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仙台市大沢市民センター主催の「地域の自然再発見! ~大沢を取り巻く山の風景~」市民講座の3回目で最終回は、「黒森山国有林」である。
前の二カ所の里山と同様に「
みやぎ里山整備クラブ
」という麓の仙台市泉区館地区の住民が中心となっている市民団体が、名前の通りに主として放置林の整備をボランティアで行っている。
今日の講師は、「みやぎ里山整備クラブ」の笠原昭彦さんと五戸良明さんのお二人。参加者は受講生が12人、主催の市民センターから4人、「みやぎ里山整備クラブ」から講師以外に2人、二回目の蒲沢山の「里山ねっと赤坂」から2人というメンバーである。
集合場所の保育所建設予定地で、三回とも上天気に恵まれたことを歓びながら挨拶、受付を終え、軽い準備体操をして10:41に出発である。
Photo A
館一丁目と館二丁目の間の道を行く。 (2012/10/26 10:52)
途中、「八百ふじ泉ビレジ店」というスーパーで出発前のトイレを済ませる。館一丁目と館二丁目の境の道を山に向かう。ハナミズキの並木が紅葉していて、中にはほとんど葉が落ちて真っ赤な実がたくさん見える木もあって美しい。
Photo B
山に入ってすぐの短い急坂。 (2012/10/26 10:57)
Photo C
珍しいソヨゴ(青冬)の葉。 (2012/10/26 10:59)
急坂を上り終えてすぐ、道を逸れて案内されて教えてもらったのがソヨゴ(青冬)の木であった。群生なのか株立ちなのか分からないが7,8本がまとまって生えている。初めて見る木である。常緑の木で、従来は福島県が北限とされていたらしい。そうであれば、この黒森山が新しい北限の地となるかも知れないという珍しい木なのだそうだ。
Photo D
, E
手入れした檜林(左)と放置されたままの檜林。 (2012/10/26 11:07)
次のハイライトは、「みやぎ里山整備クラブ」が力を注いでいる森の整備の場所である。黒森山国有林は「保存林」ではなく「生産林」である。そのため、地図でも明らかなように林道が整備されている。主として檜が植林されているが、ある頃からほとんど放置されたままである。それを整備して身近で親しめる里山として再生しようというのが「みやぎ里山整備クラブ」の趣旨だろうと推察した。
手入れは、下草(とくにスズタケの藪)刈り、下枝払いに加えて間伐も行っているとのことだった。ちょうど道を挟んで手入れをした林と放置されたままの林が眺められる場所があって、その比較は一目瞭然として林の善し悪しがわかるのである。まもなく間伐材の引き上げ、運搬の講習会まで開くということだ。
Photo F
快適な秋の陽ざしの中を。 (2012/10/26 11:19)
最初の狭い山道はすぐに林道跡となり、歩きは快適である。開けた場所にでると、秋の陽ざしが快い。
ふたたび道を逸れて案内されたところは、下生えを手入れした雑木林である。「みやぎ里山整備クラブ」の自慢の場所で、「魅了の地」だという。かつて里山と里人とが深く関わり合って生きていた頃、こうであっただろうと思わせる美しい雑木林である。
Photo G
手入れが生みだした美しい林間、「魅了の地」。 (2012/10/26 11:30)
この「魅了の地」の近くの林間には用具入れなどがしつらえてある広場があって、「みやぎ里山整備クラブ」の活動の拠点としているという。そこから、道のない林間を歩いて林道に戻る。林の中を自在に歩けるというのは本当に楽しいことだということが分かる。
今年は紅葉が遅いね、などと話ながら林道を15分ほど歩くと、右手がぱっと開けてゴルフ場である。林との境界にはイノシシ除けの電線が張られている「西仙台カントリークラブ」のゴルフ場だ。ゴルフという遊びを一切やらずに山歩きが好きな私にしてみれば、広い山林を潰すゴルフ場が恨めしいのである。
週日(金曜日)のせいか、プレーする人は一人も見えなかった。今も昔もやはり私には不似合いなぜいたくな遊びらしいのだ(帰り足で、遠くに一組見えた)。
Photo H
木漏れ日の中での昼食。 (2012/10/26 12:16)
ゴルフ場を過ぎて10分ほどで昼食休憩、林道や林道脇の林で三々五々昼食である。透明な秋の空気の木漏れ日が美しい。これがブナ林だと木漏れ日に輝く樹肌がはっとするほど白く輝くことがあるが、ここはクヌギ、コナラときどきミズナラの雑木林で、落ち着いた色合いで光っている。
遅い紅葉も、さまざまに。
昼食後、少しだけ前に進み、開けた場所で終点である。この場所は以前は伐採木の集積場所でここから材木を運び出していたということだ。
開けた場所なので昼食休憩の候補地だったが、このような開けた場所の林辺にはスズメバチが営巣することが多いので林の中を昼食場所に決めたという。そういえば、子どもの頃に眺めていたのだが、大人が採る地バチの巣は畑と林の境界辺が多かったことを思い出した。
帰り道では、少し斜面を下って二,三週間前だという熊の糞の場所を教えてもらった。その後、新しいものはないのでこの付近にはいないだろうとのことだった。そのままの糞をそれとして見るの初めてだが、8年ほど前に大東岳の中腹くらいまで遊びに行ったとき、連れの犬が体中に熊の糞をまとってきて閉口しことがあった。犬というものは山中の獣として同化しようとするのかときどきそんなことをやるのだ。大東岳の北東面を流れる穴戸沢に、水の大嫌いな犬を引きずり込んで徹底的に洗う破目になったのだった。
Photo I
(左) 刈り払いしたスズタケで落葉用箒を作って。 (2012/10/26 13:33)
Photo J
(右) 最後の歩き、まもなく出口。 (2012/10/26 13:50)
講師の笠原さんが、刈り取ったスズタケで箒を作って見せてくれた。濡れ落ち葉に最適だという。せっかく教えてもらったのだが、我が家にはその箒を使って掃くべき十分な庭がないのだった。
これで市民講座の里山歩きはおしまいだが、権現森以外の二つの里山、蒲沢山と黒森山は初めてで、遊べる山がまた増えた。この冬の散策の候補地である。森を出た所で。今度来るときの駐車場所を探していたら、講師の五戸さんに良い場所を教えてもらった。先日の蒲沢山の時は、やはり講師の松崎さんに駐車場所を教えてもらっていたので、ほぼ準備は完璧である。
楽しかった。
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