ボランティアキャリアコンサルティング

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キャリアコンサルタントひろくん

キャリアコンサルタントひろくん

2019.02.12
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相談者…女性:看護師:28歳  キャリアコンサルタント(cc) 私
​※内容は一部改変し、本人の了解を得ています。​

「じつは今度入った職場で長続きしそうにないのですが。」

cc「長続きしない。もう少し詳しくお話してもらえませんか。」

「はい。私は看護師キャリア7年目なのですが、先日新しい職場(整形外科病棟)に転職しました。自分で言うのもなんですが、従来から仕事も手際よくできますし、患者さんからの受けもいいんですね。でも、それが先輩方におもしろくないらしくて。。。なぜか意地悪されてしまうんです。」

自分のことだけを考えると、目立たないように最低限のことをすればいいのはわかっているのですが。でも、看護師としてできることは基本的には前向きにやったほうがいいと思うんです。いや、やりたいんです。でも。。。

 実は前の職場でも同じようなことが起きてしまって。。。問題が起きてから結局1年後には辞めてしまいました。今度も同じことになりそうで困っていますし、そもそも毎日がとても辛いのです。」

cc「仕事を前向きにがんばると、先輩に意地悪されて辛い。でも看護師として前向きにがんばりたいと思っているのですね。」
「そうなんです。」
cc「個人的な考えですが、あなたの仕事に対する姿勢は、とても素晴らしいと思います。私も安心して入院できますよ。」
「ありがとうございます(笑)。でも、意地悪がとても辛いのです。これ以上耐えられません。」

cc「具体的にどのような意地悪をされるんですか?」
「仕事を手際よくしていると、聞こえるように「すごい新入りさんねぇ」と冷笑されながら言われます。患者さんからほめられると、その直後にしばらく無視されたり。わざと聞こえるように私を冷やかしてくることもたまにあります。本当ならがんばったら認めてもらいたいですし、あまりに理不尽ですよね。。。」

cc「他にどんな意地悪をされていますか?」
「他には特にないのですが、毎日のようにされてしまうので、職場に行くのが辛くなっています。」
cc「毎日のように、ですか。思い出せるようならちょっと確認してもらいたいのですが、先週は何日ぐらい意地悪された日がありましたか?」
「ええっと。一週間に5日勤務して、かなり言われた日は2日?ですかね。」
cc「それはどうでしょう?平均よりは少ない感じですか?」
「そうですね。よくよく考えてみると。。。週に2~3日かもしれません。」

cc「一週間のうちにかなり悪口を言われた日が平均2、3日間なわけですね。それでどうでしょう?悪口を言われたり無視された日は、仕事はできなかったのでしょうか?」
「いえ。。。仕事は前向きにやっていますから。実際現場でもそう求められてますし。仕事の業務連絡とかは、一応やってくれますから。」

cc「ところであなたの状態を心配してくれる人はいるのですか?信頼できる先輩とか?」
「まだいません。でも、主任やベテランの人たちは、長く勤めて欲しいとは言ってくれます。わからないことは教えてくれますし。あまり仲良くはしてくれませんけれど。。。」
cc「職場で意地悪されているのは確かなわけですね。でも仕事はきちんとできているわけですね。それに師長や主任からは長く働いて欲しいとも期待されているのですね。」
「はい。でもやっぱり仕事を続けるのが辛くて。。。」

cc「するとどうでしょう?今回のご相談は、看護師として前向きに働きつつ、職場環境も居心地よく改善していける方法を一緒に考えていければよい、という内容でよろしいでしょうか。」
「ええ。それができたら本当に嬉しいです。でも本当にできるかどうか。。。」

cc「少し質問してもいいですか?あなたは意地悪されているのですが、他の人はどうなのでしょうか?同じく意地悪されているのですか?」


「いいえ、私だけです。もっとも新入看護師は私だけですけど。。。なんで優しくしてくれないのかな。」
cc「ちょっと質問ですが、あなたがもしも先輩の立場だとします。そうですね、看護師キャリア10年選手だとします。でも最近仕事や私生活がそんなに満足していなかったとします。 そしてあなたのような美人で、仕事ができて、患者にも人気がある方が新しく職場に来たとします。 だとしたら、あなたは正直どのような気持ちになるか、想像してもらえますか?」

「ええ。。。やってみます。 あぁ。。 嫌な感じです。腹が立ちますし、出来れば辞めて欲しいと思います。せめて自分の気持ちを逆なでしないように仕事して欲しいなぁ、と。」
cc「つまり、美人で優秀で人気のある新入り看護師に嫉妬していると?」

「はい。。。そうです。なるほど。。。 そういえば男性たちが結構ほめてくれますし、前も先輩方の前で連絡先をしつこく聞かれてしまって。。。」
cc「その上、仕事も意識が高くて実際手際よくできてしまうわけですね。 どうでしょうか?思わずあなたに嫉妬してしまう先輩方に対して、あなたはどう思いますか?」

「考えてみると確かに彼女たちの気持ちもわかります。 でも!できれば我慢して欲しいと思います。実際、先輩たちが休みたい日に、交代で出勤したり、手が空いていたら仕事をかわりにしたりもしていますし。」
cc「自分は相手と仲良くしたい。しかも協力もしている。だから相手も同じようにすべきだ!と思っているように私には感じられました。でもそれは? 実際の世の中の決まったルールなのでしょうか?」

「・・・相手には、自分と仲良くするかどうか選ぶ権利がありますね。」
cc「そうなんです。実はあなたが誰と好きになるのか自由であるのと同時に、相手にも同じ自由があるわけですね。」
「確かにそうですね。。。」
cc「それに個人的意見ですが、新しい職場でも前向きに患者や同僚のために役に立とうというあなたの姿勢はとても素晴らしいと思います。その姿勢を嫉妬して嫌がらせするような人たちと、あなたは仲良くしたいのですか?」

「いえ!本当はしたくないです。仕事だからそう思っただけで。仲良くなれば意地悪されないだろう、と思っただけです。」
cc「前向きに活躍する人には、どうしてもやっかんだり嫉妬する人がある程度現れるのかもしれませんね。確かに全ての人と仲良くできれば安心なのかもしれない。でも、その為に本当にあなたが取り組みたい看護の仕事がいい加減になってしまうかもしれませんね。それに相手は嫉妬もしてしまう、普通の人間なんです。手放しであなたを評価して歓迎するのは難しいかもしれません。」

「どうしようもないですね。。。」
cc「いえ、そんなことはありません。私はあなたに「感じ方」を変えて欲しいと思うのです。」
「感じ方ですか?」
cc「そうです。実は既に看護の仕事を前向きに行うということは出来ていますね。意地悪をされても、仕事上は協力したり、コミュニケーションはしてくれるとのことでしね。」
「はい」

cc「その上あなたは前向きに看護の仕事を行い、患者や同僚の役にも立とうと努力されている。その方向性は間違っていません。もう少し自分で自分を誇りに思ってもいいのではないでしょうか?」

「はい。私もそう思うように努力しています。ですが。。。実は私は学生時代にいじめられた経験があって。。。 みんながいじめてくるようになると思うと、怖くてしかたないのです。」
cc「そうですか。。。。。。。怖くてしかたないんですね。大変でしたね。。。」
「はい。。。(涙)」

cc「学生時代はみんなが自分の保身を考えていじめたり、無関心なふりをしたかもしれません。でも、今はどうでしょう?あなたも相手も大人ですね。個性もあるし、考え方もそれぞれです。ちがいますか?」

「はい。」

cc「整形外科病棟には何人の看護師がいるのですか?そして何人から意地悪をされているのでしょうか?」
「11名いて、4人から意地悪されています。」
cc「そして、看護師長や主任からは長く働いて欲しいと評価されているのですよね。」
「ええ。」

cc「長く働いて欲しいという希望は、あなたに対するどんな気持ちからなんでしょうか?」
「認めてくれている?・・・ 期待している?」
cc「そうですね。私もそう思います。それにあなたは仲良くしてくれないといってましたが、彼女たちはプロとして働くために一生懸命なのではないでしょうか? 仲良くすることよりももっと大切なことがあると考えているのでは?」

「看護の仕事をしっかりする。。。」
cc「そうですね。役割をしっかり果たそう、という気持ちも持っているのだと思いますよ。確かに仲良く働けるならばそれにこしたことはありませんね。でもあなたは看護師として働くから、給料をもらっている。そして実際あなたはよくがんばっている。だとしたら、自分で自分の日頃の仕事姿勢に自信をもってみませんか。職責をまず果たす。 そして今の立派な姿勢のあなたは、昔の無力だった学生時代のあなたとは違います。他人のいい加減な評価にふりまわされることなく、自分の良心を信じて看護に取り組むことも選べるのではないでしょうか?」

「そういえば私はいつも他人の目を気にしてきた気がします。看護の仕事が大切といいながら、自分がいじめられるかどうかばかり気にしていて。。。 でも私は本当に前向きに看護に取り組みたいんです。それは確かによいことだと私は思います。 私はもう少しがんばってみます。」

cc「それにそうした仕事や他人に誠実な姿勢というのは、評価してくれる人も現れるものです。例えば、実際にあなたに感謝している患者さんはかなり多いのではないですか? 男性だけでしたか?」
「いえ。。。(涙ぐみながら) 女性もたくさんいました。おばあちゃんたちもたくさん。。。」

cc「月並みな言葉ですが、ピンチはチャンスでもあります。今回の問題は、あなたが他人の目線を必要以上に怖がらなくなるように、自分らしさを確立するチャンスでもあります。自信をつけながら、よい仕事をする。自分が好きにもなるし、現実を受け入れる冷静さも身につけられます。」
「ええ。本当にそうですね。」

cc「問題を解決しながら、人間としても大きく成長できるチャンスなわけです。あなたはきっと乗り越えられますよ。実は今回、あなたの悲観的な思い込みを私が修正していったのですが、これは認知行動療法という方法を活用したのです。では、その方法について次回ご紹介するとしましょう。」

※以下略

<ポイント>
★「他人に好かれなければ自分の価値はない。」

★「職責をはたすよりも他人に好かれて仲良くならねばならない。」
幼少の頃に他人にいじめられたり、抑圧されて育てられた人間は「本当に必要なレベルよりもはるかに高く安定した人間関係を求めてしまう」悪癖 が出てしまうことが多いのです。​
しかし、 あなたはもう大人です。自分の信じる道を進み、自分が本当に素晴らしいと思える人と仲良くしてよいのです。職責を果たすためには、賢く考えて相手の不当な評価を真に受けないようにすればいいのです。また相手からの協力を引き出す等のソーシャルスキルを活用すればよいのです。

​認知行動療法をはじめとするスキルによって、本当の自分らしさを確立する。そして依存的で否定的な過去の自分を受け入れ、しかも乗り越える。それが自信を持ち、職場で安定して働き続けられる自分へと成長するストロングスタイルな方法の1つなのです。​ ウィンク

<補足>
今回は自力で改善できる方法(考え方を修正して感じ方を変える。事実に基づいて分析して、被害妄想やネガティブな先読みを修正する)に限定しています。 実際には信用できる他人に相談する・協力者を得るという方法も相当に有効です。今回の例で言えば、看護師長や主任と面談する機会を作る等、行動の余地はたくさんあります。 私のようなプロに相談することもひとつの方法です。
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Last updated  2019.02.12 20:45:21
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