が前方に見えてきた。頂上直下で少し長い立ち話の挨拶をした人たちである。
Photo P
ごちそうさま! (2012/10/8 13:12)
13:03、蛇ヶ岳頂上。13:09、蛇ヶ岳草原コース分岐。この分岐で先ほどのご夫婦が昼食休憩をしていた。また、しばらくイヌ談義である。「甘いもの、大丈夫ですか」とご主人が気にしながらケーキを差し出したが、イオは食べようとしない。私がその一部を小さくして差し出して食べさせると、その後はご主人の手から食べ始めた。
いつものことで、初めての食べ物はなかなか食べないし、大きいものも苦手だ。小さくした食べ物をちびちび食べるのである。飼い主がケチで大きなエサをやったことがない、というわけではけっしてない。
そんな話をして別れた。二人は、蛇ヶ岳草原コースを下って大滝キャンプ場まで戻るということだ。
13:25、三峰山・後白髪山分岐。14:11、後白髪山頂到着。ここで遅い昼食とする。私はおにぎり1個とキャラメル。イオはクッキー2枚。おにぎりがボロボロ崩れて食べにくい。今日は朝食を弁当、昼食をおにぎりとしたのだが、いつもおにぎりを固く握ってしまうので、少し加減しようと思ったのが徒になった。
Photo E
(左) 朝の仙台市街と輝く太平洋。 (2012/10/8 8:36)
Photo Q
(右) 午後の仙台市街。左端は泉ヶ岳。 (2012/10/8 14:40)
後白髪山頂から仙台市街が望める。午後の日を浴びてビル群が光っている。頂上に着いたとき、この景色の写真を撮ろうと思っていたのだが、すっかり忘れて出発してしまった。
14:32、後白髪コース・横川コース分岐。14:38、1334mサブピーク到着。ここで仙台市街の眺望を写す。朝は、仙台平野の前に広がる太平洋が朝日を反射して輝いていた。そのため、仙台市街は暗く見えてはっきりしなかったが、午後は私の背後からの太陽がビル群をはっきりと浮き上がらせている。
後白髪山から仙台市街が一望できるように、仙台市街から船形連山を眺めると、泉ヶ岳、三峰山も見えるが、あたかも後白髪山が主峰のように見えるのである。主峰の船形山は隠れてしまってほとんど見えないのである。
サブピークを出発してあとは一気に下るだけ、といいたいところだが、実際は膝の負担を軽減するためにだいぶ慎重に、つまりそろそろと歩くのだ。
15:19、登山口到着。休憩込みながら8時間半の山歩きである。今は平気だが、この影響は明日、それとも明後日に出てくるのか。
Map 船形山。 A
~ Q
は写真撮影ポイント。地図のベースは、「プロアトラスSV4」、
歩行軌跡は、「GARMIN GPSMAP60CSxによるGPSトラックデータによる。
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